超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>   作:波紋疾走(pixiv)

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第28話「旗を揚げよ! カチドキアームズ出陣!」

第28話

 

 

【これまでのあらすじ】

 

 

 

シドを倒した紘汰達。しかし殺人事件は終わらなかった

 

これ以上人々の命とシェアを奪われないようにするため、紘汰はエディンに乗り込むと決意する

 

しかし敵の罠に嵌り大ピンチに。同行した凰蓮は彼を向かわせ一人戦うことになった。そして紘汰は湊耀子と戦うことになる

 

怒りに身を任せた紘汰のパワーは凄まじく湊耀子を圧倒するほどだった。だが裕也に関する真実を突きつけられ絶望。力なく崩れ去るのだった……

 

 

 

 

「ハァ…… ハァ…… これで10機目ね……」

 

ドリノコを立てて片膝をつくブラーボ。その周囲には破壊されたチューリップホッパーの残骸が転がっていた。紘汰を教会に向かわせてから一人でチューリップホッパーの相手をしていた。敵のトリッキーな動きに翻弄されながらもなんとか撃破していた

しかし疲労やダメージのおかげでブラーボの体はとっくに限界を超えていた

 

だがそんなブラーボを嘲笑うかのようにチューリップホッパーが投下される

 

「まだやるってわけね……! いいわ、最後まで付き合ってあげる……!」

 

そう言ってボロボロの体を無理やり起こし、ドリノコを構え無謀にも突撃していくのであった

 

 

 

「そんな…… 俺が…… 人殺し……」

 

親友である裕也を殺したのは自分自身であると知った紘汰はその瞬間、力なく崩れ去る。その目は虚ろで焦点が合ってはいなかった

 

そんな状態に陥ったのを湊耀子は見逃さなかった。彼女は教会職員を呼び寄せ紘汰を捕らえる。抵抗できるはずもなく、紘汰は牢屋へと連れて行かれてしまった

 

 

 

 

【プラネテューヌ 教会】

 

 

紘汰と凰蓮がエディンに向かってから一日が経過した。今だ音沙汰なしの状況に不安が募っていた

 

「ねえ、もう一日も経ったよ! そろそろ向こうから情報あってもいいんじゃない!?」

 

「落ち着いてくださいネプテューヌさん! まだ一日しか経っていませんので音沙汰なしでもおかしくないです>_<」

 

「あたしも不安だよぉ〜 でもぉ、信じてるよぉ〜 必ず二人は生きて帰ってくるって〜 だからねぷちゃんも〜 信じようよぉ〜」

 

「う、うん…… そう…… だよね。紘汰は必ず、生きて帰ってくるよね……」

 

プルルートの言葉に励まされネプテューヌは二人が帰ってくると信じるのだった。しかし…… その思いとは裏腹に現実は最悪の状況に陥っていた……

 

 

 

紘汰は教会職員に連れられ牢屋に放り込まれた。鍵を閉めた職員は去り際に「お前とお前の仲間には処刑が下されるだろうな」と言った。しかし今の紘汰には聞こえてはいなかった。何故なら……

 

「俺が……裕也を…… 裕也を……!」

 

途轍もない自責の念に苛まれていたからだ。それと同時に裕也との思い出がフラッシュバックする。共にクエストに出かけた思い出…… バカやった思い出…… だが思い出すたびに、自分が彼を殺してしまったという事実をまざまざと突きつけられる

そしてあの言葉が蘇る

 

 

--「あなたは人殺しなのよ!」

 

 

彼は散々エディンの事を”人殺し”と言ってきた。しかし蓋を開けてみれば彼自身も人殺しだった。しかも奪ったのはずっと探していた親友の命だったのだ

 

親友を殺した自責の念と、自分が人殺しだった真実が紘汰に波状攻撃を仕掛けるかの如く襲いかかる。当然せき止められる訳なく、彼の精神に亀裂が入り涙を流しはじめた。これがもし崩壊すれば、彼は二度と立ち上がることはないだろう

 

しかし今はその亀裂を修復してくれる人間はいない。崩壊するのも時間の問題だった……

 

 

 

 

【ヘルヘイムの森】

 

 

 

戒斗とノワールがオーバーロードを探しはじめてからはや二日が経った。あれ以来オーバーロードらしき生命体を発見出来ずにいた

食料も尽きそうであったため、一度ラステイションに戻り態勢を立て直そうとした時、なんと再びオーバーロードらしき影を発見することが出来たのだ

影を追っていった先に二人が見たのは、赤き騎士のような姿に角が特徴的なオーバーロード…… デェムシュだった

 

「こいつが…… オーバーロード……」

 

アノネデスから手に入れた写真とデェムシュを見比べる。すると特徴が見事に合致した

 

「間違いない。こいつがオーバーロードだ」

 

「こいつがオーバーロード…… 戒斗、私ちょっとあいつに話を…… 「いや、待て」 えっ?」

 

ノワールが話をしようとした時、戒斗は彼女を止める。するとおもむろにカバンの中を漁ると国語辞典を取り出す。そしてそれをデェムシュに向かって投げたのだ

 

「な、なにをするつもり……?」

 

「まあ見てろ」

 

そう言っていると、なんとデェムシュは読み漁っていた国語辞典を破り捨てたのだ。

そして「シャムフォデョブリョフォンミャファシンムシャンフォフォン、シャンメエショファン!」と、理解不能な言語で喋りながら臨戦態勢に入る

 

「や、破った……!?」

 

「フン。分かりやすい奴だ。いくぞノワール」

 

そう言ってドライバーを取り出し戒斗も臨戦態勢に入る

 

「変身」

『バッナーナ! Lock on! カモン! バッナーナアームズ! Knight of Spear〜!』

 

「アクセスッ!」

 

戒斗はバロンに、ノワールはブラックハートへと変身する

バナスピアーと剣を構えるとデェムシュは二人に向かっていく

 

まず最初にデェムシュが攻撃したのはバロンだった。武器である杖状の剣を振り回していく。バロンも最初は応戦していくが徐々に押され始めていく

 

「戒斗!!」

 

バロンの劣勢を感じたブラックハートはデェムシュの背中を剣で攻撃する。しかしその行為が火に油を注いでしまったのか、デェムシュの標的はバロンからブラックハートへと変わった

 

「デェフィ!」

 

デェムシュはブラックハートに次々と剣で攻撃していく。なんとか応戦していたブラックハートだったが剣を受け止めた際に、その隙を狙われ腹部に蹴りを入れられてしまう

腹部を蹴られよろめくブラックハートにデェムシュは杖状の剣をすくうように振ってブラックハートを吹き飛ばした

 

「クッ! 強い……わね!」

 

「ああ…… しかし俺たちは奴に負けはしない!」

 

そう言ってバロンとブラックハートはデェムシュへと向かって行った

 

 

 

 

【牢屋】

 

 

「裕也…… 裕也……」

 

力なく裕也の名を呼ぶ紘汰。その目に光は無く、絶望の闇で覆い尽くされていた。いつ精神崩壊してもおかしくない時だった。彼の目の前に意外な人物が現れる

 

「よっ! まだ引きずってんのか?とりあえず食えよ」

 

そう言ってリンゴを取り出し彼に投げ渡す

 

「あんたは……DJサガラ……?」

 

「お前と面と向かって話すのは始めてだな」

 

「ああ。でもどうしてあんたがここに?」

 

「どうしてって? そりゃあお前にロックシード工場の場所を教えてやるためだからさ」

 

「俺に工場の在り処を?」

 

それを聞いた途端、紘汰の目に再び光が灯り始める

 

「そうさ。お前、殺人を止めたいんだろ? エディンがシェアのためにやってる殺人を」

 

「ああ。でも俺は奴らに人殺しって言っておきながら、俺は親友を……」

 

「殺してしまったか…… 皮肉なモンだな。まさか自分が殺人者だったなんて」

 

「ああ、同類だ。だから今の俺には何も……」

 

「何もできることがない……か。そりゃちょっと違うな」

 

「えっ?」

 

「そもそもお前とあいつらは同類じゃない。お前は誰かを守るために誰かの命を犠牲にした。しかし奴らは自分たちの野望のために誰かの命を犠牲にしている」

 

「野望……?」

 

「ああ。奴らはあの森に眠る”禁断の果実”を狙っている。そのためには大量のシェアが必要だ。だから奴らは殺人までしてシェアを奪っているって訳だ。」

 

「禁断の果実……?」

 

「ああ。それは世界を意のままに支配する力だ。そしてそれを今、奴ら以外に狙っている奴がいる。ヘルヘイムの支配者であるオーバーロードだ」

 

「オーバーロード!?」

 

「そいつらはかつてヘルヘイムによって滅ぼされた種族の生き残りだ。そしてヘルヘイムの侵食を克服し、逆にヘルヘイムの植物を意のままに操れるように進化した。そして極一部の奴だけだが、同じく禁断の果実を狙っている」

 

そう言っておもむろにポケットからオレンジを取り出すとサガラは撫で回し始める。するとオレンジはみるみるうちに形が変わりカチドキロックシードへと変化した

 

「じゃあその禁断の果実を手に入れれば……」

 

「ああ。お前が望む世界を作る創造することが出来るな」

 

そう言うとカチドキロックシードと待機状態のロックビークル二個。そしてマスターキーを机の上に置いた

サガラは用が済んだようなのか立ち上がり牢屋を後にしようとする。しかし去り際にこう言った

 

「おっと言い忘れてたぜ。工場はここから五階上がったフロアだ。あと、お前の仲間がこの階の牢屋に収監されている。番号は012だ。ちなみにお前たちが所持していた物もこの階の倉庫に置かれているぜ。脱出する時はここのヘリポートを使え。それと気をつけろよ。禁断の果実を狙っている人間には。お前を利用しようとしてくるぜ。お前に近い人間がな……」

 

意味深にそう言うと紘汰はハッと目が覚めた。辺りを見回す紘汰。しかしサガラの姿はない。目の前には彼が置いていったカチドキロックシードとロックビークル二個。そしてマスターキーが置かれていた。これを見た紘汰はすぐさま全てを持ち出し牢屋を脱出、倉庫を経由し凰蓮が捕まっている012の部屋へ急いで向かう

 

倉庫を経由しても012の牢屋にたどり着くのに数分ほどしかかからなかった

 

「アナタどうしてここに!?」

 

「エディンの連中に捕まったんだ。それよりも工場に向かうぞ。場所はここから5階上がったところにある」

 

そう言ってマスターキーを使い牢屋を開けると、ドライバーとドリアンロックシードを渡す

そして二人はすぐさま工場へと向かった

 

 

 

紘汰と凰蓮が脱走したとも知らない凌馬は呑気にコーヒーを飲んでいた

 

「さて、彼らの処刑はどんな風にしようかな〜」

 

「え、えぇ!? しょ、処刑するんですか?」

 

「当たり前じゃないかレイ君。国家を潰そうとした連中だよ? 処刑しない方がおかしいさ(まあ、本当はデータが十分取れたから不要になっただけなんだけどね)」

 

そう呟いた時、教会職員から紘汰と凰蓮が脱走したとの報告を受ける。それを聞いた凌馬は一瞬動揺するが、すぐさま捕まえるようシドと湊耀子、職員に命令した

 

命令が下り警報が鳴り響く。二人はそれに気づき急ぎ工場に向かう。しかしその前をパワードスーツを着用した職員たちが立ち塞がる

 

「仕方ないわ。強行突破よ! 変身!」

「変身!」

『ドーリアーン! Lock on! ドリアンアームズ! ミスタ〜 デンジャラース!』

『オレンジ! Lock on! ソイヤッ! オレンジアームズ! 花道・オンステージ!』

 

二人はそれぞれブラーボ、鎧武へと変身すると走って彼らに構っている暇はないと言わんばかりに蹴散らしていく。職員は必死に工場へ向かわせんとするが、二人の猛攻の前に屈しついに工場潜入を許してしまう

 

「ここが工場ね……」

 

薄暗い工場内を見回しメインコンピュータを探すブラーボ。すると奥の部屋にある工場長の部屋の中にあると気づく。ブラーボはマスターキーを使い部屋に潜入、早速ウイルスプログラムを流し込んでいく。しかしその時、武装した教会職員が現れる

 

「あいつらは俺に任せろ!」

 

「頼んだわよ!」

 

そう言うと鎧武は囮になり教会職員と戦闘を開始する。相手は剣や銃を持っているが、鎧武は何も持たず素手で戦っていた。もしここで無双セイバーや大橙丸を使えば職員を傷つけてしまい、下手をすれば死んでしまうかもしれない。なので使っていないのだ

 

「ハッ! テェヤッ!」

 

次々と職員たちをダウンさせていく。そしてついにウイルスを感染させることに成功する

 

「よし! 成功した! あとは脱出するだけだ!」

 

そう言うと無双セイバーを取り出し足元に威嚇射撃をする。混乱している隙に鎧武とブラーボは最上階のヘリポートを目指す

 

「ねえ、どうやってここから脱出するのよ?」

 

「それはこいつを使う! ロックビークルだから大丈夫だ!」

 

そう言っているとついにヘリポートに到着する。まず最初にブラーボがダンデライナーを利用し、脱出に成功する

 

「よし、あとはこいつを使って……」

 

鎧武も続いてロックビークルを開錠しようとした時、ソニックアローのエネルギー矢が放たれる

間一髪避け、放たれた方向を見る。そこにはシグルドとマリカが立っていた

 

「逃がしはしねえぜ」

 

「あなたは必ず捕まえる。そして処刑台に送ってあげるわ」

 

「それはどうかな?」

 

そう言うとカチドキロックシードを取り出す

 

「な、なんだそのロックシードは!?」

 

「俺は負けない! 禁断の果実を手にするまでは! そのための力! 前に進むための力なんだ!」

 

『カチドキ!〜〜♪ オォー!Lock on! ソイヤッ!』

 

「ハッ、ふざけるなァ!!」

 

シグルドとマリカは鎧武を狙い撃つ。その瞬間爆発が起きた

 

「フッ、なにが前に進むための力だ。あっけねえな」

 

そう言った時、煙の中から新たなアームズを纏った鎧武が現れる

 

『カチドキアームズ!いざ、出陣! エイエイオー!』

 

重厚で絢爛な巨大アーマーを纏し鎧武の新たなアームズ、カチドキアームズが誕生した!

 

「な、なんだあのアームズは!」

 

鎧武の新たな姿に狼狽えるシグルド。エネルギー矢を放ち攻撃する。しかしまったくカチドキアームズとなった鎧武には効いていなかった

 

「なんていう防御力なの……!?」

 

「ここからは俺のステージだ!」

 

そう言うと新武器、火縄大橙DJ銃を取り出す。そしてスクラッチするとシグルドに銃撃を放つ

 

「クッ!」

 

シグルドは避ける。隙を突いて今度は大量のエネルギー矢を放つ。しかし鎧武はマシンガンモードに切り替えそれを全て相殺。ついでにシグルドも攻撃し、銃弾が浴びせられ吹き飛ばされる

 

「ハッ!」

 

鎧武がシグルドに攻撃している間を狙いマリカは接近戦を仕掛けようとするが、鎧武に気づかれ大砲モードの強力な砲弾が放たれマリカも吹き飛ばされる

 

「なんだあの力! 今までとは桁違いだ!」

 

「下手をすれば私達が負けるわね……」

 

そう言っている間にも鎧武は無双セイバーとDJ銃を合体させ大剣モードに切り替える

シグルドとマリカも接近戦を仕掛けようとするが、大剣の重い一撃を喰らい大ダメージを受けてしまう

 

「これでトドメだ!」

 

そう言うとカチドキロックシードを大剣モードのDJ銃にセットする

 

『ロックオン! イチジュウヒャクセンマンオクチョウ! 無量大数! 』

 

そして必殺の火縄大橙無双斬がシグルドとマリカに炸裂! 途轍もないパワーを込めた一撃を受けたシグルドとマリカは変身を解除、二人のエナジーロックシードは鎧武に奪われてしまった

戦いが終わると鎧武はダンデライナーに乗りプラネテューヌへと戻っていった

シドと湊耀子はただそれを見つめることしか出来なかった

 

 

 

鎧武の戦いを遠目からサガラは見ていた。そして戦いが終わった時、彼はこう呟いた

 

「これでもっと面白くなるぜ。女神様」

 

同じくアジトで凌馬は先ほどの戦いに釘付けとなっていた。それはもちろん鎧武が新たなアームズを手に入れたからだ

 

「レイ君、前言撤回だ。彼はまだ生かしておく。私が禁断の果実を手に入れるためにも、彼には生きてもらうよ。もし彼の力を解析すれば…… 私に禁断の果実を手に入れるだけの力が手に入いるからね」

 

そう言うと凌馬は立ち上がりどこかへと消え去った

しかしレイはそんな彼を睨むように見つめこう言った

 

「禁断の果実は私が手に入れるのよ。あなたには渡さない……」

 

 

 

 

To be coutinued……

 

 

 

 

次回、超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>!

 

 

エディンを脱出した紘汰は無事プラネテューヌに帰還する

 

時を同じくしてバロンとブラックハートは窮地に立たされていた

 

紘汰はオーバーロードとは何者かと調べるためヘルヘイムの森に向かうが……

 

第29話「支配者・オーバーロード」

 

「あいつらが…… オーバーロード……」

 

 

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