もしも東方世界がドラゴンボール世界にくっついたら 作:きんとん
「剣を握り直すクセがあるな」
ある時妹紅がトランクスにそう言った
「ああ…つい まぁ治すほどでもないんですけど」
「まぁそれはそうだな なんで握り直しちまうんだ?」
「…力を入れたいときとか ついつい昔のことを思い出してしまって」
「…例の「悟飯」って人か」
「…死んでしまったんです 俺の代わりに…でも彼のおかげで今の世界が…俺がある」
「…そうか まぁ…いい人なんだな」
あの時妹紅はどう返せばいいのか分からず 半分流す形で会話を終わらせていた
今妹紅は剣を握り直すトランクスを見てついちょっと前の出来事を思い出していた
「‥‥やることは 変わりない…時間を 稼ぐぞ」
妹紅が跳躍するのと同時に 空に浮かび上がったザマスの中でもひときわ大きい顔が口を開いた
「…?」
そいつが口を開くと同時に空に浮かぶザマスが次々と口を開いて行った
「…!やべぇ!」
妹紅が炎の羽を大きく広げるのと同時にザマスの口から赤黒い光線が発射され 妹紅の体に次々と突き刺さって行った
[貴様は不老不死だったな…だが所詮はまがい物の不死身だ…これは…薬か?]
ズタボロになりながら妹紅が口を開いた
「正解だ…今でもあの時の行動を 私は後悔している」
[後悔か…所詮は人の身で永劫の時を過ごそうなどという 身の程を知らぬモノだ]
妹紅の体は再生を始めなかった
[不死身はもう私の前では…このザマスの前では不死身などではない]
「…より強い何かで中和したのか?蓬莱の薬を」
[その通りだ 藤原の妹紅 原理が分かればもう貴様はウドの大木]
「着弾面積を広くしたのは…間違いだったのか…もな」
自信の再生が始まらないのを察するのと同時に
自信の魂の傷ついてはいけない部分まで傷ついたような
取り返しのつかない部分に穴が開いてしまったような感覚
「だがまぁ…」
景色がかすれる
音ももはや聞こえない
走馬灯だろうか 古い和風建築の大きな屋敷が脳裏に思い浮かぶ
「行動はともかく…なんだかんだで 楽しかったのかもな」
ゆっくりと妹紅が落下し とうとう彼女の体の炎が消えた
「妹紅!」
霊夢達が駆け寄ろうとするも再び放たれた光線によってそれは阻まれた
「クソがっ!愛着沸いてきたのに死ぬんじゃねぇよ…!起きろトランクス!急に倒れるな…!お前しか…!」
魔理沙の叫びとほぼ同時にベジータの気が膨れ上がった
「や…やめろベジータ!」
「ガンマバースト…フラーッシュ‼」
力強い波動に近いものがザマスに…空に直撃した
「ぐぉ…あ…」
「もうそれ以上それを撃つな…おめぇが先にくたばっちまうぞ!」
「くそったれ…が…!」
ベジータも悟空も限界を超えているような状態である
霊夢は動けず 魔理沙もすでに精神面でも体力面でも限界が近い
もはやまともに戦えるのはトランクスのみであった
「妹紅…さん?」
青い剣を握り直した時 トランクスの意識は剣に吸い込まれ
気づくと何もない真っ白な空間に放りだされていた
「なんでここに…?ザマスは一体…?」
妹紅は何も言わなかった ただ真顔でこちらを見ていた
「あれ…なんで俺は…剣は一体どこに…」
トランクスが剣を探して振り向くと後ろに東の界王神がいた
「界王神様…バビディ達と戦った時 俺たちの世界の界王神様は死んでしまったんじゃ…」
更に奥にはには死んでしまった母もいた
「母さん…ここは危険です 早く…」
そして顔を上げると目の前には片腕のない青年が立っていた
「ご…悟飯さん…」
青年…悟飯はただ黙ってトランクスを見ていた そして上を指さした
真っ白だったはずの空間が 汚い緑色で満たされていった
「…ザマス」
気づくとトランクスは剣を握っていた
それでいいんだとばかりに どんどんこの空間にいる人物が剣に吸い込まれていった
「力を…貸してくれるんですか?」
返事はない
「…皆さんの力を 僕に…貸してください!」
青い光はさらに飛んでくる ザマスを倒せと 励ましと共に呼びかけて来る
トランクスはもう一度 剣を握り直した
「ありがとう…みんな!」
「ホープソード…」
トランクスの剣が 大きく 大きく なった
「…オラ達も」
悟空たちも手を上げるとそこから青い玉が出現し 吸い込まれていった
カプセルコーポレーションの庭でピッコロはずっと宙に座っていた
唐突に空間が割けるとピッコロは余りにも驚き 思わず尻もちをつきかけた
「これは…」
片腕を上げると 青い塊が出てきて裂け目に吸い込まれていった
ザマスが開けた裂け目から次々と青い玉が生まれては吸い込まれていく
希望だ これは希望なのだ みんなの 世界の希望だ
トランクスはそれを一心に背負い 剣を 強く握った
[な…!]
初めて ザマスは心の底から恐怖した
全王の時とは違う恐怖
人間という見下していた存在が 今まさに自分を超えるものになっていくという恐怖を
ザマスは目の当たりにしていた もはや今の彼は…
[神が人間に敗れるなど……有ってはならないぃ!]
宙に浮くザマスに手が現れた 地球よりも巨大な手はトランクスを押しつぶそうと大きく動いた
「とりゃああああああああ!!」
トランクスの振ったホープソードが その手と真正面からぶつかり合った
[ぬうううううううう!!]
霊夢は完成した元気玉を右手に宿らせた
「魔理沙ぁ!」
魔理沙は霊夢の呼びかけと同時に動いた
霊夢のぶん投げた元気玉を魔理沙は正確にトランクスに向かって弾き飛ばした
元気玉はトランクスに取り込まれ トランクスの気はさらに高まり もはやその気は一時的ではあるが
ベジットに並ぶレベルまでの気になった
[まさか!そんな…!そんなことがァ…!]
トランクスに集中しすぎたザマスは気づいていなかった
自信の顔に当たる部位に近づくタイムマシンに
「食 ら え !」
マイが放り投げた閃光弾は 自身の肉体強度を極限まで引き上げ 視力も高めていたザマスの目に一時的にではあるがダメージを与えることに成功した
これにより 完全にザマスとトランクスの力関係は 崩壊したのである
「人間が…神に… 正義 に仇なすのかァァァァァァァ!?」
「貴様の正義など…! 知った事かあああああああーっ!」
ザマスの手が切り裂かれた
割かれた傷はどんどん広がっていき…
空に亀裂入り 空をかたどるザマスがボロボロと崩れていく もはやその傷は癒えるものではなかった
「馬鹿な…!!こんな…!! アアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」
完全にザマスが崩れ去り 未来世界に青空が広がっていた
「太陽だ…やったよ みんな」
トランクスはそう声を絞り出すとゆっくりと地面に向かって 倒れ伏した‥‥
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