ウヴァとの二度目の戦闘。
それは、ガウマにとっては予想外の物であったが、それでも避けられない戦いだった。
グリードの中で、昆虫の王と呼ばれているウヴァは、素早い動きと共に鉤爪で、攻撃を仕掛けてくる。
それに対して、ガウマは度々避けていくが、遠く離れると共に、電撃攻撃を放って、牽制してくる。
それらは昆虫のメダルの特徴であり、その持ち主であるウヴァならば、当たり前の行動であった。
「どうした、ニューズ!
その程度か!」
「グチグチうるせぇな!」
そう、文句を言っている時だった。
ウヴァに向かって、何かが飛んでくる。
それに気づいたウヴァはすぐに鉤爪で対応したが、それらは投げられた持ち主の元へと戻ってくる。
「まったく、少し騒ぎすぎですよ」
「さっ里中さん、なんで!?」
そこに現れた人物は、里中だった。
何やら、パーティドレスを身に纏っており、プライベートの様子であったが。
「今回の結婚式に招待されましたので。
仕事とプライベートは分けるつもりでしたが、邪魔をするんでしたら、さっさと倒しますよ」
その言葉と共に、手元に戻ってきたカンドロイドを、腰にあるカンドライバーにセットする。
「変身」『タカカンドロイド!』
鳴り響く音声。
それと共に、里中が変身する。
前回とは違い、まるで鷹を思わせる翼が特徴的な装備を身に纏った仮面ライダーカンド。
「貴様は、あの時の」
「さっさと片付けますよ」
その言葉と共に、瞬く間に接近し、手に持ったバースバスターの引き金を引く。
放たれたエネルギー弾を直接受けたウヴァは思わず声をあげて、後ろに下がる。
「なっ、貴様ぁ!!」
それによって、怒りに身を任せたウヴァは電撃ですぐに辺り一面に攻撃を行う。
しかし、空中へと飛び上がったカンドには無意味な攻撃であった。
さらに
『バッタカンドロイド』
その音声と共に、タカウィングは外れ、代わりにバッタカンドロイドを思わせる脚が装着される。
『バッタバースト』
鳴り響いた音声と共に、外れたタカウィングを足場に、そのまま真っ直ぐとウヴァに向かって、飛び蹴りを放つ。
「ぐっがぁぁ!!」
そのまま後ろへと吹き飛ばされるウヴァ。
「さて、私はそろそろ結婚式に戻りますが、もしも、あいつが来たら」
「りょっ、了解しました!」
グリード相手でも、ほとんど苦戦をする様子のない里中に対して、ガウマは思わず敬礼をしながら答える。
「あの女、本当に人間なの」
「人間だよ」
メズールの言葉に対して、ガウマは答えながら、その手にあるメダルをνオーズドライバーに装填する。
『ムカデ!ハチ!アリ!リチムカ』
同時に装填したメダルから鳴り響く音声と共に、新たな姿であるリカチムへと変わる。
「なっムカデにハチにアリだと?
なんだ、そのメダルは!」
同じ虫のメダルという事もあって、ウヴァはすぐに目を向ける。
「教えるかっての!」『アリドリル!』『ハチウィング!』『ムカデクレーン!』
同時にコンボの特性を合わせるように、ガウマの姿は巨大なハチを思わせる姿へと変わる。
「なっ」
巨大なコンボハチの姿に、驚きを隠せない間にも、拘束で接近する。
クレーンによって、変幻自在のアリドリルの突きに対して、ウヴァは、その攻撃を、なんとか受け止める程度しかできなかった。
それと共に、空中へと飛んだコンボハチの姿は変形する。
それは、まるでスナイパーライフルを思わせる形へと変形し、その狙いを真っ直ぐと、ウヴァに向けて。
『COREBURST』
「なっ、ぐっ!」
それと共にウヴァはすぐにセルメダルを複数を割り、屑ヤミーにする。
それによって、眼前に幾重の屑ヤミーの壁ができる。
それによって、多少の狙いは逸れたが、確かにウヴァに対してダメージを与え、爆散させる。
「ウヴァの奴は」
「逃げられたわ。
まったく、あいつらしいわね」
ウヴァが逃げた事に対して、メズールは思わず呟く。
「ちっ、まったく。
とにかく、結婚式は護れたようね」
「あぁ、あの人達だったら、楽勝だろうしな」
そう言いながら、空から既にクワガタヤミーの戦いの結末を見ていたガウマは呟く。
そうしながら、結婚式の方を見る。
そこには、結婚式で幸せそうな夫婦の様子。
そして、それを見て、笑みを浮かべる白鳥。
「・・・人間の愛情って、複雑なのね」
それと共にメズールは、何かを感じたように呟く。
それが、僅かに人間の愛情が何かを知っただろうグリードの言葉だろう。