超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>   作:波紋疾走(pixiv)

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第27話「残酷な真実」

 

 

 

【これまでのあらすじ】

 

 

 

インベスを使役した強盗事件が発生する。紘汰とネプテューヌは対処にあたろうとするが、イエローハートが現れインベスを退治してしまう

 

時を同じくして殺人事件が発生。調査をしていくうちにシドが関わっていると知る

 

シドの残虐な行いに怒りを爆発させる紘汰とネプテューヌ。二人はシドとイエローハートを撃退する。これで終わったかと思われたが……

 

 

 

【プラネテューヌ 市街地】

 

 

 

夜の闇が街を包み込む。街は人々は賑わっている。友人と遊ぶ者…… 飲みあかす者…… 恋人を待つ者…… 色々な人間がいた

そんな中、一人の男が街中を逃げ惑う。男は必死に走ると暗い路地裏へと逃げ込む

 

ホッとする男。しかし安心もつかの間、男を追っていた”追跡者”が現れる。それを見た男は青ざめた顔で「や、やめてくれ!!」と命乞いをする

 

しかし追跡者…… マリカは男の言葉に聞く耳を持たず、ソニックアローで切り裂いた。その瞬間、男の断末魔が鳴り響いた

 

 

 

【ヘルヘイムの森】

 

 

 

「ーーッ!」

 

「どうしたの戒斗?」

 

「どこからか声が聞こえた気がした……」

 

「こ、声? インベスのうめき声じゃなくて?」

 

「いや、あの声はインベスじゃない。もしかするとあれはオーバーロードかもしれん。いくぞノワール」

 

「いく? まさか…… 追うつもりじゃないわよね?」

 

「そのまさかだ。さっさとしろ。置いていくぞ」

 

「あ、待って!」

 

そう言ってノワールは、声の主を確かめに行こうとする戒斗を追っていった

 

しばらくして、戒斗とノワールは声の聞こえた洞窟にたどり着く。そしてライトで辺りを照らしていく。するとオーバーロードらしき赤い体の生命体がいることが分かる

 

「貴様は誰だ!」

 

戒斗が強く言ったせいか生命体はその場から逃げる。後を追う二人。しかしインベスに阻まれてしまう

 

「お前は奴を追え。こいつは俺が相手をする」

 

そう言うとバナナロックシードを取り出す

 

「変身」

 

『バッナーナ! Lock on! カモン! バッナーナアームズ! Knight of Spear〜!』

 

バロンへと変身するとインベスに向かいインベスの気をそらす。その隙にノワールは謎の生命体の後を追った

 

「フッ! セイッ!」

 

バナスピアーの強烈な突き攻撃がインベスに炸裂する。背後からもインベスは襲いかかるが振り向きざまにバナスピアーを振り回され攻撃されてしまう

 

「フンッ!」

『カモン! バッナーナスカッシュ!』

「ハアァァァ…… セイッ!!」

 

バナナスカッシュを発動し、必殺技であるスピアビクトリーが炸裂する。それを受けたインベスは爆発し倒された

 

インベスを倒すとすぐさま変身を解除する。そしてノワールの元へと向かう

 

「どうだった?」

 

「ごめんなさい。既に逃げられてて……」

 

「そうか。まあ、また見つけ出せばいいだけだ」

 

そう言って戒斗は再びオーバーロードを探すため歩み始めた

 

 

 

 

【プラネテューヌ 教会】

 

 

 

朝からリビングに紘汰たちが集まっていた。しかしいつもとは違い重苦しい雰囲気が漂っていた。何故なら……

 

『昨夜またしても殺人事件が発生しました。亡くなったのは住所不定無職の……』

 

「なんで…… なんで終わんねえんだよ!! シドは止めたはずなのに!!」

 

「終わるわけないわよ。これがある限り……ね」

 

凰蓮はテーブルの上に昨日手に入れたロックシードを置く

 

「こいつの流通を止めない限り無理よ。永久にシェアを奪われ、人が殺されていくわ」

 

「一体どうすればいいのでしょうか……(ーー;) プラネテューヌ国内での流通を止めたところで、恐らく他国でも同じ行為をすると分かりきっていますし……」

 

「……だったら、潰せばいいんだ」

 

「えっ?」

 

紘汰の言葉に耳を疑うネプテューヌ達。紘汰の方に振り向くとその表情は怒りと憎しみで溢れていた

 

「エディンを…… 七賢人を潰せば…… 人の命やシェアは奪われなくなる。みんな安心して暮らせる世の中になるはずだ」

 

「そりゃそうだけど…… でもどうやって潰すの?」

 

「簡単だ。国の核である教会と女神を倒せばいい。そうすれば崩壊する」

 

「潰すまではいかなくてもいいんじゃなくて? せめてロックシードの流通さえ止めれば少なくとも現状は打破できるはずよ」

 

「じゃあ奴らは潰れないだろ! それにまたあいつらは新たにシェアを奪う方法を思いつくに決まってる! 人の命を犠牲にした作戦を!!」

 

凰蓮にすら強く当たる紘汰。それほど彼はエディンを強く憎んでいた

 

「……その様子じゃ相当エディンを憎んでいるようね」

 

「当然だ! 奴らが現れてから世界はまた平和な世の中じゃなくなったんだ! 奴らさえ潰せば……」

 

「……アナタ、少しは落ち着きなさい。七賢人やエディンが憎いのは分かるわ。ワテクシもそうだもの。でもアナタはワテクシは違う…… アナタは怒りと憎しみで我を忘れているわ。一度頭を冷やしなさい。もしそのままだと冷静な判断が下せなくなるわ」

 

「でも……」

 

「でもじゃない。本当に冷静にならないと、作戦に参加させないわよ」

 

「作戦……?」

 

「ええ。ロックシードの製造工場を潰す作戦よ。まだどこに工場があるか分からないし、作戦内容も未定だけどね」

 

それを聞いた途端紘汰は部屋を出ていった。エディンに関する情報のため自ら調査に向かったのだ

これに対し凰蓮は「自分から調査に赴くほどエディンを潰したいのね」とコメントした

 

 

 

【ヘルヘイムの森】

 

 

 

戒斗とノワールはそこらにあった枯れ木や落ち葉をかき集め、火をつけ暖を取っていた。それと同時に戒斗は簡単な料理をノワールに振舞った

 

「これぐらいしか作れんが、腹の足しにはなる」

 

「ありがとう戒斗。じゃあ……いただきます」

 

戒斗の作った料理を頬張る。その味は美味で、自分よりも美味しいんじゃないかと思うほどだった

あまりに美味しいため、珍しくすぐに完食した

 

「ごちそうさま…… 美味しかったわよ戒斗」

 

「それを聞いて安心した。作った甲斐がある」

 

そう言ってノワールの傍に戒斗は座る

 

「ねえ戒斗…… オーバーロードってその…… 人間に友好的だったりするのかな?」

 

「分からんな。それは実際に会ってないとな。奴らが天使か…… はたまた悪魔かは…… ノワール、お前はどっちの方が……」

 

「……スー ……スー」

 

ノワールは戒斗の肩にもたれかかり眠ってしまった。朝から歩きっぱなしだったから疲れたのだろうと戒斗は考えると、そのままにしておき自分も眠りについた

 

 

 

エディンの調査に乗り出してから二日。ついに有力な情報を手にする。どうやらロックシードを作る工場はエディンの教会に併設されているらしい

紘汰達は凰蓮指導の元作戦を立案した。内容は作成したウイルスプログラムを工場の機材に感染させるというものだ。参加するのは凰蓮と紘汰だけである。二人はすぐに支度をしプラネテューヌを出発し、エディンに入国した

しかしネプテューヌには嫌な予感がしていた。何か良くないことが起きると……

 

 

 

【エディン 教会付近】

 

 

 

タワーのように高くそびえ立つエディンの教会を二人は見つめる

 

「いい? アナタ。今からワテクシ達がすることは決して簡単ではないことよ。失敗すれば…… 命の保証はないわ。引き下がるなら今のうちよ」

 

「俺は引き下がらない……! これで人の命やシェアを奪われなくなるのなら……! 俺は覚悟する!」

 

「分かったわ。アナタの覚悟、受け取ったわよ」

 

そう言うと二人は作戦を実行するため、エディンの教会へと向かった

 

 

 

【エディン 教会】

 

 

 

七賢人のアジトにはシドと湊耀子。そして凌馬らがシェアに関する話をしていた

 

「湊君。シェアはどうかね?」

 

「はい。順調に上昇しています」

 

「そうか。この調子なら禁断の果実が現れるのも時間の問題だ」

 

「本当にうまくいけばいいんだがなぁ。あいつが邪魔しにくるに違いねえぜ」

 

「ああ。君が殺し損ねた葛葉紘汰のことかい? 彼ならもう終わる予定だよ」

 

「は? どういう意味だ?」

 

「彼は確実にこのエディンへとやってくる。ロックシードの工場を潰すためにね」

 

「なぜそれがわかるんだ?」

 

「そんなの彼の性格から考えれば容易じゃないか。確実にエディンを潰しにくるっていうのは。私はそれを見越して彼に偽の情報を掴ませた。だから今頃、潰すための準備をしてるか、今まさにそれを実行しているかの二つに一つだろうね」

 

そう言った途端モニターにエディンの教会職員が現れ偽の工場に紘汰と凰蓮が侵入したと伝える

凌馬はそれを聞くと教会職員に配置に着くよう指示した

 

罠に罹ったとも知らず警備をすり抜け紘汰と凰蓮は工場に潜入する。しかし室内には誰もおらず怖いほど静かだった

 

「誰もいないな…… よし、今が絶好のチャンスだ……!」

 

そう言って機材の方へ向かう紘汰。だが凰蓮は動かず、この状況を不審に思っていた

 

「(おかしいわ…… こんな大事な工場に警備員の一人もいないなんて。まさか……)」

 

最悪の状況になるのではと凰蓮は推測する。その時!

 

突如警報が鳴り響いたのだ!

 

「な、なんだ!? まさかバレたのか!?」

 

突然の出来事に動揺する紘汰。その時、二足型自立ロボット、チューリップホッパーが数台現れたのだ

 

「あ、あれは!?」

 

「敵のロボットのようね…… つまりワテクシ達はまんまと罠に嵌ったってことね」

 

罠に嵌ったと悟った凰蓮はドリアンロックシードを取り出しドライバーにセットする

 

『Lock on! 〜〜♪♪ ドリアンアームズ! ミスタ〜 デンジャラース!』

 

「さあ、お行きなさい。ここはワテクシが食い止めるわ」

 

「で、でも!」

 

「早く! こうなったのも全部作戦を立案したワテクシの責任…… 責任を負うのは”本物”がする当然の行為よ!」

 

「わ、分かった! 死ぬなよ……!」

 

そう言ってブラーボを残し紘汰はエディンの教会へと向かった

 

 

 

 

教会内に潜入した紘汰はロビーでこのタワーの案内板を確認すると地下が無いと判明する。上へ昇っていくだけだと分かるとエレベーターを使い上へ向かおうとする。しかしパワードスーツで武装したエディンの職員たちに阻まれてしまい、さらには攻撃まで加えられる

 

「クッ! 変身!」

『オレンジ! Lock on! ソイヤッ! オレンジアームズ! 花道・オンステージ!』

 

鎧武に変身すると職員は取り押さえるべく襲いかかってきた。工場を潰したい鎧武は構っている暇はないと言わんばかりに職員をなぎ倒していき、上を目指していった

 

 

 

凌馬たちの目の前には二つの映像が流れていた。一つはチューリップホッパーと戦うブラーボ。そしてもう一つは鎧武の動向だ

その中で凌馬の興味を引いていたのは、チューリップホッパーと戦うブラーボだった

 

「実に素晴らしい出来だ。やはり私の研究は価値がある」

 

「おいおい、そんなこと気にしてる場合かよ。葛葉紘汰の方を見ろよ。もうあんな所まで来てるぜ」

 

「ん〜 やっぱりパワードスーツ着た職員じゃダメか…… じゃあ湊君、彼のこと頼むよ」

 

「分かりましたプロフェッサー」

 

そう言うと湊耀子はゲネシスドライバーとピーチエナジーロックシードを手に取り鎧武の迎撃に向かった

 

 

 

湊耀子がこちらに向かっているとも知らず鎧武は歩みを進める。途中彼の道を妨げる者たちがいたが、簡単に蹴散らしていた。そして次の階へ向かおうとした時、鎧武の目の前に湊耀子が立ちはだかった

 

「あんたはあの時の……!」

 

「やっぱり来たわね。あなたは単純な奴ね」

 

「ああ単純だ。だからこそ許せねえんだ……! 人の命を弄び、人殺しをするお前らが……!」

 

怒りと憎しみが渦巻く中、ゆっくりと鎧武はゲネシスコアをセットし、レモンエナジーロックシードを取り出す

 

『レモンエナジー〜〜♪♪ Lock on! ソイヤッ! ミックス! ジンバーレモン! ハハァー!』

 

鎧武はジンバーレモンアームズへと変身する。湊耀子もピーチエナジーロックシードを取り出した

 

『ピーチエナジー! 〜〜♪♪ Lock on ソーダァ…… ピーチエナジーアームズ! 〜〜♪♪ 〜〜〜♪♪♪』

 

マリカに変身すると二人は睨み合う。そして一気に詰め寄りソニックアローを振り下ろすと交差し合う

しかし鎧武はそれを弾き飛ばし攻撃を仕掛けていく。マリカも応戦し攻撃を仕掛ける。そのうちに、再び二人のソニックアローが交差し力が拮抗する

 

「やるわね……! よほど私達のことが許せないのかしら?」

 

「当たり前だ! 失業者やホームレス達に生きる価値が無いって勝手に決めつけて! 犯罪者にした挙句彼らを殺す! 俺はそんな人殺しの連中を絶対許さねえ!!!」

 

鎧武の怒りのパワーが炸裂し、拮抗した状態からマリカのソニックアローを弾くと次々に攻撃を仕掛けていく。さすがのマリカもダメージを受け後退していく。そのうちに、どこかのモニタールームに突入していた

 

「人殺し! 人殺し! 俺はお前らを絶対許さねえ!!」

 

怒りに我を忘れた紘汰はマリカに次々と攻撃していく

 

「(クッ! このままだとやられる…… 仕方ない。黙らせるためにもアレを見せるしかないわね……)」

 

そう呟くと隙を突いて鎧武に蹴りを入れる。十分に距離が取れた所で変身を解除する

 

「ッ?! なんだ、降伏する気か?」

 

「降伏なんてしないわ。人殺し人殺しうるさいのよ。あなたも人殺しの癖にね」

 

「俺が人殺し? そんな訳…… 「じゃあこれを見なさい。調査員が記録した映像よ」」

 

そう言うとモニターに映像が流れる。そこには紘汰がよく知る青年が映し出されていた。そう……角井裕也だ

 

「裕也!?」

 

変身を解除し映像を見る紘汰。そして次の瞬間驚くべきものを目にする

 

「ーーッ! これは……」

 

「思い出したかしら? あなたが初めてアーマードライダーとして戦ったインベスを……」

 

それは裕也がヘルヘイムの実を食べビャッコインベスと化した映像だった。その瞬間、紘汰の脳裏にビャッコインベスが襲いかかってきた記憶とそれを倒した記憶が蘇った

 

「あ、ああ……」

 

「あなたがこいつを倒したおかげで、あなたの命と女神の命は救われた。でも……彼の命は奪われた。あなたによってね」

 

「う、嘘だ……」

 

「嘘じゃないわ、真実よ。自衛のために友人を殺したことは…… あなたも私たちと同じ…… ”人殺し”よ。皮肉よね。人様のこと散々人殺しって言っておいて本当は自分も人殺しだったなんて」

 

「そんな…… 俺が…… 人殺し……」

 

紘汰はそう呟くと力なく崩れ去った。彼の目は焦点が合わず呆然としていた。今、彼は絶望の闇へと叩き落とされたのだった……

 

 

to be continued……

 

 

 

次回、超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>!

 

 

「俺は……人殺しだったんだ……!!」

 

自分が裕也を殺した事実を知り絶望する紘汰。牢屋に閉じ込められ処刑されるのを待っていた。そんな時、彼の前にサガラが現れた

 

時を同じくして戒斗とノワールはついにオーバーロードと邂逅する……

 

第28話「旗を揚げよ! カチドキアームズ出陣!」

 

『いざ、出陣! エイエイオー!』

 

 

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