超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム> 作:波紋疾走(pixiv)
【これまでのあらすじ】
突如として病院に現れたインベス。それを倒そうとする紘汰たちの前にレデュエが現れ、光実とブランを誘拐してしまう!
一方、復帰したノワールは戒斗とともに謎の人影を追う
その正体は倒されたはずの戦極凌馬だった。凌馬はアーマードライダー邪武へと変身し、斬月・真とグリーンハートを倒してしまうのだった!
【リーンボックス 教会】
邪武に敗北し、負傷した貴虎を教会へと運び届ける戒斗。到着するとすぐさまチカに呼び掛け、医師を呼ぶよう指示した
その間、応急処置なるものを施し、少しでも医師による治療の効果を高めようとしていた
応急処置が施されている間、ベールは自分のせいでこうなってしまったと責め、涙を流していた
「わたくしのせいで貴虎は……」
頬に涙が伝う。その時、貴虎が目を覚まし、ベールのせいではないと慰める
「決して…… お前のせいじゃない。それに……私はお前を守れてよかったと思っている。だから……泣かないでくれ」
「貴虎……」
「それに、私はそう簡単にくたばる人間ではない。安心しろ」
ベールの手を取りそう言う貴虎。そんな時、紘汰から緊急の連絡が入る
「どうした葛葉?」
<大変だ! ミッチとブランが…… レデュエに拐われちまったんだ!>
光実とブランが拐われた…… その言葉に全員が驚く
「どうしてそんなことになったの?」
<ミッチとブランといっしょに病院に現れたインベスを倒していたんだ。その時に突然現れたレデュエに連れ去られたんだ>
「なるほど…… 手がかりはるの?」
<う~ん……。強いていえば目撃した人が東に逃げたってことぐらいかな>
「まったくアテにならないわね……」
<ああ。でも貴重な目撃証言だから、一応双方の教会職員も捜索に協力してくれてるけど…… なにぶん範囲が広すぎて、とてもじゃないが探しきれないんだ。だからみんな協力してくれないか?>
「協力か…… してやりたいところだが、こっちも少々面倒なことに巻き込まれてな。貴虎が戦極凌馬にやられた」
<貴虎が戦極凌馬にやられた!? どういうことだよ! あいつはお前が倒したはずじゃなかったのか?!>
「俺もそう思っていた! だがあいつは生きていた。そして新たなる力を手にして、貴虎を倒した」
<新たなる力だって!? クソ…… また強くなったのかよ……>
「ああ。だから気をつけろ。お前を狙ってくる可能性は十分ある」
<わかった。立て込んでるところすまなかったな戒斗>
そう言って回線を切った紘汰。直後にネプテューヌから「どうだった?」と聞かれ、「ダメだった」と返した
そして戦極凌馬がまだ生きていて、新たなる力を手にして俺達に襲いかかるかもしれないから注意しろと言い、その後二人は光実とブランの捜索へと向かった
「んっ……」
目を覚ます光実。辺りを見回し、まず自分が置かれている状況を確認する。分かったのは、自分は今工場にいて、なおかつ腕を縛られた状態であること。そして傍には、まだ目を覚ましていないブランが倒れていたことだった
この状況下でまず光実が取った行動は、ブランを起こすことだった
「起きてくださいブラン様。起きてください」
「んっ…… んっ…… 光実?」
「大変ですブラン様。僕達、どうやら囚われの身のようです」
「囚われの身?」
目を覚まして間もないため、言っている意味がわからなかった。しかし妙に冷たい空気、そして身動きが取れないと分かると、光実の言っていることを理解した
「どうしてわたしたちはこんなところにいるのかしら?」
「レデュエ…… 奴が僕達を連れ去りここに連れてきたんだと思います」
「それは知っているわ。肝心なのはなぜわたしたちが連れ去られたのかよ」
「さあ……」
「なら……答えてあげようか?」
「「ッ!?」」
どこからか聞こえのある声が聞こえた。暗がりからその声の正体…… レデュエが現れた
「レデュエ……! どうして僕達をこんなところへ連れ去った?!」
「フン。そんなの、君たちに生け贄になってもらうからだよ。特にそこの白い女神にはね」
「わたしを……生け贄に……!?」
「ブラン様を生け贄にだと!? いったい何のために!!」
「そんなの、王妃復活のためだからに決まってるじゃあないか」
「王妃復活……!? 僕らが防いだはずじゃ……!」
「確かに君たちのおかげで計画は失敗した。だが、そのおかげで気付いたんだよ。こんなにもたくさんの人間を生け贄にするより、女神を生け贄にする方が手っ取り早いんじゃないかってね」
「そのためにわたしを利用しようって訳か!」
「フフフ。さあ、おしゃべりはこれまでにして、はじめようか。生け贄の儀式を……」
そう言うとゆっくりと歩み寄り、そして手に持つダウを降り下ろした
二人は咄嗟に左右に避け、変身を試みる。しかしブランの方は変身出来たが、光実はいつも最初に変身するブドウロックシードがないため、変身出来なかった
「お前のロックシードは私が預かった」
そう言ってブドウロックシードをちらつかせるレデュエ。しかし光実にはもう一つロックシードがある
キウイロックシードだ。光実は腕を縛られた状態で上手く開錠し、ドライバーにセットする
『Lock on! ハイィー! キウイアームズ!』
「変身!」
『撃・輪・セイッ・ヤッ・ハッ!!』
龍玄・キウイアームズへと変身すると力を振り絞り、拘束具を引きちぎる。そしてキウイ撃輪を投げ飛ばし腕を攻撃し、ブドウロックシードを取り戻す。その後ホワイトハートの拘束具を壊した
自由に動けるようになった二人は、襲いかかるレデュエに応戦するのだった
レデュエと龍玄、ホワイトハートの戦いが始まると、それを影から見つめる人物が現れる。キセイジョウ・レイだ
「へえー 今度は女神の生命エネルギーを利用するのね。まあ、その方が利にかなってるわね」
「でもよ~ なんで男の方も連れてきてんだ?」
「さあ? 万が一生命エネルギーが足りなかった時の補填として連れてきたんじゃないの?」
「あーなるほどね。しっかしレデュエってホント諦めが悪いよな」
「昔からそんな性格よ。あいつは。まあ、どんな手を使っても、最終的には私が知恵の実を手に入れるのだからね。フフフ……」
不気味な笑みを浮かべて、レイはその場を去るのだった
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ネプテューヌと手分けして光実とブランを探す紘汰。彼は湾岸方面の捜索を行っていた。だが、いっこうに足取りは掴めず、捜索は難航していた
「どこだよミッチ…… ブラン……」
不安に駆られる紘汰。そこへある人物が現れる
「よほどあの二人が心配なようだねえ」
「お前は…… 戦極凌馬……!!」
凌馬が目の前に現れ身構え、そして睨み付ける
「おいおいそんな目で私を睨まないでくれ。怖いじゃないか」
「戒斗から話は聞いている。貴虎を倒したんだってな」
「あれは起動実験みたいなもの。試しにゲネシスライダーを倒してみせただけさ」
「そしていずれは俺達を倒し、禁断の果実を手に入れる……って訳か!」
「さあ~? それはどうだろうねえ~」
「しらばっくれんな! お前の野望はもう分かってる! その野望…… 俺が今、打ち砕く! 変身!!」
『オレンジ! Lock on! ソイヤッ! オレンジアームズ! 花道・オンステージ!!』
「私を倒す気なら仕方ない。応戦しよう。変身」
『ダークネス! Lock on! ソイヤッ! ダークネスアームズ! 黄金の果実!!』
紘汰は鎧武に、凌馬は邪武に変身する。すぐさま二人は大橙丸を構え、走り出して距離を詰める。そして同時に降り下ろすと、二つの大橙丸が重なりつばぜり合いの状態となる
「そういや、その戦極ドライバー、どこで手に入れたんだ!」
「私が自作したんだよ! ゲネシスドライバー作成の際に参考にしたデータを元にね!!」
そう言うと鎧武の大橙丸を弾き返し、邪武は体を切り刻んでいく。ダメージを受けた鎧武は火花を散って転がった後に倒れる
「(なんだよあの力……! 戦極ドライバーでゲネシスドライバー以上の力を発揮している!? )」
ゲネシスドライバーを上回る力を発揮している邪武に一種の恐怖心を覚える
そんな鎧武に邪武は走って距離を詰める。このままではマズイと感じた鎧武はカチドキロックシードを取りだし、カチドキアームズへと変身する。それと同時に邪武の大橙丸が降り下ろされるが、咄嗟にカチドキ旗で防いだ
そして今度は鎧武が大橙丸を弾き返す
カチドキアームズとなった鎧武は、カチドキ旗を振り回し、ダメージを与えていく
必死に防ぐ邪武だったが猛攻に耐えきれず、ついには吹き飛ばされた
「クッ!」
『ソイヤッ! ダークネススカッシュ!!』
吹き飛ばされた邪武はダークネススカッシュを発動する
鎧武も対抗して、カチドキスカッシュを発動する
『ソイヤッ! カチドキスカッシュ!!』
邪武の大橙丸は黒いに近い紫色に発光、鎧武は火縄大橙DJ銃を取りだし砲弾を撃つ準備に入る
そして邪武はエネルギー刃を、鎧武は砲弾を同時に放つ。一発目はお互いに避けたことで不発だったが、二発目は即座に放ったことにより、お互い攻撃を受け、痛み分けとなった
「はあ……はあ…… やはり君は一筋縄じゃいかないね」
「当たり前だ! それに俺は今、急いでるんだ! ミッチとブランを助けるために! それでも邪魔をするなら……」
鎧武は立ち上がり、戦う構えを見せる。これに対し邪武は
「ふーん。じゃあ私に構っていいのかな? この先の廃工場にその二人がいるのに?」
「なにっ!?」
「今ごろレデュエに殺されてるんじゃないかなー? まあ確証はないけど」
煽る口調で鎧武を動揺させる。光実とブランの捜索が本来の目的であるため、邪武を相手している暇はない。拳を握りしめ、怒りを露にしながらその場を立ち去るのだった
レデュエとの戦いを続ける龍玄・ブドウアームズとホワイトハート。しかしレデュエの戦闘力の前に劣勢を強いられていた
「ハア…… ハア……」
「クッ…… さすがオーバーロードってところか」
「一筋縄じゃいきませんね……」
「フフフ。そりゃそうさ、四女神の中で一番弱いお前たちじゃ、私に勝つことなんて出来ないからね」
「なんだと……っ!?」
「ふざけやがって! アタシを舐めたことを後悔させてやる!! はあぁぁぁぁ!!!」
レデュエの挑発に怒りを露にするホワイトハート。彼女は自分を煽ったレデュエ目掛けて走り出す。その時、急にレデュエは左手を差し出した。そして次の瞬間!
「うっ! うあぁぁぁぁぁ!!!!」
ホワイトハートの腕の傷が再び痛みだしたのだ。しかもその痛みは半端ではなく、苦痛のあまりその場に倒れて変身を解除してしまうほどだった
「ブラン様!!!」
「フハハハハ! 苦痛だろう? ならもっと苦痛を味あわせてやろう」
そう言うと再び左をかざす。すると腕の痛みは更に増し、ブランはもがきはじめた
「貴様あぁぁぁぁぁ!!!」
怒りを露にし、ブドウ龍砲を乱射しながらレデュエに詰め寄っていく。しかし体を霧状して避けられてしまう
「どこにいった?!」
レデュエを探す龍玄。するとどこから声が聞こえてきた
(フフフ。よほどあの女が大切なようだねえ。君の必死さから、それが悟れるよ)
「当然だ! ブラン様は僕にとって大切な存在! 守らなきゃいけない存在なんだ!!」
(ふーん。でも、お前自身が弱かったら、守れないよねえ?)
「黙れ!! 確かに僕は兄さんや紘汰さんに比べれば弱いかもしれない!! だから僕は強くなろうとしてきた!! ブラン様を守るために!!!」
(それは違うね)
「なにっ!?」
(お前はその女を守るために強くなろうとしている訳じゃない。その女を振り向かせるために強くなろうとしているだけだ)
「なんだと……!?」
レデュエの言葉に動揺する龍玄。それが仇となり、姿を現したレデュエに気がつかず攻撃を受けてしまう
「お前は自分のカッコいい姿を見ればあの女が惚れると思っているだろう?」
「そんな事は一度も……!」
「いいや、一度どころか毎回だね。思い当たるだろう?」
レデュエの言葉が突き刺さる。その瞬間、今までの戦いの記憶が甦る。初めて龍玄としての戦い…… ヘルヘイムの奥地でコピリーエースとの戦い…… その全ての戦いの心の奥底で無意識にカッコいい姿を見せようとする自分がいたことに気づく
「どうやら心当たりがあるようだねえ」
「僕は…… 僕は……」
「僕はそんなこと思ってないとでも言いたいんだろう? だったら私を倒して証明して見せたらどうだい? それに私を倒したら、彼女は振り向くんじゃないかな?」
「……黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れ!!!黙れえぇぇぇぇ!!!」
発狂したかのように叫ぶ龍玄。彼は立ち上がると、レデュエに向かって走り出し、ブラン龍砲を乱射する。距離が狭まると今度は殴り始める。ひたすら顔や胸を殴り続けたが、レデュエにはまるで効いていない。それどころか、腕を掴まれ、ダウを掬い上げる攻撃を受けて吹き飛ばされてしまう
「グッ…… があっ……!」
「フハハハ!! 無様だねえ。全くカッコよくないよお前」
「だ、まれ……」
「それしか言うことが出来ないのか? まあいい。無様な姿をその女に晒しながら死ぬといいさ」
そう言うと杖をかざし、ヘルヘイムの植物を操り鞭打つように攻撃する。反撃する力のない龍玄は、そのまま鞭打ちを食らい続け、最終的には変身を解除。そのまま倒れ込んでしまった
「み、光実……」
倒れた光実を見つめるブラン。しかしその前にレデュエが立ち塞がる
「邪魔者が消えたところで、そろそろメインイベントを始めようか」
そう言ってダウを突き出すレデュエ。その時、ふと背後に気配を感じる。振り向いた先にいたのは、鉄パイプを持った光実だった
「ブラン様に手を出すな……!! もしも手を出したら、お前を殺す……!!」
「そんな状態で何が出来るんだい?」
「僕を…… 舐めるな!!」
そう言って鉄パイプ片手に走り出す。レデュエも歩いて距離を詰める。鉄パイプが届く範囲にまで詰め寄ると無我夢中に振り回していく。が、鉄パイプごときでは当然だ対抗できるはずもなく、あっさりと掴まれてしまう。レデュエは掴んだ鉄パイプを奪うと投げ飛ばす
そして右手に持っていたダウをなんと光実の腹に突き刺した
「がっ……あっ……」
「フン……」
致命傷を負わした察したレデュエはダウを抜いた
致命傷を負った光実は血にまみれた腹を触った。その瞬間、血で手が染まった。そうして彼はそのまま倒れてしまった
「その傷じゃ15分も持たない。自分の大切な存在が死ぬところ見ながら死んでいくんだな」
非情かつ残酷な言葉を突きつけるとレデュエはブランの元へと戻っていく
光実は必死にブランの元へと這いずろうとするが。しかし今の状態では到底不可能なことであり、意識だけが徐々に消えていった
「(どうして僕ばかりこんな目に遭うんだ……! こんなにもブラン様のことを思っているのにどうして……!)」
出せる力を振り絞り、手を差し伸べる。しかしその手が届くまでは程遠かった
「(僕はなにも守れず終わるのか…… そんなの嫌だ……! 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…… そんなの嫌だあぁぁぁぁぁ!!!)」
光実がそう叫んだその時。光実以外の時が止まってしまった。
「な、なにが起きたんだ!?」
突然起きた出来事に戸惑う光実。自分の力で時を止めたのか? と考える光実の基にあの男が現れる
「あんたは…… DJサガラ!?」
「よお、呉島光実。まった無様な格好してんな。まあ、今まであの女を振り向かせたいがために戦ってきた報いかといえば当然か」
「僕を…… 煽りにきたのか?!」
「俺は別にお前を煽りに来た訳じゃない。ただ、チャンスを与えてやろうと思っただけだ」
「チャンス……?!」
「ああ。お前は今、力を誰よりも欲している。そしてこの状況…… 見るからに不利だ。だから俺はお前に反撃の…… あの女を守るチャンスを与えてやる」
「どうして僕にチャンスを……?」
「ん~ こればっかりは俺の性格の問題なんだよな~ つい弱い方を応援してしまうんだよな~」
そう言ってサガラは懐からブドウロックシードと同じ形の禍々しい色をしたロックシードを取り出しちらつかせる
「それは……!!」
「こいつの名はヨモツヘグリロックシード。そのパワーは絶大で万物を寄せ付けないとも言われている」
「しかしこれにはちょいと欠点がある。絶大なるパワーと引き換えに、装着者の生命エネルギーを奪うんだ。だがこいつを使わなければ、あいつには勝てない。どうする? 自分の命を削ってまで、あの女を守るか?」
サガラは光実の眼前でヨモツヘグリロックシードをちらつかせながらそう問いかける。光実の返答は……
「そんなこと…… 言うまでもない!!!」
サガラからヨモツヘグリロックシードを奪い取った! その瞬間、目の前が光に包まれた
時は進み始める。レデュエはブランにダウを降り下ろそうとする。が、再び背後に気配を感じたのそれを止め、振り返った。そこには瀕死の光実がなんと立っているではないか
「ほお~ まだ立つ気力があるとはな」
「まだ…… 終わってないぞ……!!」
「その体でどうやって私に勝つんだ?」
「フフフ…… この力で、お前を倒す!」
そう言ってヨモツヘグリロックシードを見せつける。新たなロックシードを前にレデュエとブランは驚きを隠せない
「この力なら、お前を倒してブラン様を……!!」
『ヨモツヘグリ!』
ロックシードを開錠する。すると暗雲が現れ、禍々しい色をしたアームズが現れる
『Lock on!』
光実はそれを嵌め込む。するとフェイスプレートが緑色の龍玄から赤色の龍玄へと変わる
このプロセスを見たブランは、あの力が相当危険なものだと悟った
「変身!!」
拳を握りしめるとカッティッングブレードを下ろす
『ハイィー! ヨモツヘグリアームズ! 冥・界! ヨミヨミヨミ……』
「ウッ! グッ! ウッグアー!
グアーアーッ! ウッ! ハァグハァ……」
頭にアームズが覆い被さる。途端に光実がもがき苦しみ始める。だがアームズは展開され装着。光実は死の戦士、龍玄・黄泉へと変身した
龍玄・黄泉は苦しみに耐えると、レデュエを睨み付ける。その殺気は凄まじく、あのレデュエすら狼狽えるほどだった。その隙にブドウ龍砲を取り出し、レデュエに向かって乱射しながら走り出す
狼狽えていたレデュエはそのままエネルギー弾の嵐を受けてしまう
距離を詰めると今度は胸ぐらを掴み、そのまま後方へと投げ飛ばした
投げ飛ばされたレデュエはすぐさま立ち上がる
「な、なんだあの力は! 知恵の実の力か!?」
圧倒的パワーに恐れおののくレデュエ。このままでは負ける…… なにか隙はないかと模索する。すると龍玄・黄泉は生命エネルギーを吸収され、苦しみ始めた
これがチャンスだと感じたレデュエらヘルヘイムの植物を操り攻撃を仕掛けようとする。しかし龍玄・黄泉は苦しみに耐えながら、ブドウ龍砲で植物を全て破壊した
「バカな!! 貴様命を削っているのに何故!」
「僕の命はブラン様に捧げるもの! ブラン様のためなら、僕の命なんて…… 惜しむものかあぁぁぁぁぁ!!!」
驚くレデュエ。その間に龍玄・黄泉はキウイ撃輪に持ち替え、カッティッングブレードを一度下ろす
『ハイィー! ヨモツヘグリスカッシュ!!』
ヨモツヘグリスカッシュを発動すると、キウイ撃輪を投げ飛ばす。飛ばされたそれは、レデュエの体を切り裂いた
キウイ撃輪の次に手に取ったのは、なんとシンムグルンの武器であるディムブだった
「あれは、シンムグルンの……!」
再び驚くレデュエ。その間にも龍玄・黄泉は一気に間合いを詰め、ディムブを降り下ろす。やられっぱなしのレデュエは反撃に出るが、怒りのパワーも上乗せされた龍玄・黄泉の猛攻の前にはなす術がなかった
しかし前途の通り、そのパワーは光実自身の生命エネルギーを代価に発揮されている。いつまで持つかわからないのだ
そして再び生命エネルギーが吸収されて苦しみだす
攻撃のチャンス到来と思ったレデュエはすかさずダウを龍玄・黄泉に突き刺そうとする。しかし同じ手は二度も通用するはずもなく、逆に受け止められてしまった
「ば、馬鹿な!」
『ヨモツヘグリスカッシュ!』
ダウを右腕で受け止めたまま、ブドウ龍砲を持っている左手でカッティッングブレードを下ろし、ヨモツヘグリスカッシュを再び発動する
するとブドウ龍砲に瞬時にエネルギーが溜められ、強化されたエネルギー弾を腹に何発もぶちこんだ
火花を散らしてレデュエは後退し、さらにはダウまで奪われてしまう。こうなってしまえばもう終わりだ
龍玄・黄泉ももう限界だった。なにせ瀕死の状態から変身し、さらには生命エネルギーも吸収され続けたため、いつ死んでもおかしくない状況だ。次に決着をつけないとマズイのだ
「レデュエ…… これでお前を倒す!!」
そう言うとカッティッングブレードを二回下ろす
『ハイィー! ヨモツヘグリオーレ!!』
ヨモツヘグリオーレが発動するとレデュエのダウに紫色のブドウ型オーラを集中させる。そして飛び上がる! そして……
「うおぉぉぉぉぉ!!!!」
「うあぁぁぁぁぁ!!!!」
そのままレデュエの腹に、まるで仕返すかのようにダウを突き刺したのだ。その一撃は、致命傷だった。充分に深手を負わせると、そのまま抜いた
「わ、私が人間のような猿ごときに……!!」
最期に人間を卑下する言葉を言い放ちながらレデュエは爆発。倒されたのだった
レデュエを倒した龍玄・黄泉。しかしその命にも終わりが来ていた。生命エネルギーが吸収されたのだ。最後の生命エネルギーを吸収されたことにより、変身は強制的に解除。光実はそのまま倒れた
「光実!!!」
レデュエが倒されたことにより傷の痛みが消えたブランはすぐさま駆け寄った。そして倒れた光実を抱き寄せ、手を掴む
「光実! 光実!!」
「うっ…… やった…… 僕、ブラン様を…… 守れ、ました…… ハハハ……」
「ふざけないで! 自分の身も守れなきゃ意味ないじゃない! あなたは…… わたしの大切な人なのに……」
「ありがとう…… ございます。こんな自分勝手な僕を大切に思ってくれて…… 僕は…… 幸せ……です……」
ブランの手から、掴んでいた光実の手がするりと抜け落ちた
その瞬間、彼はピクリとも動かなくなった
目を閉じ、安らかに眠ってしまった
先程の戦いで生命エネルギーを使い果たした光実は、最期に自らの思いを告げて死んでいった
「いやあぁぁぁぁぁ!!!」
ブランは絶叫した。声にならないほど絶叫した。そしてひたすら悲しみの涙を流した
そこへ紘汰たちが到着する
「ブラン! ミッチ!」
駆け寄る二人。そこで見たのはひたすら涙を流しすブランと光実の亡骸だった
二人は悟った。間に合わなかった……と
「ウソ……でしょ?」
「まさか……ミッチが……」
紘汰はその場に跪き、ネプテューヌは呆然と立ち尽くした。そして途端にとてつもない後悔の念に襲われる。なぜもっと早く来れなかったのか? あの時、早々に邪武を蹴散らせておけば……
しかし二人がそう思ったところで失われた命は二度と戻ってこない。光実は目を閉じたままだ
紘汰とネプテューヌが悲しみに暮れる中、ブランは自分の思い全てを目を閉じたままの光実に吐露する
「バカ…… バカア!! なんでわたしの気持ち無視して、先に逝っちまうんだよ……! わたしが…… 一人になっちまうだろうが!」
「だから目を覚ませよ…… 光実……
光実ええ!!」
ブランがそう叫んだ時、一粒の涙が光実にこぼれ落ちた
何も見えない、暗黒の空間に光実は身を任せ漂っていた
「(ここは…… 死後の世界か……? )」
周辺を見渡す。しかし暗黒で何も見えない
「(何も見えない…… やっぱりここは死後の世界か…… でも、ブラン様を守れたからもう……)」
そう言って永遠の眠りに着こうとする。その時、一筋の光が暗黒を切り裂くように差し込む。あまりの眩さに閉じようとしていた目が開いてしまうほどだった。そしてその先に見えたのは、神々しい姿の巫女だった。心なしか姿はブランに似ていた
「それではあの子が悲しみますよ? 呉島光実……」
「あなたは?」
「私はあの子の祖先…… 先代のルウィーの女神で御座います」
「せ、先代の女神様!?」
「そう驚かないで。さて、話を戻しましょう。あなたは先程の戦いで命を落としました」
「でも、ブラン様を守れたから別に……」
「後悔はない……ですか? ふう…… そんな答えでは、あなたはあの子にふさわしくありません」
「えっ……?」
「あの子の気持ちを考えずに、死んでしまうような人ではブランには相応しくない。もし、あなたがブランのことを大切に思っているのなら、生きなければならないのです」
「でも僕はもう死んでしまって……」
「大丈夫。私の残りのシェアエネルギーを全てあなたに捧げれば、あなたは命を取り戻すことが出来ます」
「しかしそれをすればあなたは!」
先代の女神は完全消滅してしまう。だが、彼女の意思は強かった。彼女は光実の手を取ってこう言った
「どうか、どうか、あの子の傍にいてやってください。あの子がそれで幸せなら、私はそれで満足です。どうかお願いします!」
先代の女神の頼みに光実は……
「分かりました。今度こそ、ブラン様を悲しませないように…… 幸せにします」
「ありがとうございます。では早速ですが、手を差し出してください」
言われるがまま、光実は片手を手を差し出した。先代の女神はその手に触れ、そして呪文を唱え始めた
すると、彼女の体が虹色の光の粒子となり、 それが光実の体を包み込む。優しく、温かい光に包まれた光実の視界は、光で溢れるのだった
・
・
・
・
何度訴えかけても光実は帰ってこない。いつしかブランは大量の涙を彼の顔に落としていた。その時だった
「つめ……たいですよ……」
その言葉と共にブランの手を握り返した。そしてゆっくりと目を開いた
「ブラン様……」
「光実!?」
「「ミッチ!!」」
光実は生き返ったのだ
「光実…… あなた大丈夫……なの?」
「はい。大丈夫です。それと…… ごめんなさい。ブラン様の気持ちを理解してなくて…… だからもう一度チャンスを下さい。あなたの傍にずっといられるチャンスを……」
「ぐすっ…… 一度だけよ。今度破ったら…… 承知しないわ」
言葉とは裏腹にブランは笑顔だった。光実も呼応して笑顔を見せるのだった
to be coutinued……
次回、超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>!
レデュエも倒され、残るオーバーロードはロシュオのみ
世界をヘルヘイムの浸食から救うため、紘汰と戒斗はついにロシュオに戦いを挑む!
オーバーロードの王に二人は勝利することが出来るのか!?
第44話「決着の時! vsロシュオ!」
「激突! オーバーロード」編堂々完結!