出オチ魔王に徒手がインストールされたら   作:レンガチェッカー

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鎧の中には?

【黒】の魔王バラム、彼の元には1人生まれてそう経っていない新入りの魔王がいる。

その魔王には配下が二人、その中でも

 

フォールン・エンジェルナイト

天使型の魔物の1種。

 

モラクス一行の中でナイトが一番速く起床して行動する。

 

魔物ではあるがそれこそ人間のように用意されている布団から起きて着換えをして顔を洗う。

 

それが済むと厨房へ向かう。

基本ナイトが朝食を作っている。

本来ならバラムの配下が用意してくれるのだが召喚されて数日後には自ら志願して作っている。

 

コンロ下部に薪を入れ火打ちでカチッカチッ、と火花が散りった。

この行為はナイトは多少魔法も使えるためやる必要のないことだがやる気が強く湧くためやっている。

 

手慣れた手付きで種火を藁で包み発火させ準備した薪に火を移す。

 

フライパンと水の入ったティーポットをコンロの上部、火に当たる箇所に置きフライパンが温まるまでに野菜、パン、卵、燻製肉を用意し温まると油を引く。

 

油を引いたフライパンに鶏卵大の卵を数個割り落とす。

どれもが艶のある黄身で形も整っていた。

 

卵はフライパンの中で音を立てながら白味が生から白色に変化、芳ばしい卵の匂いが漂う中で野菜をきざむ。

 

厨房では卵の焼く音、小刻みに包丁がまな板に当たる音が鳴る。

 

野菜を切り終わるとイモと燻製肉を、イモは細く縦長に、肉は薄く切り卵の焼いているフライパンの中へそれぞれ空いているところに投入。

 

このときティーポットの湯も沸騰し始め、横で食材に火が通り焼き上がると鍋に蓋をしコンロの火を止めた。

 

 

ナイトは調理場を出ていく。

 

歩く合間にナイトが鳴らす足音が変わる。

靴特有のカツッ、カツッ、の音から金属の出す小さな衝突や振動の音へ…

 

_カシャン

 

鎧で歩く足音に。

 

廊下に近い窓から反射した姿は重装の鎧。

 

廊下を行く道、数あるドアの中から一つにノックをした。

 

『ナイトです。朝食をいつでも準備できるようにしております。』

 

「わかった。すぐに向かう。」

 

部屋の中から男の声が返ってきた。

部屋にはナイトが仕えている魔王、モラクスがいる。

 

寝間着から髪を着替えて黒いカソック風の服にジュストコールをそれとなく羽織る。

 

(この顔も見慣れたものだな。)

 

髪を整えながらそんなことを思う。

充分に知識がある状態で自分の顔を認識すると自分じゃないような違和感が生まれる。

もうしばらくはこの感覚と付き合うことになるだろう。

 

 

 

ナイトはもう一部屋向かうところがあった。

先日、主が召喚したカーボンウィザードのいる部屋である。

 

『失礼します。ウィザードさん、起床時間です。起きてください。』

 

「zzz…」

 

返事はない。

布団を蹴ったのか寝間着だけで寝ながら首を掻く姿が部屋の中の実情だがまだそれは知らない。

 

『朝食ができてます。…ウィザードさん…失礼ながら開けますよ。』

 

ドアノブを回そうとするが途中で止まる。

内から鍵がかかっているようだ。

 

『失礼します。』

 

どこからか取り出した細い金属でできた棒状の何か、それをドアノブの鍵口へ入れて動かす。

ガチャリ、と音がした。

 

『お部屋に入らせてもらいます。』

 

ドアを開けて室内へ入る。

 

「ガァァァ-…グゥゥ…」

 

それは品性のひの字もない顔が良くなけりゃ1種の事故な光景だった。

 

ウィザードへ接近して彼女の顔に手を伸ばせば届く距離で

 

『おはようござい「zzん、うびゃぁぁぁ!?」ますウィザードさん。朝食の準備ができますので着替えて来てください。』

 

目を開けたら突然眼前に、視界のほとんどを鎧と兜が占めていた。

そんなことがあれば驚く。

 

「し、心臓止まるかと思ったよ!」

 

『涎が垂れているので拭くことをオススメしますよ。』

 

「付いてる?ああいけないや…って違うよ!なんでいるの?ボク鍵閉めてたはずなのにぃー。」

 

『そういうこともあるのでしょう。寝癖も早く直して来てください。モラクス様はもう起床してます。』

 

「え…ボクを後に起こしたの?マズいじゃんせめて起こすなら先に起こしてよ〜!」

 

モラクスの名前が出てきたらナイトへの疑問を追及せず急いで支度に行った。

 

_________

 

 

「とうちゃーく!ゼーハー」

 

息を切らしながらウィザードは食堂に着いた。

急いだのが幸いモラクス、バラムはまだ来ていない。

 

「うん、まだナイトちゃんだけだね。手伝うよ。」

 

『今準備しているスープがもうすぐできますので他のをテーブルに運んでくれますか?』

 

「おっけー!」

 

とてとてとウィザードが皿に乗った料理を運んでいく。

運び終わるときにはモラクスとバラムが来た。

 

「おはようナイト、ウィザード。」

「やぁおはようお二人さん。」

 

「おはよう!」

『おはようございます。朝食の準備ができております。席へおかけください。』

 

「二人ともありがとう。」

 

ナイトに促されてモラクスとナイトは座る。

 

「いやー、毎度僕の分まで用意してくれて助かるよ。」

『いえ…こちらこそ許可をしてくださりありがとうございます。』

 

4人が揃いナイトとウィザードもテーブルの席へ座る。

 

朝食は目玉焼きに燻製肉とハッシュドポテトを添えたもの、オニオンスープ、サラダ、切り分けたパン、好みに応じて紅茶やコーヒー。

 

『皆様、熱いうちにお召し上がりください。』

 

 

 

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