カードファイト!! ヴァンガード LunaLight   作:バビロン@VG

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最終話 主よ、人の望みの喜びよ

 

目の前には、暗い色が広がっていた。

 

月が浮かぶ空。静まり返った夜。

冷たい風が吹き抜けて、私の身体を通り過ぎる。

 

私の心を映したような、黒い闇の色の中に──

 

「うっ、うぅ……!!」

 

私は、自らの腕を伸ばしていた。

ばしゃばしゃという水音。波打つ感触。

 

水滴が、私の顔から落ちる。

 

「きっと、ここにあるはず、なのに……!」

 

息を切らしながら、私は呟いた。

必死になって、私は暗い水の中を探し回る。

 

ぽたぽたと、水滴が再び顔から落ちた。

 

「お願い……あたし、あたし……!」

 

祈るような声が零れる。

どこまでも続く水面に、言葉が溶けて消えた。

 

雲が動き、月明かりに照らされて──

 

「……あっ!!」

 

思わず、大きな声が出た。

手に触れた感触。慌てて、それを掴み上げる。

 

暗く濁った水の中から、私は1枚を拾い上げた。

 

「はぁ、はぁ……!!」

 

荒い息。身体中を疲労感が襲う。

手に握った1枚のカードを、かざすように持つ。

 

月の光が、カードの姿を照らした。

 

 

天弓の騎士 ベイス

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル 

パワー6000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたが後攻なら、1枚引く。

― 天空の民は自らが選ばれし者であると心得ている。

 

 

月の描かれたスリーブの入ったカード。

ぽたぽたと、端から水滴が落ちていく。

 

「……ミコトお姉ちゃん」

 

カードを見ながら、呟く。

辺りを見回すが、他にカードの姿はない。

 

抱きしめるように、カードを身に寄せて──

 

「うああぁぁ……!!」

 

ボロボロと、私の目から涙が落ちていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの誰かが言っていた。

 

夜明け前の空が、一番暗い。

だけどいつか必ず、明るい夜明けは来る。

 

私の夜明け前は、いつから続くのだろう。

 

目の前に浮かぶ光景。遠い昔の記憶。

黒い髪の少女の前、若い男の店員が息を吐く。

 

「悪いけど」

 

少しも悪くなさそうな表情。

感情のない冷たい目が、私に向けられる。

 

「君は、大会には出られないよ」

 

「……えっ?」

 

戸惑い、身じろぎする私。

目を見開くと、店員の事を見つめ返す。

 

「ど、どうしてですか!?」

 

デッキケースを持ちながら、訊ねる私。

店員が再び息を吐いた。

 

「君のやったこと、聞いたよ」

 

冷え切った声。

軽蔑したような目が、私に向けられる。

 

「君、暴力事件を起こしたんだってね」

 

「……!!」

 

思わぬ言葉に、私は息を詰まらせた。

過去の光景が割り込むように、脳裏に浮かぶ。

 

『……ヒカル』

 

倒れている少女。周囲の人だかり。

私はその光景を愕然としながら眺めている。

 

少女のうつろな目が、私を向けられていた。

 

「……うぅっ」

 

顔を伏せ、声を漏らす。

涙がこぼれそうになった。

 

店員の言葉が続く。

 

「そういう問題行動を起こすような子は、他のお客様の迷惑になるから。だから、君にはもうここに来てほしくない」

 

水底からのように、鈍く響く声。

ぐらぐらと、私の視界が揺らいでいく。

 

私の事を見据えて──

 

「君は今後、出入り禁止だ」

 

店員の言葉が、はっきりとその場に響いた。

胸をえぐるような、鈍い色の声。

 

私の心に、刃のように突き刺さる。

 

「わかり、ました……」

 

一瞬、言葉を詰まらせる私。

かろうじて、私はそう言葉を紡いだ。

 

背を向けると、出口に向かって歩き出す。

 

「おい、見ろよ……」

 

「あいつだぜ。噂の……」

 

ひそひそとした囁き声。

周りからの視線が、私へと向けられる。

 

恐怖、怒り、蔑み、哀れみ……。

 

「…………」

 

何も言わず、歩き続けている私。

カランカランという鈴の音と共に、扉が開く。

 

店の前の道、人々が行き交い、通り過ぎていく。

 

顔を伏せた私。

ただ一人、その場に無言で佇む。

 

「…………」

 

先程のやり取りが、ぐるぐると頭の中を流れる。

持っていたデッキケースを、握りしめた。

 

「……ミコトお姉ちゃん」

 

ぼそりと、小さく呟く私。

その声は雑踏の中に紛れて、消えていった。

 

再び、私はとぼとぼと歩き出す。

 

人の波に飲み込まれる私。

あてもなく、彷徨うように歩く。

 

夜明け前は続く。

 

「君はダメだ。うちには来てほしくない」

 

「あなた、自分が何をしたのか分かってるの?」

 

「もう来ないでくれ。関わりたくない」

 

いくつもの店。いくつもの顔。

そして向けられる、いくつもの言葉。

 

それらを黙って、聞き続ける。

 

「…………」

 

沈みかけた夕暮れの空。

公園のベンチに、私は一人座っていた。

 

周りを遊ぶ子供達の、楽しそうな声が響く。

 

「…………」

 

仲良く遊んでいる子供達の姿。

それらは明るく、眩しく、煌めいて見えた。

 

ほんの少し前の光景が、私の頭に浮かぶ。

 

『頼りにしてるよ、カワイイ後輩!』

 

黒く長い髪の少女。

ピアノを弾く美しい姿。響き渡る音色。

 

にっこりと、明るい笑顔が向けられる。

 

『ほら、行くよ! ヒカル!』

 

茶色の髪の少女。

カードを手に悩む姿。真剣な表情。

 

優しく、その手が差し伸べられる。

 

「……ツキちゃん、ミコトお姉ちゃん」

 

ぼそりと、私は呟いた。

それは永遠に戻らない、失われた光景。

 

もう二度と訪れない、幸せな時間。

 

「…………」

 

視線を伏せている私。

過去の様々な思い出が、脳裏を駆け巡っていく。

 

やがて、顔をあげて──

 

「……あたしは」

 

決意に満ちた声が、私の口から放たれた。

頭の中に浮かぶ、ある一つの考え。

 

ピンク色のデッキケースを、握りしめた。

 

風が吹いて、桜の花びらが散る。

桃色の欠片が目の前を通り過ぎていった。

 

記憶が流れ、景色が変わる。

 

「…………」

 

目の前に止まった電車に、私は乗り込んだ。

一人きりの旅。背負ったリュックサック。

 

席に座ると、窓の外の景色を眺める。

 

「…………」

 

その目に映る、流れていく景色。

ガタゴトと、電車の中が揺れる。

 

扉が開いて、私は再び立ち上がった。

 

「…………」

 

遠く離れた駅に降り立つ。

携帯で地図を確認すると、歩き出す。

 

人混みの中を、私は一人で歩いていった。

 

「はい、じゃあ番号で呼ぶからね」

 

受付をすませると、

店員が和やかな声で私にそう告げた。

 

活気のある空間。がやがやとした喧騒。

 

端の席に座って、緊張しながらその時を待つ。

決められた時刻になって──

 

「では時間になったので、受付は締め切りです。このまま、ショップ大会をはじめます」

 

店員の声が、その場に響いた。

がやがやと集まる人々。数字が呼ばれていく。

 

「それじゃあ、7番さんと15番さん」

 

「は、はい!」

 

答える私。ぎこちない動きでテーブルに着く。

対面に座ったのは、年上の男の人。

 

「よろしく」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

頭を下げて、私はカードを取り出した。

カードを並べて、準備を進めていく。

 

「では、準備できた所から開始して下さい」

 

店員の呼びかけに応じて、

あちこちで掛け声が上がった。

 

「じゃあ、やりましょうか」

 

対面の男の人が落ち着いた様子で言う。

私もまた、こくこくと頷いた。

 

指を伸ばして──

 

「スタンドアップ・ヴァンガード!!」

 

声と共に、カードを表にした。

 

 

せいんがる

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ハイビースト 

パワー6000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたが後攻なら、1枚引く。

― あたし達の力、見せてあげましょ!

 

 

目の前で表になる、桃色の毛並みの犬の姿。

カードを片手に、私は深呼吸する。

 

「あ、あたしのターン!」

 

宣言と共に、カードを引いた。

そのまま流れるように、ファイトが進んでいく。

 

やがて、私の場にカードが並んで──

 

「の、ノーガード……」

 

震える声で、私はそう宣言した。

カードをめくって、表にする。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

ヒカル ダメージ5→6

 

 

6枚目のダメージ。決着がつく。

 

「ありがとうございました」

 

男の人が軽く頭を下げて、カードを片付けた。

私もまた、小さく呟く。

 

「……ありがとうございました」

 

顔を伏せている私。潤んで泣きそうな目。

カードを片付けると、一人、次の対戦を待つ。

 

時間が流れていく。

 

「……ノーガードです」

 

置かれる1枚。

ダメージゾーンに6枚のカードが並ぶ。

 

 

ペインキラー・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このユニットを退却させる]ことで、1枚引く。

― 心配不要です。チクリとすればおしまいですから。

 

 

ヒカル ダメージ5→6

 

 

「対戦ありがとな」

 

投げかけられる声。

私は黙って、顔を伏せている。

 

さらに、時間が流れる。

 

「……ノー、ガード」

 

手元で表になる1枚。

私はそれをダメージに置く。

 

 

精製の魔法 フフプリ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、【ソウルチャージ】(1)してよい。

― 効果は抜群。飲むのに少しばかりの勇気があるが。

 

 

ヒカル ダメージ5→6

 

 

「よし、なんとか一勝できた!」

 

私の対面、少年が笑顔を見せた。

友達らしき別の少年が近づく。

 

「なんだお前、ようやく勝ったのか」

 

「うっせーな。勝ちは勝ちなんだよ」

 

楽しそうに笑い合っている2人。

私は沈んだ表情のまま、カードを片付ける。

 

「……ありがとうございました」

 

ぼそりと、小さな声で口にする。

少年達はお喋りに夢中でその言葉に気づかない。

 

席から立って、背を向けて歩き出す。

 

後ろの方から──

 

「いやぁ、相手が初心者で助かったよ!」

 

そう、少年が言うのが聞こえた。

一瞬だけ立ち止まる私。だがすぐに歩き出す。

 

喧騒が遠く、後ろへ流れていき──

 

「うっ、うぅぅっ……!!」

 

ぽたぽたと、私の目から涙が落ちた。

公園のベンチ。一人きりの空間。

 

陽は沈み、空には月が浮かんでいる。

 

「あたし、あたし……!!」

 

悔しさと悲しさ。不甲斐なさ。

それらが入り混じり、心を渦巻いた。

 

溢れる涙を、手でぬぐう。

 

「ミコトお姉ちゃん、ツキちゃん……!!」

 

一人きりの公園に、むなしく響く言葉。

深い孤独感に苛まれて、視界が暗くなる。

 

それでも、時は流れていった。

 

風が吹いて、周りの木々がざわめく。

月の光に照らされている私。一人きりの姿。

 

「……あたし、は」

 

ぽつりと、私は呟いた。

改めて、あの時浮かんだ考えを思い起こす。

 

もし、私が強くなれたら──

 

顔をあげる私。

ぎゅっと、持っていたデッキケースを握る。

 

夜明け前は続く。

 

「アタック!!」

 

次の週、別の店の大会。

私は必死になって、カードを動かしていた。

 

思い出の中の、2人の姿を思い返しながら。

 

全力を出して、戦いに挑む。

一瞬たりとも油断しないで、頭を働かせた。

 

それでも──

 

「……ノーガードです」

 

 

陣風の騎士 キュネブルガ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(R)】:あなたのターン中、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのパワー+5000。

― 相手にとって不足なし!私の風を全部ぶつける!

 

 

ヒカル ダメージ5→6

 

 

想いは、届かない。

ダメージゾーンに並ぶカード達。

 

負けて──

 

「ノーガード……!」

 

 

インペリアル・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(2)]することで、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

【永】【(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 赤い翼の天使は、戦場の全てを鼓舞する。

 

 

ヒカル ダメージ5→6

 

 

負けて──

 

「ノー、ガード……ッ!!」

 

 

アイジスメア・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― この痛み……私が全て引き受けましょう。

 

 

ヒカル ダメージ5→6

 

 

ただひたすらに、負け続けた。

 

自分なりに必死に考えて。

誰の助けも得られず、それでも諦めないで。

 

たった一人、前を向いて戦い続ける。

 

「…………」

 

真夜中の時間。一人きりの、自分の部屋。

ノートにびっしりと書き込まれた文字。

 

「…………」

 

黙々と、私はカードを入れ替えている。

孤独な時間。寒々しい静寂。

 

記憶の中の2人を想いながら──

 

「もし、あたしが勝てたら……」

 

自分に言い聞かせるように話す。

決意に満ちた目で、カード達を見つめた。

 

孤独に戦い続ける私。

 

祈るように、カードを引く。

ただただ必死に、山札をめくった。

 

「……ノーガード!」

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

ヒカル ダメージ5→6

 

 

負け続ける私。

ぐっと涙をこらえる。拳を強く握った。

 

負けて、負けて、負けて、負けて──

 

「……ヴァンガードにアタック!!」

 

それでも、私はヴァンガードを続けていた。

これだけが私に残された2人との繋がりだから。

 

あの日立てた誓いを胸に抱いて、戦い続ける。

 

「……ミコトお姉ちゃん」

 

一人きりの部屋。

デッキのカードを見ながら、呟いた。

 

時が流れて、周りの景色が変わっていく。

 

中学校の制服を着ている私。

小さかった身長は成長期を迎えた影響で、

瞬く間に大きく伸びていった。

 

「ヒカルン、遊ぼうよ~」

 

褐色肌のクラスメイトが、手を振ってくる。

新しい環境に、新しい人との出会い。

 

様々な変化が私の生活には訪れていた。

 

どこか戸惑いつつ、日々を過ごしている私。

それでも、変わらない事もあった。

 

「ガード!!」

 

週末、都内に出かけての大会参加。

それだけは、変わらずに続けていた。

 

負けて、負けて、勝って、負けて、勝って。

 

少しずつ、私は勝てるようになっていた。

負けても冷静に分析をし、デッキを組み直す。

諦めず、最後まで抗う。ただ戦い続ける。

 

負けて、勝って、負けて、勝って、勝って……。

 

そして、ついに──

 

「スキルでカードをコールして、アタック!!」

 

カードを動かして、私はそう宣言した。

対戦相手の少女が「くっ」と声をあげる。

 

がっくりと、少女がその肩を落とした。

 

「……ノーガードです」

 

デッキに手を伸ばす少女。

表にしたカードを見て、目を伏せる。

 

6枚目のカードが、相手の場に置かれた。

 

 

シュルドフィッシャー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - ティアードラゴン 

パワー18000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)/(R)】:このターンにあなたが手札以外からリアガードをコールしていないなら、このユニットはアタックできない。

― 多くの戦果を望むなら、力を正しく理解しろ。

 

 

少女 ダメージ5→6

 

 

「かっ、た……?」

 

呆然としながら、私は呟いた。

これで3連勝。全ての試合での勝利。

 

それが意味するのは、一つだった。

 

「本日のショップ大会、優勝は三峯さんです」

 

店員の声と共に、小さな拍手が起こった。

私の心が高揚する。じわりと、涙がにじんだ。

 

あの日の誓いを、ようやく果たすことができた。

 

心の中で、淡く期待する私。

ひょっとしたらという気持ちが沸き上がる。

 

私の背後から、誰かの足音が近づいた。

 

「おめでとう!」

 

明るい声が、私の後ろから響いた。

心臓が跳ね上がる。記憶の中と似た声。

 

勢いよく、私は振り向いた。

 

「ミコトおね……!!」

 

言いかける私。

声のした方へと、視線を向ける。

 

そこにいたのは──

 

「準優勝なんて、すごいじゃん!」

 

全く見知らぬ、他の少女の姿だった。

笑顔で話している、見知らぬ少女。

 

最後の試合で勝負した少女が、渋い表情になる。

 

「そうだけど。あーんもう、悔しいー!」

 

「はいはい、いつもみたいに反省会やろ」

 

仲良く話している2人。

私の横を通り過ぎ、席から離れていく。

 

「…………」

 

無言で、周りを見回す。

楽しそうに、それぞれの友人と話している人達。

 

私の傍には、誰もいない。

 

「……分かってた。分かってたよ」

 

顔を伏せて、私は小さく呟いた。

ぎゅっと、拳を握る。

 

「そんなこと、ありえないって。とっくに分かってたよ……」

 

諦めたような声。視線を伏せる。

 

あの日、2人が私の前からいなくなって。

 

それから大会に出るようになって。

負けても負けても、ヴァンガードを続けて。

 

それでも諦めなかった、本当の理由。

 

あの日、頭の中に浮かんだ一つの考え。

それは突拍子もない、ただの願望に近い思い。

 

もし、私が強くなれたら──

 

「ねぇ、ミコトお姉ちゃん……」

 

一人きりの公園。

ベンチに座りながら、私は夜空を眺める。

 

「あたしね、ちょっとだけ期待してたんだ……」

 

一人呟いている私。

天に向かって、手を伸ばす。

 

「もしいつか、あたしがミコトお姉ちゃんやツキちゃんみたいに強くなれたら……。ヴァンガードを続けてたら……」

 

言葉が途切れる。

視界がゆがみ、ぼやけた。

 

涙が落ちて──

 

「そしたら、また、ミコトお姉ちゃんに、会えるんじゃないかって……!!」

 

振り絞るように、私の口から言葉が漏れた。

それは何の根拠もない、ただの願い。

 

叶うはずのない、幻想の誓い。

 

「分かってた、分かってたよ……!!」

 

私の口から言葉が溢れる。

 

「だってあたし、ミコトお姉ちゃんに酷い事したから……!! もう、会う資格なんてないって、分かり切ってるから……!!」

 

あの日の光景が頭の中に蘇る。

倒れている茶髪の少女。苦痛に満ちた顔。

 

私に向けられた、うつろな目。

 

「ねぇ、ミコトお姉ちゃん……!! あたし、優勝できたよ……!! まだ2人ほどじゃないけど、強くなれたよ……!!」

 

泣き続けている私。

顔を伏せて、うずくまる。

 

「だからお願い……!! もう一度、あたしと……!!」

 

途切れる言葉。

そのまま大きく声をあげて、私は泣き始める。

 

月の光が、私の姿を静かに照らしていた。

 

時間が容赦なく過ぎていく。

桜が散り、緑は映え、紅葉が舞い、雪が降る。

 

中学での生活はあっという間に終わりを告げた。

 

そして──

 

「完全ガード!!」

 

私はまだ、戦い続けていた。

何の意味もないと、分かり切っていても。

 

それでも、やめられなかった。

 

「イマジンセイバーでアタック!!」

 

指を使って、カードを動かす。

対戦相手の少年が「くっ」と言い、顔を伏せた。

 

「ノーガード……」

 

悔しそうな声。無表情の私。

ダメージが置かれて、決着がつく。

 

 

電磁怪獣 エレヒレシーデ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - エイリアン 

パワー15000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)/(R)】:あなたのオーダーゾーンにカードないなら、このユニットはアタックできない。

― 発電施設のみを付け狙う超大型怪獣。

 

 

少年 ダメージ5→6

 

 

「……ありがと」

 

勝利の余韻もなく、そっけなく挨拶する。

カードを片付け、席に座ると次の対戦を待った。

 

無意味な勝利が積み重なる。

 

「優勝は、三峯さんです」

 

もはや聞き飽きた言葉。

既に、私はそれに何も感じなくなっていた。

 

もはや、勝つ事さえも虚しかった。

 

「…………」

 

たった一人、私は公園に佇んでいる。

遠くで聞こえる子供達の遊ぶ声。

 

誰もいない空間に、目を向ける。

 

「……ミコトお姉ちゃん」

 

ぽつりと、呟く私。

夕暮れの空に、その言葉が溶けて消えた。

 

桜の花びらが散って──

 

街の中を、私は一人で歩いていた。

つかつかと、足早に道の真ん中を進む姿。

 

すれ違う人々が、怖がるような目を私に向ける。

 

「…………」

 

人々からの視線を無視している私。

ただ黙って、前へと進み歩き続けていく。

 

そして──

 

信号の前で、立ち止まる私。

ふと、店のガラスに映った自分の姿に気付いた。

 

金色に染めた長い髪。耳に付けたピアス。

 

青い色のカラーコンタクトを付けた目に、

着崩された制服。冷たい雰囲気。

 

柄の悪い不良少女の姿が、そこには映っている。

 

「…………」

 

じっと、自分の姿を見つめる。

やがて小馬鹿にしたように、フッと笑った。

 

「バカだな、あたし……」

 

ガラスに映る自分に向かって、私は口を開く。

いつかの記憶の一部が蘇った。

 

星空の下、2人の少女の姿が思い浮かぶ。

 

『もし本当にグレちゃったら──』

 

記憶の中、笑顔を浮かべている茶髪の少女。

きらきらとした輝きに包まれた、思い出の言葉。

 

顔を伏せて──

 

「そんなの、覚えてる訳ないじゃん……」

 

吐き捨てるように、私はそう呟いた。

ぎゅっと、力を込めて拳を握る。

 

目元を拭うと、息を吐いた。

 

「…………」

 

再び、私は歩き出した。

たった一人で。誰の助けもなく。

 

──もう、全部忘れることにしよう。

 

そう、胸の中で決意しながら。

憧れも、喜びも、後悔も。何もかも。

 

過去の全てを、忘れてしまおう。

 

ただそうやって、前だけを見て生きていく。

そうすれば少なくとも、もう傷つかずにはすむ。

 

叶わぬ夢に、苦しめられることもないのだから。

 

「あー、ヒカルンだー!」

 

ある日の放課後のことだった。店の中、

褐色の肌の女子高生が唐突に話しかけてきた。

 

「……あぁ、誰かと思ったら」

 

顔を見て、思い出す私。

中学一年生の時の、クラスメイトの子。

 

はしゃいだように、女子高生が詰め寄る。

 

「えー、ヒカルンったら何か雰囲気変わったー? てか、ファイターだったんだー。ショップとかでも見ないし、全然知らなかったよー」

 

無邪気な声。物おじしない態度。

僅かに、私は視線を下へと向ける。

 

「あたし、あの辺りの店は出禁くらってるから」

 

「えっ!? 出禁!? なんでぇ!?」

 

大げさに驚く女子高生。

かいつまんで、事情を話した。

 

「えー!! ヒカルン悪くないじゃん!!」

 

「別に、いいよ。あながち間違いでもないし」

 

諦めたように話す私。

女子高生が納得できなさそうな目を向ける。

 

「……あっ、そうだ!!」

 

思いついたように、女子高生が手を叩いた。

 

「ならさ、うちのいるチームに来なよ! リーダーなら、事情話せば歓迎してくれると思うよ!」

 

「……チーム?」

 

過去の記憶が蘇る。

大切な2人と一緒に組んだ、思い出のチーム。

 

もう二度と、揃う事のない名前。

 

「……気持ちはありがたいけど」

 

私にとって、チームはただ一つだけ。

申し出はありがたいけど、断ろうとする。

 

だが──

 

「ね、ね! いいでしょ! 見学だけでもいいからさ! それにさ、うちらのチームって彩多摩だとかなり強い方なんだよ!」

 

私の言葉を聞いていなかったのか、

女子高生が強引に私の手を取ってそう言った。

 

「……だから、あたしは」

 

「お願い! それにうちも、またヒカルンと遊びたいし!」

 

「…………」

 

明るく言い切る女子高生。

しばし考えた後、私はため息をついた。

 

「……じゃあ、見学だけ」

 

「えっ、本当!? やったー!!」

 

両手をあげて喜ぶ女子高生。

私は呆れたように、その姿を見ている。

 

場面が変わって──

 

「ようこそ、LMFへ」

 

赤い髪の青年が、私に向かってそう言った。

興味深そうに、私を見つめている青年。

 

おもむろに、口を開く。

 

「ふむ。なるほど。そうだな……」

 

考え込むような口調。

口元に手をあてている青年。

 

やがて、ニッという笑みを浮かべて──

 

「……キョウカだな」

 

そう、青年が呟いた。

私は首をかしげる。

 

「……は?」

 

「キョウカだよ。なんせ金髪で女子高生のギャルときたら、それしかないだろう!」

 

力強い言葉。周りの柄の悪い連中が頷く。

私は困惑したように、彼らを眺めた。

 

その後の出来事については、記憶を消した。

 

「言っておくけど、使わないから」

 

冷たく答える私の姿が、消えた記憶の断片だ。

とはいえ、私にとって他に行ける場所もない。

 

なんだかんだ、私はLMFに出入りしていた。

 

「…………」

 

ぼんやりと、彼らの活動を眺めている私。

時にファイトの相手をして、時間を潰す。

 

ほんの少し、私の孤独は癒されていた。

 

「いつか、また会えるといいね~」

 

褐色肌の女子高生が微笑む。

そっぽを向きながら、頬杖をついている私。

 

「……まぁね」

 

小さく、そう答えた。

色あせてしまった願いが、再び輝きはじめる。

 

いつか、また──

 

淡い気持ちを抱いている私。

僅かに、私は前向きになれそうだった。

 

あの日、あの言葉を聞く時までは。

 

「一度は見てみたいもんだよな、伝説のルーンシャトー様を」

 

柄の悪い青年が発した言葉。

ぴくりと、私はそれに反応した。

 

忘れかけていた思い出が、蘇る。

 

「……ルーンシャトー」

 

ぼそりと、呟く私。

話し込んでいる青年達の方へ近づく。

 

「今の話し……詳しく、教えてくれない?」

 

冷たい声で訊ねる私。

視線を向けながら、胸の前で腕を組む。

 

前にも、ルーンシャトーを名乗る輩はいた。

 

昔の栄光を利用したいとか、なりすましとか。

そんな下らない理由の、しょうもない奴ら。

どうせ今回も同じだろうと、そう思っていた。

 

だが──

 

「黒の長い髪の、高校生くらいの女で──」

 

「使用デッキはストイケイア──」

 

「メタモルフォシスって変なスキルが──」

 

情報を聞けば聞くほど、

私は酷く混乱して、困惑していた。

 

──ツキちゃん?

 

永遠に忘れられない、輝く少女の姿。

黒の長い髪。ストイケイアの珍しいデッキ。

 

「……そんなはず、ない」

 

ぼそりと、呟く。

ツキちゃんは死んでいる。

復活するなんてことは、ありえない。

 

あるいは、考えられるとしたら──

 

1つの仮説が、私の頭の中に浮かんだ。

それは到底、信じられないような可能性。

 

「…………」

 

考え込んでいる私。

その後も黙々と、情報を聞き集めていく。

 

全てのピースが繋がり、そして──

 

「どういうつもり……!?」

 

ギリッと、私は歯を食いしばった。

途方もない怒り。握った拳が震える。

 

どうして、どうして、どうして、どうして!!

 

頭の中、連呼される言葉。

激情が心を渦巻いて、烈火の如く燃え上がった。

 

勢いよく、拳を壁に叩きつける。

 

凄まじい衝撃音が廃工場の中に響き渡った。

辺りが静まり返り、視線が集まる。

 

「ひ、ヒカルン……?」

 

褐色肌の女子高生が、心配そうな声を出す。

私は何も言わず、鞄を持って廃工場を出た。

 

たった一人、歩き続ける。

 

消え去った思い出に背を向けて。

今までと同じように。ただ前だけを向く。

 

そして──

 

青い空。朝の通学路。

目の前を通り過ぎようとする茶髪の少女に──

 

「おい」

 

荒々しく、私は言葉を投げかけた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白い空間の中に、私はいた。

 

どこまでも続く白い記憶の海。

私の目の前に浮かぶ、3人の少女の姿。

 

楽しそうに、3人は笑い合っている。

 

「…………」

 

離れた場所から、私はその光景を眺めていた。

穏やかな場面。優しく幸せな世界。

 

「……あたしは」

 

無意識のうちに、私は手を伸ばす。

少女達の姿が揺らめき、淡く消えていった。

 

誰かが呼ぶ声がする。

 

遠い所から響くような音。瞼を開ける。

ぼんやりとした視界が広がって──

 

「ヒカルンってば!!」

 

騒々しい声が、頭の上に響いた。

私を覗き込む顔。褐色の肌をした女子高生。

 

額に手を当てながら、口を開く。

 

「……なによ」

 

自分でも分かるくらい、不機嫌な声。

工場の隅に置かれたソファーで寝ていた私。

 

半身を起こすと、鋭い目を向ける。

 

「あたし、見ての通り疲れたから休んでたんだけど。邪魔しないでよ」

 

威圧的な口調で話す。

だが女子高生は、全く気にする様子を見せない。

 

「えー、つれないー。ヒカルン、もっと楽しくお喋りしようよー」

 

不満そうな表情の女子高生。

私は首を振った。

 

「しないし、楽しくない」

 

冷たく断言する。

女子高生がガーンとショックを受けた。

 

「うぅっ、ハーゼちゃん……」

 

しくしくと悲しげな様子の女子高生。

私は呆れながら、息を吐く。

 

さっきまで見ていた夢が、思い起こされた。

 

「……もう、忘れたと思ってたのに」

 

ぼそりと、呟く私。

思いつめたような私の表情に気付いたのか、

女子高生が心配そうな目を向けてきた。

 

「ヒカルン、大丈夫? 元気ないなら、ハーゼちゃんの話しとかしようか?」

 

「……それはいい」

 

目を逸らす。

下手な事を言うと、本気で語られかねない。

 

ため息をついて、首を振る。

 

「で、なんか用?」

 

「あっ、そうだった。あのね、向こうでリーダーが呼んでるよ」

 

工場の奥の方を指差す女子高生。

ぎろりと、私は睨むような視線を向ける。

 

「……言っておくけど、またいつものキョウカを使えって話しなら、お断りだから」

 

言い切る私。

いつぞや見せつけてきたカードを思い出す。

 

 

#Make_A_Trend!! キョウカ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - デーモン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたはグレード1~3の中から1つ選び、宣言し、あなたの山札を上から5枚見て、宣言されたグレードのユニットカードか雑誌カードを1枚まで選び、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

【永】【(V)】:あなたのターン中、このターンにあなたが雑誌オーダーをプレイしているなら、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

― こっからは、うちのトレンド!作ってこーじゃん!

 

 

「えー! でもヒカルン、一度使ってくれたじゃん! リーダーが土下座して頼み込んだときに!」

 

大げさな声で言う女子高生。

私は視線をそらした。

 

「忘れたわ」

 

蘇りそうな記憶を封印する。

あれは私の人生の中で、2番目に大きな失敗だ。

 

女子高生が不満そうに頬を膨らませた。

 

「もー、意固地ー。あ、でも、今日の用事はなんか違うみたいだよ。とりあえず行ってみたら?」

 

「……ふん」

 

ソファーから降りて、立ち上がる。

面倒だったが、一方的に無下にもできない。

 

つかつかと、足音を立てて工場内を歩いていく。

 

「リーダーとケンカしちゃダメだよー!」

 

後ろから響く声を、私は無視した。

活気に満ちている廃工場の中を進んでいく。

 

工場の奥、ズタボロの椅子に座りながら──

 

「よぉ」

 

赤い髪の青年──ユウガが手をあげた。

気取ったような笑み。くつろいだ姿。

 

立ち止まり、彼を見据える。

 

「なんか用?」

 

「相変わらず怖いな、嬢ちゃん」

 

目を細める。

無意識のうちに、腕を組んだ。

 

「その呼び方、やめて」

 

「悪いな。他の呼び方が思いつかないんだよ」

 

はぐらかすような口調。

手をひらひらとさせているユウガ。

 

ますます、イライラが募っていく。

 

「用がないなら、帰るよ」

 

ユウガを睨みつけている私。

冷たい殺気が漏れ出る。

 

ユウガが観念したように、肩をすくめた。

 

「まぁ、待てって。昨日のことだ。久しぶりにうちに殴り込みがあった」

 

「あぁ、聞いたよ」

 

そっけなく答える私。

別に、LMFの活動に興味はなかった。

 

ユウガが微笑む。

 

「で、俺もファイトしたんだが、負けた」

 

「へぇ。珍しいじゃん」

 

「おうよ。で、何が言いたいか分かるか?」

 

訊ねてくるユウガ。

少しだけ考えると、首をかしげる。

 

「さぁね、敵討ちでもしてほしいの?」

 

「いいや、違う」

 

手を振るユウガ。

訝しげな私に向かって、笑みを見せる。

 

「久しぶりの敗北で、俺は落ち込んでいる」

 

「それで?」

 

「という訳で、俺を励ましてくれ。つまり、またキョウカを使ってくれないか?」

 

「…………」

 

背を向けて、私は歩き出す。

今までで一番酷い、時間の浪費だった。

 

一刻も早く、忘れることにしよう。

 

「待てって、冗談だ!」

 

笑いながら、ユウガが立ち上がった。

私は立ち止まらず、片手をあげる。

 

「あたし、今日は帰るから。ここにいたら、落ち着いて休むこともできな──」

 

「俺に勝ったのは、ルーンシャトーだ」

 

私の言葉を遮るように、ユウガが言った。

ぴたりと、歩みを止める。

 

ゆっくりと、私は振り返った。

 

「……はっ?」

 

「昨日殴りこんできた奴だよ。チーム・ルーンシャトーのやつだ。で、俺は負けた」

 

あっさりとした口調で話しているユウガ。

奴を睨みつける。

 

「あんた、何言ってんの?」

 

「LMFの掟だよ。ファイトの結果は絶対だ。で、そいつからこれを預かった」

 

どこからか、手紙を取り出すユウガ。

淡い白の色の便箋。私に向かって差し出す。

 

じっと、私は便箋を見つめた。

 

「お前さんがどうするかは自由だ。俺は嬢ちゃんに渡す所までしか約束してないからな。読まずに棄てるのも、一つの選択肢だ」

 

「…………」

 

考え込んでいる私。

頭の中、様々な思いが交錯する。

 

そして──

 

「……ふん」

 

差し出された手紙を、私は受け取った。

中身を取り出す。1枚のメッセージカード。

 

書かれている文字は、たったの1行だった。

 

『公園で』

 

メッセージカードを裏返す。

右下に書かれた『氷川美琴』の文字。

 

「どうだ? 良い内容だったか?」

 

問いかけてくるユウガ。

私はしばしメッセージカードを見つめた後──

 

びりびりと、それを破り捨てた。

 

「……ふざけやがって」

 

吐き捨てるように言う私。

手の中の紙くずと便箋を、その場に捨てる。

 

「ハッ。少しは元気が出たみたいだな」

 

にやにやと笑っているユウガ。

ぎろりと、私は彼を睨め付ける。

 

「黙ってな」

 

低い声で言う私。

だが今は、この馬鹿に構っている暇はなかった。

 

背を向けて、再び出口に向かって歩き出す。

 

「嬢ちゃん! 年上からのアドバイスだ!」

 

後ろからユウガの声がした。

工場内に、大きな声が響き渡る。

 

「自分に素直になることが、人生を楽しく生きるコツだぞ! 自分の心の声に従いな!」

 

「…………」

 

その言葉に、私は何も答えない。

足早に歩いて、廃工場から外へと出る。

 

満点の星空が、目の前に広がった。

 

「…………」

 

時間を確かめる。夜の時間。

先程のメッセージの内容を、考える。

 

そして──

 

「……いいさ」

 

小さく呟き、拳を握った。

空に浮かぶ丸い月を、私は見上げる。

 

金色の月。白い光が降り注いで──

 

「…………」

 

街に向かって、私は歩き出した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月が、一人の少女を天から見下ろしていた。

 

夜の公園。街灯の光が辺りを照らす

昼間とは真逆の、音のない、静まり返った空間。

 

ベンチに座りながら──

 

「…………」

 

氷川ミコトは、静かに目を閉じていた。

落ち着いた様子で、一人座っているミコト。

 

ただひたすらに、何かを待ち続ける。

 

「…………」

 

いつまでそうしていたのか。

やがて、一つの足音がミコトに近づいてくる。

 

目を開ける。

 

ミコトの前、金色の髪が視界の中に広がった。

目の前に立つ、不機嫌そうな表情の少女。

 

「……ヒカル」

 

口を開くミコト。

ゆっくりと、ベンチから立ち上がる。

 

2人が、真っ直ぐに向き合った。

 

「…………」

 

互いに何も言わず、見つめ合う2人。

ただ月だけが、その様子を眺めている。

 

しばしの沈黙の後──

 

「……あんた、いつから待ってた訳?」

 

ヒカルが、おもむろにそう訊ねた。

ミコトが視線をやや下の方へと向ける。

 

「さっき来たばかりよ」

 

「下らない嘘やめて」

 

どこか呆れたように言うヒカル。

鋭い目を向け、ミコトを睨みつける。

 

ミコトが息を吐いた。

 

「なら、正直に答えるわ」

 

落ち着いた口調のミコト。

ゆっくりと、天に浮かぶ月を見上げる。

 

その目をわずかに細めながら──

 

「3年前から」

 

そう、ミコトが答えた。

一瞬だけ、ヒカルが目を見開く。

 

「…………」

 

再び、2人の間に沈黙が流れた。

風が吹いて、長い髪がそれぞれ揺れる。

 

青い瞳を揺らして──

 

「なに? 恨み言でも言いにきたわけ?」

 

ヒカルが、静かに訊ねた。

見下したような笑みが、その口元に浮かぶ。

 

「この前会った時は、あんた完全にどうかしてたもんね。少し冷静になったら、あたしへの恨みでも出てきた?」

 

「…………」

 

「まぁ、今でもどうかしてると思うけど。わざわざLMFまで来たんだって? 本当、今のあんたって何考えてるか分かんないわ」

 

両手を広げているヒカル。

ミコトは黙って、その姿を見つめている。

 

「3年ぶりに現れて、訳わかんない事ばっかりして。ひょっとして、あたしへの当てつけ? ハハハッ、あんたも結構いい性格してるじゃん!」

 

乾いた笑い声をあげるヒカル。

張りつめた空気。重苦しい緊張感。

 

ヒカルが冷たい目を向けた。

 

「言いたいことがあるならさ、言ってみなよ! なんせ、あたしはあんたに怪我させた張本人なんだから! 恨み言の1つや2つあるでしょ!」

 

挑発するような声が響く。

じっと、ヒカルがミコトを見つめた。

 

「…………」

 

沈黙しているミコト。

だがやがて、短く息を吐いた。

 

「なら、言わせてもらうわ」

 

はっきりとした声で喋るミコト。

ヒカルが視線を向ける。

 

わずかにその目を伏せて──

 

「……もう、私の事、ミコトお姉ちゃんって呼んでくれないの?」

 

悲しげな声色で、ミコトがそう訊ねた。

驚くヒカル。その目を大きく見開く。

 

月の光が、2人の姿を照らした。

 

「……あんた、何言ってんの?」

 

低い声で言うヒカル。

その顔から、笑顔が消える。

 

「……私、ずっと会いたかったの」

 

顔を伏せがちに、ミコトが話す。

 

「今まで、色々な事があった。3年前のことも、この前のことも。本当はたくさん、話したいことがある」

 

「…………」

 

「だけど、今の私にそれを話す資格があるかどうか分からない。だから、その事については、今日話す気はない」

 

「……何が言いたいの?」

 

どこか戸惑いの色を帯びた声。

警戒するような目を、ヒカルは向けている。

 

ミコトが首を振った。

 

「言いたいことはそれだけ。今日呼んだのは、話すためじゃない」

 

持っていた鞄に、手を入れるミコト。

中から白いデッキケースを取り出して──

 

「あなたと、ファイトしにきたの」

 

顔の前で、デッキケースを構えた。

真っ直ぐにヒカルを見つめているミコト。

 

沈黙が流れる。

 

「……なにそれ」

 

呆れたような声を出すヒカル。

とんとんと、自分の頭を指で叩く。

 

「あんた、やっぱどうかしてるんじゃないの。なんで、そんなことしないといけないのさ?」

 

小馬鹿にした口調のヒカル。

ミコトが視線をそらした。

 

「……覚えてないかもしれないけど」

 

自信なさげな声。

ヒカルが怪訝そうに眉をひそめる。

 

ミコトが口を開いた。

 

「私の部屋の前で、約束したでしょ? また今度、一緒にヴァンガードやるって……」

 

「!!」

 

衝撃を受けるヒカル。

驚いた顔で、僅かに後ろに身じろぎした。

 

2人が再び、黙り込んだ。

 

静かな沈黙。夜空に浮かぶ月。

それぞれの顔を、見つめ合っている2人。

 

「……あんたって、本当に」

 

小さな声で、ヒカルが呟いた。

鞄からピンク色のデッキケースを取り出す。

 

「……いいさ」

 

低い声で答えるヒカル。冷たい殺気が溢れ出る。

鋭い目を向けて──

 

「だったら、相手してやるよ」

 

ヒカルが、ミコトを睨みつけた。

張りつめる空気。重苦しくなる空間。

 

「その代わり、約束して。あたしが勝ったら、もう二度とあたしに関わらないって」

 

吐き捨てるような言葉。

ミコトが頷いた。

 

「……分かったわ」

 

決意に満ちた顔のミコト。

2人がその場から移動して──

 

ファイトテーブルを挟んで、向かい合った。

 

「…………」

 

互いに無言でいる2人。

淡々と、目の前にカードを並べていく。

メインデッキに、ライドデッキ。そして──

 

白い兎のスリーブに入ったカードの束を置く。

 

「…………」

 

まるで鏡映しのような光景。デッキ以外、

全く同じスリーブを使っている2人。

 

月のスリーブに入ったカードが、向かい合う。

 

「…………」

 

準備を終える2人。

互いに何も言わず、見つめ合う。

 

わずかな沈黙が流れ、そして──

 

「はじめるわよ」

 

すっと、ヒカルが手を伸ばした。

指をカードの上に置くヒカル。

 

「……そうね」

 

ミコトもまた、手を伸ばした。

同じように、指をカードの上に乗せる。

 

2人の間を風が通り過ぎて行った。

 

暗い夜の公園。

互いの視線が空中で交じり合う。

 

夜空の月が、2人の姿を照らして──

 

「スタンドアップ・ヴァンガード!!」

 

運命のカードが、表になった。

 

「《せいんがる》!!」

 

「……《サンセット・エッグ》」

 

 

せいんがる

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ハイビースト 

パワー6000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたが後攻なら、1枚引く。

― あたし達の力、見せてあげましょ!

 

 

サンセット・エッグ

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー6000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたが後攻なら、1枚引く。

― 人知れず眠る、夢幻の遺伝子を秘めた卵。

 

 

向かい合う2枚。

過去と現在が交差する場所。

 

2人の少女の視線がぶつかる。

 

「あたしのターン!」

 

ヒカルがカードを引いた。

迷いなく、手札の1枚を捨てる。

 

「《白の賢者 グラッセ》にライド!」

 

月のスリーブに入ったカード。

眼鏡をかけた少年賢者の姿が現れる。

 

ヒカルが手を伸ばした。

 

「スキルで1枚ドロー! さらに、あたしは誓いのクレストを1つ得る!」

 

 

白の賢者 グラッセ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが「せいんがる」からライドして登場した時、1枚引き、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

― そこは誰も知らない、古の時代の聖域。

 

 

兎のスリーブに入ったカードの束。

ヒカルがその中の1枚を手に取った。

 

「あたしは《黄の誓い》を獲得する!!」

 

カードを場に置くヒカル。

黄色の紋章が描かれたカードが、場に置かれる。

 

 

黄の誓い

クレスト/誓い

永:あなたは黄の力を得る。

(黄とはイメージの色である)

 

 

「…………」

 

じっと盤面を見つめているミコト。

フッと、ヒカルが冷たい笑みを浮かべた。

 

「言っておくけど、この前とは違うから。あんたのこと、全力で叩き潰してやるよ!」

 

見下したような目。

悠然と、その手札を構える。

 

「あたしはこれで、ターンエンドだ!」

 

真っ直ぐにミコトを睨んでいるヒカル。

その青い瞳が、かすかに揺れた。

 

ミコトが短く、息を吐いた。

 

「私のターン」

 

淡々とした口調のミコト。

手札を見ると、すぐに1枚を捨てる。

 

「《緑の魔少女 "ダスク"》にライド」

 

月のスリーブに入ったカード。

描かれているのは、緑の髪の幼い少女の姿。

 

 

緑の魔少女 "ダスク"

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが「サンセット・エッグ」からライドして登場した時、あなたの山札から「ルナコクン」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

― 才華に溢れる少女を、人々は"夜"の名前で表現した。

 

 

「スキルで1枚ドロー。さらに山札から、ルナコクンを手札に」

 

カードを引き、デッキを広げるミコト。

その中の1枚を選び、手に取った。

 

金色の繭の妖精のカードを、見せつける。

 

 

ルナコクン

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。

― あたしの姿、あなたにはどう見える?

 

 

「ふん」

 

不愉快そうな目を向けているヒカル。

ミコトがそのまま、カードを場へと出す。

 

「ルナコクンをコール」

 

ヴァンガードの裏。

金色の繭のカードが静かに置かれた。

 

指を伸ばして──

 

「ルナコクンのブースト、ダスクでヴァンガードにアタック」

 

ミコトが、カードを動かした。

横になる2枚。ブーストを付けたアタック。

 

ヒカルが目を細めた。

 

「ノーガード」

 

冷たい声での宣言。

ミコトが腕を伸ばした。

 

「ドライブチェック」

 

カードをめくるミコト。

その手の中で、カードが表になる。

 

「ノートリガー」

 

緑色の竜のカードを持ちながら、

ミコトが静かにそう告げた。

 

 

プラナプリベント・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - ネイチャードラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 護って見せるよ。やっと芽生えた命なんだから。

 

 

カードを手札に加えるミコト。

ヒカルがカードを掴んだ。

 

「ダメージチェック、ノートリガーだ!」

 

デッキの上をめくるヒカル。

ダメージゾーンにカードが置かれた。

 

 

精製の魔法 フフプリ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、【ソウルチャージ】(1)してよい。

― 効果は抜群。飲むのに少しばかりの勇気があるが。

 

 

ヒカル ダメージ0→1

 

 

「ターンエンドよ」

 

落ち着いた口調のミコト。

集中した様子で、盤面へと視線を向ける。

 

ヒカルが手を伸ばした。

 

「あたしのターン!」

 

勢いよく言うヒカル。

カードを引くと、1枚を捨てる。

 

「《静寂の騎士 アロンダル》にライド!」

 

ヒカルの場に、目隠しをした騎士が現れた。

 

 

静寂の騎士 アロンダル

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、このカードを(R)にコールする。

【永】【(V)/(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 己が信念のもとに、誓いを立てよ。

 

 

「アロンダルはあたしが誓いを得ているなら、あたしのターン中パワー+5000!!」

 

高らかに宣言するヒカル。

自分の場のクレストをちらりと見る。

 

 

黄の誓い

クレスト/誓い

永:あなたは黄の力を得る。

(黄とはイメージの色である)

 

 

ヒカルが指をカードの上にのせた。

 

「アロンダルで、ヴァンガードにアタック!」

 

荒々しくカードを動かすヒカル。

顔をあげると、ミコトの方へと視線を向ける。

 

 

静寂の騎士 アロンダル パワー15000

 

 

「リアガードを展開しないのね」

 

訊ねるように話すミコト。

ヒカルが鼻で笑った。

 

「ツキちゃんの戦術くらい、覚えてるよ! 下手に横を並べても、そこを叩かれるだけさ!」

 

小馬鹿にしたように言うヒカル。

手札を見た後、ミコトが目を伏せた。

 

「ノーガード」

 

淡々とした声で答えるミコト。

ヒカルがカードをめくる。

 

「チェック・ザ・ドライブ、ノートリガーだ!」

 

表になった1枚を、ヒカルが見せつけた。

 

 

蒼炎の魔術師 ブリギッド

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札から(R)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札からグレード1を1枚まで探し、ユニットのいない(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(R)】このユニットがヴァンガードにアタックした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

― 信念があれば、炎が消えることはないのよ。

 

 

不敵な態度を崩さないヒカル。

ミコトの動きを待つ。

 

「ダメージチェック」

 

デッキに手を伸ばすミコト。

カードを見て、かすかにその瞳が揺れた。

 

手を伸ばして──

 

「ノートリガー」

 

ミコトが、カードを自分のダメージに置いた。

そこに描かれていたのは──

 

桃色の髪と花に包まれた、清純なる乙女の姿。

 

 

パフォーミングペタル ディアンサ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札から(R)に登場した時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのドロップからグレード3以下を1枚選び、(R)にコールする。

【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたの後列のグレード1以下のリアガードが2枚以上なら、このユニットのパワー+5000。

― 透き渡る様な純粋な愛をステップに乗せて。

 

 

ミコト ダメージ0→1

 

 

「……ディアンサだって?」

 

驚いたように、呟くヒカル。

ミコトは何も言わず、黙り込んでいる。

 

僅かな間の後──

 

「……ターンエンド」

 

ヒカルが、低い声でそう告げた。

睨むような目。冷たい空気。

 

風が吹いて、ざわざわと周りの木々が揺れた。

 

「私のターン」

 

静かな口調で、カードを引くミコト。

手札を眺めると、迷いなく1枚を選ぶ。

 

カードを見せつけて──

 

「手札のマーガレットを捨てて、《秘めたる才気 "ミッドナイト"》にライド」

 

「!!」

 

ミコトの言葉に、ヒカルが目を見開いた。

置かれる1枚。成長した緑の髪の少女の姿。

 

 

秘めたる才気 "ミッドナイト"

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが「緑の魔少女 "ダスク"」からライドして登場した時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。

― 比類なき才能。彼女には直系の血が流れている。

 

 

重く張りつめていく空気。

ミコトが手を伸ばす。

 

「スキル発動。ソウルブラストして、シャドウゾーンのイーピゲネイアを表に」

 

カードを抜き取るミコト。

白い兎のスリーブの中から、1枚を表にする。

 

さらに──

 

「マーガレットのスキル。ソウルブラストしてデッキに戻る事で、1枚ドローするわ」

 

先程捨てられた1枚を、ミコトが手に取った。

 

 

恋縛の乙女 マーガレット

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このカードを山札の下に置く]ことで、1枚引く。

【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、相手はインターセプトできない。相手の前列のリアガードすべては、次のスタンドフェイズに【スタンド】できない。

― ふふーん!ほんとーに私を逆らえると思ったのぉ?

 

 

さらにソウルのカードを抜き取るミコト。

カードを山札に戻すと、1枚を引く。

 

鋭い視線を向けながら──

 

「あんた、ツキちゃんのデッキの中身、入れ替えた訳?」

 

ヒカルの言葉が、空気を震わせた。

静かな怒りがにじみ出た声。握られた拳。

 

ミコトが視線を落とした。

 

「……あなたと、ファイトするって決めたから」

 

ぽつぽつとした口調で、ミコトが話す。

 

「私、今までずっと過去に囚われて生きてきた。白い夢の中に逃げて、ただ後ろを向いて、2人に謝り続けて」

 

「…………」

 

「だけど、前に進むって決めて。ヒカルともまた、向き合うって決めて。あの時の約束を守りたいって、そう思ったの。だから──」

 

顔をあげるミコト。

真っ直ぐに、ヒカルの事を見つめる。

 

茶色の瞳を向けて──

 

「だからあたし、今日は"自分の"デッキで戦うって、そう決めたの」

 

ミコトが、静かにそう締めくくった。

決意に満ちた声。ヒカルは沈黙している。

 

ミコトが手を伸ばした。

 

「ルナコクンのブースト、ミッドナイトでヴァンガードにアタック」

 

カードを動かすミコト。

手札を片手に、相手の宣言を待つ。

 

「……ノーガード」

 

低い声で答えるヒカル。

ミコトがデッキに手を伸ばした。

 

「ドライブチェック、ドロートリガー。1枚ドローするわ」

 

桃色の乙女が描かれた1枚が、

ミコトの手の中で表になった。

 

 

晴朗の乙女 レェナ

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000

― こんなに良いお天気なのですよ?お散歩しましょ~♪

 

 

「ダメージチェック!」

 

イライラしたように言うヒカル。

カードを表にすると、荒々しく場に置く。

 

 

アイジスメア・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― この痛み……私が全て引き受けましょう。

 

 

ヒカル ダメージ1→2

 

 

「ターンエンドよ」

 

カードを手札に加えながら言うミコト。

落ち着いた態度。真剣な眼差し。

 

ヒカルが深く、息を吐いた。

 

「あたしのターンッ!!」

 

手を伸ばすヒカル。

カードを引くと、叩きつけるように捨てる。

 

月のスリーブに入ったカードを構えて──

 

「あんた本当に……ウザいのよッ!!」

 

大きく、ヒカルが叫んだ。

怒りに燃えているヒカル。金色の髪が揺れる。

 

腕を動かして──

 

「《イマジンセイバー・ドラゴン》にライドッ!!」

 

煌めく1枚が、盤面に置かれて姿を見せた。

突風が吹き荒れて、2人の間に逆巻く。

 

神秘的な輝きを放つ白き竜が、戦場に降臨した。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

「…………」

 

ぎゅっと、手札を強く握るミコト。

緊張したように、ヒカルの場を見つめる。

 

ばっと、ヒカルが手を前に出した。

 

「アロンダルのスキル!! カウンターブラストすることで、リアガードサークルにコール!!」

 

 

静寂の騎士 アロンダル

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、このカードを(R)にコールする。

【永】【(V)/(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 己が信念のもとに、誓いを立てよ。

 

 

カードを裏返すヒカル。

目隠しをした騎士が、竜の横に並び立つ。

 

ヒカルが鋭い目を向けた。

 

「イマジンセイバーのスキル!! 登場時、誓いの色に応じた力を得る!!」

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

大きく言い放つヒカル。

白い兎のスリーブのカードを掴む。

 

「誓いの色は黄色!! あたしが得るのは──」

 

カードを表にするヒカル。

黄色の紋章が描かれたカードを掲げて──

 

「イマジナリーギフト アクセルⅡ!!」

 

ヒカルの声が、2人の間に響き渡った。

 

 

イマジナリーギフト アクセル

獲得時、このマーカーを新たな前列(R)として置き、1枚引く。あなたのターン中、そこにいるユニットのパワー+5000!(最初は左前列(R)の左に増え、次は右前列(R)の右に増える。以降、左右交互に増える)

 

 

カードを盤面へと置くヒカル。

新たなリアガードサークルが展開される。

 

ヒカルがカードを引いた。

 

「ブリギッドをコール!! さらにスキルで、デッキからティルフィングをアクセルサークルにコール!!」

 

畳みかけるようにカードを出すヒカル。

青い炎を操る魔術師のカードが場に置かれる。

 

 

蒼炎の魔術師 ブリギッド

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札から(R)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札からグレード1を1枚まで探し、ユニットのいない(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(R)】このユニットがヴァンガードにアタックした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

― 信念があれば、炎が消えることはないのよ。

 

 

ダメージのカードが裏返る。

アクセルサークルに、白銀の騎士が降り立った。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【山札】:このカードのグレード-2。

【永】【(R)/(G)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、このユニットのパワー+10000し、このユニットは『インターセプト』を得て、シールド+5000。

― 竜すら屠る、至高の剣技。

 

 

ヒカルの場に並ぶ、4体のユニット。

 

「覚悟しな!!」

 

怒りに満ちた声を出すヒカル。

荒々しく、腕をカードへと伸ばした。

 

「ブリギットで、ヴァンガードにアタック!!」

 

カードを動かすヒカル。

青い炎がうねるように動いて、少女に迫った。

 

 

蒼炎の魔術師 ブリギッド パワー10000

 

 

「ガード」

 

桃色の乙女のカードが、2人の間に置かれる。

 

 

晴朗の乙女 レェナ

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000

― こんなに良いお天気なのですよ?お散歩しましょ~♪

 

 

攻撃を防ぐミコト。

手札を構え、次の宣言を待つ。

 

ヒカルがカードの上に指をのせて──

 

「イマジンセイバーで、ヴァンガードにアタックだ!!」

 

ヒカルの宣言が、その場に響いた。

その青い瞳が、ミコトの姿を捉える。

 

聖域を守る神聖な竜が、美しい咆哮をあげた。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン パワー23000

 

 

「ノーガード」

 

迷いなく答えるミコト。

ヒカルがデッキに手を伸ばした。

 

「チェック・ザ・ドライブ!!」

 

叫ぶように言うヒカル。

カードをめくる。

 

「ファーストチェック、ノートリガー!! セカンドチェック、フロントトリガー!!」

 

ヒカルの手の中で、

琴を持った美しい乙女の1枚が表になった。

 

 

インペリアル・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(2)]することで、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

【永】【(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 赤い翼の天使は、戦場の全てを鼓舞する。

 

 

天音の楽士 アルパック

トリガーユニット【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エルフ 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 苦しい時は、英気の音色で心を支えて。

 

 

「前列のパワー+10000だ!!」

 

吐き捨てるような宣言。

ミコトが、デッキに指を置いた。

 

「ダメージチェック。ノートリガー」

 

ミコトのダメージにカードが置かれる。

 

 

共謀怪人 アドマンティス

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたの他のリアガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。

― 自ら手を見下すのは、あくまで最後の手段でいい。

 

 

ミコト ダメージ1→2

 

 

冷静に盤面を眺めているミコト。

ヒカルの攻撃が続く。

 

「アロンダルでヴァンガードにアタック!!」

 

カードを動かすヒカル。

目隠しをした騎士が、剣を構えた。

 

 

静寂の騎士 アロンダル パワー25000

 

 

「ガード」

 

カードを選ぶミコト。

ぱさりと音を立て、1枚が場に置かれる。

 

 

狂乱の令嬢

トリガーユニット 【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - ゴースト 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 狂気はしばしば凶器となる。

 

 

「ッ!! また入れ替えたカード……!!」

 

イラついたように呟くヒカル。

ミコトはその言葉を聞き流している。

 

手を伸ばして──

 

「ティルフィングで、ヴァンガードにアタックだ!!」

 

怒気を込めた声で、ヒカルが宣言した。

横向きになる白銀の騎士のカード。

 

美しくも無慈悲な刃が、緑の髪の少女に迫る。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング パワー38000

 

 

「ノーガード」

 

冷静に答えるミコト。

カードをめくると、そのままダメージへと置く。

 

 

スプライト・マドンナ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札から「ルナコクン」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

― もう一度、夢を魅せて、ア・ゲ・ル。

 

 

ミコト ダメージ2→3

 

 

「ターンエンド!!」

 

怒りに駆られながら、ヒカルが腕を動かした。

吐き捨てるような言葉。ミコトを睨みつける。

 

息を吐いて──

 

「私のターン」

 

ミコトが、カードを引いた。

鋭い目を手札に向けるミコト。1枚を捨てる。

 

月のスリーブのカードを掴んで──

 

「《夢幻蝶姫 セレネシス》にライド」

 

ミコトの言葉と共に、カードが場に置かれた。

月の光が降り注ぎ、神秘の1枚を照らし出す。

 

影の世界を統べる虫の姫君が、悠然と現れた。

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。

― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。

 

 

虫の姫君と聖域の白き竜。

2枚のカードが向かい合い、睨み合う。

 

戦場の雰囲気がより一層重く、張りつめた。

 

「スキルでメレアグリデスを表に」

 

カードを表にするミコト。

描かれているのは、青白い蝶の女怪人。

 

ヴァンガードの裏、金色の繭の妖精を──

 

「メレアグリデスに、メタモルフォシス」

 

表になった1枚と、入れ替えた。

影に消える金色の繭の妖精。

 

鱗粉と共に、蝶の女怪人が戦場に降臨する。

 

 

メレアグリデス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1),あなたのドロップから【超】トリガー以外のトリガーユニットを1枚シャドウゾーンに置く]ことで、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのトリガー効果を1回発動する。

― 影の蝶が魅せるのは、光輝く「奇跡」の夢。

 

 

「手札から、賛美を告げる影の舞を使用」

 

カードを選ぶミコト。

暗闇の中、手の中の1枚を表にする。

 

 

賛美を告げる影の舞

ノーマルオーダー 〈3〉

ストイケイア

「セレネシス」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、プレイできる!

あなたのシャドウゾーンから「ルナコクン」を1枚選び、(R)にコールする。

― 踊りましょう。この歓喜を、姫様に。

 

 

「ルナコクンをコール」

 

影へと手を伸ばすミコト。

再び、場に金色の繭の妖精が姿を現した。

 

 

ルナコクン

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。

― あたしの姿、あなたにはどう見える?

 

 

「ちょこまかと……!!」

 

不機嫌そうにミコトの場を見ているヒカル。

ミコトがさらに、カードを掴む。

 

目線を切って──

 

「イーピゲネイアに、メタモルフォシス」

 

カードが再び、影の世界へと消えていった。

暗闇の中、蜂の羽音が響き渡る。

 

影の領域から、蜂の女怪人がその姿を見せた。

 

 

イーピゲネイア

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」

((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、暗黒繭マーカーが置かれていない相手のリアガードを1枚選び、暗黒繭マーカーを1つ置く。

― 影の蜂が誘うのは、甘美なる「堕落」の夢。

 

 

並び立つ蝶と蜂の女怪人。

虫の姫君に寄り添うと、不敵な笑みを浮かべる。

 

ミコトが手をかざした。

 

「イーピゲネイアのスキル。カウンターブラストを支払い、ティルフィングに暗黒繭マーカーを置く」

 

 

イーピゲネイア

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」

((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、暗黒繭マーカーが置かれていない相手のリアガードを1枚選び、暗黒繭マーカーを1つ置く。

― 影の蜂が誘うのは、甘美なる「堕落」の夢。

 

 

ダメージのカードを裏返すミコト。

不気味な黒い繭が、白銀の騎士に憑りついた。

 

 

暗黒繭

【永】:このマーカーが置かれたユニットは、元々の能力を失い、パワーが元々のパワー分減り、インターセプトとブーストができない。

【自】 :このマーカーが置かれたユニットが退却した時、あなたの山札からそのユニットと同じグレードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。(暗黒繭マーカーを置いたファイターが探す)

 

 

「チッ……!」

 

舌打ちするヒカル。

忌々しそうに、置かれた繭のカードを睨む。

 

「さらにメレアグリデスのスキル。ドロップのフロントトリガーをシャドウゾーンへ。前列のパワー+10000」

 

 

メレアグリデス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1),あなたのドロップから【超】トリガー以外のトリガーユニットを1枚シャドウゾーンに置く]ことで、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのトリガー効果を1回発動する。

― 影の蝶が魅せるのは、光輝く「奇跡」の夢。

 

 

カードを指で挟むミコト。

影の領域に1枚が置かれ、効力を発揮する。

 

 

狂乱の令嬢

トリガーユニット 【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - ゴースト 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 狂気はしばしば凶器となる。

 

 

「さらにセレネシスのスキルでメレアグリデスの能力をコピー。スキルでドロートリガーをシャドウゾーンに置き、1枚ドロー。パワーはセレネシスへ」

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。

― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。

 

 

ソウルのカードを抜き取るミコト。

ダメージを裏返し、1枚を影の領域へと置いた。

 

 

晴朗の乙女 レェナ

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000

― こんなに良いお天気なのですよ?お散歩しましょ~♪

 

 

カードを引くミコト。

着々と、準備を整えていく。

 

すっと、ミコトの瞳が冷たい光を帯びた。

 

「いくわよ、ヒカル」

 

静かな声が場に響く。

ヒカルが手札を構えた。

 

カードに手を伸ばして──

 

「セレネシスでヴァンガードにアタック」

 

鋭い声で、ミコトがそう宣言した。

横になる1枚。影を統べる虫の姫君のカード。

 

戦場に、影の魔法陣が浮かび上がる。

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス パワー33000

 

 

「ノーガードだッ!!」

 

威勢よく宣言するヒカル。

ミコトとセレネシスを、睨むように見つめる。

 

ミコトの手が動いた。

 

「ファーストチェック、ノートリガー。セカンドチェック、ヒールトリガー」

 

表になる1枚。

白く輝く蝶の怪人の姿が描かれたカード。

 

 

流麗怪人 グロリアス・スタッグ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、相手のユニットがすべて【レスト】しているなら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがアタックしたバトル終了時、あなたのヴァンガードが「夢幻蝶姫 セレネシス」なら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、【カウンターチャージ】(1)。

― 特級怪人の実力、見せてあげる。

 

 

ドリーミング・バタフライ

トリガーユニット【治】 +10000

(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)

― 夢の世界へと誘う、煌めく鱗粉。

 

 

「ダメージ1回復。パワーはイーピゲネイアへ」

 

冷静な声で話しているミコト。

その手がダメージのカードを掴み、

流れるようにドロップへと置く。

 

 

ミコト ダメージ3→2

 

 

「ダメージチェック、ノートリガー!」

 

カードをめくるヒカル。

叩きつけるように、カードを置いた。

 

 

スパイラルキューティ・エンジェル

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このカードを山札の下に置く]ことで、1枚引く。

【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札を上から2枚見て、1枚選び、手札に加え、残りを山札の上か下に置く。

― 削って穿ってぇ、キレイにしてあげるぅ♪

 

 

ヒカル ダメージ2→3

 

 

「メレアグリデスでアタック」

 

続けてカードを動かすミコト。

蝶の女怪人の目が、ヒカルの方へと向けられる。

 

ヒカルが手札の1枚を掴んだ。

 

「ガード!!」

 

噛みつくような声。

カードが場に置かれる。

 

 

シャイニング・ユニコーン

トリガーユニット【治】 +10000

(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ハイビースト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)

― 純粋な思いが紡ぐ、高貴なる光。

 

 

攻撃を防ぐヒカル。

蝶の女怪人が後ろへと弾かれる。

 

イメージの中、蜂の怪人が羽ばたいて──

 

「イーピゲネイアで、アタック」

 

ミコトがカードを、動かした。

煽情的な体躯の蜂の女怪人。

 

魅惑の目が、聖域の竜へと向けられる。

 

 

イーピゲネイア パワー30000

 

 

「ガードだ!!」

 

叩きつけるように置かれる1枚。

琴を持つ乙女が、攻撃へと割り込んだ。

 

 

天音の楽士 アルパック

トリガーユニット【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エルフ 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 苦しい時は、英気の音色で心を支えて。

 

 

ミコトの攻撃をさばききるヒカル。

このターンに与えられたダメージは1のみ。

 

それでも、ミコトの表情は崩れない。

 

「ターンエンドよ」

 

右手で手札を持ちながら、

ミコトが静かな声でそう宣言した。

 

月の光が、盤面へと降り注ぐ。

 

「あたしのターン!!」

 

力を込めてカードを引くヒカル。

青い瞳が揺れて──

 

「ペルソナライド!!」

 

白き竜の姿が重なって、輝いた。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

渦巻く威圧感。

ヒカルの指がカードを掴む。

 

「イマジナリーギフト アクセルⅡを獲得!!」

 

 

イマジナリーギフト アクセル

獲得時、このマーカーを新たな前列(R)として置き、1枚引く。あなたのターン中、そこにいるユニットのパワー+5000!(最初は左前列(R)の左に増え、次は右前列(R)の右に増える。以降、左右交互に増える)

 

 

さらに展開されるリアガードサークル。

左右の両面に、黄色の紋章のカードが置かれる。

 

ヒカルが手札のカードを構えた。

 

「アクセルサークルにティルフィングをコール!! さらにフフプリ、インペリアル・エンジェルをコール!!」

 

一気に手札を場へと出すヒカル。

ほぼ全ての盤面に、カードが置かれていく。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【山札】:このカードのグレード-2。

【永】【(R)/(G)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、このユニットのパワー+10000し、このユニットは『インターセプト』を得て、シールド+5000。

― 竜すら屠る、至高の剣技。

 

 

精製の魔法 フフプリ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、【ソウルチャージ】(1)してよい。

― 効果は抜群。飲むのに少しばかりの勇気があるが。

 

 

インペリアル・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(2)]することで、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

【永】【(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 赤い翼の天使は、戦場の全てを鼓舞する。

 

 

全ての前列に展開されたカード。

ヒカルがヴァンガードに指を伸ばした。

 

「インペリアル・エンジェルのスキル!! ソウルブラストして、前列のパワー+5000!!」

 

ソウルを抜き取るヒカル。

赤い羽根が天から降り落ち、戦場に舞い散った。

 

 

インペリアル・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(2)]することで、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

【永】【(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 赤い翼の天使は、戦場の全てを鼓舞する。

 

 

「…………」

 

静かにヒカルの言葉を聞いているミコト。

並べられた5枚のカードに、視線を向ける。

 

ヒカルが手を置いて──

 

「その澄まし面、ぶっ潰してやるッ!!」

 

大きく、叫んだ。

荒々しい動作。カードが動かされる。

 

「ティルフィングでアタック!!」

 

暗黒の繭に憑りつかれた1枚。

白銀の騎士のカードが、横向きとなった。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング パワー20000

 

 

「ガード」

 

ミコトが手札の1枚を場に出す。

描かれているのは、白い蝶の女怪人。

 

 

ドリーミング・バタフライ

トリガーユニット【治】 +10000

(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)

― 夢の世界へと誘う、煌めく鱗粉。

 

 

弾かれる攻撃。

だがその一撃も、始まりに過ぎない。

 

ヒカルの指が動いて──

 

「イマジンセイバーでアタック!!」

 

鋭い声が、その場に響き渡った。

光の翼を広げる聖域の竜。強い輝きが放たれる。

 

「さらにスキルで、パワー+10000だ!!」

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

神々しい輝きに包まれる戦場。

竜の青い瞳が、ミコトへと向けられた。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン パワー38000

 

 

「ノーガード」

 

冷静な声色。

真っ直ぐに竜のカードを見据えているミコト。

 

ヒカルがデッキの上に手を置いた。

 

「チェック・ザ・ドライブ、ノートリガー!! セカンドチェック、クリティカルトリガー!!」

 

月光の下、表になる2枚。

大槌を構える女性騎士の姿が照らされる。

 

 

アイジスメア・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― この痛み……私が全て引き受けましょう。

 

 

信仰の騎士 エリナ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― ぶっ潰してさしあげますわ!

 

 

「クリティカルはイマジンセイバー!! パワーはアロンダルへ!!」

 

大きく宣言するヒカル。

忌々しそうに、ミコトを睨みつける。

 

ミコトが手を伸ばした。

 

「ダメージチェック。1点目、ノートリガー。2点目、クリティカルトリガー」

 

ミコトの手の中で表になる2枚。

すっと、カードがダメージゾーンに置かれる。

 

 

賛美を告げる影の舞

ノーマルオーダー 〈3〉

ストイケイア

「セレネシス」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、プレイできる!

あなたのシャドウゾーンから「ルナコクン」を1枚選び、(R)にコールする。

― 踊りましょう。この歓喜を、姫様に。

 

 

シャドウ・レディバグ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― 影の世界には、かつて失われた遺伝子が隠されている。

 

 

ミコト ダメージ2→4

 

 

「パワーはセレネシスへ」

 

淡々とした宣言。

虫の姫君に、きらきらとした光が降り注いだ。

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス パワー23000

 

 

「その程度、関係ないんだよ!!」

 

声を荒げるヒカル。

だんと、カードの上に指を置く。

 

「ブリギッドでヴァンガードにアタック!! スキルでパワー+5000だ!!」

 

 

蒼炎の魔術師 ブリギッド

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札から(R)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札からグレード1を1枚まで探し、ユニットのいない(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(R)】このユニットがヴァンガードにアタックした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

― 信念があれば、炎が消えることはないのよ。

 

 

燃え盛る青白い炎。

さらにヒカルが山札の上に手を置いた。

 

「そしてブーストしたフフプリのスキルで、ソウルチャージ!!」

 

 

精製の魔法 フフプリ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、【ソウルチャージ】(1)してよい。

― 効果は抜群。飲むのに少しばかりの勇気があるが。

 

 

すっと、ヒカルがソウルにカードを置く。

魔術師が手をかざし、青い炎が宙を舞った。

 

 

蒼炎の魔術師 ブリギッド パワー38000

 

 

「ガード」

 

ミコトがカードを投げるようにして置く。

 

 

狂乱の令嬢

トリガーユニット 【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - ゴースト 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 狂気はしばしば凶器となる。

 

 

ダメージトリガーと併せた防御。

ギリギリの数値で守り抜くミコト。

 

それでもヒカルの攻撃は止まらない。

 

「ティルフィングでアタックだ!!」

 

もう1枚のアクセルサークル。

白銀の騎士が剣を手に、優美な微笑を浮かべた。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング パワー43000

 

 

「ガード、さらにインターセプト」

 

手札のカードを2枚、場に置くミコト。

さらに蜂の女怪人が援護に入る。

 

 

ドリーミング・バタフライ

トリガーユニット【治】 +10000

(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)

― 夢の世界へと誘う、煌めく鱗粉。

 

 

スプライト・マドンナ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札から「ルナコクン」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

― もう一度、夢を魅せて、ア・ゲ・ル。

 

 

イーピゲネイア

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」

((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、暗黒繭マーカーが置かれていない相手のリアガードを1枚選び、暗黒繭マーカーを1つ置く。

― 影の蜂が誘うのは、甘美なる「堕落」の夢。

 

 

合計3枚による防御。

着実に、ヒカルの攻撃がミコトを追い詰める。

 

指を置いて──

 

「インペリアルのブースト!! アロンダルでアタックだ!!」

 

2枚のカードを、ヒカルが動かした。

赤い髪の天使の加護を受け、騎士が剣を掲げる。

 

 

静寂の騎士 アロンダル パワー53000

 

 

「ノーガード」

 

前を向きながら答えるミコト。

ダメージゾーンにカードが置かれた。

 

 

賛美を告げる影の舞

ノーマルオーダー 〈3〉

ストイケイア

「セレネシス」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、プレイできる!

あなたのシャドウゾーンから「ルナコクン」を1枚選び、(R)にコールする。

― 踊りましょう。この歓喜を、姫様に。

 

 

ミコト ダメージ4→5

 

 

5点目のダメージ。

一気に不利な状況へと陥るミコト。

 

手札のカードを構えて──

 

「見たか!! これが今のあたしの実力だ!!」

 

ヒカルが、鋭い声で言い放った。

冷たい雰囲気。渦巻くように溢れる殺気。

 

ヒカルがミコトを、真っ直ぐ睨みつける。

 

「…………」

 

わずかに目を細め、盤面を見ているミコト。

やがて手札を構え直すと、顔をあげた。

 

真剣な表情を浮かべて──

 

「私のターン」

 

ミコトが、静かにカードを引いた。

その手に残っている7枚のカード。

 

その内の1枚を、ミコトが手に取る。

 

「一つ、言っておくわ」

 

カードを構えているミコト。

鋭い目を向ける。

 

「この前、ツキちゃんとも約束したの。だから私、いえ──」

 

言葉を切るミコト。

真っ直ぐに、前を向いている姿。

 

月の光が降り注いで──

 

「──あたし、ヒカルとの約束も、諦める気ないから!!」

 

大きく、ミコトがそう宣言した。

ヒカルが驚いたように、目を丸くする。

 

カードを持つ手を動かして──

 

「ペルソナライド!!」

 

ミコトの声が、高らかにその場に響いた。

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。

― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。

 

 

重なり合う1枚。

虫の姫君の瞳が、緑色の光を帯びる。

 

「スキルで《ブリトマルティス》を表に!」

 

カードをめくるミコト。

影の斧を持つ蠍の女怪人の姿が表になる。

 

 

ブリトマルティス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」

((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、相手の【レスト】しているリアガードが1枚以下なら、そのターン中、このユニットのクリティカル+1/ドライブ+1。

【永】【(V)/(R)】 暗躍:あなたのターン中、相手のダメージゾーンの裏のカード1枚につき、あなたのユニットすべてのパワー+2000。

― 影の蠍が振るうのは、絶対的な「破壊」の夢。

 

 

ミコトがカードを構えた。

 

「グロリアス・スタッグをコール!」

 

ヴァンガードの横。

欠けていた前列に、カードが置かれた。

 

 

流麗怪人 グロリアス・スタッグ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、相手のユニットがすべて【レスト】しているなら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがアタックしたバトル終了時、あなたのヴァンガードが「夢幻蝶姫 セレネシス」なら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、【カウンターチャージ】(1)。

― 特級怪人の実力、見せてあげる。

 

 

「さらにメレアグリデスのスキル! ドロップのヒールトリガーをシャドウゾーンへ置いて、効果発動! ダメージ1回復し、パワーはメレアグリデスへ!」

 

 

メレアグリデス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1),あなたのドロップから【超】トリガー以外のトリガーユニットを1枚シャドウゾーンに置く]ことで、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのトリガー効果を1回発動する。

― 影の蝶が魅せるのは、光輝く「奇跡」の夢。

 

 

ダメージのカードを裏返すミコト。

さらに1枚を、影の領域に置く。

 

 

ドリーミング・バタフライ

トリガーユニット【治】 +10000

(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)

― 夢の世界へと誘う、煌めく鱗粉。

 

 

ミコト ダメージ5→4

 

 

「さらにセレネシスのスキルでメレアグリデスのスキルをコピー! スキル発動! もう一度、ヒールトリガーの効果を発動! ダメージを回復し、パワーはセレネシスへ!」

 

「!!」

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。

― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。

 

 

ソウルのカードを抜き取るミコト。

再び、ドロップのカードを影の中に置いた。

 

 

ドリーミング・バタフライ

トリガーユニット【治】 +10000

(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)

― 夢の世界へと誘う、煌めく鱗粉。

 

 

ミコト ダメージ4→3

 

 

一気にダメージを回復させるミコト。

ヒカルが露骨にイラついた表情になる。

 

「さっきから、ウザいんだよ!!」

 

吠えるように話すヒカル。

 

「下らない事ばっかり言いやがって!! ちまちまと回復した所で、あたしには勝てやしないさ!! 次のターンで一気に決めてやる!!」

 

自分の場に視線を向けているヒカル。

ミコトが頷いた。

 

「確かに、その通りね」

 

冷たく言い切るミコト。

ヒカルが怪訝そうな表情を浮かべる。

 

手札の1枚を指で持って──

 

「だからあなたの戦力、奪わせてもらうわ!!」

 

ミコトが鋭い声で、そう言い放った。

わずかに目を見開くヒカル。

 

持っていたカードを、ミコトが場に置いた。

 

「《恋縛の乙女 マーガレット》をコール!!」

 

「なっ……!!」

 

ヒカルが絶句し、たじろぐ。

後列のリアガードサークルに置かれた一枚。

 

桃色の髪の乙女が、不遜な笑みを浮かべ現れた。

 

「マーガレットのスキル!! ペルソナライドしているので、あなたの前列のリアガード全てはインターセプトできず、次のスタンドフェイズにスタンドできない!!」

 

強い口調で言い切るミコト。

ヒカルは顔色悪く、その言葉を聞いている。

 

鋭い目を向けて──

 

「あなたの前列のリアガードをパラライズ!!」

 

ミコトの声が、その場に響き渡った。

 

 

恋縛の乙女 マーガレット

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このカードを山札の下に置く]ことで、1枚引く。

【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、相手はインターセプトできない。相手の前列のリアガードすべては、次のスタンドフェイズに【スタンド】できない。

― ふふーん!ほんとーに私を逆らえると思ったのぉ?

 

 

「うっ、ぐっ……!!」

 

苦しそうな声をあげるヒカル。

その顔に冷や汗が浮かぶ。

 

「アクセルサークルは前列扱い。どんなにユニットを並べても、スタンドしないなら意味はない」

 

どこか得意げに話しているミコト。

顔をあげると、ヒカルの事を見据える。

 

ミコトが不敵に、微笑んだ。

 

「まだまだ甘いんじゃない? ヒカル」

 

楽しそうな口調のミコト。

まるで昔に戻ったような、勝気な表情が浮かぶ。

 

「ッ!!」

 

ヒカルが顔をしかめた。

手札を持つその手に、力が入る。

 

ミコトの指が、カードの上に乗せられた。

 

「セレネシスでヴァンガードにアタック!!」

 

細い指が宙を舞う。

虫の姫君が笑みを浮かべ、その手をかざした。

 

天空に、影の魔法陣が刻まれる。

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス パワー33000

 

 

「完全ガードだ!!」

 

カードを投げ出すヒカル。

1枚のカードが場に置かれる。

 

 

アイジスメア・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― この痛み……私が全て引き受けましょう。

 

 

全てを防ぐ光の盾。

ミコトが手を伸ばす。

 

「チェック・ザ・ドライブ!!」

 

大きく宣言するミコト。

笑みを浮かべたまま、カードをめくる。

 

「ファーストチェック、フロントトリガー!! あたしの前列のパワー+10000!!」

 

高らかな声が、その場に響いた。

 

 

狂乱の令嬢

トリガーユニット 【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - ゴースト 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 狂気はしばしば凶器となる。

 

 

青白い肌の幽霊のカード。

ヒカルが「ぐっ」と苦しそうな声を出す。

 

カードをめくって──

 

「セカンドチェック、クリティカルトリガー!!」

 

ミコトの場に、ひまわりの衣装を着た

笑顔の少女の姿が浮かび上がった。

 

 

憧憬の乙女 アラナ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― はい!もう一輪プレゼント♪

 

 

「ダブルトリガー……!!」

 

悔しそうに呟くヒカル。

ミコトが指でカードを示した。

 

「効果は全て、グロリアス・スタッグへ!!」

 

ミコトの場、曲線美の女怪人。

光が降り注ぎ、その力が強化される。

 

ミコトが腕を伸ばす。

 

「メレアグリデスでアタック!!」

 

影の翼を持つ青白い蝶の女怪人。

その顔に浮かぶ妖艶な笑み。妖しげな雰囲気。

 

黒い鱗粉が、花吹雪のように戦場に舞う。

 

 

メレアグリデス パワー43000

 

 

「ノーガードだ!!」

 

手札を片手に宣言するヒカル。

ダメージゾーンにカードが置かれる。

 

 

恩寵湛えし聖なる杯

ノーマルオーダー 〈3〉

【レガリスピース】(レガリスピースはデッキに合計1枚だけ入れられ、ファイト中に合計1回だけ使える)

グレード3でペルソナライドを持つあなたのヴァンガードがいて、このターンあなたがライドしていないならプレイできる!

ペルソナライドを発動させる。(1枚引き、このターンあなたの前列のユニットのパワー+10000され、あなたはペルソナライドしたことになる。)

― 星は何処か。始原の青は杯を満たし、探求者を待つ。

 

 

ヒカル ダメージ3→4

 

 

聖杯が描かれたカード。

切り札の1枚を、ヒカルが失う。

 

不敵な笑みを讃えながら──

 

「グロリアス・スタッグでアタック!!」

 

ミコトの声が、その場に響いた。

どこか楽しそうに、カードを動かすミコト。

 

「スキルで、さらにパワー+5000よ!」

 

微笑みながら、そう付け加えた。

 

 

流麗怪人 グロリアス・スタッグ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、相手のユニットがすべて【レスト】しているなら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがアタックしたバトル終了時、あなたのヴァンガードが「夢幻蝶姫 セレネシス」なら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、【カウンターチャージ】(1)。

― 特級怪人の実力、見せてあげる。

 

 

曲線美の女怪人が大地を蹴り、天へ飛び上がる。

 

 

グロリアス・スタッグ パワー45000 ☆2

 

 

「ガード!!」

 

必死な声で宣言するヒカル。

ぱさりと、3枚のカードが置かれた。

 

 

信仰の騎士 エリナ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― ぶっ潰してさしあげますわ!

 

 

ブレードフェザー・ドラゴン

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― この翼は飛ぶ為だけにあるのではない。

 

 

精製の魔法 フフプリ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、【ソウルチャージ】(1)してよい。

― 効果は抜群。飲むのに少しばかりの勇気があるが。

 

 

ギリギリの数値でガードするヒカル。

息を切らしながら、鋭い目を盤面に向ける。

 

ミコトが微笑む。

 

「グロリアス・スタッグのスキル!! バトル終了時、ソウルに移動してカウンターチャージ!!」

 

 

流麗怪人 グロリアス・スタッグ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、相手のユニットがすべて【レスト】しているなら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがアタックしたバトル終了時、あなたのヴァンガードが「夢幻蝶姫 セレネシス」なら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、【カウンターチャージ】(1)。

― 特級怪人の実力、見せてあげる。

 

 

カードを動かすミコト。

ダメージのカードを1枚、表にする。

 

手札を構えながら──

 

「あたしはこれで、ターンエンドよ!!」

 

どこまでも楽しそうに、ミコトがそう言った。

その顔に浮かんでいる笑み。余裕ある態度。

 

その瞳には、強い光が宿っている。

 

「……ふざけんな」

 

ぼそりと、呟くヒカル。

ぎりっと音を立て、歯を食いしばる。

 

「あんたに、あんたなんかに……!!」

 

拳を握りしめているヒカル。

ゆらりと、その身体が揺れる。

 

顔をあげて──

 

「負ける訳にはッ!! いかないのよッ!!」

 

ヒカルの叫び声が、その場に轟いた。

雄たけびのような声。潤んでいる青い瞳。

 

ヒカルが手を伸ばした。

 

「あたしのターンッ!!」

 

カードを引くヒカル。

手の中の1枚を、横目で見る。

 

カードを振りかぶって──

 

「ペルソナライドッ!!」

 

持っていた1枚を、ヒカルが場に叩きつけた。

神々しき聖域の竜の姿が重なり、光を放つ。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

「スキル発動!! イマジナリーギフト アクセルⅡを獲得!!」

 

迷いなく、カードを選ぶヒカル。

黄色の紋章が場に展開され、輝いた。

 

 

イマジナリーギフト アクセル

獲得時、このマーカーを新たな前列(R)として置き、1枚引く。あなたのターン中、そこにいるユニットのパワー+5000!(最初は左前列(R)の左に増え、次は右前列(R)の右に増える。以降、左右交互に増える)

 

 

「そしてあたしは、1枚ドロー!!」

 

荒々しくカードを引くヒカル。

その手の中に残ったカードは5枚。

 

「だけどマーガレットのスキルで、リアガードはレストのままよ!」

 

指摘するように、ミコトが言い放った。

 

 

恋縛の乙女 マーガレット

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このカードを山札の下に置く]ことで、1枚引く。

【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、相手はインターセプトできない。相手の前列のリアガードすべては、次のスタンドフェイズに【スタンド】できない。

― ふふーん!ほんとーに私を逆らえると思ったのぉ?

 

 

ヒカルの場には、

横になったままの4枚が並んでいる。

 

ミコトがフッと微笑んだ。

 

「さぁ、どうするの? ヒカル」

 

不敵な態度を崩さないミコト。

嬉しそうに、次の動きを待ち望む。

 

「さっきも言っただろ!! 次で、一気に決めてやるってな!!」

 

吠えるように、ヒカルが答えた。

手札の中の1枚を選ぶ。

 

「ブリギッドをコール!!」

 

置かれる1枚。

レスト状態の魔術師の上に、カードが重なる。

 

 

蒼炎の魔術師 ブリギッド

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札から(R)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札からグレード1を1枚まで探し、ユニットのいない(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(R)】このユニットがヴァンガードにアタックした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

― 信念があれば、炎が消えることはないのよ。

 

 

「スキル発動!! デッキからティルフィングをアクセルサークルに!!」

 

ダメージを裏返すヒカル。

白銀の騎士のカードを掴むと、場に叩きつける。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【山札】:このカードのグレード-2。

【永】【(R)/(G)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、このユニットのパワー+10000し、このユニットは『インターセプト』を得て、シールド+5000。

― 竜すら屠る、至高の剣技。

 

 

「さらに手札のティルフィングと、インペリアル・エンジェルをコール!!」

 

カードを構えるヒカル。

容赦なく、前列のカードを上書きしていく。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【山札】:このカードのグレード-2。

【永】【(R)/(G)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、このユニットのパワー+10000し、このユニットは『インターセプト』を得て、シールド+5000。

― 竜すら屠る、至高の剣技。

 

 

インペリアル・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(2)]することで、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

【永】【(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 赤い翼の天使は、戦場の全てを鼓舞する。

 

 

ドロップに置かれるカード。

ミコトが手を前に出した。

 

「上書きされたティルフィングに置かれていた暗黒繭マーカーのスキル! ドロップに置かれたのと同じグレードのカードを手札に加える!」

 

 

暗黒繭

【永】:このマーカーが置かれたユニットは、元々の能力を失い、パワーが元々のパワー分減り、インターセプトとブーストができない。

【自】 :このマーカーが置かれたユニットが退却した時、あなたの山札からそのユニットと同じグレードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。(暗黒繭マーカーを置いたファイターが探す)

 

 

白銀の騎士に憑りついていた、

不気味な繭のカードが鈍い光を放つ。

 

ミコトがカードを手に取った。

 

「デッキから、セレネシスを手札に!!」

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。

― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。

 

 

ヴァンガードと同名のカード。

次のターンへの布石。

 

ミコトの手札が、8枚になる。

 

「あんたに次のターンなんてないのよッ!!」

 

大きく、ヒカルが言い放った。

手を伸ばすと、カードを動かす。

 

「アロンダルとインペリアルの位置を入れ替え!! さらにインペリアルのスキル!! 前列のパワー+5000だ!!」

 

 

インペリアル・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(2)]することで、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

【永】【(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 赤い翼の天使は、戦場の全てを鼓舞する。

 

 

ソウルを抜き取るヒカル。

天から赤い羽根が降り落ちて、舞い散った。

 

腕を伸ばして──

 

「これで、攻撃できるユニットは6体!! さらにペルソナライドとインペリアルのスキルで、全ての前列のパワー+15000だ!!」

 

ヒカルの声が、鋭く響き渡った。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【山札】:このカードのグレード-2。

【永】【(R)/(G)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、このユニットのパワー+10000し、このユニットは『インターセプト』を得て、シールド+5000。

― 竜すら屠る、至高の剣技。

 

 

蒼炎の魔術師 ブリギッド

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札から(R)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札からグレード1を1枚まで探し、ユニットのいない(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(R)】このユニットがヴァンガードにアタックした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

― 信念があれば、炎が消えることはないのよ。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

インペリアル・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(2)]することで、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

【永】【(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 赤い翼の天使は、戦場の全てを鼓舞する。

 

 

インペリアル・エンジェル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エンジェル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(2)]することで、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

【永】【(R)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、あなたのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 赤い翼の天使は、戦場の全てを鼓舞する。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【山札】:このカードのグレード-2。

【永】【(R)/(G)】:あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、このユニットのパワー+10000し、このユニットは『インターセプト』を得て、シールド+5000。

― 竜すら屠る、至高の剣技。

 

 

並び立つ6枚。

白銀の騎士、青い炎の魔術師、赤い羽根の天使。

そしてそれらを統べる、聖域の白き竜。

 

圧倒的な盤面が、ヒカルの場に構築されている。

 

「6回攻撃……」

 

小さな声で呟くミコト。

その顔から笑みが消え、真剣な表情になる。

 

ヒカルが指をカードへとのせた。

 

「これで終わりだッ!! 完膚なきまでに、叩き潰してやるッ!!」

 

ミコトを睨みつけているヒカル。

青い瞳が、潤んで揺れる。

 

指を動かして──

 

「イマジンセイバー・ドラゴンで、ヴァンガードにアタック!!」

 

ヒカルが、大きく宣言した。

天に向かって咆哮をあげる聖域の竜。

 

光の翼を広げ、その顎を大きく開いた。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン パワー38000

 

 

光が収束して、竜の前で球状になる。

毅然とした目でそれを眺めている虫の姫君。

一瞬、戦場の空気が震えて──

 

爆発するような光の衝撃波が、放たれた。

 

天を切り裂き、突き進む衝撃波。

大地が割れ、世界が白の色に包まれていく。

 

巨大な光が迫り、そして──

 

「完全ガード!!」

 

新緑の盾が、虫の姫君の前に展開された。

 

 

プラナプリベント・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - ネイチャードラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 護って見せるよ。やっと芽生えた命なんだから。

 

 

カードを場に出しているミコト。

緑色の竜が美しい声と共に、戦場に降臨する。

 

光の衝撃波が盾に弾かれ、四方に飛び散った。

 

「しぶといんだよッ!!」

 

怒気に満ちた声。

ヒカルが手を伸ばした。

 

「チェック・ザ・ドライブ!!」

 

荒々しく、カードをめくるヒカル。

その手の中のカードを表にして──

 

「ファーストチェック、フロントトリガー!! 前列のパワー+10000だ!!」

 

叩きつけるように、場へと置いた。

 

 

天音の楽士 アルパック

トリガーユニット【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エルフ 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 苦しい時は、英気の音色で心を支えて。

 

 

戦場に響き渡る琴の音色。

残った5体のユニット達に、光が降り注ぐ。

 

ヒカルがデッキの上に手を乗せた。

 

「セカンドチェック!!」

 

ミコトを睨みつけているヒカル。

素早く、カードをめくる。

 

その手に掴んだのは──

 

「クリティカルトリガー!!」

 

鋭い刃の翼を持つ、白い竜のカード。

 

 

ブレードフェザー・ドラゴン

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― この翼は飛ぶ為だけにあるのではない。

 

 

「効果は全て、ティルフィングに!!」

 

カードを示しながら、叫ぶヒカル。

白銀の騎士の剣に、さらなる力が宿った。

 

「トリガーが2枚……」

 

計算するように呟いているミコト。

冷静な目を、盤面へと向ける。

 

ヒカルがカードを動かした。

 

「インペリアル・エンジェルでヴァンガードにアタックだ!!」

 

赤い羽根の天使が描かれた1枚。

戦場に再び、赤い羽根が舞い散った。

 

 

インペリアル・エンジェル パワー38000

 

 

「ノーガード!」

 

迷いなく答えるミコト。

デッキの上のカードがダメージへと置かれた。

 

 

流麗怪人 グロリアス・スタッグ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ストイケイア - インセクト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、相手のユニットがすべて【レスト】しているなら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがアタックしたバトル終了時、あなたのヴァンガードが「夢幻蝶姫 セレネシス」なら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、【カウンターチャージ】(1)。

― 特級怪人の実力、見せてあげる。

 

 

ミコト ダメージ3→4

 

 

「もう1枚のインペリアルでアタックだ!!」

 

容赦なく宣言するヒカル。

アクセルサークル上の1枚を横向きにする。

 

赤い羽根が降り注ぐ。

 

 

インペリアル・エンジェル パワー43000

 

 

「ノーガード!」

 

力強い宣言。

さらに1枚、ダメージにカードが置かれる。

 

 

パフォーミングペタル ディアンサ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札から(R)に登場した時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのドロップからグレード3以下を1枚選び、(R)にコールする。

【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたの後列のグレード1以下のリアガードが2枚以上なら、このユニットのパワー+5000。

― 透き渡る様な純粋な愛をステップに乗せて。

 

 

ミコト ダメージ4→5

 

 

ダメージトリガーなし。

ヴァンガードのパワーは13000のまま。

 

そして残りの攻撃回数は、3回。

 

「あんたの手札は6枚!! それで残りの攻撃を防ぐことなんて、できやしないさ!!」

 

ミコトを指差すヒカル。

カードの上に手をのせる。

 

「いい加減諦めて……消えなよッ!!」

 

悲鳴のような声が、その場に響いた。

苦しそうな表情を浮かべているヒカル。

 

魔術師の操る青い炎が、戦場を駆け抜けていく。

 

 

蒼炎の魔術師 ブリギッド パワー48000

 

 

虫の姫君に迫る青い炎。

全てを焼き尽くす灼熱の炎がうねり狂った。

 

すっと、虫の姫君が手を前に出して──

 

「ガード!!」

 

ミコトが手札のカードを場に出した。

 

 

狂乱の令嬢

トリガーユニット 【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - ゴースト 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 狂気はしばしば凶器となる。

 

 

ヒカルが「ハッ」と声をあげる。

 

「その程度じゃ防げないよ!! それとも潔く、負けを認める気にでもなった訳!?」

 

挑発するように言うヒカル。

その青い瞳を、ミコトの方へと向ける。

 

息を吐いて──

 

「何度も言わせないで」

 

ミコトが、静かに口を開いた。

決意に満ちた表情。真剣な目。

 

カードを構えて──

 

「あたし、諦める気ないから!!」

 

ミコトが、はっきりとそう答えた。

目を見開くヒカル。言葉を失う。

 

月の光に照らされて──

 

「《艱難遮る碧の結界》を使用!!」

 

ミコトが、持っていた1枚を場へと出した。

 

 

艱難遮る碧の結界

ブリッツオーダー 〈3〉

【レガリスピース】(レガリスピースはデッキに合計1枚だけ入れられ、ファイト中に合計1回だけ使える)

【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することでプレイできる!

あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、パワー+25000。あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、『(永):パワー1憶以上の相手のユニットすべてのクリティカル-1。』を与える。

― 遥かな旅路を往く者に、精霊の祝福があらんことを。

 

 

「れ、レガリスピース!?」

 

驚愕の声をあげるヒカル。

ミコトがヒカルを見据えた。

 

「言ったはずよ! これはツキちゃんのじゃない、"あたしの"デッキだって!」

 

鋭い声で話しているミコト。

すっと、ソウルのカードを抜き取る。

 

「艱難遮る碧の結界のスキルで、セレネシスのパワー+25000! さっきのカードと併せて、ガード成功よ!!」

 

虫の姫君を包み込む、碧色の結界。

青い炎が勢いよく弾かれ、霧散して消える。

 

妖艶な笑みを、虫の姫君が浮かべた。

 

「うっ、ううぅっ……!!」

 

苦しそうに唸っているヒカル。

だがすぐに首を振ると、手を伸ばす。

 

「ティルフィングでアタック!!」

 

白銀の騎士のカードを動かすヒカル。

持っていた剣を、騎士が構えた。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング パワー53000

 

 

「オーバートリガーでガード!!」

 

間髪入れずにカードを選ぶミコト。

究極の力を秘めた1枚が、顕現する。

 

 

天恵の源竜王 ブレスファボール

トリガーユニット 【超】

(オーバートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - ネイチャードラゴン パワー5000 / シールド50000 / ☆1

(【超】トリガーはデッキに1枚だけ入れられる。トリガーで出たら、そのカードを除外し、1枚引き、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+1憶!ドライブチェックで出たら、さらに追加効果が発動!)

追加効果-1枚引く!あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、クリティカル+1!あなたの前列のユニットすべてのパワー+10000!あなたのダメージゾーンの枚数が相手以上なら、あなたのダメージゾーンから1枚選び、回復する!

― 自然。その恵みは数え切れず、驚異は計り知れない。

 

 

虫の姫君を守るかのように、嵐が吹き荒れる。

その場に跪く白銀の騎士。攻撃の手が止まる。

 

その後ろから、別の騎士が跳躍して──

 

「ティルフィングで、アタックだ!!」

 

ヒカルの声が、響き渡った。

残った最後の1枚。黄色の紋章。

 

白銀の騎士が、剣を構えて飛び掛かる。

 

 

聖誓の騎士 ティルフィング パワー63000

 

 

流れるような、華麗なる剣技。

虫の姫君に、その美しく輝く刃が迫った。

 

影の魔法陣が浮かんで──

 

「完全ガード!!」

 

再び、緑色の竜が戦場に姿を見せた。

細い咆哮。影の加護を受け、碧の盾が現れる。

 

 

プラナプリベント・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - ネイチャードラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 護って見せるよ。やっと芽生えた命なんだから。

 

 

騎士の攻撃が盾に阻まれ、弾かれる。

持っていたカードを捨てるミコト。

 

その手に残ったカードは、1枚。

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。

― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。

 

 

「はぁ……! はぁ……!」

 

荒く、息を切らしているヒカル。

その場に残ったカードは、全てレストしている。

 

全ての攻撃を、ミコトが防ぎ切った。

 

「やるじゃない、ヒカル」

 

同じく息を切らしながら、口を開くミコト。

穏やかに微笑みながら──

 

「本当に、強くなったんだね」

 

優しい声色で、ミコトがそう告げた。

静かな空間。向き合っている2人。

 

月の光が、それぞれの姿を照らす。

 

「うっ、うっ、うっ」

 

ぶるぶると震えているヒカル。

その手に残った4枚のカードを強く握りしめる。

 

青い瞳が潤んで──

 

「うあああああああああッ!!」

 

ヒカルが、大きく叫んだ。

2人きりの空間に、響き渡る声。

 

ぼろぼろと、その目から涙がこぼれ落ちる。

 

「なんだよッ!! なんなんだよッ!!」

 

様々な感情が入り混じった言葉。

目元をぬぐいながら、ヒカルが声を荒げる。

 

「あたしはもう、忘れたいんだッ!! 全部全部、忘れたいんだッ!!」

 

心の底からの叫び。

苦しそうに、頭を抑える。

 

「だから……だから今更!! 今更そんな風に、出てこないでよッ!! 昔みたいに、話しかけないでよッ!!」

 

声をあげて泣き始めるヒカル。

暗闇の中に悲しい音が響き渡った。

 

ミコトが真っすぐに、ヒカルを見つめる。

 

「ヒカル」

 

柔らかな声色。

優しげな微笑みを、ミコトが浮かべる。

 

「今まで、本当にごめんね」

 

語りかけるような口調。

ヒカルが顔をあげた。

 

「ずっと、謝りたかったの。たくさん辛い思いをさせちゃって、今まで傍にいられなくて……」

 

視線を伏せがちに話すミコト。

 

「何度謝っても、許してもらえないかもしれない。だけどせめて、あの時の約束は守りたいって、あたしのワガママに付き合わせちゃって……」

 

かすかに震えている声。

涙ぐんでいるミコト。

 

ヒカルがキッと鋭い目を浮かべた。

 

「約束、約束って!! たかだかファイトするくらいで、大げさなんだよッ!!」

 

涙声のまま話すヒカル。

腕を動かしながら、ミコトを睨みつける。

 

ミコトが首を振った。

 

「そうだね。だけど、それだけじゃないの」

 

優しい声を出すミコト。

ヒカルが目を細めて、訝しむ。

 

ミコトが口を開いた。

 

「ツキちゃんも言ってたでしょ。なにがあっても、私達はずっと友達だって」

 

ゆっくりとした口調。

真っ直ぐにヒカルを見つめているミコト。

 

月の光に照らされながら──

 

「不良になってたとしても、あたしがちゃんと止めるって。会いに行くって、約束したでしょ?」

 

ミコトが、そう言った。

衝撃を受けて、その場で固まるヒカル。

 

目を見開いて、訊ねる。

 

「……覚えてたの?」

 

震える声のヒカル。

驚愕しながら、ミコトを見つめる。

 

ミコトが微笑んだ。

 

「ヒカルとツキちゃんのことで、忘れたことなんて、何もなかったよ」

 

優しく答えるミコト。

ヒカルが息を呑み、言葉を詰まらせた。

 

月明かりが2人を包み込んで──

 

「あたしのターン!!」

 

大きく、ミコトが宣言した。

カードを引くミコト。引いた1枚を見る。

 

そこにあったのは──

 

 

ルナコクン

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。

― あたしの姿、あなたにはどう見える?

 

 

ミコトが微笑んだ。

 

「ペルソナライド!!」

 

残っていた1枚。

虫の姫君のカードを場に出すミコト。

 

影の世界を統べる虫の姫君が、悠然と佇む。

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。

― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。

 

 

「スキルでシャドウゾーンの1枚を表に!」

 

手を伸ばすミコト。

白い兎のスリーブに入れられたカードを掴む。

 

描かれているのは、影の鱗を持つ巨大な竜。

 

「その、そのカード……!!」

 

驚いたように、ヒカルが呟く。

 

「ツキちゃんの……!!」

 

カードを指差しているヒカル。

青い瞳が動揺したように揺れる。

 

「ルナコクンをコール!!」

 

持っていたカードを場に置くミコト。

金色の繭の妖精が、ふわりと戦場に降り立つ。

 

 

ルナコクン

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。

― あたしの姿、あなたにはどう見える?

 

 

並び立つ虫の姫君と繭の妖精。

聖域の竜を前に、不敵な笑みを浮かべる。

 

手を伸ばして──

 

「シャドウゾーンの表のカードが5枚以上なので、使用条件達成!! シャドウゾーンのカード全てと引き換えに、このカードはあたしの場に顕現できる!!」

 

影の領域に置かれたカードを、ミコトが広げた。

並べられたカード。影の世界の住人達。

 

カードを掴んで──

 

「ルナコクンを、メタモルフォシス!!」

 

ミコトが、カードを入れ替えた。

 

影の世界へと消える、金色の繭の妖精。

きらきらとした光の粒子がその場に残る。

 

凄まじい威圧感が戦場を渦巻いて──

 

「《苑影のゼロスドラゴン スティグマ》!!」

 

漆黒の影が、天を切り裂いて世界に降り注いだ。

溢れ出る闇。影に染まっていく大地。

 

影の鱗を持つ巨大な竜が、戦場に降臨した。

 

「ゼロスドラゴン……」

 

呆然と呟いているヒカル。

場に置かれた赤い枠のカードを見つめる。

 

ミコトが腕を伸ばした。

 

「スティグマは特殊なカード! リアガードではなくヴァンガードサークルの上に超越して、セレネシスのパワー+25000! さらにトリプルドライブを与える!」

 

流れるように話すミコト。

そのままさらに、ダメージのカードを裏返す。

 

「スティグマのスキル! カウンターブラストを2支払い、1枚ドロー! さらに手札のカードをコールすることで、そのカードに極大限の力を与える!」

 

カードを引くミコト。

引いたカードを見ると、フッと微笑む。

 

「ルナコクンをコール!!」

 

再び現れる、金色の繭の妖精。

戦場に、金色の光の粒子が舞った。

 

 

ルナコクン

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。

― あたしの姿、あなたにはどう見える?

 

 

ミコトが手をかざして──

 

「クインテットナイン!!」

 

繭の妖精に、極大限の力が宿った。

 

 

苑影のゼロスドラゴン スティグマ

Gユニット 〈4〉 (トリプルドライブ!!!)

ストイケイア - ゼロスドラゴン 

パワー25000+ / シールドなし / ☆1

【真影超越】(あなたの表のシャドウゾーン5枚以上で解放!シャドウゾーンに戻る際、シャドウゾーンを除外!)

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを(V)に【超越】する)

【自】:[【カウンターブラスト】(2)] このユニットが(V)に登場した時、コストを払ってよい。払ったら、1枚引き、手札から1枚選び、(R)にコールし、そのターン中、『【永】【(R)】:このユニットはカードの効果で選ばれず、常にパワーが99999になる。』を与える。

 

 

「うっ……! くっ……!」

 

自分の手札を見つめているヒカル。

苦しそうに、声を漏らす。

 

ミコトが手を伸ばした。

 

「メレアグリデスのスキル! ドロップのシャドウ・レディバグをシャドウゾーンに置き、スキル発動! パワーはメレアグリデス、クリティカルはセレネシスへ!」

 

 

メレアグリデス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ストイケイア - インセクト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【メタモルフォシス】-「ルナコクン」((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)

【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1),あなたのドロップから【超】トリガー以外のトリガーユニットを1枚シャドウゾーンに置く]ことで、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのトリガー効果を1回発動する。

― 影の蝶が魅せるのは、光輝く「奇跡」の夢。

 

 

カードを影の領域へと送るミコト。

虫の姫君と蝶の女怪人の身体が、鈍く輝く。

 

 

シャドウ・レディバグ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― 影の世界には、かつて失われた遺伝子が隠されている。

 

 

「アドマンティスをコール! スキルで、メレアグリデスにパワー+5000!」

 

残っていた最後の1枚。

蝶の女怪人の後ろ、蟷螂の怪人が姿を現した。

 

 

共謀怪人 アドマンティス

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ストイケイア - インセクト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたの他のリアガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。

― 自ら手を見下すのは、あくまで最後の手段でいい。

 

 

並び立ったカード達。

ミコトの手からカードが消える。

 

ゆっくりと、腕を動かして──

 

「セレネシスで、ヴァンガードにアタック!!」

 

ミコトの声が、2人の間に響いた。

妖艶な笑みを浮かべ、手をかざす虫の姫君。

 

影の竜が咆哮をあげ、世界が揺れる。

 

 

夢幻蝶姫 セレネシス パワー48000 ☆2

 

 

大地に刻まれる、巨大な影の魔法陣。

碧色の輝きが放たれ、魔力が戦場を飲み込んだ。

 

聖域の竜もまた、美しい咆哮をあげて──

 

「完全ガード!!」

 

影を切り裂くように、光の盾が降臨した。

 

 

アイジスメア・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― この痛み……私が全て引き受けましょう。

 

 

カードを場に出しているヒカル。

その目から涙がこぼれ落ちる。

 

「チェック・ザ・ドライブ!!」

 

高らかな声。

ミコトが手を伸ばした。

 

「ファーストチェック、ノートリガー。セカンドチェック、クリティカルトリガー!!」

 

ひまわりの衣装を着た少女の姿が、表になる。

 

 

憧憬の乙女 アラナ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― はい!もう一輪プレゼント♪

 

 

「パワーはメレアグリデス!! クリティカルはルナコクンへ!! サードチェック!!」

 

効果を振り分けるミコト。

さらに手を伸ばし、カードをめくる。

 

月の光に照らされて──

 

「クリティカルトリガー!!」

 

最後の1枚が、月明かりを受けて輝いた。

 

 

憧憬の乙女 アラナ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ストイケイア - バイオロイド 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― はい!もう一輪プレゼント♪

 

 

「効果は全て、メレアグリデスへ!!」

 

大きく宣言するミコト。

ヒカルは何も言わず、その言葉を聞いている。

 

指をカードの上にのせて──

 

「メレアグリデスでアタック!!」

 

ミコトが、カードを動かした。

蟷螂の援護を受ける、青白い蝶の女怪人。

 

黒い鱗粉が戦場を舞い、鈍い輝きを放つ。

 

 

メレアグリデス パワー66000 ☆2

 

 

「完全ガード!!」

 

泣きながらカードを場に出すヒカル。

再び光の盾が現れ、鱗粉を吹き飛ばした。

 

 

アイジスメア・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― この痛み……私が全て引き受けましょう。

 

 

攻撃を防ぐヒカル。

その手に残ったカードは、1枚のみ。

 

そっと、指を置いて──

 

「ルナコクンで、ヴァンガードにアタック!!」

 

最後の宣言を、ミコトが行った。

横向きになるカード。金色の繭の妖精の1枚。

 

悪戯っ子のように、妖精が戦場を飛び回る。

 

 

ルナコクン パワー99999 ☆2

 

 

「……うぅっ」

 

声を漏らすヒカル。

その手に残ったカードに、視線を落とす。

 

 

天音の楽士 アルパック

トリガーユニット【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ケテルサンクチュアリ - エルフ 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 苦しい時は、英気の音色で心を支えて。

 

 

ヒカルの中に、今までの思い出が蘇った。

3人で過ごした日々。笑顔と、楽しい時間。

 

本当は忘れたくなかった、大切な記憶。

 

「あたし、あたしは……!」

 

涙を流しながら、口を開くヒカル。

力が抜けたように、肩を落とす。

 

顔を伏せて──

 

「ノー……ガード……」

 

ヒカルの言葉が、2人の間に響いた。

 

戦場の空を飛び回っている、金色の繭の妖精。

聖域の竜へと近づくと──

 

にっこりと、笑みを浮かべた。

 

その全身から眩い光が放たれる。

白い色に染まっていく世界。穏やかな光。

影と光が混じり合い、溶けあっていく。

 

戦場の全てを光が包み込み、そして──

 

世界が、元の落ち着きを取り戻した。

まるで何も起こらなかったかのような、

穏やかな地平。消えた戦いの跡。

 

誰もいない大地だけが、静かに広がっていた。

 

 

イマジンセイバー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ケテルサンクチュアリ - コスモドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、イマジナリーギフトを1つ得る。(色に応じたギフトを得る)

【自】:このユニットがペルソナライドして登場した時、あなたが「誓い」のクレストを得ているなら、【コスト】[「誓い」のクレストを戻す]ことで、あなたは「誓い」のクレストを1つ得る。

【永】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル中、パワー+10000。

― 神聖なる竜の光が、失われた奇跡を呼び覚ます。

 

 

ヒカル ダメージ4→6

 

 

場に並べられた6枚のカード。

決着がつき、辺りが静まり返る。

 

「うっ……! うっ……!」

 

がっくりとうなだれ、泣いているヒカル。

涙が頬を伝い、ぽたぽたと落ちていく。

 

「ヒカル」

 

優しく声をかけるミコト。

ヒカルの方へと歩み、近づいていく。

 

「っ!!」

 

怯えたような表情。

ヒカルがその場で身じろぎした。

 

「あ、あたし……!!」

 

ミコトを見つめているヒカル。

涙でぐしゃぐしゃになった顔を向ける。

 

「あたし……あたし、ずっと謝りたくて……!! あたし、本当に、酷い事ばっかりしちゃって……!!」

 

振り絞るような声。

ヒカルが目をぬぐい、視線をそらした。

 

「今更、遅いけど……!! 本当はずっと、こうやって謝りたくて……!! ごめんなさい……!! あたし、あたしは……!!」

 

言葉が途切れるヒカル。

その場で声をあげて、泣きじゃくる。

 

ミコトがヒカルの前に立ち、そして──

 

「大丈夫だよ、ヒカル」

 

そっと、ヒカルを抱きしめた。

「あっ……」と小さく声を漏らすヒカル。

 

ミコトもまた、涙ぐみながら微笑む。

 

「全部、分かってるから。だから大丈夫だよ。あたしずっと、ヒカルの傍にいるから」

 

ぎゅっと、力を込めるミコト。

穏やかな体温が、互いの身体に伝わる。

 

「ミコトお姉ちゃん……!!」

 

ヒカルもまた、ミコトの身体を抱きしめる。

顔をうずめると、声をあげて泣き始めた。

 

「ヒカル……」

 

慈しむような目を向けているミコト。

ぼろぼろと、その目から涙がこぼれていく。

 

柔らかな風が吹いて──

 

月の光が、いつまでも2人の姿を照らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽の光が、地上を明るく照らしていた。

 

鮮やかな青い色。雲一つない空。

夏の訪れを感じさせるような、暑い陽気。

 

公園内、花束を持った黒髪の少女が──

 

「……ヒカル」

 

ベンチに座っている少女に、声をかけた。

長い金髪の少女──ヒカルが、顔をあげる。

 

「……ミコトお姉ちゃん」

 

小さな声を出すヒカル。

立ち上がり、黒髪の少女──ミコトと向き合う。

 

2人がその場で、見つめ合った。

 

「……それじゃあ、行きましょう」

 

しばしの間。

ミコトが花束を持っていない方の手を差し出す。

 

「……うん」

 

頷くヒカル。

そっと、差し出された手を取った。

 

手を繋ぎながら、2人が歩き出す。

 

「……私、初めて行くの」

 

前を向きながら、そう話すミコト。

ヒカルが頷いた。

 

「あたしもだよ。なんだか、行けなくて……」

 

顔を伏せ気味に答えるヒカル。

穏やかな空の下で、2人は歩き続ける。

 

ミコトが目を伏せがちに口を開いた。

 

「この前、ツキちゃん、夢に出てきたの」

 

「……えっ?」

 

驚き、ミコトの方を向くヒカル。

ミコトが目を閉じた。

 

「私のこと、心配だったのかな。ともかく、いきなりだったから驚いちゃって」

 

感慨深く語るミコト。

短く息を吐く。

 

「おまけに、全然変わってなくて。私の事、ファイトでボコボコに負かして消えてったの。本当、相変わらずよね」

 

呆れたような口調のミコト。

ヒカルが複雑そうな表情を浮かべる。

 

目線を伏せながら──

 

「……あたしの所にも、来たよ」

 

ぼそりと、ヒカルがそう言った。

今度はミコトが驚く。

 

「……えっ?」

 

「ちょうど、数日前。いきなり夢の中に出てきて、それで色々と話していったの……」

 

ぽつぽつと話しているヒカル。

その目が潤む。

 

「ツキちゃん、本当に変わってなくて。あたしの事見て、『ヒカルが不良になってる!?』って。でもすぐに、成長したねって、綺麗になったねって……」

 

「……そう」

 

相槌をうつミコト。

前を向き、歩き続ける。

 

ヒカルがため息をついた。

 

「あと、ファイトもしたいって言うから、相手した。全然敵わなくて、ボコボコにされたけど」

 

どこか悔しそうに言うヒカル。

ミコトが顔をしかめた。

 

「……ひょっとしてツキちゃん、心配なんじゃなくて、ただファイトしたかっただけなの?」

 

「……否定できないね」

 

顔を見合わせる2人。

そのまま無言で、首を振った。

 

2人が歩き続ける。

 

「……でも、会えて嬉しかったよね」

 

「……そうだね」

 

並んで歩いている2人。

他愛のない会話が、続く。

 

白い塀が目の前に広がって──

 

2人が、大きな門の前で立ち止まった。

 

「…………」

 

無言で佇む2人。

だがやがて、繋いだ手に力を入れる。

 

「……うん」

 

どちらともなく、呟く。

2人が再び、ゆっくりと歩き出した。

 

開けた霊園の中を、2人が進んでいく。

 

一歩、一歩。少しずつ。

前を見ながら、進んでいく2人の少女。

風が吹いて、少女達の髪が揺れた。

 

やがて、2人が立ち止まって──

 

目の前の墓標に、視線を向けた。

丁寧に手入れされた墓標。供えられた花。

 

「…………」

 

持っていた花束を、ミコトが置く。

無言で見つめているヒカル。

 

白い墓標に向かって──

 

「久しぶり、ツキちゃん」

 

ミコトが微笑みながら、そう話しかけた。

 




VANGUARD
LunaLight
 FIN

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