(仮)転生槍王が子供達の夢を叶えようと頑張った結果、ぶっ壊れて幼児退行するお話   作:相川翔太

1 / 6
一発ネタです。


転生槍王が子供達の夢を叶えようと頑張った結果、ぶっ壊れて幼児退行するお話

――どうしてこうなった・・・。

 

 

 

 

 

私は丘の上から広がる地獄(カムランの丘)を見ながらそんな感想を抱いた。

 

 

――こんなハズではなかった・・・。

 

 

私の計画通りなら私は息子(モードレッド)(モルガン)の討伐を命じ、その功績を持って彼を私の後継にして王とするハズだったのだ・・・。

 

そうすれば『()()()』はまだあったのだ・・・。

 

――なのに、なぜ()()()()()()なったのだ?

 

駄目だ、コレでは駄目だ・・・。

 

これでは夢を叶えられない・・・。あの子達に夢を叶えさせて上げられない・・・・・・。

 

「だ、大丈夫・・・。ま、まだイケる・・・。やり直せる・・・・・・。まだ、まだ・・・・・・」

 

私は震えながらそう口にする。すると・・・、

 

『いや、もう無理だ。()()()

 

私の目の前の『黒い』私が現れた。

 

驚く私に対して『黒い』私は諭すように語り出した。

 

『お前も、もう『理解』しているのだろう?もう、この国は()()()だ。人もモノも金も、なによりかによりお前には『時間』がない。だからお前はあの『愚息』を王にしようとしたのだろう?だが、それも今回の『叛逆』で不可能となったのだ。だから諦めろ。全て終わったのだ・・・』

 

――ビキリ、ビキリ・・・

 

『黒い』私の言葉になにかが軋む音がする・・・

 

「まだ、まだ、終わっていない・・・。終わっていないよ・・・・・・。私は私は、だって・・・・・・」

 

『あの子達に()()()()と言うのだろう?あの夜に()()()と言うのだろう?だが、『現実』を見ろ。この状況から立て直すことなど()()()だ。・・・お前に出来ることはもはや()()()しか無い。亡国の王として最後の『責務』を果たす、()()()()だ』

 

――ギチ、ギチ、ビキリ・・・

 

軋む、軋む、軋む。私の壊れてはいけない『モノ』が()()()()になる。

 

――お願い、お願い、止めて、やめて、それ以上()()()()()、それ以上いわないで、お願い・・・

 

しかし、私の懇願に虚しく、『黒い』私は無慈悲に告げた。

 

『諦めろ。お前は国を救えず、あの子達の夢は()()()()

 

 

――バキリッ!!

 

 

私の中で『ナニカ』が壊れた音がした。決して()()()()()()()()『ナニカ』が・・・・・・

 

 

――カラン・・・

 

 

気が付くと私は長年連れ添った『聖槍(ロンゴミニアド)』を落とし、ペタンッと座り込んでいた。

 

そして涙が溢れてくる。

 

――あれ、あれ?おかしいな?何で泣いてるの?

 

あの日、あの夜、あの子達の前でもう泣かないって()()()()()()()?泣かないって()()()()()()()

 

じゃあ、泣いちゃ駄目だよ・・・。頑張んなきゃ駄目だよ・・・・・・。

 

もう、もう『黒い』私の言うように全部駄目かもしれないけれど、夢を叶えてあげられなかったかもしれないけれど、だったら最後まで『王さま』として責任を果たさなきゃだめだよ・・・。モードレッドを倒さなきゃだめだよ・・・・・・。

 

例え、私を『王さま』と呼ぶ声に()()()()()()()()のだとしても、『王さま』と一度でも呼ばれたのならばッ!!

 

 

――あぁ、でも、でもね・・・

 

 

胸がね、すごく苦しいんだ・・・。身体中が痛いんだ・・・・・・。

 

今まではどんなに苦しくっても、痛くっても動いたし、動かせたんだけど、もうね、身体が動かないんだ・・・・・・。

 

 

――悔しくって、悲しくって涙が止まらない・・・。

 

 

あの子達の夢を叶えさせてあげられなかったばかりか、王さまとしての『義務』すら果たせない・・・

 

 

そんな事実に涙を流すことしか出来ない私の後ろから怒声が聞こえた。

 

 

「見つけたぞッ!アーサー王ッッ!!」

 

 

――そこには憤怒と憎悪に塗りつぶされた『叛逆の騎士(モードレッド)』がいた・・・。

 

 

「も、もーどれっど・・・」

 

 

私がなんとか振り向くとモードレッドは一瞬驚いたようだったがすぐに表情を戻し、私を煽るように言い放った。

 

「アーサー、ブリテンはこれで()()()()()!オレが()()()()()!!さぁ、最後の仕上げだ。立てッ!立って俺と戦えッッ!!!」

 

 

――あぁ、そうだ・・・。立たなきゃ・・・、戦わなきゃ・・・・・・。

 

 

けど、けれどね・・・。

 

 

「ごめんね、もーどれっど・・・。わたしはもう、むり、むりなんだ・・・。たたかえないんだ・・・・・・」

 

「!?、何を言っている、アーサー!?オレは国を滅ぼしたんだぞッ!憎くないのかッ!!」

 

「ちがうんだよ、そうじゃないんだよ・・・。わたしは・・・・・・」

 

「だったら・・・、戦いたくしてやるよッ!!」

 

一向に立とうともしない私に業を煮やしたのかモードレッドは私に駆け寄ってくるとそのまま私の顔を蹴り上げた。

 

 

――ガッ!!

 

 

身体が動かない私は回避も防御も出来ずそのまま倒れ、モードレッドは追撃とばかりに私の顔を踏みつけた。

 

 

――ガッ、ガッ、ガッ!!!

 

 

「どうした、アーサーッ!誉れ高き『騎士王』が顔を踏みつけられているんだぞッ!!屈辱だろうッ!!!さぁ、立てッ!!立って戦えッ!!!」

 

 

――ごめんね、ごめんね、もーどれっど・・・・・・。

 

 

もう無理なんだ、出来ないんだ・・・。

 

気持ちの問題とか、()()()()()()()()()()とかじゃなくて、物理的にもう無理なんだ・・・・・・。

 

 

すると顔を何度も踏みつけられても立つどころか抵抗すらしない私に対してモードレッドは強硬手段に出たようだった。

 

 

――『燦然と輝く王剣(クラレント)』を倒れた私の右腕に突きつけたのである。

 

 

「・・・アーサー、お前が戦わないならオレはこのままあんたの腕を切り落とす。オレは本気だぞ?さぁ、立てッ!立って戦えッ!!」

 

 

そう言われても私には最早どうすることも出来なくて・・・

 

 

――ザクンッ!!

 

 

「な、なにやってんだよ、テメェはぁあぁああ!!!!」

 

 

宣言通り私の腕を切り落としたモードレッドはそう叫んだ。

 

 

ごめんね、ごめんね?もーどれっど・・・。

 

 

するとモードレッドは無表情になり言葉を吐き出した。

 

 

「・・・なるほど、あんたの考えはよ~く分かったよ・・・・・・。オレはあんたにとって『息子』でも戦うに値する『敵』ですらなく、そうやって無抵抗でいるってことがあんたなりの俺に対する復讐ってワケか・・・。すげーよ、あんた・・・。感動した。・・・『こんなの』に憧れていたオレが馬鹿だったよ・・・・・・」

 

 

そう言うとモードレッドは倒れている私を引き起こすと燦然と輝く王剣を振り上げた。

 

「・・・最期に言い残すことはあるかよ、クソ野郎・・・・・・」

 

「・・・もーどれっど・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ガッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――「汝三大の言霊を纏う七天――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふむ、どうしても戦ってはくれぬのかね?』

 

 

――はい、ごめんなさい・・・。わたしはもうたたかえないんです・・・・・・。

 

 

『しかし、貴殿は私の召喚に応えた。それは貴殿も聖杯を欲しているからに他ならないからではないのかね?』

 

 

――それは、わからないんです・・・。ただ、いちどしっぱいしたわたしがもういちどというのは・・・・・・。だから、ごめんなさい・・・・・・」

 

 

『・・・そうかね、それなら()()()()()・・・・・・』

 

 

――はい、ごめんなさい・・・・・・。

 

 

『・・・あぁ、そうだ。実は貴殿が眠っている間に記憶を見せて貰った。・・・・・・ずいぶん子供達の夢を()()()()()()()ようだね?』

 

 

――はい、あのこたちがわたしのはじまりだったんです・・・・・・、

 

 

『そうか、いや、良かった。実は私はこう見えて降霊科の一級の講師でね?まぁ、マーリンという最高の魔術師を知っている貴殿からすれば大したものではないのだろうが、それでも貴殿の『始まり』の子供達を降霊させて会話をすることも出来るのだが・・・。どうするね?』

 

 

――え・・・、いいんですか?

 

 

『あぁ、構わないとも・・・』

 

 

『王さま』『おうさま』『アーサー王』

 

 

――あぁ・・・、みんな・・・・・・

 

 

『嘘つきッ!』

 

 

――え・・・

 

 

『嘘つきッ!』『裏切ったッ!ボク達を裏切ったッ!!』『無能ッ!!』

 

 

――ち、ちがうよ、ちがうんだよ・・・、みんな・・・。わ、わたしはせいいっぱい・・・・・・

 

 

『だったら戦ってよッ!』『()()()()()のために戦ってよッ!!』『聖杯を手に入れてよッ!!』

 

 

――あ、あぁ・・・。ご、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・。たたかうから、がんばるから・・・。いっぱい、いっぱいがんばるから・・・・・・。

 

 

――だから・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ゆるしておくれよぉ・・・、せめないでおくれよぉ・・・・・・




続かないw
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。