カードファイト!! ヴァンガード LunaLight 作:バビロン@VG
目の前に、白色が広がった。
白と黒。モノクロの世界。
どこまでも続いていく、不思議な空間。
テーブルをはさんで、長い髪の少女が言う。
「あー、負けちゃった」
目の前に並んだ、数枚の黒いカード。
不満そうに、少女はそれを眺めている。
顔のところにかかっていたもやが晴れて──
「でも、楽しかったよ!」
少女の顔が、はっきりと見えるようになった。
楽し気に微笑んでいる少女。
目を輝かせて、私の方を見る。
「ねぇねぇ、ミコトお姉ちゃん! もういっかいやろうよ、次は負けないから!」
甘えるような声。
答えないでいると、少女がムッとする。
「あっ、ひょっとして、勝ち逃げしちゃう気? ダメだよ、私、勝つまで諦めないから!」
不満そうな少女。
だがすぐに、にっこりと笑顔を浮かべる。
「だから、ね? いっしょに遊ぼ!」
可愛らしく、少女は私の言葉を待っている。
静かに息を吸って、吐く。
こくりと、私は頷いた。
「やったー! ミコトお姉ちゃん、大好き!」
両手をあげて、喜んでいる少女。
楽しそうに、カードを集め始める。
ふと、何かに気づいたように──
「あっ!」
少女が、私の後ろに視線を向けた。
嬉しそうに、少女が手を振る。
きーんという耳鳴りが、響いた。
割れるような痛み。頭を抱える。
まばたきをして──
目の前に、黒色が広がった。
暗闇のような、深い色の黒。
そこに光はなく、ただ闇だけが続いている。
暗闇の中心、少女の姿が浮かび上がっている。
「ミコトお姉ちゃん……」
顔を伏せた少女。表情は見えない。
何もかもが飲み込まれた、黒の世界。
少女がゆっくりと、口を開いた。
「どうして────」
目が覚めた。
自分の部屋の天井。小鳥のさえずり。
窓から、穏やかな朝の陽ざしが差し込んでいる。
「…………」
身体を起こす。
寝間着がじっとりと、肌にはりついていた。
不快な気分。ぎゅっと、毛布を掴む。
「……ヒカル」
その言葉は誰にも届かず、消えていく。
机の上の白いデッキケースだけが、
私を見つめ返すようにたたずんでいた。
終わりを告げる鐘が鳴った。
放課後の学校。夕暮れの時刻。
誰からも見捨てられた、古い空き部屋。
凍りつくように、空気は張りつめている。
「ようやくだ」
空き部屋の中央、テーブルの上。
カードを置きながら、男子生徒が口を開いた。
黒い髪に、整った顔立ち。鋭い目。
着崩した制服の裾をまくり上げ、
首からはシルバーのネックレス。銀の指輪。
獲物を狙う獣のような目で、対面の少女を見る。
「4年間、俺はずっとお前を探していた」
噛みしめるような口調。
一枚一枚、カードを並べていく。
「お前を倒すことで、俺はようやく、あの日から前に進むことができる。今日こそ、あの日の誓いを果たす」
少年の全身から鋭い殺気が溢れる。
僅かに、対面の少女が身じろぎした。
最後の一枚。黒の魔法陣のスリーブのカード。
少年の口元に笑みが浮かび──
「いくぜ」
指を、カードの上にのせた。
テーブルを挟み、対峙している二人。
どこかぎこちなく、少女もまた手を伸ばした。
夕焼けが二人を照らし──
「スタンドアップ・ヴァンガード!!」
少年と少女が、カードを表にした。
二人の視線が一瞬、空中でぶつかる。
(どうして……)
目の前で表になっているカードを見る少女。
だらだらと冷や汗を流しながら──
(どうして、こんなことにー!!)
少女──日枝マドカは、
心の中で大きな叫び声をあげていた。
緊張と後悔、そして恐怖。渦巻く感情。
マドカの脳裏に、数時間前の光景が蘇った。
お昼休みの教室。
生徒達は机の上にお弁当を広げ、
楽しそうに歓談している。賑やかな雰囲気。
そんな和やかな教室の一角で、
「……はぁ」
日枝マドカが、ため息をついた。
悩んだ表情。目をつぶり、頬杖をつく。
「元気ないじゃん、マドカ」
「マドちゃん、不調」
ユウコとトモエが不思議そうに話す。
マドカが再びため息をついた。
「昨日、ちょっとね……」
言葉を濁すマドカ。
ユウコが箸を動かしながら尋ねる。
「昨日? ひょっとして、本当に探しに行ったの? 例のルーンシャトー」
もぐもぐとお弁当を食べているユウコ。
トモエが指を伸ばした。
「それはそうだよ。マドちゃん、動画のためなら大抵のことやってくれるもん」
断言するトモエ。
ユウコが「まぁ、確かに」と頷く。
「それでどうなの? 見つけた? 伝説」
期待なく尋ねてくるユウコ。
マドカが「うーん」と唸り、ため息をついた。
「……見つけたかもしれないけど、微妙」
自信なく、目線をそらすマドカ。
ユウコとトモエが驚く。
「えっ、嘘! 本当に見つけたの!?」
「マドちゃん、名探偵。すごい!」
はしゃいでいる二人。
マドカが手を振る。
「うーん、まだちゃんと確認できたわけじゃなくて。ていうか、そもそも私も訳分からなくて……」
どんどん小さくなっていくマドカの声。
ユウコとトモエが首をかしげる。
ちらりと、マドカがミコトの方を見た。
「…………」
がやがやとした教室の端。
氷川ミコトは1人、黙々と食事をしている。
「どうしたの、マドカ?」
マドカの視線に気づいたユウコが言う。
二人に向き直り、マドカが声をひそめた。
「あのさ、二人は氷川さんの事って、なにか知ってたりする?」
真剣な表情のマドカ。
ユウコとトモエが顔を見合わせた。
「いや。あたし、話したことないから」
片手を振って答えるユウコ。
マドカが「だよね」と残念そうに呟く。
トモエが、おもむろに箸を置いた。
「まったく、2人とも仕方ないなぁ」
弾むような声を出すトモエ。
二人が、嫌な予感を感じ取る。
「ならば教えてしんぜよう! この真実の伝道者、トモエちゃんが!」
びしっと、トモエが指を天に伸ばした。
いそいそと、可愛らしいメモ帳を取り出す。
「ミコちゃんこと、氷川ミコトちゃん。美人で、スタイル良くて、勉強もできる。でも部活は入ってないし、親しい友人もなし。恋人の噂もゼロ。告白はされてるみたいだけど」
メモ帳を読み上げているトモエ。
ユウコが「へー」と興味なさそうに言う。
「やっぱ、モテるんだ。氷川さん」
「うむ。男女問わずに、ミコちゃんは人気」
得意そうなトモエ。
人差し指を伸ばす。
「そんなクールビューティーなミコちゃんだけど、昔は明るい子だったって噂もあるよ。真偽は不明だけど。少なくとも、中学の頃からは1人で過ごしてたみたい」
「……あのさ、トモエ。氷川さんってヴァンガードやってたとか、そういう話しはある?」
尋ねるマドカ。
トモエが顔をあげる。
「ヴァンガード?」
「うん、そう」
ページをめくるトモエ。
すぐに首を振る。
「公式の大会に出たとかの記録はなし。カードショップに出入りしてたとか、そういう目撃談もなし。少なくとも、私は知らない」
「そっかぁ」
残念そうにため息をつくマドカ。
ユウコが不思議そうにそれを見ている。
トモエがメモ帳を閉じた。
「それでね、マドちゃん。ミコちゃんに関しては、実は最新情報があるの」
唐突に、真剣な声色になるトモエ。
マドカとユウコが目を向ける。
「最新情報?」
「なに、トモエ? 急に、あらたまっちゃって」
投げかける二人。
トモエが目を閉じた。
「昨日の事よ。放課後、ある一人の女生徒が、忘れ物を取りにこの教室に戻ってきたの」
腕を組むトモエ。
「メモ帳を机に忘れるだなんて、一生の不覚。名探偵として、まだまだ修業が足りないかも」
「いや、トモエの話しなのかよ」
突っ込むユウコ。
トモエがコホンと咳払いした。
「ともかく、一人の女生徒が教室に戻ってきたの。誰もいないと思ってた教室。何気なく、私は教室に入ろうとした。その時、見てしまったの」
カッと、両目を見開くトモエ。
椅子から立ち上がると──
「マドちゃんとミコちゃんが、抱き合っているのを!!」
大きく、その言葉が教室中に響き渡った。
一瞬、教室中から音が消える。
「……はぁ!?」
驚き、マドカもまた立ち上がった。
その顔が赤くなっていく。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってトモエ! 何言ってんの!?」
「それはこっちが聞きたいよ、マドちゃん! まさかマドちゃんが、いつのまにかミコちゃんを篭絡していただなんて!」
恥ずかしそうに両手を頬にあてているトモエ。
マドカが昨日の光景を思い出す。
「あ、あれは! 私が倒れそうになったのを、氷川さんが支えてくれて!」
必死になって言うマドカ。
トモエが目を見開く。
「倒れそうになるようなことを、教室で!?」
すっかり妄想的になっているトモエ。
ユウコはあんぐりと口を開けて固まっている。
トモエが頬をふくらませる。
「酷いよ、マドちゃん! 私達という大親友がいながら、孤高の美人に浮気するだなんて! いくら温厚な私でも、これは激おこだよ!」
「いや、だから、ほ、本当に誤解で──」
真っ赤になっているマドカ。
周りからの注目が集まりつつある中──
「三芳野さん」
冷たい声が、その場に響いた。
言い争うのを止める二人。声のした方を向く。
氷川ミコトが、姿勢よくその場に立っている。
「ミコちゃん!」
驚いたように声をあげるトモエ。
目を細めながら、ミコトが口を開いた。
「お話しするのでしたら、もう少し声を小さくしてくれませんか? 聞こえてきますので」
絶対零度の温度を感じさせる言葉。
トモエがひるみ、たじろぐ。
ミコトが視線をそらした。
「それと、昨日の事でしたら誤解です。日枝さんが転びそうになったのを、私が受け止めただけですから。他意はありません」
「……本当?」
疑わしそうにミコトを見るトモエ。
ミコトが呆れたように息を吐く。
「スマホをいじりながら、楽しそうに教室から出ようとしたところで、思い切り足を滑らせたんです。小学生みたいでした」
「…………」
考え込んでいるトモエ。
やがて、納得したように、頷いた。
「マドちゃんなら、ありうる」
断言するトモエ。
その言葉で、一斉に誤解が解けた。
教室が元の騒々しさを取り戻す。
「ごめんミコちゃん、早とちりしちゃって……」
しょんぼりとしているトモエ。
ミコトが首を振った。
「別に、構いません」
無表情のままのミコト。
顔を真っ赤にしたマドカが、割り込む。
「構わなくない! 何で氷川さんの言う事は信じて、私の言ってる事は信じてくれないのよ!?」
わなわなと震えているマドカ。
ユウコが手をひらひらとさせる。
「まぁまぁ、別にいいじゃん、マドカ。誤解は解けたんだから」
「そういう問題じゃない!」
「ごめん、マドちゃん! このお詫びはいつか絶対にするから!」
両手を合わせているトモエ。
マドカは涙目のまま、その場で暴れている。
「誤解が解けて何よりです。それでは」
冷ややかに、ミコトが軽く頭を下げた。
ミコトがその場から去ろうとする。
「あ、氷川さん、ちょっと待ってよ!」
慌てて、マドカが呼び止めた。
ミコトが振り返る。
「なにか?」
「あの、その、昨日の事なんだけど……」
もじもじと指を動かしているマドカ。
ミコトが冷たい目を向けた。
「昨日言ったことは、そのままの意味です」
マドカの脳裏に、昨日の言葉が蘇る。
『ルーンシャトーはもういません。だから、探す意味はない』
無機質で、拒絶的な言葉。
ミコトが無表情のまま、マドカを見据える。
「それ以上、話すことはありません」
「……うぅっ」
何も言えなくなるマドカ。
先程とは違う雰囲気に、ユウコとトモエが
いぶかしげな視線を二人に向けた。
「なに、どうなってんの?」
「やっぱり、デキてる? 痴話喧嘩?」
ひそひそと話している二人。
ミコトが息を吐いた。
「他に用件がなければ──」
言いかけた瞬間、
「なぁなぁ、この子知ってるー?」
教室の入り口、廊下側。
軽薄そうな声が、教室の中にまで響いた。
「えっ、マジ? あんがとー!」
テンションの高い声。
そのまま教室に、一人の男子生徒が入ってきた。
背の高い少年。薄茶色の髪。水色の瞳。
整った顔だちに浮かぶ、明るい笑顔。
教室中の視線が少年に集まった。
「おいオウカ、下級生のクラスとはいえ、断りもなく勝手に入るな」
咎めるような口調。
少年の後ろから、黒髪で眼鏡をかけた
生真面目そうな雰囲気の生徒が続く。
「あっ、悪い悪い。失礼しまーす!」
おおげさに言う男子生徒。
眼鏡の生徒が、呆れたようにため息をつく。
「やば、本物初めて見た……!」
目を輝かせているユウコ。
マドカがこっそりと、トモエに耳打ちする。
「ねぇ、あれ、誰?」
小声のマドカ。
トモエがびっくりしたように目を丸くする。
「え!? マドちゃん、知らないの!?」
遅れてると言わんばかりの口調。
二人に視線を向けながら小声で話す。
「3年の九重(ここのえ)オウカ先輩と、高城(たかぎ)トウマ先輩! うちの高校でもトップクラスのイケメン! 学園中の憧れだよ!」
「……そう言われても、知らないし」
トモエの熱っぽい口調に、
どこか付いていけない様子のマドカ。
ミコトは静かに、横目で二人の少年を見ている。
「急に邪魔してごめんな! 実はさ、俺達、ちょっと探してる奴がいるんだよねー」
軽い口調で話すオウカ。
トウマが渋い表情を浮かべる。
「オウカ、もう少し説明してやれ」
「おっと、そうか。なんていうかな、俺達っていうか、探してるのはアキトの方なんだよね」
アキト。聞いたことのない名前。
マドカの疑問を感じ取り、トモエが説明する。
「同じく、3年の瀧宮(たきのみや)アキト先輩。スポーツ万能、成績優秀、おまけに読者モデルまでやってる、うちの高校のトップオブトップイケメン。振られた女生徒は星の数」
きわめて真剣な声のトモエ。
指を伸ばして続ける。
「あと、マドちゃんと同じで、ファイター。オウカ先輩とトウマ先輩と一緒に、オーバーブルーっていうヴァンガードのチーム組んでる。この辺りだとけっこう有名だよ」
「……カウンターファイターなんだ」
二人を見ながら、呟くマドカ。
一人の女生徒がオウカに話しかけた。
「あ、あの、オウカ先輩! 探してる人って?」
「おっ、よくぞ聞いてくれました!」
わざとらしく指を鳴らすオウカ。
楽しそうに笑いながら、教室を見渡す。
「実はさ、昨日のことなんだけど、知り合いのいるチームの奴から連絡があってさー」
どこまでも軽い口調のオウカ。
ヘラヘラと笑いながら──
「チーム・ベルフレイムの高麗リンカを、倒しちゃった奴がいるんだよ」
あっさりと、オウカがそう言い放った。
どよめきが教室の中に広がる。固まるマドカ。
トウマが前に出た。
「あいつはちょっと変わった女だったが、武蔵国でも有名なカウンターファイターだ。それがあっさり倒されるとは、信じがたい話しだ」
「しかも、圧勝だったんだってさ! いやー、すげーすげー」
ちゃかすように、震えて見せるオウカ。
マドカの心臓の鼓動が早まる。
「ひ、氷川さん……?」
ちらりと、ミコトの方を見るマドカ。
ミコトは無表情のまま、黙り込んでいる。
「で、ここからが本題! その高麗リンカを倒したファイターってのがさ、実はうちの高校の生徒みたいなんだよ!」
オウカの明るい声が響く。
教室中の空気が、さらに張りつめた。
眼鏡を指で持ち上げるトウマ。
「昨日の光景を隠し撮りした奴がいたらしくてな。そのファイターの顔は割れている」
淡々とした口調。
マドカの緊張が一気に高まった。
これって、マズい展開なんじゃ……!
ミコトの事を見上げるマドカ。
表情に変化はなく、落ち着いた様子のミコト。
「で、さっきから教室中を当たってたんだけど、ジャジャーン! ついにビンゴときたわけ!」
効果音をつけながら、オウカが指を伸ばした。
トウマが息を吐く。
「遊びじゃないぞ、オウカ。少なくともアキトの奴は本気だ」
「わーってるって。にしてもアキトもさ、この話し聞いてから動揺しっぱなしだもんな。らしくないって本当」
呆れたように、頭の後ろで腕を組むオウカ。
トウマが視線を教室の中へ向ける。
「さて、ここまで聞けば分かるだろう。そいつはこの教室の中にいる。このまま名乗り出てくれれば、話は早いのだが?」
鋭い目で教室を見回すトウマ。
誰も何も言わず、動かない。沈黙が流れる。
「なら、仕方ない。こちらから動くまでだ」
そう言って、トウマが一歩、踏み出した。
コツコツという靴の音だけが教室に響く。
トウマが、真っ直ぐマドカ達の方へと進んだ。
「えっ、嘘!? こっちに来るんだけど!」
驚き、息を呑むユウコ。
トモエは「おー」と目を輝かせている。
無表情のミコトと、緊張しているマドカ。
4人の前に、トウマが立った。
「…………」
じっと、トウマを見つめているミコト。
痛い程の沈黙。マドカが胸の前で手を握る。
「ふん、ここまで来ても認めないか」
マドカ達を見下ろしているトウマ。
呆れたように、眼鏡に手をあてる。
「まぁ、いい。こちらには写真もある。悪いがアキトのためだ、お前には付き合ってもらう必要がある。一緒に来てもらうぞ」
眼鏡の奥、鋭い目を向けるトウマ。
緊迫した雰囲気。教室中の注目が集まる。
「まどろっこしいったら。こういうのはさ、強引さも必要なんだよねっと」
ひょいと、オウカが後ろから割り込んだ。
笑顔のまま、腕を伸ばす。そして──
「なっ! ルーンシャトーちゃん!」
日枝マドカの、腕を掴んで持ち上げた。
「……ふえ?」
間の抜けた声を出すマドカ。
横のミコトが、少しだけ目を丸くした。
堰を切ったように、教室がどよめきだす。
「えっ!? なになに、どういうこと!?」
「マドちゃんが、ルーンシャトー!?」
「日枝さんが!?」
混沌が渦巻く。
マドカがぷるぷると震えながら口を開いた。
「あっ、あっ、あの! 違──」
何かを言おうとするマドカ。
だがそれより早く、トウマが口を開く。
「言い訳は無用だ。これを見ろ」
紺色のスマホを差し出してくるトウマ。
表示されているのは、一枚の画像。
薄暗い室内に、ぴんぼけした風景。
写真の中央には、マドカが映っている。
「ベルフレイムの連中からだ。お前だな?」
追及するような口調。
写真の中、ミコトの姿はマドカの姿に隠れ、
全く映っていなかった。
マドカが口を開けたまま、凍りつく。
「やー、それにしても驚き。こんな身近に伝説のファイターがいたなんてさー」
おどけた様子のオウカ。
にっこりと、マドカに向かって微笑む。
「ま、とりあえず仲良くしようぜ、な?」
茶化すような声。
トウマがぎろりと、オウカをにらんだ。
騒ぎをかき消すように、予鈴が鳴る。
「時間切れか。続きは放課後だな」
トウマの言葉を聞き、オウカが手を離した。
眼鏡の位置を直すトウマ。背を向ける。
「また迎えにくる。話はそれからだ」
堅苦しく、そう告げるトウマ。
笑顔のオウカが手を振った。
「じゃ、まったねー!」
親し気な声。響くため息。
二人が教室から出ていった。
残されたマドカに、教室中の視線が集まる。
「……ユウコォ、トモエェ」
泣きそうになっているマドカ。
助けを求めるように、振り返るが──
「まさか、マドカが伝説のファイターだったなんて。人は見かけによらないものなんだねー」
「さすがマドちゃん。いつだって私達の予想を超えてくる。面白い女」
からかうように、笑っている二人。
マドカが手を広げた。
「だ、だから、誤解だって!!」
必死の叫び。
ハッと気付き、マドカが横を向いた。
「そ、そうだ! 氷川さん! 氷川さんなら、これが誤解だって分かるよね!?」
涙目になっているマドカ。
ミコトが僅かに目を細めて、口を開く。
「さぁ」
「さぁって!」
抗議の声をあげるマドカ。
だがマドカがさらなる文句を言う前に、
ミコトは自分の席へと戻って行ってしまう。
孤立するマドカ。
ひそひそと、周りのささやき声だけが響く。
「……うううぅぅぅ」
誰も味方がいないことを理解するマドカ。
燃え尽きたように、机に突っ伏す。
暗いオーラを出しながら──
「早退したいよぉ……」
涙声で、マドカはそう呟くのだった。
鐘の音が鳴り響いた。
待ちに待った放課後。自由な時間。
夕暮れの空が、鮮やかな色を見せている。
騒がしい教室から──
「それじゃあ!」
足早に、日枝マドカが出て行った。
廊下を行き交う生徒達。縫うように、
その隙間を駆け抜けていく。
「……うぅぅ」
鞄を胸の前で抱きかかえているマドカ。
トウマの声が脳裏に蘇る。
『続きは放課後だな』
「無理無理無理! これ以上誤解されたら、いよいよ教室での私の立場がおかしくなる!」
切実なマドカ。
頭の中に、トモエが現れる。
『大丈夫。マドちゃんは、元から面白い人の扱いだから』
にっこりと微笑んでいるトモエ。
その姿を、マドカは頭の中から追い出した。
「と、とりあえず、今日はこのまま帰──」
階段を駆け下りていくマドカ。
下駄箱に向かって、廊下を曲がった瞬間、
勢いよく、マドカが誰かにぶつかった。
「ふぎゃ!」
バランスを崩して、尻もちをつくマドカ。
鼻の辺りをさすりながら、顔を上げる。
一人の男子生徒の姿が、目に映る。
黒い髪に、整った顔立ち。鋭い目。
袖を捲り上げ、胸元にはシルバーのアクセ。
目を細め、じっとマドカを見下ろしている。
──不良。
マドカの受けた第一印象は、それだった。
男子生徒が口を開く。
「……お前か」
マドカを知った口ぶりで、男子生徒が言う。
その言葉を聞き、マドカが青ざめた。
「ま、まさか、オーバーブルーの……」
震える指を伸ばすマドカ。
男子生徒が一瞬、驚いたような表情を浮かべる。
フッと、男子生徒が悪役のように笑った。
「知っているなら話しが早い」
マドカの腕を掴む男子生徒。
無理やり立たせると、マドカを強引に引っ張る。
「あっ、あの! ちょっと話が──」
「ちょうどいい。俺もある」
有無を言わさぬ口調。静かな迫力。
廊下の端の空き部屋。押し込むように、
男子生徒がマドカを放り込んだ。
「俺は瀧宮アキト」
扉の前に立ちはだかる男子生徒──アキト。
ぎろりと、鋭い目を向ける。
「お前、俺を覚えているか?」
「……いいえ」
初対面ですと言いたかったが、
怖かったので無難にごまかすマドカ。
アキトが、不機嫌そうな表情を浮かべた。
「まぁ、4年前の話しだ。覚えてなくても、仕方はねぇな」
ぼそりと、呟くアキト。
やがて自嘲するように笑みを浮かべる。
「だがな、俺はお前を忘れたことはない。お前を倒す、そのことだけをずっと考えていた」
目をつぶり、感慨深く話すアキト。
ツカツカと部屋の奥へと進むと、
片手でテーブルを引っ張り出した。
「高麗リンカを倒したんだってな」
アキトがマドカを見据える。
凶悪な笑みがその口元に浮かんだ。
「もう、お前はいないもんだと思ってた。違う所に行っちまったってな。だからよ、俺は本当に嬉しいんだぜ」
両手を広げるアキト。
瞳孔が開いた鋭い目。放たれる殺気。
「お前が復活して……ようやく、お前と戦えるんだからな」
冷たい氷のような声が、その場に響いた。
マドカが気圧され、身体を震わせる。
だんと、紫色のデッキケースが置かれた。
「デッキを出せ」
威圧的な声。
冷たい炎が燃え上がるように、
アキトの周りの空気が重苦しさに包まれる。
「今日ここで、お前を倒す。お前の持つ不敗伝説も、ここで終わりだ」
真剣な表情を浮かべているアキト。
とても人違いですとは、言えない雰囲気。
「……うぅっ」
勢いに押し負けるように、
マドカもまたデッキケースを取り出した。
そうして、誤解は解けぬままに進み──
(どうして、こんなことにー!!)
並べられたカードを前にして、
心の中でマドカは悲鳴をあげるのだった。
「ミコちゃ~ん」
夕暮れの空。放課後の教室。
人がまばらに残っている中で、
トモエがミコトに話しかけてきた。
「なんですか?」
いつもと変わらぬ、冷たげな声で返すミコト。
トモエが不満そうに眉をひそめる。
「あ、ダメだよ、ミコちゃん。ミコちゃんは美人なんだから、もっとにっこりしないと!」
ニコニコと、自分の頬に指をあてるトモエ。
ミコトが僅かに目を細める。
「用件はなんですか?」
「あっ、そうそう。あのね、お願いがあるの」
ぽんと手を叩くトモエ。
顔の前で両手をあわせると、頭を下げる。
「お願い! マドちゃんを助けてあげて!」
「……日枝さんを?」
不思議そうに聞き返すミコト。
トモエが頷いた。
「うん。マドちゃん、どうも誤解されてるみたいだから。今頃、大変な目にあってると思う」
うんうんと一人納得した様子のトモエ。
ミコトが無表情のまま、トモエを見据える。
「そう思う、根拠はなんですか?」
「名探偵である、私の直観!」
自信満々に、トモエが断言した。
ミコトが一瞬、たじろいだ。
「ね、ね、お願いミコちゃん! マドちゃん良い子だから、友達として困ってるなら助けてあげたいの! この通り!」
再び、トモエが頭を下げた。
ミコトが息を吐く。
「どうして、私に頼むんです?」
目線をそらしながら、尋ねるミコト。
トモエが、びっくりしたように顔をあげた。
「えっ! だって、ミコちゃん、とっても良い人だから」
「……良い人? 私が?」
困惑したような声のミコト。
トモエがにっこりと微笑んだ。
「そうだよ! 間違いないって!」
「……それも、名探偵の勘ですか?」
頷く代わりに、トモエがピースで応えた。
静寂。遠くの方で、鳥がさえずる音だけが響く。
「なら、それは間違いです。期待しない方がいいですよ」
椅子から立ち上がり、ミコトが鞄を持った。
いつもの無表情。冷たく、近寄りがたい雰囲気。
トモエに背を向け、扉に向かって歩き出す。
「私は、ひどい人間ですから」
ぼそりと、ミコトが呟いた。
長い髪が揺れる。夕暮れの色に染まる黒髪。
「ミコちゃん!」
トモエが大きな声をあげた。
歩みを止めるミコト。
トモエが、輝くような笑みを浮かべた。
「私は、自分の推理を信じてるから!」
胸を張っているトモエ。
ミコトは首を振ると、再び歩き出す。
「一つだけ聞きますが」
廊下との境目、扉の前でミコトが振り返った。
「日枝さんが、ルーンシャトーかもしれないとは思わないんですか?」
どこか試すように、問いかけるミコト。
トモエが即答した。
「それはないよ。マドちゃん、そんなに器用そうなタイプじゃないし」
手を横に振っているトモエ。
そのまま、ミコトに視線を向けた。
「ミコちゃんは、器用そうだけどね!」
「…………」
ミコトは何も答えない。
短く息を吐くと、軽く頭を下げた。
「それでは、また明日」
「うん! またね~!」
笑顔のトモエ。
ミコトが廊下へと出て、歩き始める。
夕暮れの赤い光に、廊下は照らされている。
「…………」
静かな足音を立てながら、
ミコトは黙々と廊下を進んでいった。
階段を降り、下駄箱へと向かう。そして──
「やー、アキトの奴って、勘がきくよな~」
廊下の奥、二人の男子生徒の姿に気づいた。
軽薄そうな生徒と、眼鏡をかけた生徒。
二人は並んで、話し込んでいる。
「あとはアキトに任せればいい。奴なら、例え相手が誰であろうと負けたりしないはずだ」
「それな。てか、アキトも4年間探し続けるだなんて、案外ロマンチストな面もあるんだな」
楽しそうに笑っている男子生徒達。
他に誰もいない廊下に、その会話が響く。
その場に姿勢よく立っているミコト。
無表情のまま、僅かに瞳を揺らす。
小さくため息をつき、ミコトが歩き出した。
真っ直ぐに廊下を進み──
「聞きたいことがあるのだけど」
男子生徒達の前で、ミコトが口を開いた。
「ダメージチェック……」
小さい声。マドカがデッキに手を伸ばす。
祈るようにカードを表にし、そして──
6枚目のカードが、ダメージゾーンに置かれた。
六角宝珠の女魔術師
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ケテルサンクチュアリ - ヒューマン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(V)】:あなたのドライブチェックでトリガーユニットが出た時、あなたのリアガードを1枚選び、そのターン中、パワー+10000。
【起】【(V)】【ターン1回】:このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの手札から、【クリティカル】トリガーか【前】トリガーを1枚まで公開して山札の上に置き、そのターン中、このユニットのドライブ+1。
― 既知なる形のその中に、新たな啓示は眠っている。
決着がつく。
がっくりと、マドカが肩を落とした。
「あううう……」
情けない声を出すマドカ。
目の前の盤面を見ながら、心の中で呟く。
(ぜ、全然敵わない。強すぎるぅ……)
半べそをかいているマドカ。
アキトが目を丸くして、固まった。
「……なに?」
明らかに困惑した声を出すアキト。
口元に手をあて、しばし逡巡する。
アキトが結論を出した。
「お前、ルーンシャトーじゃないな?」
低く、不機嫌そうな声。
びくりと、マドカが身体を震わせた。
(ば、バレた。絶対に、怒られる! それどころか、もっと酷い目に合うかも……!)
これから起こる事を想像して、
恐怖に震えるマドカ。その顔が青ざめる。
痛々しいまでの沈黙が流れて──
「……はぁー」
アキトが、大きくため息をついた。
その場に座り込むと、両手で頭を抱える。
「……え?」
思わぬ反応に、戸惑うマドカ。
様子をうかがい、おそるおそる話しかける。
「あ、あの……?」
「……なんだよ」
ぶっきらぼうな声。
もはやマドカの方を見ようともしない。
「えっと、その。アキト先輩って、ルーンシャトーに会った事があるんですよね……?」
「……それがどうした」
「どんな人、なんです? 実は私も、ルーンシャトーの事を調べていて……」
アキトが顔をあげた。
鋭い目をマドカに向ける。
「どうして、俺がお前に教えないといけないんだよ。そもそもお前は誰だ」
イラついたように訊ねるアキト。
ひるみながら、マドカが指をもじもじとさせる。
「えーっと、私は、その、動画配信者で、チャンネルのために調べてるっていうか……」
口ごもるマドカ。
アキトの表情がさらに険しくなる。
「あ? 配信者? あの、デイブレイクやらSOLARやらいう連中の仲間か」
吐き捨てるような口調。
息を吐くと、アキトが立ち上がる。
「まぁ、いい。確かに、俺はルーンシャトーに会った事がある。4年前の大会でな」
大会。初めて聞く情報だった。
マドカの興味がそそられる。
「忘れもしない。15歳以下が参加できるユースクラスの全国大会だった。俺は1回戦でルーンシャトーとあたって、負けた」
思い出すように、ゆっくりと話すアキト。
視線を床の方へと向ける。
「圧倒的な強さだった。俺も今程強かった訳じゃないが、手も足も出なかった。今でもあいつが、俺が今まで戦った中で一番強い」
断言するアキト。
マドカがおずおずと尋ねる。
「それで、その。どんな人だったんですか?」
どきどきと返事を待つマドカ。
アキトが肩をすくめる。
「俺と同い年くらいの女だよ。顔は覚えてない」
ルーンシャトーは女性。とても重要な情報だ。
はやる気持ち。食い気味に、マドカが言う。
「見た目は、どんな感じでした?」
「……長い、黒の髪だったな」
頬をかきながら答えるアキト。
どくんと、マドカの心臓が高鳴る。
黒の長い髪。同い年くらいの女性。
やっぱり、氷川さんが。
疑惑が、確信になるマドカ。
さらなる情報を得ようとした瞬間──
「そんで、あれだ。めちゃくちゃ馴れ馴れしい性格だった」
アキトが、そう付け加えた。
一瞬、マドカの思考が止まる。
「……はい?」
思わず聞き返すマドカ。
ぷいと、アキトが顔をそむける。
「だから、なんていうか、すげえ話しかけてくる奴だったんだよ。色々と俺の事とか聞いてきてよ。名前なんていうの? とか、緊張してるの? とか、そんな感じで……」
口ごもるアキト。その話は、
今のミコトのイメージからはかけ離れていた。
『昔は明るい子だったって噂もあるよ』
トモエの言葉を思い出すマドカ。
そもそも、ヴァンガードをやめていたり、ルーンシャトーについて知っている口ぶりだったり、ミコトの言動には分からない所が多い。
そしてルーンシャトーは、4年前を最後に、姿を消している。
「……どういうこと?」
呟くマドカ。分からない事が多すぎる。
それでも、この話はミコトが中心になっている。
4年前に何かがあった? ミコトがヴァンガードをやめた理由は? 明るかった性格が、今のどこか暗い性格になったきっかけは?
頭の中に疑問が渦巻く。
だがいくら考えても、答えは出なかった。
「おい」
考え込むマドカに向かって、アキトが声を出す。
はっとなるマドカ。慌ててアキトの方を向く。
「は、はい?」
「そもそも、お前が写真に写ってたってことは、少なくとも高麗リンカを倒す場面に、お前はいたってことだよなぁ?」
威圧的な口調。
マドカが「あ」と思わず言い、慌てて押さえる。
当然、アキトはそれを見逃さない。
「やっぱりか」
ゆらりと、マドカに迫るアキト。
腕を伸ばし、マドカを壁際へと追い詰めた。
「ひゃっ!」
小さく悲鳴をあげるマドカ。
アキトが声を荒げた。
「教えろ! ルーンシャトーはどこだ! 俺は、あいつに会わなきゃいけないんだよ!」
「そ、それは……」
ミコトの姿が浮かぶ。
普段の教室での姿。高麗リンカと戦う姿。
そして倒れそうになった時に、助けてくれた姿。
「わ、私も、知らなくて……!」
涙目になりながら答えるマドカ。
アキトが噛みつくように言う。
「あぁ!? そんな返事で納得できると──」
アキトがさらに追及しようとした瞬間、
「日枝さん」
冷たい声が、その場に響いた。
二人がはっとなり、声のした方を向く。
扉の前に、氷川ミコトが静かに立っていた。
鋭い目をアキトに向けているミコト。
後ろ手に扉を閉めると、ツカツカと近づく。
「昨日も言いましたよね。付き合う友達は選んだ方がいいと」
「ひ、氷川さ~ん!」
感動した声をあげるマドカ。
隠れるように、ミコトの後ろへと逃げ込む。
「昨日だと?」
現れたミコトに視線を向けるアキト。
やがて理解したように、その目に暗い光が宿る。
「お前か? 高麗リンカを倒したのは」
低い声で、アキトが問いかけた。
ミコトが視線をそらす。
「さぁ。名前、聞いてませんでしたから」
冗談なのか本気なのか分からない回答。
アキトが「あ?」と声を出すが、すぐに笑う。
「なるほどな……」
楽しそうにミコトを見つめるアキト。
二人の視線がぶつかり、空気が張りつめた。
「お前、俺を覚えているか?」
「いいえ」
「なら、質問を変えるぜ。お前、ルーンシャトーか?」
冷たい殺気が、燃え上がるように広がる。
ミコトが目を細め、答える。
「ルーンシャトーはもういません。いくら探しても無駄です」
「それで納得できると思うか?」
「事実ですから。ルーンシャトーについて、もう口に出さないでくれませんか?」
拒絶するかのようなミコトの言葉。
アキトがにやりと笑った。デッキを構える。
「俺に命令したいって言うなら、ファイトで俺に勝て。そしたら従ってやる」
「…………」
沈黙しているミコト。
やがてため息をつくと、鞄の中に手を入れた。
白いデッキケースを、ミコトが取り出す。
「そのデッキホルダー……!!」
目を見開き、アキトが驚愕した。
ミコトは反応しない。デッキを片手に、
テーブルの奥へと進むと、振り返る。
ミコトとアキトが、対峙した。
「そうこなくちゃな……」
テーブルの上にデッキを置くアキト。
カードを並べながら、話す。
「この日をどれだけ待ち望んだか。お前を倒し、今度こそ、あの日の誓いを果たさせてもらう」
まるで自分に言い聞かせるような口調。
黒い魔法陣が描かれたスリーブのカードを置く。
ニヤリと、アキトが笑った。
「今度は、忘れさせねぇぜ」
威圧的な雰囲気。挑発するような声。
鋭い眼光が、ミコトの姿を捉えている。
「言ったはずです。口に出さないで、と」
凍てつくような言葉。
ミコトがテーブルにカードを並べていく。
手を伸ばし、ミコトが眼鏡を外した。
「忘れさせてあげます。今度は、永遠に」
アキトを睨み返すミコト。
月の絵が描かれたスリーブを、目の前に置く。
夕暮れの光。時間が止まったような感覚。
二人が、目の前のカードに指を伸ばした。
刹那の静寂。そして──
「スタンドアップ・ヴァンガード!!」
カードが、表になった。
「《アンキャニィ・バーニング》!!」
「……《サンセット・エッグ》」
アンキャニィ・バーニング
ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー6000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットがライドされた時、あなたが後攻なら、1枚引く。
― 焼いて欲しいのはどこの誰かな?
サンセット・エッグ
ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー6000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットがライドされた時、あなたが後攻なら、1枚引く。
― 人知れず眠る、夢幻の遺伝子を秘めた卵。
「氷川さん……!」
ごくりと、固唾をのんで見守るマドカ。
ミコトは静かに手札を眺めている。
アキトが手を伸ばす。
「俺のターン!」
荒々しくカードを引くアキト。
一枚を捨て、カードを置く。
「《ディープ・ソニッカー》に、ライド!」
場にカードが置かれる。
描かれているのは、白い髪の異能の青年。
「スキルでソウルチャージだ!」
ディープ・ソニッカー
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(V)に登場した時、【ソウルチャージ】(1)。
【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたのソウルが10枚以上なら、このユニットのパワー+10000。
― 重なり尖る風の刃。触れればたちまち2つに裂ける。
山札の上の1枚をめくるアキト。
そのままヴァンガードの下へと入れる。
「ターンエンド!」
心底、楽しそうに言うアキト。
見定めるように、ミコトを見る。
「私のターン」
静かにカードを引くミコト。
すぐに1枚を選ぶと、ドロップに捨てる。
「《緑の魔少女 "ダスク"》にライド」
緑色の髪の少女が描かれたカードが現れる。
緑の魔少女 "ダスク"
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが「サンセット・エッグ」からライドして登場した時、あなたの山札から「ルナコクン」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。
― 才華に溢れる少女を、人々は"夜"の名前で表現した。
「スキルで1枚ドロー。山札から、《ルナコクン》を手札に」
淡々と話すミコト。
金色の繭の妖精のカードを見せる。
ルナコクン
ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。
― あたしの姿、あなたにはどう見える?
「昨日と、同じデッキ……」
カードを見たマドカが小さく言う。
ミコトがカードを指で動かした。
「ダスクでヴァンガードにアタック」
静かな口調。
アキトがフッと息を吐く。
「ノーガード!」
「ドライブチェック。ノートリガー」
ノブレス・フリット
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:あなたのターン中、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのパワー+5000。
― 綺麗だろう?光を振りまくボクの姿は。
表にしたカードを見せるミコト。
手札に加えると、僅かに視線を伏せる。
「ダメージチェック。ノートリガーだ」
カードを見せるアキト。
1枚をダメージとして置く。
セルフィッシュ・エングレイヴァー
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットのアタックがヒットした時、【ソウルチャージ】(1)。
【自】【(R)】:このユニットがアタックした終了時、あなたのソウルが10枚以上なら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、【カウンターチャージ】(1)。
― ちょっと!固めてる最中に動かないでよ!
アキト ダメージ0→1
「ターンエンド」
変わらぬ無表情。感情のない言葉。
アキトが笑いながら、手を伸ばす。
「俺のターン!」
カードを引くアキト。
すぐに1枚を選ぶ。
「《エレクトロ・スパルタン》にライド!」
力強く宣言するアキト。
叩きつけるように、カードを置く。
エレクトロ・スパルタン
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが「重力の支配者 バロウマグネス」にライドされた時、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、1枚引き、【ソウルチャージ】(1)。
【自】:このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、【ソウルチャージ】(2)。
― 電圧、最高潮。充電、致死量。
「バトル! エレクトロ・スパルタンで、アタックだ!」
カードを動かすアキト。
すっと、ミコトがカードを出す。
「ガード」
シャドウ・レディバグ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― 影の世界には、かつて失われた遺伝子が隠されている。
「トリガーを使って、ガード?」
不思議そうに呟くマドカ。
ガード値23000。攻撃はほぼ防げる。
「ハッ! そうこなくちゃな!」
嬉しそうに目を細めるアキト。
山札の上を表にする。
「ドライブチェック。ノートリガーだ」
不敵に笑いながら、アキトがカードを表にした。
フレイミング・ポニー
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - キメラ
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【起】【(R)】【ソウル】:【コスト】[このカードをバインドする]ことで、【ソウルチャージ】(2)。
― 子供達の夢を乗せ、子馬は夜空を陽気に駆ける。
アキトのターンが終わる。
手を伸ばし、カードを動かすミコト。
「私のターン」
1枚引き、すぐにカードを選ぶ。
「《秘めたる才気 "ミッドナイト"》にライド」
月のスリーブに入れられたカード。
緑色の髪の少女が描かれている。
「スキルでソウルブラスト。シャドウゾーンの《メレアグリデス》を表に」
秘めたる才気 "ミッドナイト"
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ストイケイア - インセクト
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが「緑の魔少女 "ダスク"」からライドして登場した時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。
― 比類なき才能。彼女には直系の血が流れている。
白い兎のスリーブのカードを表にする。
昨晩の高麗リンカは、見たことのないスキルに困惑する様子だったが──
「ハハハハハ!!」
大きく、アキトが笑い声をあげた。
ぎょっとするマドカ。ミコトは黙っている。
「間違いない。忘れる訳もねぇ、その妙なスキル。ようやく、ようやく確信できた」
一人、納得しているアキト。
異様な雰囲気。高揚した表情。
ばっと、アキトが両手を大きく広げた。
「さぁ、踊ろうぜ、ルーンシャトー!! どっちが強いか決まるまでな!!」
大きく、叫ぶような声。
ミコトが僅かに目を細めた。
「あなたと踊る気はありません」
カードの上に、ミコトが指をのせた。
「ミッドナイトで、ヴァンガードにアタック」
カードを動かすミコト。
何の感情も浮かべず、アキトを見る。
「ノーガード!!」
アキトの宣言。ミコトがカードをめくる。
「ドライブチェック。ノートリガー」
プラナプリベント・ドラゴン
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - ネイチャードラゴン
パワー6000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。
― 護って見せるよ。やっと芽生えた命なんだから。
カードを手札に加えるミコト。
「ダメージチェック。ノートリガー!」
アキトがカードを置いた。
その表情に、あせりは微塵も感じられない。
リキューザルヘイト・ドラゴン
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - アビスドラゴン
パワー6000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。
― 理想だけでは意味がない。力なり正義に価値はない。
アキト ダメージ1→2
ダメージだけなら0対2。ミコトのリード。
だがアキトに、追い詰められた様子はない。
アキトが、手を伸ばす。
「俺のターン!」
弧を描くように、カードを引くアキト。
黒の魔法陣のスリーブに入ったカードを掴む。
「《重力の支配者 バロウマグネス》に、ライド!!」
勢いよく、アキトがカードを叩きつけた。
紫の髪。色の異なる手袋をつけた青年。
重力を操る異能存在が、そこには描かれている。
重力の支配者 バロウマグネス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(V)】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのソウルの枚数により以下すべてを行う。
・5枚以上-1枚引く。
・10枚以上-そのバトル中、このユニットのパワー+10000/クリティカル+1。
・15枚以上-あなたと相手は自分のリアガードすべてをソウルに置く。あなたのソウルから2枚まで選び、(R)にコールし、そのターン中、それらのユニットのパワー+10000。
― どっちかが潰れるまでだ!それが戦いって奴だろ?
「うぅっ、出た……!」
先程のファイトを思い出すマドカ。
ミコトの背中に隠れながら、戦いを見守る。
「スパルタンのスキル。手札1枚をソウルへ!」
エレクトロ・スパルタン
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが「重力の支配者 バロウマグネス」にライドされた時、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、1枚引き、【ソウルチャージ】(1)。
【自】:このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、【ソウルチャージ】(2)。
― 電圧、最高潮。充電、致死量。
ライドされた時の効果。
先程の白馬のカードがソウルに入れられる。
「そして1枚引き、ソウルチャージ!」
カードをソウルに入れるアキト。手札6枚。
1枚のカードを手にして、アキトが笑う。
「こっからが本番だ! 《ダイアフルドール あまんでぃーぬ》をコール!」
可愛らしい金髪の人形のカードが現れる。
ミコトが一瞬、警戒するように目を細めた。
「スキル発動! カウンターブラストを支払い、ターン中ソウルチャージされる数を1増やす!」
ダイアフルドール あまんでぃーぬ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - ワーカロイド
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたのソウルが10枚以上なら、このユニットのパワー+10000。
【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、そのターン中、あなたのカードの能力で【ソウルチャージ】する際、その数字を1増やす。
― 熱狂も戦慄も──観客の心は彼女の意のまま。
「えっ、なに、そんなのあるの!?」
驚いているマドカ。
アキトがダメージのカードを1枚裏にする。
「《幻想の奇術師 カーティス》をコール!」
さらなる1枚。
金髪の奇術師のカードが置かれる。
「登場時スキルで、ソウルチャージ!」
幻想の奇術師 カーティス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ダークステイツ - エルフ
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「重力の支配者 バロウマグネス」なら、【ソウルチャージ】(2)。
【起】【(R)】:あなたのソウルが10枚以上なら、【コスト】[【カウンターブラスト】(2)]することで、そのターン中、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。
― 世界の復興に合わせ、サーカスも連日盛況を見せる。
山札に手を伸ばすアキト。
スキルにより、3枚がソウルへ。
アキト ソウル6→9
「ソウルのポニーのスキル! バインドして、ソウルチャージ3!」
フレイミング・ポニー
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - キメラ
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【起】【(R)】【ソウル】:【コスト】[このカードをバインドする]ことで、【ソウルチャージ】(2)。
― 子供達の夢を乗せ、子馬は夜空を陽気に駆ける。
カードを抜き取るアキト。
山札のカードがソウルに置かれる。
アキト ソウル8→11
「ど、どんどんソウルが……!」
流れるようなカードさばきを、
呆然と見つめているマドカ。
アキトがカードを手に取る。
「《磁極反転・天則決壊》を使用!」
カードを顔の前に掲げているアキト。
ぴくりと、ミコトが反応する。
「……15枚」
じっと、カードを眺めるミコト。
アキトがダメージを裏返し、カードをソウルへ。
アキト ソウル11→15
「さらに前列ユニットのパワー+5000だ!」
大きく、アキトが宣言した。
磁極反転・天則決壊
ノーマルオーダー 〈3〉
ダークステイツ
「バロウマグネス」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することでプレイできる!
【ソウルチャージ】(3)、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、『【永】【(V)】:あなたのソウルが10枚以上なら、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。』を与える。
― 旧き秩序はここに崩壊し、新たな法則が築かれる。
「ソウル15枚……! だ、だけど、カウンターブラストはもうないから……」
考えるように盤面を見ているマドカ。
アキトが「ハッ」と鋭く笑い声をもらす。
「そして、《セルフィッシュ・エングレイヴァー》をコール!」
金髪の人形の前、カードが置かれた。
赤い髪の異能の少女の姿が、現れる。
セルフィッシュ・エングレイヴァー
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットのアタックがヒットした時、【ソウルチャージ】(1)。
【自】【(R)】:このユニットがアタックした終了時、あなたのソウルが10枚以上なら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、【カウンターチャージ】(1)。
― ちょっと!固めてる最中に動かないでよ!
「カウンターチャージ能力……!?」
テキストを読み、驚愕するマドカ。
コストの回復。それが意味する所は1つだ。
相手はこのターン中、全能力が使用できる。
「バトルだ! カーティスでアタック!」
カードを動かすアキト。
能力によるパワー上昇。数値は18000。
「ガード」
ミコトがカードを選ぶ。
真っ白な蝶の怪人が描かれたカードが置かれた。
ドリーミング・バタフライ
トリガーユニット【治】 +10000
(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)
― 夢の世界へと誘う、煌めく鱗粉。
ダメージを防ぐミコト。
だが、アキトの攻撃はまだ続く。
「あまんでぃーぬのブースト! エングレイヴァーでアタックだ!」
ブーストを付けた攻撃。
合計パワーは33000にまで上がっている。
「ノーガード」
手札を見ることもなく、ミコトが宣言する。
ダメージにカードが1枚置かれた。
共謀怪人 アドマンティス
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたの他のリアガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。
― 自ら手を見下すのは、あくまで最後の手段でいい。
ミコト ダメージ0→1
「スキルでソウルチャージ! さらに、自身をソウルに送る事でカウンターチャージ!」
カードをソウルに置くアキト。
ダメージのカードが1枚表になる。
にやりと、アキトがヴァンガードに指を置く。
「バロウマグネスで、アタック!!」
カードを横に動かすアキト。
流れるように、その下のソウルを広げて見せる。
「スキル発動! ソウルが15枚以上なので1枚引き、パワー+10000とクリティカル+1。さらに全てのリアガードをソウルへ!」
場のカードが吸い込まれるように消える。
アキトがソウルのカードを手に取った。
「そして! ソウルから2枚コールだ!」
重力の支配者 バロウマグネス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(V)】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのソウルの枚数により以下すべてを行う。
・5枚以上-1枚引く。
・10枚以上-そのバトル中、このユニットのパワー+10000/クリティカル+1。
・15枚以上-あなたと相手は自分のリアガードすべてをソウルに置く。あなたのソウルから2枚まで選び、(R)にコールし、そのターン中、それらのユニットのパワー+10000。
― どっちかが潰れるまでだ!それが戦いって奴だろ?
「い、いきなり、5回連続攻撃!?」
真っ青になって叫ぶマドカ。
アキトの場に、カードが2枚増える。
ダイアフルドール あまんでぃーぬ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - ワーカロイド
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたのソウルが10枚以上なら、このユニットのパワー+10000。
【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、そのターン中、あなたのカードの能力で【ソウルチャージ】する際、その数字を1増やす。
― 熱狂も戦慄も──観客の心は彼女の意のまま。
ディープ・ソニッカー
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(V)に登場した時、【ソウルチャージ】(1)。
【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたのソウルが10枚以上なら、このユニットのパワー+10000。
― 重なり尖る風の刃。触れればたちまち2つに裂ける。
「バロウマグネスのスキルと、磁極反転・天則決壊のスキル。さらにそれぞれの効果で、パワーの合計は33000!」
得意そうに言い放つアキト。
ミコトがカードを掴んだ。
「完全ガード」
プラナプリベント・ドラゴン
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - ネイチャードラゴン
パワー6000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。
― 護って見せるよ。やっと芽生えた命なんだから。
緑色の竜が描かれたカード。
ミコトがさらに1枚を捨てる。
「ハッ! その程度じゃ意味ねぇんだよ! ドライブチェック!」
デッキの上をめくるアキト。
1枚目が表になる。
重力の支配者 バロウマグネス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(V)】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのソウルの枚数により以下すべてを行う。
・5枚以上-1枚引く。
・10枚以上-そのバトル中、このユニットのパワー+10000/クリティカル+1。
・15枚以上-あなたと相手は自分のリアガードすべてをソウルに置く。あなたのソウルから2枚まで選び、(R)にコールし、そのターン中、それらのユニットのパワー+10000。
― どっちかが潰れるまでだ!それが戦いって奴だろ?
「ヴァンガードと同じカード!」
マドカの声。
トリガーではないものの、状況は良くない。
次のターンに向けた布石が整いつつある。
「セカンドチェック!」
勢いよく、さらにカードをめくるアキト。
口元に笑みが浮かび──
「ゲット、クリティカルトリガー!!」
黄土色の機械仕掛けの竜が、表になった。
ステムディヴィエイト・ドラゴン
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ダークステイツ - ギアドラゴン
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― 時を穿つ、必滅の弾丸が放たれる。
「効果は全て、あまんでぃーぬに!」
高らかに宣言するアキト。
ミコトは何も言わず、アキトを見ている。
「ディープ・ソニッカーで、アタック!」
たたみかけるように宣言するアキト。
ミコトが間を置かず答える。
「ノーガード」
カードをめくるミコト。
ダメージが増える。
ノブレス・フリット
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:あなたのターン中、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのパワー+5000。
― 綺麗だろう?光を振りまくボクの姿は。
ミコト ダメージ1→2
「あまんでぃーぬで、アタックだ!!」
鋭い目を向け、大きく言うアキト。
金髪の人形のカードが、ミコトを見つめている。
あまんでぃーぬ パワー43000 ☆2
「ノーガード」
視線を伏せがちに、宣言するミコト。
淡々とカードを表にしていく。
「ダメージチェック。ドロートリガー。1枚ドロー」
ダメージの2枚目。
可愛らしい乙女のカードを見せる。
ルナコクン
ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。
― あたしの姿、あなたにはどう見える?
晴朗の乙女 レェナ
トリガーユニット 【引】+10000
(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - バイオロイド
パワー4000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000
― こんなに良いお天気なのですよ?お散歩しましょ~♪
ミコト ダメージ2→4
「い、1枚は引けたけど……!」
悲観したように呟くマドカ。
一気にダメージを増やされた上、
ミコトのヴァンガードはいまだグレード2。
明らかに、追い詰められている。
「ターンエンドだ! どうだ、これでも俺の事を忘れようってのか! あぁ?」
吠えるように言うアキト。
手札の5枚を片手に、不敵な笑みを見せる。
ミコトが手を伸ばし──
「私のターン」
無表情のまま、カードを引いた。
1枚を捨て、月のスリーブのカードを手に取る。
「《夢幻蝶姫 セレネシス》に、ライド」
静かに、カードが置かれた。
緑色の髪をした姫君。影の支配者。
ミコトがアキトに鋭い目を向ける。
「スキルでシャドウゾーンの《メレアグリデス》を表に」
夢幻蝶姫 セレネシス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ストイケイア - インセクト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。
― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。
カードを表にするミコト。
アキトが目を見開く。
「ついに、来たな!」
喜びを抑えられない声。
ミコトがカードを手に取る。
「《ルナコクン》をコール」
金色の繭の妖精が現れる。
ルナコクン
ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。
― あたしの姿、あなたにはどう見える?
カードを掴むミコト。
目線を横に切り──
「メレアグリデスに、メタモルフォシス」
2枚のカードを入れ替えた。
メレアグリデス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ストイケイア - インセクト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【メタモルフォシス】-「ルナコクン」((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)
【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1),あなたのドロップから【超】トリガー以外のトリガーユニットを1枚シャドウゾーンに置く]ことで、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのトリガー効果を1回発動する。
― 影の蝶が魅せるのは、光輝く「奇跡」の夢。
「出た、変身能力!」
声をあげるマドカ。影の翼を持つ、
青白い蝶の女怪人のカードを見つめる。
「メレアグリデスのスキル。ドロップのドリーミング・バタフライをシャドウゾーンに置き、トリガー効果発動。ダメージ回復、パワーはメレアグリデスに」
ドリーミング・バタフライ
トリガーユニット【治】 +10000
(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)
― 夢の世界へと誘う、煌めく鱗粉。
ヒールトリガーを発動させるミコト。
カードを裏にし、そのまま墓地へと送る。
ミコト ダメージ4→3
「セレネシスのスキル」
ヴァンガードに手を伸ばすミコト。
下の1枚を抜き取る。
「ソウルブラスト。メレアグリデスの能力をコピー。カウンターブラストを支払い、シャドウ・レディバグをシャドウゾーンへ」
夢幻蝶姫 セレネシス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ストイケイア - インセクト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。
― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。
カードを動かしていくミコト。
クリティカルトリガーが、影の領域に置かれる。
シャドウ・レディバグ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― 影の世界には、かつて失われた遺伝子が隠されている。
「効果は全て、セレネシスへ」
ヴァンガードを見ながら、宣言するミコト。
残った手札から、1枚を選ぶ。
「《スプライト・マドンナ》をコール」
妖精のような姿をした緑の女怪人。
ミコトがダメージのカードを裏返す。
「カウンターブラスト。デッキから《ルナコクン》を手札に」
スプライト・マドンナ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札から「ルナコクン」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。
― もう一度、夢を魅せて、ア・ゲ・ル。
デッキの中から1枚を取るミコト。
金色の繭。変身能力を持つ1枚を手札に加えた。
ルナコクン
ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。
― あたしの姿、あなたにはどう見える?
「これで、もう1枚にも変身できる……!」
表になっているメレアグリデスを見るマドカ。
アキトは面白そうに盤面を眺めている。
息を吐いて──
「セレネシスで、ヴァンガードにアタック」
ミコトが、カードを動かした。
夢幻蝶姫 セレネシス パワー23000 ☆2
マドカが驚いた表情を浮かべる。
「えっ、使わないの!?」
心配そうにミコトを見つめるマドカ。
アキトが笑った。
「俺のダメージはまだ2。攻める状況じゃないって判断か! だが、そんな悠長にしていていいのか? えぇ?」
挑発するような声。
ミコトは黙って、アキトの宣言を待っている。
「ハッ。トリガー2枚でガードだ!」
アキトがカードを出した。
スチームスカラー マル二ガル
トリガーユニット【治】 +10000
(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ダークステイツ - ギアロイド
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
(【治】はデッキに4枚までしか入れられる。)
― 新薬を混ぜ合わせたの!効き目もきっと最高よ!
ステムディヴィエイト・ドラゴン
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ダークステイツ - ギアドラゴン
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― 時を穿つ、必滅の弾丸が放たれる。
投げ捨てられるように置かれるカード。
マドカが計算する。
「ガード値43000……!」
ミコトの攻撃は23000。
突破にはトリガーを2回引き当てる必要がある。
祈るように、マドカが手を握る。
「ファーストチェック。ノートリガー」
あっさりと、その期待は叶わず消えた。
夢幻蝶姫 セレネシス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ストイケイア - インセクト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。
― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。
「ううぅぅ、せっかくクリティカル2なのにぃ」
悔しそうなマドカ。
ミコトがもう1枚を表にする。
「セカンドチェック。クリティカルトリガー。効果は全てメレアグリデスへ」
憧憬の乙女 アラナ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - バイオロイド
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― はい!もう一輪プレゼント♪
トリガーを引き当てるミコト。
だがアキトの顔に、動揺はなかった。
「スプライト・マドンナで、あまんでぃーぬにアタック」
カードを動かすミコト。
アキトが大仰ぶって言う。
「ノーガードだ!」
カードをドロップに送る。
蝶の女怪人のカードの上に、ミコトの指が乗る。
「メレアグリデスで、アタック」
鋭い口調。落ち着いた雰囲気。
張りつめた空気の中に、その言葉は響いた。
メレアグリデス パワー33000 ☆2
「ノーガード!」
余裕の表情でアキトが宣言する。
2枚めくると、ダメージへと置いた。
フレイミング・ポニー
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - キメラ
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【起】【(R)】【ソウル】:【コスト】[このカードをバインドする]ことで、【ソウルチャージ】(2)。
― 子供達の夢を乗せ、子馬は夜空を陽気に駆ける。
断裁の剣舞 チェーグラ
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのソウルの枚数により以下のすべてを行う。
・7枚以上 -【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 手札から1枚捨てる]ことで、あなたのソウルから1枚選び、手札に加え、【ソウルチャージ】(1)。
・13枚以上 -そのターン中、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。
― 彼の前では、どんな護りも意味を持たない。
アキト ダメージ2→4
「どうした、これで終わりか!」
ミコトを見据えているアキト。
意に介さない様子で、ミコトが口を開く。
「ターンエンド」
静かに宣言するミコト。手札7枚。
ダメージは回復したものの、状況は厳しい。
アキトがデッキに手を伸ばす。
「俺のターン!!」
勢いよく、カードを引く。
手札の1枚を取り、アキトが笑みを浮かべた。
「ペルソナライド!!」
ヴァンガードの上に、カードが重なる。
重力の支配者 バロウマグネス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(V)】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのソウルの枚数により以下すべてを行う。
・5枚以上-1枚引く。
・10枚以上-そのバトル中、このユニットのパワー+10000/クリティカル+1。
・15枚以上-あなたと相手は自分のリアガードすべてをソウルに置く。あなたのソウルから2枚まで選び、(R)にコールし、そのターン中、それらのユニットのパワー+10000。
― どっちかが潰れるまでだ!それが戦いって奴だろ?
「ああぁぁ、やっぱりぃ……!」
マドカが怯えたようにたじろぐ。
先程のターンで見えていた1枚。異能者の姿。
ヴァンガードが、真の力を発揮する。
「これで終幕だ!!」
力強く、断言するアキト。
デッキに手を伸ばす。
「1枚ドロー! このターン中、俺の前列のユニットのパワー+10000!!」
ペルソナライドによる強化効果。
アキトの手札は4枚。その中の3枚を構える。
「《セルフィッシュ・エングレイヴァー》、《ダイアフルドール あまんでぃーぬ》、《フレイミング・ポニー》をコール!」
セルフィッシュ・エングレイヴァー
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットのアタックがヒットした時、【ソウルチャージ】(1)。
【自】【(R)】:このユニットがアタックした終了時、あなたのソウルが10枚以上なら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、【カウンターチャージ】(1)。
― ちょっと!固めてる最中に動かないでよ!
ダイアフルドール あまんでぃーぬ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - ワーカロイド
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたのソウルが10枚以上なら、このユニットのパワー+10000。
【起】【(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、そのターン中、あなたのカードの能力で【ソウルチャージ】する際、その数字を1増やす。
― 熱狂も戦慄も──観客の心は彼女の意のまま。
フレイミング・ポニー
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - キメラ
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【起】【(R)】【ソウル】:【コスト】[このカードをバインドする]ことで、【ソウルチャージ】(2)。
― 子供達の夢を乗せ、子馬は夜空を陽気に駆ける。
一気に盤面を埋めてくるアキト。
ペルソナライドと併せた、強力な攻撃ライン。
明らかに、アキトは勝負を決めにきている。
「いくぞ、ルーンシャトー!!」
狂気を感じる笑み。瞳孔が開いた目。
荒々しく、アキトがカードを動かした。
「ポニーのブースト、ディープ・ソニッカーでアタック!!」
鋭い刃のような声。
異能者による強力な攻撃がミコトを襲う。
ディープ・ソニッカー パワー36000
「ノーガード」
静かに言うミコト。
カードをめくる。
「ダメージチェック、ノートリガー」
プラナプリベント・ドラゴン
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - ネイチャードラゴン
パワー6000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。
― 護って見せるよ。やっと芽生えた命なんだから。
ミコト ダメージ3→4
「あまんでぃーぬのブースト、セルフィッシュ・エングレイヴァーでアタック!!」
容赦なく、続けざまにアキトが宣言した。
赤い髪の異能の少女。強力な一撃。
エングレイヴァー パワー38000
「ノーガード」
手札を見ることもなく、ミコトが宣言する。
カードを表にして、ダメージへと置いた。
スプライト・マドンナ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札から「ルナコクン」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。
― もう一度、夢を魅せて、ア・ゲ・ル。
ミコト ダメージ4→5
「ダメージ5! 追い詰められた……!」
悲壮な表情のマドカ。
アキトが高らかに笑い声をあげる。
「ダメージトリガーは乗らなかったか! お前の運命もここまでだな、ルーンシャトー!」
ミコトを指さすアキト。
不快そうに、ミコトが顔をしかめる。
だんと、アキトがヴァンガードに手を置いた。
「重力の支配者 バロウマグネスで、ヴァンガードにアタック!!」
カードを動かすアキト。
ダメージのカードを、素早く裏返す。
「スキル発動! 1枚引き、パワー+10000とクリティカル+1。さらに互いのユニット全てを、それぞれのソウルへ!!」
盤面のカードが吸い込まれるように消えていく。
ミコトのユニットも、ソウルへと姿を消した。
「そして、俺はソウルから《多様の操獣師 オノラティオ》を2枚コールする!!」
ソウルを広げているアキト。
その中の2枚、同じ絵柄のカードを場に出した。
多様の操獣師 オノラティオ
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - デーモン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたのソウルが8種類以上なら、このユニットは『ブースト』を得て、パワー+5000。
【永】【(R)/(G)】:あなたのソウルが8種類以上なら、このユニットは後列からでもインターセプトでき、シールド+5000。
― 芸の幅広さでは他の追随を許さない、技巧派操獣師。
「こ、これで、また5回連続攻撃!」
ヴァンガードの両隣に置かれたカードを見て、
マドカが悲鳴のような声を出した。
ミコトのダメージゾーンにあるカードは5枚。
一回でも攻撃が通れば、ミコトの負けだ。
「完全ガード」
7枚の手札の内の1枚。
緑色の竜のカードを、ミコトが場へと置いた。
プラナプリベント・ドラゴン
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - ネイチャードラゴン
パワー6000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。
― 護って見せるよ。やっと芽生えた命なんだから。
さらに手札から1枚を捨てるミコト。
これで残りの手札は、5枚。
「だが、これでお前の完全ガードは3枚見えた! 残りの攻撃、防げんのかよ!」
笑い声をあげながら指摘するアキト。
デッキへと手を伸ばす。
「ドライブチェック! ノートリガー!」
1枚目を表にするアキト。
断裁の剣舞 チェーグラ
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのソウルの枚数により以下のすべてを行う。
・7枚以上 -【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 手札から1枚捨てる]ことで、あなたのソウルから1枚選び、手札に加え、【ソウルチャージ】(1)。
・13枚以上 -そのターン中、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。
― 彼の前では、どんな護りも意味を持たない。
「お願い、出ないで……!」
ぎゅっと、手を握っているマドカ。
アキトがさらに手を伸ばす。
「セカンドチェック!」
まるでじらすかのように、
ゆっくりとカードをめくるアキト。
一瞬の静寂。そして──
「ゲット!! クリティカルトリガー!!」
終焉を感じさせる1枚が、表となった。
ステムディヴィエイト・ドラゴン
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ダークステイツ - ギアドラゴン
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― 時を穿つ、必滅の弾丸が放たれる。
「あああぁぁぁ……!!」
頭を抱えこむマドカ。
ミコトはただ静かに、カードを眺めている。
「効果は全て、左のオノラティオへ!」
得意そうな表情。
アキトが手を伸ばしてカードを動かす。
「右のオノラティオで、アタック!!」
悪魔の曲芸師が描かれたカード。
邪悪な微笑みを讃えた顔が、ミコトを見つめる。
多様の操獣師 オノラティオ パワー35000
「アラナとシャドウ・レディバグでガード」
手札5枚の内の2枚。
トリガー2枚を、ミコトが見せる。
憧憬の乙女 アラナ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - バイオロイド
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― はい!もう一輪プレゼント♪
シャドウ・レディバグ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― 影の世界には、かつて失われた遺伝子が隠されている。
ガード成功。だがミコトの手札は3枚。
残った最後のカードに、アキトが手を置く。
「オノラティオでヴァンガードにアタック!!」
冷たい炎のような雰囲気。鋭い殺気。
耐えきれないように、アキトが叫んだ。
「こいつで、終わりだ!!」
多様の操獣師 オノラティオ パワー45000
強力な数値。クリティカルは2。
ガードできなければ、間違いなく敗北する攻撃。
諦めるように、マドカが両目をつぶった。
「も、もうダメ……!」
その口から、弱音が漏れる。
ぎゅっと、ミコトの服を掴むマドカ。
そして──
「ガード」
ぱしっという、カードが置かれる音が響いた。
驚き、目を開けるマドカ。そこには──
天恵の源竜王 ブレスファボール
トリガーユニット 【超】
(オーバートリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - ネイチャードラゴン
パワー5000 / シールド50000 / ☆1
(【超】トリガーはデッキに1枚だけ入れられる。トリガーで出たら、そのカードを除外し、1枚引き、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+1憶!ドライブチェックで出たら、さらに追加効果が発動!)
追加効果-1枚引く!あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、クリティカル+1!あなたの前列のユニットすべてのパワー+10000!あなたのダメージゾーンの枚数が相手以上なら、あなたのダメージゾーンから1枚選び、回復する!
― 自然。その恵みは数え切れず、驚異は計り知れない。
「お、オーバートリガー……!」
最後の切り札である超トリガーの姿。
ガード値50000。1枚で攻撃を防ぐ盾。
全ての攻撃を、ミコトが防ぎきった。
「チッ、決まったと思ったんだがな」
不機嫌そうに舌打ちするアキト。
だがそれもすぐに、余裕の笑みへと変わった。
「だがな、お前なら分かっているだろ? これがどれだけ不利な状況かってな」
問い掛けてくるアキト。
ミコトは無言で、その言葉を聞き流している。
「ど、どういう意味ですか?」
横のマドカが、アキトに尋ねた。
アキトが両手を広げる。
「盤面を見ろ。俺の場にはガード値10000になるオノラティオが2枚。手札は4枚。そしてダメージは4だ」
カードを示していくアキト。
ミコトの場を見る。
「対するルーンシャトーの場はヴァンガードのみ。手札は2枚。しかもそいつは、さっきのターンに見えたセレネシスと、ルナコクンだろ」
断言するアキト。
さっと、マドカがミコトの手札を覗き見る。
夢幻蝶姫 セレネシス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ストイケイア - インセクト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。
― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。
ルナコクン
ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:このユニットのシールド+5000。
― あたしの姿、あなたにはどう見える?
「うぅ……!」
うめき声をあげるマドカ。
アキトが続ける。
「ペルソナライドができるとはいえ、攻め手は少ない。おまけに、大逆転のためのオーバートリガーは、たった今なくなった」
ドロップの超トリガーを見るアキト。
的確な指摘。マドカの顔から血の気が引く。
「次のターン、俺の手札4枚とオノラティオを突破する手段が、お前にあるのか?」
挑発するような声。余裕の表情。
アキトが自分の手札に視線を落とした。
リキューザルヘイト・ドラゴン
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - アビスドラゴン
パワー6000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。
― 理想だけでは意味がない。力なり正義に価値はない。
フレイミング・ポニー
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ダークステイツ - キメラ
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【起】【(R)】【ソウル】:【コスト】[このカードをバインドする]ことで、【ソウルチャージ】(2)。
― 子供達の夢を乗せ、子馬は夜空を陽気に駆ける。
断裁の剣舞 チェーグラ
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのソウルの枚数により以下のすべてを行う。
・7枚以上 -【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 手札から1枚捨てる]ことで、あなたのソウルから1枚選び、手札に加え、【ソウルチャージ】(1)。
・13枚以上 -そのターン中、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。
― 彼の前では、どんな護りも意味を持たない。
ステムディヴィエイト・ドラゴン
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ダークステイツ - ギアドラゴン
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― 時を穿つ、必滅の弾丸が放たれる。
ガード値は高くないものの、
手札には完全ガードが残されている。
ダメージが4なのも考えれば、守りは固い。
「俺はこれでターンエンドだ」
満足そうな表情のアキト。
わずかに視線を下げると、口を開く。
「ようやくだ。ようやく俺は、ルーンシャトーに勝って、あの時の誓いを……!」
感動したように、打ち震えているアキト。
マドカがミコトを見上げた。
「氷川さん……!」
震えている声。絶望的な表情。
ミコトがゆっくりと、手を伸ばす。
「私のターン」
デッキに手を置くミコト。
カードを引くと、アキトを見据える。
「一つ、言っておくわ」
静かに口を開くミコト。
アキトが顔をあげて、ミコトの方を向いた。
「あ?」
不機嫌そうな声がその場に響く。
鋭く睨みつけながら──
「1枚引ければ、十分なのよ」
ミコトの言葉が、空気を震わせた。
冷たい殺気。空間が捻じ曲がるような感覚。
アキトが一瞬、息を呑んだ。
「ペルソナライド」
カードを置くミコト。
緑の髪をした姫君のカードが重なる。
夢幻蝶姫 セレネシス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ストイケイア - インセクト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたのシャドウゾーンから【メタモルフォシス】能力を持つカードを1枚まで選び、表にする。
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、【メタモルフォシス】能力を持つリアガードを1枚選び、そのターン中、このユニットは選ばれたカードが持つ能力をすべて得る。
― 影と夢を紡ぐ白き姫君。月の光に導かれ、二つの世界は入れ替わる。
「スキルでシャドウゾーンの《イーピゲネイア》を表に」
白い兎のスリーブに入ったカード。
その中の1枚を、ミコトが表にした。
「なに?」
驚いたように呟くアキト。
マドカが目を丸くする。
「メレアグリデスじゃない……!?」
先程まで使っていたのは、違うカード。
影の羽根を持つ蜂の女怪人が、描かれている。
「ルナコクンをコール。メレアグリデスにメタモルフォシス」
カードを置くミコト。
すぐさま、影の領域の1枚と入れ替える。
メレアグリデス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ストイケイア - インセクト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【メタモルフォシス】-「ルナコクン」((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)
【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1),あなたのドロップから【超】トリガー以外のトリガーユニットを1枚シャドウゾーンに置く]ことで、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのトリガー効果を1回発動する。
― 影の蝶が魅せるのは、光輝く「奇跡」の夢。
「スキル発動。ドロップのアラナをシャドウゾーンへ。効果は全てメレアグリデスへ」
ダメージのカードを裏返すミコト。
ドロップの1枚を置く。
憧憬の乙女 アラナ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - バイオロイド
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― はい!もう一輪プレゼント♪
「セレネシスのスキル。メレアグリデスの能力をコピー。ドロップのシャドウ・レディバグをシャドウゾーンに置き、スキル発動。効果は全てセレネシスへ」
ソウルから1枚を抜き取るミコト。
流れるように、カードを置く。
シャドウ・レディバグ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― 影の世界には、かつて失われた遺伝子が隠されている。
「くっ……!」
クリティカル2のユニットが並び、
僅かに苦しそうな表情を浮かべるアキト。
残された2枚の手札に、警戒を向ける。
「《共謀怪人 アドマンティス》をコール」
ヴァンガードの裏にカードが置かれた。
鋭利な鎌を持つカマキリの姿がそこにはある。
共謀怪人 アドマンティス
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ストイケイア - インセクト
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたの他のリアガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。
― 自ら手を見下すのは、あくまで最後の手段でいい。
「メレアグリデスのパワー+5000」
淡々と宣言するミコト。
ペルソナライドと併せた、強力な布陣。
だが──
「それでも、俺には届かない!」
場と手札を見ながら、宣言するアキト。
ミコトが手札に残った最後の1枚を表にする。
「《賛美を告げる影の舞》を使用」
オーダーカード。
ミコトがシャドウゾーンに手を伸ばす。
「シャドウゾーンから、ルナコクンをコール」
賛美を告げる影の舞
ノーマルオーダー 〈3〉
ストイケイア
「セレネシス」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、プレイできる!
あなたのシャドウゾーンから「ルナコクン」を1枚選び、(R)にコールする。
― 踊りましょう。この歓喜を、姫様に。
再び、場へと舞い戻る金色の繭の妖精。
アキトの表情が凍り付いた。マドカが言う。
「2枚目の繭ちゃん! という事は!」
シャドウゾーンに目を向けるマドカ。
トリガーを除けば、表になっているのは──
ミコトがカードを掴んだ。
「イーピゲネイアに、メタモルフォシス」
影と現世、カードが入れ替わる。
黄色の体躯。煽情的で艶めかしい格好。
影の羽根を広げる、蜂の女怪人のカード。
「イーピゲネイアのスキル」
静かに宣言するミコト。
ダメージの最後の1枚を、裏にする。
「カウンターブラストを支払い、相手のリアガード1体に暗黒繭マーカーを置く」
「!?」
イーピゲネイア
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ストイケイア - インセクト
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【メタモルフォシス】-「ルナコクン」
((R)の指定ユニットをシャドウゾーンに置くことで、表のこのカードを登場させてもよい)
【起】【(V)/(R)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、暗黒繭マーカーが置かれていない相手のリアガードを1枚選び、暗黒繭マーカーを1つ置く。
― 影の蜂が誘うのは、甘美なる「堕落」の夢。
アキトの場のオノラティオ1体に、
不気味な繭のトークンカードが置かれた。
呪われた印。その力が失われ、消えていく。
暗黒繭
【永】:このマーカーが置かれたユニットは、元々の能力を失い、パワーが元々のパワー分減り、インターセプトとブーストができない。
【自】 :このマーカーが置かれたユニットが退却した時、あなたの山札からそのユニットと同じグレードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。(暗黒繭マーカーを置いたファイターが探す)
「な、なにこのカード……! 能力と、インターセプト封じ……!?」
驚きながらカードを見ているマドカ。
苦しそうに、アキトが冷や汗を流す。
ミコトが手を伸ばした。
「イーピゲネイアで、オノラティオにアタック」
「ぐっ……!」
手札をちらと見るアキト。
攻撃を防ぐ手段は、そこにない。
「ノーガード……」
繭の置かれていない方。
オノラティオのカードが場から消えた。
ミコトが、ヴァンガードに手を置く。
「アドマンティスのブースト、セレネシスでヴァンガードにアタック」
静かに、カードを動かすミコト。
影の支配者、虫の姫君が優美な目線を送る。
夢幻蝶姫 セレネシス パワー41000 ☆2
「ぐっ、ぐっ……!」
手札を見て、唸り声をあげているアキト。
完全ガードは1枚。ここで使ったとしても、
横のメレアグリデスの攻撃を守る事はできない。
わなわなと、頭を下げて──
「ノーガード……」
苦々しく、アキトが宣言した。
ミコトがカードをめくる。
「ドライブチェック、ノートリガー。セカンドチェック、ドロートリガー。効果はメレアグリデスへ」
晴朗の乙女 レェナ
トリガーユニット 【引】+10000
(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)
ストイケイア - バイオロイド
パワー4000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000
― こんなに良いお天気なのですよ?お散歩しましょ~♪
表になった一枚。
ミコトがさらに、カードを引く。
アキトがデッキに手を伸ばした。
「ダメージチェック……」
震える声。カードをめくっていくアキト。
1枚目をダメージに置き、もう1枚をめくる。
そして──
「……ノートリガー」
6点目のカードが、ダメージゾーンに置かれた。
重力の支配者 バロウマグネス
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ダークステイツ - ヒューマン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(V)】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのソウルの枚数により以下すべてを行う。
・5枚以上-1枚引く。
・10枚以上-そのバトル中、このユニットのパワー+10000/クリティカル+1。
・15枚以上-あなたと相手は自分のリアガードすべてをソウルに置く。あなたのソウルから2枚まで選び、(R)にコールし、そのターン中、それらのユニットのパワー+10000。
― どっちかが潰れるまでだ!それが戦いって奴だろ?
アキト ダメージ4→6
アキトの手からカードが落ちた。
がっくりと、テーブルの上に崩れ落ちる。
「う、嘘。勝っちゃった……!」
信じられないといった様子のマドカ。
対照的に、ミコトは何事もなかったように、
淡々とカードを仕舞っている。
「約束です。ルーンシャトーについて、これ以上は口に出さないでください」
眼鏡をかけ、冷たく言い放つミコト。
そのまま、扉に向かって歩き出す。
アキトが顔をあげた。
「ま、待て! 俺は、お前に……!」
手を伸ばすアキト。
だがミコトは振り返る事もなく、
空き部屋から出て行ってしまった。
残されたマドカとアキト。沈黙が訪れる。
「……ちくしょう」
小さく言い、アキトが顔を伏せた。
その目が潤んでいるのに、マドカが気付く。
「ずっと、あいつの事を追いかけていたのに。俺は、ここで、勝って……!」
言葉が途切れる。
マドカが心配そうな表情を浮かべた。
夜の足音。辺りが、にわかに暗くなり始める。
「……おい」
しばしの間の後、アキトが立ち上がった。
赤くなった目をマドカに向ける。
「お前、あいつの友達か?」
「えっ。あ、えっと、同じクラスで……」
言い難そうに答えるマドカ。
アキトが続ける。
「あいつはルーンシャトーだ。だが、俺が知っている時とは雰囲気が大分違う。いったい、何が起こったんだ?」
問いかけられる謎。
マドカが目を伏せがちに、考え込む。
やがて、ゆっくりと首を振った。
「分かりません。私は、なにも……」
落ち込んだような口調。
ミコトが去って行った扉の方を、マドカが向く。
陽は沈み、空には丸い月が姿を現していた。
俺のカードを見ろ!
〔ホラ貝を吹く音〕
日枝マドカでーす!
私の都市伝説チャンネルに、ようこそー!
今日は世界の不思議じゃないんだけど、
私の最推しユニットのカード、
《六角宝珠の女魔術師》を紹介しちゃいまーす!
〔ドドン!〕
六角宝珠の女魔術師
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ケテルサンクチュアリ - ヒューマン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(V)】:あなたのドライブチェックでトリガーユニットが出た時、あなたのリアガードを1枚選び、そのターン中、パワー+10000。
【起】【(V)】【ターン1回】:このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの手札から、【クリティカル】トリガーか【前】トリガーを1枚まで公開して山札の上に置き、そのターン中、このユニットのドライブ+1。
― 既知なる形のその中に、新たな啓示は眠っている。
六角宝珠の女魔術師は神秘の力を操る大魔術師!
スキルで仲間をパワーアップさせたり、
運命を固定してトリガーを確定したりするの!
トリガーを制する者はヴァンガードを制す。
上手くいけば、格上を倒すのも夢じゃない!
うえっ!? ルーンシャトーを!? それは……
い、以上、日枝マドカでしたー!
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〔ふすまの閉じる音〕
つづく?