俺「サッカー、続けるよ」
翌日
薆果「おはよっ」
ドンッ!!
家を出たとたん背中を押された。
俺「おい、いきなり押すなよ。危ないだろ」
昨日までベソベソしてたのに泣いていたのが嘘みたいだ
薆果「いきなりだけどね、君の為にプロチームの下部組織の〝新宿ブェフティフェイブ〟ユースの入団テストに応募しといたよ!」
俺「え?いやいや聞いてないけど!?新宿ブェフてー……なんだって?」
薆果「新宿ブェフティフェイブ。明日土曜で休みだから午前9時のところに応募しといた!私も一緒に行ってあげるから心配しないでね!!」
いやそこじゃないけど。またテストかいな、少し前の試合の疲れが残ってるんだけどなぁ。
でも、……
薆果「ふふ、どう?偉いでしょ!!褒めてもいいんだよっ?」
にこっ
俺「ぐはぁッ!!(心臓が貫かれたリアクション)」
薆果「ど、どうしたの?大丈夫?!誰か…誰か救急車をーー!!」
通行人「なにあれ?ドラマの撮影??」
ーーーーーーーー
キーンコーンカーンコーン…
俺「ふぃー疲れたのぉ。」
みんなそれぞれ帰るなり部活行くなりでガヤガヤしているなか、ぐったりと机に沈んでいた。
無理もない。明日ユース入団試験があるんだから、体がガチガチに震えている…
俺「明日お願いだから来ないでくれぇ〜」
「ふふふ、何か深刻な事でもあったの?」
聞き慣れない声に話しかけられ、心臓が止まりそうになった。透き通るような優しい声、耳元に残るような甘い声だ。この時点で薆果ではないなと確信したが、だったら尚更誰やねん、いきなり声掛けられたら誰でもびっくりするぞ!!
思いっきりよくバッ!と顔をあげると、向こうも「わっ」と驚いた
「ふふ、そんなびっくりした?ごめんね、なんか死んでそうな感じだったから一応声掛けたんだー。」
か、可愛い!!すげェ可愛いぞ!!アイドル並じゃぁないか。
薆果「さ〜て、今日も一人寂しく教室の隅っこにいる私のお婿さんを迎えに……」
「ん、ほっぺに髪の毛ついてる」
俺「おい、いきなり触んなよ」
薆果「……え?」
俺「…!あ、薆果!!遅いぞお前。」
「ちぇ。もう少し話したかったのに」
薆果「うん。あ、ねえあの人誰?もしかして君の、その…」
俺「知らん知らん。いきなり出てきたSUPERボインだね。」
「失礼ね!変なあだ名付けないでよ私にも名前あるの!」
キリッ
俺「ほう、名乗ってみんさい」
薆果「女の子全員にそういう名前の聞き方するのやめなよ……てか私にはSUPERボインなんて言ったことなくない?」
「……私は譲乃(ゆずの)君達と同じ新入生だから、仲良くしようね」
俺「おう!ついでにLINE交換しよ…」
ドカぁっ!!
薆果「ほら!帰るよ。もう」
俺「い、痛い、痛い!!」
た、助けてーーー!!
譲乃「……覚えて、ないんだ」
翌日
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ…
ん〜、8時半…ん?半……
俺「あぁー!!やべぇじゃん約束の時間すぎてんぞ!!」
薆果「……遅い。間に合わなくなっちゃうよ。」
俺「ご、ごめーーん!」
薆果「…遅い。どうすんの?」
俺「まだ平気だろ、まだ間に合う電車あるし…」
薆果「そーゆう事じゃない!!」
ぷくぅ…
俺「?!」
や、やべぇ、薆果が頬を膨らましてるときは超拗ねてる時だ!!
薆果「今日のデート、楽しみにしてたのに」
俺「いやデートじゃないやん、試験だろ?」
薆果「……試験終わったらデート行くつもりだったのに。」
な・なんだと……聞いてない!!むしろ怒らせて正解だったのでは?
薆果「もういい!早く行くよ!!」
プンスカピ!
俺「……デート?」
新宿駅
薆果「着きました!新宿!!」
駅を出るやいなや大はしゃぎして店をあちこち見て回っている。
少し呆れながら薆果を見守っていたが、少し疲れて公園のベンチに座って休憩することにした
俺「スタバ?てとこのコーヒーは美味いな」
コーヒーを飲みながら空を見上げようとした時、公園の中央にあるでっかい時計が目に入った
俺「すげェでっかい時計だな……あ」
新宿ブェフティフェイブユースグラウンド
俺「はぁ、はぁ、すみません!遅れました!!」
受付「大丈夫だよ。まだみんなボール触ってる時間だから早くウォーミングアップしておいで」
受付を通り過ぎてすぐ大きな掛け声が聞こえてきた
俺「久々に緊張するな」
薆果「嘘、いつも試合前ニコニコしてたのに?」
違う。俺がこんなにも緊張してるのは多分、格が違う所に近づいてるからだ。肌で感じるこの雰囲気、プロへの道に近づいてるんだ。
俺「す、すげェ!!」
ドアを抜けた先は、緑に広がっていた。
薆果「でっかいグラウンドね」
辺りをキョロキョロしていると、知った顔が近ずいてきた
「お前、ブェフフェイにまさか入んのか?」
俺「お、お前……」
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