姫と王と鬼さんとモブA(全員訳アリ)   作:一途一

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今回は館が襲撃されます。


遠い昔、ついやっちゃった妖怪の姫の話と館防衛戦

第二研究院  本部 富士山地下

 

 

「安倍さん。部隊の整列完了しました。」

 

「分かった。如月君。」

 

男は舞台に立ち、口を開く。

 

「諸君。今日は日本の運命を左右する日だ。

紀元前、日本列島にいた人間を恐怖のどん底に突き落とし、

猛威を震った妖怪の姫が再び現代へ相見えた。今こそ立ち上がり、再び封印するのだ。」

 

 

息を整え、大声で叫ぶ。

 

「厄災を取り払え!!この国を護るのだ!!」

 

 

「総員配置に着け。心して挑むのだ。」

 

それに応える様に、兵士は叫ぶ。

 

「「「「応!!」」」」

 

戦いは、刻一刻と近づいていた。

 

◇◆◇◆

 

「五能さん。少しお願いがあるのですが…」

 

「何だい?」

 

「少し私用ができてしまいまして…買い物に行って来て欲しいのですが…」

 

「何だ、そんな事かい。いいよ。ちょっくら行って来よう。」

 

「ありがとうございます。あ、これ車のキーです。」

 

「ああ、ありがとう」

 

五能さんがガレージに向かった。

これで、彼に被害が及ぶ事は無いだろう。

次に行う事は、この館の防衛だ。

 

「リブアル君。」

 

「はい。」

 

いつもはべったりくっついてくるリブアルだが、今は真面目だった。

 

「この館を防衛しなければならない。二人を呼んできてくれ、私は使う武器の準備をしてくる。」

 

「承知しました。」

 

何故かは分からないが、この館、そして私達三人が狙われている。

考えられる事とすれば再び私達を封印する事だろう。

だが、私以外の二人がどう思っているかは知らないが、私は今は封印されるわけには行かない。

私にはこの館を護る“任務”がある。

 

 

敵は正規軍並みの装備をした兵士達だ。

 

だからといって逃げれば誰かが捕まってしまうかもしれない。

 

戦え。レグエル。

 

そう心の中で叫び、拳を握り締めた。

 

◇◆◇◆

 

今回の買い出しはやけに量が多かった。

 

買うのに時間が2時間ほど掛かった。

 

荷物を後部座席に置き、運転席に座る。

 

エンジンを掛けようとすると、外で何か騒ぎが起こっていた。

 

外に出てみると、装甲車が僕の家の方向に向かっていた。中にも歩兵戦闘車も居る。

 

まさか、と思い、口に出してしまう。

 

 

「アージャーさんの言った“私用”は嘘だった?」

 

 

急いで車のエンジンを掛ける。

 

慣れる事の出来ない乗用車らしからぬエンジンの雄叫びが鳴り響く。

 

車を出し、急いで家へ向かう。

 

一体あの装甲車は何なんだ。

 

◇◆◇◆

 

 

今リビングには五能を除いた四人が集まっている。

 

紫姫、貫、レグエル、リブアルである。

 

レグエルが口を開く。

 

「今、こちらに装甲車が向かっています。中には歩兵戦闘車もいる様です。

五能さんは既に退避させました。」

 

「我々は、生命線であるこの館を護らなければいけません。」

 

 

「そして、一つ、伺っておきたい事があります。」

 

「居なければ良いのですが…」

 

 

 

 

「この中に、昔何かをしでかした人は居ますか?」

 

 

 

沈黙が場所を支配する。

 

 

 

それを破ったのは、紫姫だった。

 

 

「多分…儂じゃ。」

 

 

「そうですか…軍隊が来る程の何をしたのですか?」

 

 

「それは…」

 

その時、レグエルが何かが飛来して来る事に気づいた。そして叫ぶ。

 

「全員離れてください!」

 

言い終わったその時、それは爆発し、破片を周りに撒き散らした。

 

「大丈夫ですか!?」

 

リブアルが話しかける。

 

「ええ。大丈夫です。それより、思ったより着くのが早かった様ですね。」

 

「館の中に散って、個々で敵を対応しましょう。殺すのはやめてくださいね。」

 

そう言って、レグエルは床に落ちていたていたライフルを拾う。

 

「分かった。」

 

「分かったのじゃ。」

 

そして、戦いが始まった。

 

敵は玄関、裏口、窓から入って来る。

 

確実に防ぎ切らなければ。

 

◇◆◇◆

 

昔を思い出す。

 

儂は今から十億年程前、姫をしていた。

 

只の姫ではない。妖怪の姫じゃ。

 

その当時は、人間が途轍もない技術を持っておった。

 

だからそれに対抗する為に、自分達で国を作ったのじゃ。

 

大きさは人間の国の3倍ぐらいじゃったが、強さはそれ程でも無かった。

 

人間の技術力には敵わなかった。

 

じゃが、平和であった。

 

今と比べれば変わった者が多かったが、毎日楽しく過ごしておったのじゃ。

 

 

だがそれは、唐突に終わった。

 

一つの町が人間に襲撃されたのじゃ。

 

人間が使う武器は今とは違ってエネルギーの塊が射出される不思議な武器じゃった。

 

当然敵う事も無く、町は一つ一つ潰されて行った。

 

それで、じわじわ来るからちょーっとイライラしておったんじゃ。

 

それで本拠地に攻められた時に、『全て貫く力』で軽く殲滅してしまったんじゃ。

 

それはそれはとんでもない惨状じゃった。儂がしたんだけど。

 

それで儂は危険視されて、倒すのは不可能とされてそのまま封印されたのじゃ。

 

 

 

正当防衛だし、儂、悪くない。 うん。

 

 

◇◆◇◆

 

 

今私は玄関に向かっている。途中で既に何人かと出くわしたが、どうにか打ち負かした。

 

人の声がだんだん多くなって来る。

 

人間は銃火器を使うので私の能力は効かない。

 

私は半人半妖、人間の特性と吸血鬼の特性を受け継いだ者。

 

人間より再生力があり、吸血鬼より日光に強い。

 

やれば、出来る。

 

そう言って足を踏み出した時、目の前にフラッシュバンが落ちている事に気が付いた。

 

カランカラン…と音を立てて足元に転がって来る

 

 

終わっ

 

 

レグエル・アージャー、フラッシュバンで気絶。

 

 

◇◆◇◆

 

 

私は今戦っている。

 

自分の体に食い込む鉛玉。

 

そんな物は気にせず、敵を薙ぎ倒していく。

 

ここまで高揚するのは久しぶりだ。

 

今はこの館を護るという大義名分がある。

 

殺してはいけないと言われているが、瀕死なら大丈夫だろう。

 

 

「それ程か!人間!」

 

 

そう言った時、首筋に何かが刺された。

 

刺した奴を拳で死なない程度にぶん殴る。

 

少し眠くなって来た。

 

さっき刺された物に麻酔でも塗ってあったのか?

 

眠い。昨日眠ってなかったからさらに眠い。

 

どうせ私のこと殺せないし、寝ちゃおうかな。

 

 

貫、眠気に耐えられず戦闘中に就寝。

 

◇◆◇◆

 

今儂は逃げている。

 

後ろには封印するための札を持った敵達が追いかけて来る。

 

能力を使いたいが、殺すのは駄目だと言われているから、使えない。

 

鉛玉が偶に後ろから飛んでくる。

 

ぐるぐる回って逃げていたが、もう駄目な気がする。

 

「もう能力使っても…良いじゃろ?」

 

発動準備をする。

 

後ろにふり返り、立ち止まる。

 

「儂が逃げてばかりだと思ったら大間違いじゃ!」

 

能力を発動しようとしたその時、

 

 

車が壁を突き破って来た。

 

 

◇◆◇◆

 

アクセルを全力で踏む。

 

今は時速200km。リミッターを切れば400kmぐらい出せるが今はまだ出来ない。

 

もうすぐトンネルだ。そこを抜ければ一本道で館に着く事が出来る。

 

 

トンネルが封鎖されている。警察の車輌がトンネルを塞いでいる。

 

ここを越えなければ館に行けない。

 

しょうがない。

 

リミッターを切り、スピードを上げる。速度計の針が限界まで振れている。

 

そのまま走り、車輌を押し飛ばしてそのまま進む。

 

改造されているお陰でそこまで車体にダメージは無かった。

 

早く着かなければ。

 

 

 

トンネルを抜ると、館が見えた。館にはさっきの装甲車などが止まっている。

 

スピードを緩めず、そのまま突っ切る。そして、

 

 

 

 

館に突っ込んだ。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

車が館に突っ込んで来た。

 

五能殿は逃げたんじゃないのか?

 

五能殿が車から降りて来る。

 

「紫姫さん!大丈夫かい!?取り敢えず車に乗って!」

 

言われるがままに車に乗る。

 

運転席に乗った五能殿が話かけて来る。

 

「他の人達は?」

 

「今は戦っている筈じゃ。」

 

「どうしようか…一旦壁から出よう。」

 

そう言って壁から出ると、目の前には戦車らしき物が。

 

「歩兵戦闘車だ…まずいな。」

 

そういうと五能殿は機関銃のボタンを押す。

 

「行けるか?」

 

車のヘッドライトから四門の機関銃が出て来て、斉射を開始する。

 

暫く弾の発射音が鳴り響く。

 

それが止み、硝煙が晴れると、

 

傷がついていないように見える程無傷の歩兵戦闘車が。

 

「こりゃ、終わったな。」

 

その時だった。

 

上から何か飛来して来て、歩兵戦闘車を爆破した。

 

上を見てみると、いつぞやの攻撃ヘリが。

 

「助けに来たのかの?」

 

「多分そうだね。」

 

「そうか、それなら良かったのじゃ。」

 

 

「中々にスリリングだったよ。時速400kmで走って来たからね。」

 

 

「儂の方がスリリングだったわい。」

 

◇◆◇◆

 

その後、“騎士団”によって迅速に事態は収束した。

 

“騎士団”が強すぎた。

 

拘束した者に話を聞くと、紫姫さんを封印しないと日本が滅びる、と封じ山の石碑にあったらしい。

 

紫姫さんはそんな力は無く、『儂を封印した連中が封印を解かれないようにしたのじゃろう。』

 

と言っていた。

 

 

襲撃して来たのは『第二研究院』という組織で、昔陰陽師の集まりだった物が研究組織に進化したらしい。

 

それで、伝承に伝わる『紫姫』が復活した事で、動き始めたらしい。

 

こいつらは“騎士団”がキツくお仕置きして、装備は全て没収されるらしい。

 

こっちはというと…

 

「館…ボロボロですね。」

 

「しょうがないよ。ミサイル撃ち込まれたり車で突入したりしたんだから。」

 

「そうだそうだーまあ私は眠くて眠っちゃったんだけど。」

 

「キング!私遠い所にある公衆電話まで走って行ったんですよ!褒めてください!」

 

「わーすごいすごい。」

 

「本当どうしようかな〜行けるような場所は無いしねぇ。」

 

「それなら大丈夫ですよ!私達が直す人をを手配します!」

 

「おっ。それは頼もしいね。」

 

話をしていると、スマホに電話がかかっているのに気づいた。

 

スマホをポケットから出し、電話の着信画面を見る。田中からだ。

 

電話に出ると、

 

 

「おい!お前とんでもない事になってるぞ!」

 

「え?それどう言う事だよ。」

 

「いいから、今から送る動画見ろ!じゃあな!」

 

そう言って田中は電話を切った。そして送られた動画を見ると、

 

 

 

 

 

そこには、警察車輌を押し飛ばしてトンネルに突入するセドリックと運転席の僕の姿が。

 

下には、『五能廻間 重要指名手配犯 』の文字

 

 

 

 

 

 

 

「トンネルの前で煙幕でも焚けば良かった…」

 

 

 

 

 

五能廻間、25歳。指名手配犯になる(不本意)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

そろそろ幻想入りが近くなって来ました。

次回には館は直っている筈です。

少し忙しくなるので投稿できない日が続くも知れません。

気長にお待ち頂けると幸いです。
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