「うぅん、なんというか、まさか、ここまで居候が増えるとは」
「メズール、この身体だと、お菓子が食べれないよぉ」
そう言いながら、サイカンロイドがメズールに甘えるように寄り添っている。
そのサイカンロイドには、グリードの一体であるガメルが取り憑いている。
前回の戦いでガウマが手に入れたサイコアメダルには、ガメルの意思が宿っており、それをサイカンロイドに入れる事で、意思を宿している。
「まさか、ここまでしてくれるとはねぇ」
「こっちの目的を達成してもらう為の協力者が欲しいからな。
ただし、こっちの要求も聞けよ」
「分かっているわよ。
まったく、厄介な相手に捕まったわね」
そうメズールが呟く。
「何よりも、この身体では、メダルも意味がないなんて」
そう呟きながら、目の前にいるメダルを見ながら言う。
カンドロイドの中へと閉じ込められている影響もあってか、メズール自身が新たなメダルを入れる事はできない。
セルメダルがなしでも活動できる利点はあるが、完全復活から遠くなる。
それが、メズールとガメルにとっては悔しくて仕方ない。
「それにしても、まさかこのような形でカンドロイドを使うとは。
会長も驚いてましたよ」
その言葉と共に目の前にいるカンドロイドを見ながら、その女性は言う。
彼女の名前は里中エリカだった。
「あの、里中さん。
その、なんで、現場の方に」
そう、ガウマはゆっくりと恐る恐る話しかける。
「何をそんなに怖がっているんですか」
「いえっなんでもっ」
里中は特に気にした様子はなく話を行うが、ガウマはすぐに正座する。
「ガウマ、以前、あの人に会った時にはそんなに怖がっていなかったでしょ」
「あの時はこっちに来たばかりのテンションだったし、正面から話していないからだよ。
あの人、怒るとむっちゃ怖いんだよ」
そう言いながら、ガウマの脳裏には、里中によって地獄の特訓を行っている光景を思い出す。
ニューズに変身する際に、最大限に発揮させる為という事もあって、容赦のないスパルタな特訓は、今でもガウマの中には刻み込まれている。
その結果、ガウマの身体には常に包帯を巻かないといけない程の傷の跡が残っている。
「まぁ、簡単に言うと会長からの仕事です。
実験での仮面ライダーに変身して欲しいと言われましたので」
「マジかぁ」
「ねぇ、さっきからニューズの坊や怖がっているけど、この女。
そんなに強いの」
「・・・強いという次元を越えているね」
それは、既に身に締めて理解しているからこそ言える台詞だった。
「という事で、今後はバース共々活動しますが、まぁ私自身はあまり出るつもりはありませんので」
「何かありましたら、ぜひ、お手伝いさせてください!!」
それと共にガウマは立ち上がり、それはもう綺麗に頭を下げた。
「えぇ、よろしくお願いします。
それでは、私は定時なので、帰らせて貰いますね」
それだけ言うと、そのまま里中は去って行った。
「ニューズ、そんなにあの女が怖いのか?」
「ガメル、もしもこのまま行くと、本当にあの人の恐ろしさを知るぞ」
「どういう事?」
「・・・」
その言葉に対して、ガウマは何も言わなかった。
しかし、どこか説得力のある雰囲気に、2体のグリードはそのまま黙るしかなかった。