超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>   作:波紋疾走(pixiv)

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最終部「未来への決戦!」編
第45話「最終章Ⅰ 滅亡(ほろび)の暗雲」


 

 

 

【これまでのあらすじ】

 

 

 

世界を救うため、ロシュオとの決戦に挑む紘汰と戒斗! だが、その力は二人では到底敵わなかった

 

しかしロシュオは凌馬によって致命傷を負わされ、知恵の実を奪われてしまう。卑怯な手段に紘汰は怒り、ついにオーバーロードへと覚醒した!

 

激しい戦いを繰り広げるも、知恵の実はレイに横取りされてしまう

そして覚醒した知恵の実を取り込み、女神の力を取り戻したレイは、世界を破壊し始めるのだった!

 

 

 

 

レイが杖剣を天に掲げると、地中からタリの時代の建築物が次々と掘り起こされていく

それに伴い、地面は盛り上がり、亀裂が入っていった

 

明らかに危険な状況。しかし紘汰と戒斗は負傷しており、逃げるのは困難だった

 

と、そこへ、嫌な予感がすると言って紘汰を追ってきたパープルハートとブラックハートが上空からやって来た

 

「嘘でしょ……!? ヘルヘイムの地下からこんなにも沢山の遺跡が……」

 

「一体なにが起きてるの!?」

 

今の二人には何が起きているのかさっぱり分からない。それよりもここへ来た目的を果たさなければならない

 

二人は地上を見下ろし、紘汰と戒斗を探し出す。すると戒斗は茂みの中で膝をついており、紘汰は地面の亀裂のそばで倒れていた

 

即座に二人は助けに向かった。ブラックハートは戒斗の前に降り立ち手を差し伸べる

 

「ノワール!? どうしてお前がここに!?」

 

「理由は後で話すわ! 今は私に掴まって!」

 

言われるがまま、戒斗はブラックハートに掴まる。そうすると飛び上がり、ヘルヘイムの森から脱出した

 

「紘汰!!!」

 

「ネプテューヌ!?」

 

「掴まって!!!」

 

パープルハートも手を伸ばす。しかし亀裂がすぐそばまで迫っており、間に合うか間に合わないか瀬戸際のところだった

 

紘汰を失いたくない…… その一心で手を伸ばした。その思いが通じたのか、間一髪掴むことに成功する。そのまま十分な高度まで飛び上がると、紘汰を抱き抱え森を脱出した

 

女神二人によって紘汰と戒斗が脱出したのをレイは追う様子を見せず、ただ見ているだけだった

 

「逃げたか…… まあいいわ。どうせ後で潰すんだし」

 

そう言った時、遺跡と一緒に掘り起こした地面の上に凌馬が取り残されていることに気づく。そして彼が虫の息ながらも、こちらを見ていることにも気づく

 

「レイ君…… 君が伝承にあったタリの女神だったとは……」

 

「そうよ。私はタリの女神。会えて嬉しい?」

 

「フフフ…… ハハハハ……!」

 

狂ったように笑い始める。そしてフラフラになりながら、立ち上がりこう言った

 

「憐れで仕方ないんだよ。滅びる運命の君が、タリを復活させようなんて! フハハハハ……! お前は今度こそ…… 必ず滅ぶ! ハハハハ……!!」

 

負け惜しみと取れるような言葉を残し、フラフラと後ろに下がっていた凌馬は転落した。数秒後、鈍い音が地上から聞こえるのだった

 

「フン。私が滅んだりするわけないじゃない。滅ぶ運命なのは…… この世界よ!」

 

そう言うとクラックを通じ、タリの遺跡は紘汰たちの次元に侵攻していくのだった

 

 

 

超次元プラネテューヌ。今は安息の時が流れているこの国に、突如として地面に巨大なクラックが街の至る所に開いた。そこから、タリの遺跡が街を破壊しながら現れる。そして街の中心に、巨大な塔が現れた

 

パニックに陥った人々はあちこちに逃げ惑う。そこへ異変を察知した凰蓮とネプギアが現れる

 

「なんですかあの塔は!?」

 

「すまないけど、ワテクシにも分からないわ、ネプギア」

 

と、そこへユニから交信が入る

 

<ネプギア、大変なの! ラステイションに巨大な塔が現れて……>

 

「私の国もだよユニちゃん! クラックが開いて街の中心に巨大な塔が現れたの!」

 

<プラネテューヌも!? じゃあまさか……>

 

もしかしたら他の国にも同じことが起きているのではないか? そう考えたユニは一旦ネプギアとの交信を切り、今度はルウィーに交信を繋ぐ

 

「もしもしブランさん? あなたの国に巨大な塔って……」

 

<ごめんなさいユニ。今ちょっと大変な事が起きてて……>

 

「あの! もしかしてそれって、街に巨大な塔が現れた…… ことですか?」

 

<そう、だけど…… というか、どうして分かったの?>

 

「ラステイションやプラネテューヌにも同じことが起きているんです! もしかしたら別の大陸でも起きているんじゃないかと思って……」

 

<なるほど。ならわたしからベールに確認を取るわ>

 

「ありがとうございます!」

 

交信を切るとブランはすぐさまベールに確認を取った

 

数分後、ブランからユニに交信が入る

 

<当たりだったわユニ。向こうも街に巨大な塔が現れたらしいわ>

 

「やっぱり…… 情報ありがとうございます!」

 

そう言うと交信を切り、再びネプギアに繋ぐ

 

「ユニちゃんからだ」

 

ユニからの交信を受け取る

 

「どうしたのユニちゃん? 突然交信切って……」

 

<ごめんネプギア。それよりも大変な事が分かったわ! あの塔、ゲイムギョウ界全ての大陸に現れたそうよ!>

 

「そんな! でも一体どうして全ての大陸にあの塔が……」

 

「そんなことより、あの塔を破壊した方が早いんじゃない? あれを見なさいな」

 

塔を指差す凰蓮。そこには塔が不気味な光を発していたのだ

 

「な、なんですかあれは!?」

 

「分からないわ。でも、なにか良くないことが起きる兆しなのは間違いないわね。ユニ、アナタたちも気をつけるのよ」

 

そう言い残して交信を切った

 

「さあて、ネプギア。あの塔をぶっ壊すわよ」

 

「はい!」

 

ドリアンロックシードを構える

 

「変……身!」

『ドーリアーン! Lock on! ~~♪♪ ドリアンアームズ! ミスタ~ デンジャラース!!』

 

二人はブラーボとパープルシスターに変身する。すぐさま塔を破壊しにかかる。しかし……

 

「ファッ!?」

「きゃっ!?」

 

謎のバリアに阻まれ、二人は吹き飛ばされてしまう

 

<ふふふ。無駄よ。無駄無駄>

 

回線をジャックしたレイがモニターに現れる

 

<あなたたち女神候補生やー アーマードライダーではー その塔は破壊できましぇーん。なのでー 今からあなたたちに贈り物を届けまーす>

 

そう言うと知恵の実を取り出すと光輝きだす。するとそこから四つの流星が空へ飛んでいった

 

四つの流星はそれぞれ分かれ、一つはプラネテューヌめがけて落下する。大きな地響きと、土煙が舞う。そしてその中に巨大な影が映った

 

鎌のような羽…… 骸骨を模した装飾…… そして巨大な鎌を兼ねた槍…… そいつの名は……

 

「あなたは…… ジャッジ・ザ・ハード!!」

 

「久しぶりだなァ、女神の妹とアーマードライダァ……!」

 

ブラーボとパープルシスターの宿敵、ジャッジ・ザ・ハードだったのだ

 

「あらあら。誰かと思えば、二度もワテクシたちに負けたアマチュアじゃない。また倒されに来たの?」

 

「倒されに来ただとォ? 笑わせるなァ! 倒されるのは…… 貴様らだァァァァ!!!」

 

狂ったようにジャッジは槍を振り下ろし、それを二人は左右に別れて避ける

塔を破壊するには、まずこいつを倒すしかない。戦う決意を固めたブラーボとパープルシスターは、ドリノコ、M.P.B.Lを構え、ジャッジを再び地獄に送り返すため、向かっていくのだった

 

 

 

 

流星はそれぞれ、超次元ラステイション、ルウィー、リーンボックスに落下した

そのうちの一つが塔の付近に落下したという知らせを聞いたザックとユニは急いで向かった。そしてそこで見たものは……

 

「まさか……」

 

「ブレイブ……なの?」

 

剣を立て仁王立つブレイブ・ザ・ハードの姿だった

久しぶりにブレイブに会えたのが嬉しかったユニは、ゆっくりと歩み寄っていく

 

「ブレイブ…… アタシ、あなたにもう一度会えて……」

 

「貴様か」

 

「えっ?」

 

「貴様が…… レイ様の邪魔をしようとしているのだな?」

 

「そりゃそうだろ! だってあいつはこの世界を……」

 

「そうか。ならば!」

 

突然剣を振り下ろし、ザックとユニに衝撃波を放った。間一髪二人は避けれたものの、ブレイブの突然の攻撃に動揺を隠せない

 

「どうしたんだよブレイブ! なんで俺達を攻撃するんだ!」

 

「それは当然、貴様らレイ様の邪魔をしようとしているからだ」

 

あのブレイブが、レイに加担する? 信じられない二人は問い詰める

 

「まさか…… あいつの味方をするっていうの?! あいつは世界を破壊しようとしているのよ?! 世界が壊されたら…… あんたの願いは叶わないじゃない!!」

 

「願い? なんだそれは」

 

「忘れたっていうの!? あんたの願いは、世界中の貧しい子どもたちに、娯楽を与えるのはずでしょ?!」

 

「貧しい子どもたちに娯楽を与える? フン。そんな下らん願いなど一度も抱いておらんわ」

 

それを聞いた瞬間、以前の彼とは違うのだと気づいてしまった

そしてザックは覚悟した。こいつはブレイブではないから倒すしかない。たとえ同じ姿をしていたとしても……

覚悟したザックは立ち上がる

 

「ああそうか……! お前を信じた俺達が馬鹿だった! 俺達はお前の願いを…… 誓いを守るため、戦ってきた! でもそのお前がそれを否定するっていうなら…… 願いを、誓いを守るためにも…… お前を倒す!!」

 

『クルーミ!』

 

「ほお…… いいだろう! ならばこの俺の剣で斬り伏せてやる!!」

 

「やれるもんならやってみろ! 変身!!」

 

『~~♪♪ クルーミアームズ! ミスタ~ ナックルマーン!!』

 

宣戦布告に呼応して、ブレイブは剣を構える

 

「ちょっとザックなに言ってんのよ?! あいつはブレイブなのよ!?」

 

「いいや。あいつはブレイブの皮を被った偽者だ。それに本物のブレイブは、簡単に誓いを裏切るような奴じゃない!!」

 

ナックルの言葉に気づかされたユニは、同じくブレイブを倒すと覚悟を決めた。ブラックシスターに変身し、ナックルとともに銃を構える

 

「そうね! ブレイブは簡単に誓いを裏切るような奴じゃないわ!」

 

「ああ! 本物のブレイブのためにも、こいつを倒すぜユニ!!」

 

「「はあぁぁぁぁ!!!」」

 

二人は声を揃え、偽者のブレイブに向かって走り出すのだった

 

 

 

 

ルウィーに落下した流星は、街に大きな被害をもたらした

ブランの代わりに調査に向かった城乃内とラム、初瀬とロムはそこで思わぬ敵と遭遇する

 

「お前は!!」

 

「久しぶりだね~ ロムちゃんラムちゃん~」

 

THE変態。トリック・ザ・ハードだ

 

「てっめえ! 甦りやがったのか!」

 

「その通り! この世の幼女を舐め尽くすまではまだ死ねないからな~」

 

「あんた、わたしたちに倒されてから、変態度が増したんじゃない?」

 

「そうだよー よく気づいたね~ ラムちゃん。ご褒美としてペロペロしてあげるよ」

 

「そんなのおことわりだわ! べー!」

 

「わたしも、ロムちゃんとおんなじ。べー」

 

舌を出してトリックの誘いを断る

 

「だとよ。あーあ、嫌われちまったな」

 

「ぐぬぬ…… こうなったら腕ずくでロムちゃんとラムちゃんをペロペロしてやる!」

 

「そうはさせないよ! いくよ、ラムちゃん!」

 

「うん! 簡単にペロペロされないんだからっ!」

 

「いくぜロム!」

 

「うん! あんなへんたいさん、やっつける!」

 

城乃内と初瀬はロックシードを構える

 

「「変身!」」

 

『ドーングリ! Lock on! カモン! ドーングリアームズ! ネバーギーブアーップ!!』

『マツボックリ! Lock on! ソイヤッ! マツボックリアームズ! 一撃・イン・ザ・シャドウッ!!』

 

四人はそれぞれグリドン、黒影、ホワイトシスターラム、ホワイトシスターロムへと変身する

変身した四人に巨大な体を揺らしてトリックが迫る! それぞれ武器を構えると、戦闘態勢に入るのだった

リーンボックスに落ちた流星は、禍々しい光を発していた

貴虎の代わりにそこへ出向いた湊耀子は、かつて自分達が従わせていた"人形"と対峙する

 

「あなたは…… マジック・ザ・ハード?」

 

「久しぶりだな、湊耀子」

 

犯罪組織マジェコンヌのリーダー、マジック・ザ・ハードだ

 

「どうした? 戦極凌馬と一緒のはず。もしかして捨てられたのか?」

 

「いいえ。私から見限ってやったのよ」

 

「ほう…… 私が死んだ間にえらく変わったものだな」

 

「こっちにも色々あったのよ。それより、あなたは葛葉紘汰たちに倒されたはずよね?」

 

「いいや。あの戦いで私は辛うじて生きていた。しかし…… シドに殺された。用済みと見なされてな」

 

「なんですって……?」

 

自分の耳を疑った。なにせ初耳だったからだ。シドにはそんなこと指示していないし、むしろ回収して改造すると凌馬が言っていたのだ。つまり、シドがマジックを殺したのは、彼の独断なのだ

これに対して湊は、まったくいらないことをしてくれた、と内心苛立った

 

「どうやら私はお前たちにとって、道具でしかなかったようだな。シドに殺された時、初めて気づいたぞ」

 

「そうよ。あなたは道具として作られた。ゲネシスドライバーのためのね」

 

凌馬から離反したので、別に本当の事を言っても構わないと考えた湊は、真実を伝えた

自分たちが利用されるためだけに生まれたと知ったマジックは……

 

「そうか。ならば見せてもらおう。ゲネシスドライバーの力とやらを!」

 

剣を構え、戦闘態勢に入る。湊もそれに対応するかのように、ゲネシスドライバーを装着した

 

「変身」

 

『ピーチエナジー! ~~♪♪ Lock on ソーダァ…… ピーチエナジーアームズ! ~~♪♪ ~~~♪♪♪』

 

マリカに変身。ソニックアローを構える

そして二人は同時に走り出した。距離を詰めると互いの武器を振り下ろした。刃と刃が交差し、火花が散るのだった

 

 

 

 

【超次元プラネテューヌ 教会】

 

 

辛くもネプテューヌとノワールにより、ヘルヘイムの森から脱出した紘汰と戒斗は二人に連れられ教会に戻ってきた

しかし彼らの体はロシュオとの戦いで負傷しており、治療が必要だった

 

「早く治療しないと!」

 

そう言うとノワールは救急箱を探し始める。その間に比較的傷の酷くない戒斗を椅子に座らせ、傷の酷い紘汰はソファーに横たわらせた

 

「ごめん、ネプテューヌ…… あいつを、止められなかった……」

 

「謝るのは後でいいわ! 今は喋らないで!」

 

ノワールが探してきた救急箱から、包帯を取り出し怪我をした箇所に巻き付ける

と、その時。慌てた様子でイストワールが部屋に入ってくる

 

「大変です皆さん! ギョウカイ墓場に、異常なエネルギー反応が!!」

 

「なんですって!?」

 

「これを!」

 

モニターに映像を映し出す。そこには知恵の実を手に入れたレイが、悠然と立っていた

 

「まさか異常なエネルギー反応の正体って……」

 

「はい。恐らくこれかと……」

 

「でも一体どうしてあいつはギョウカイ墓場なんかに?」

 

ノワールが疑問を抱く。それに対し戒斗がこう見解を述べる

 

「恐らく奴は、ギョウカイ墓場に蔓延るマイナスエネルギーを吸収するためにいるんだろう」

 

戒斗の見解通り、レイはマイナスエネルギーを吸収するためにギョウカイ墓場に現れた。ギョウカイ墓場にはゲイムギョウ界で死んだ者の怨念や、クリエイターの無念がマイナスエネルギーとして漂っている。それをレイは使用し、世界を破壊しようとしているのだ

 

「もしあいつが強大なマイナスエネルギーを手に入れたら……」

 

「手に終えなくなる…… よね」

 

<だからそうなる前に、ケリを着ける…… そうよね? ネプテューヌ>

 

「その声…… ブラン!?」

 

モニターにはブランとベールが映し出されていた

 

<今、奴はエネルギーを吸収している最中ですわ。恐らくその場から離れられない…… ということは……>

 

「今が攻撃のチャンス!って訳ね!」

 

<ええ。じゃあ、ギョウカイ墓場前で集合ね>

 

そう言うと通信を切る。そしてギョウカイ墓場に向かう準備を始める。そんな時、紘汰が怪我をしているにもかかわらず、一緒に向かいたいと言い出したのだ

 

「なに言ってるの紘汰! 今、自分がどんな状態か分かってるの?!」

 

「分かってる。でもいかなきゃならない! みんなを守るためにも……」

 

どうしても行きたがる紘汰に痺れを切らしたノワールは、彼の頬をぶった

 

「ねえ、まだあんた気付いてないの?」

 

「なにが?」

 

「どうして私たちがヘルヘイムに駆けつけたかよ」

 

「えっ? そんなのいーすんさんが……」

 

「違うわ。ヘルヘイムに行こうって言ったの、ネプテューヌなのよ。あんたのことが心配だからってね」

 

「えっ……?!」

 

「ネプテューヌはね、あんたのことを誰よりも心配して、大切に思ってるのよ。世界を守りたい。そう思って戦うのはいい。でも、それで傷ついて、心配したり悲しんだりする人がいるってことを理解しておきなさい」

 

紘汰にそう告げるとノワールはネプテューヌを連れ、ギョウカイ墓場へと向かった

決戦の地へと向かうネプテューヌの背中を見つめながら、紘汰はすまないネプテューヌ…… と呟くのだった

 

 

 

 

「フンッ!」

 

「きゃあぁ!!」

 

「あぁ!!」

 

ジャッジの一振りがパープルシスターとブラーボに直撃。二人はそのまま壁に打ち付けられる

 

「弱い! 弱すぎるぞッ!! それでも、俺を一度倒した身か?」

 

「クッ……! あいつ、以前より遥かに強くなってるわね…… 倒す術は、あるのかしら……」

 

「ありますよ…… 凰蓮さん」

 

「えっ?」

 

パープルシスターがすっと立ち上がる

 

「あいつを倒す方法。それは…… 恐怖を認めることですっ!」

 

予想外の返事に、ブラーボは変な声を上げて驚いた

 

「恐怖を認めるって…… どういう意味?」

 

「私、戦いの中で気付いたんです。あいつの攻撃を受ける度、自分の体が震えているのを……」

 

「つまり、ワテクシ達はあいつに生物的な恐怖を抱いているってこと?」

 

「はい。だから頭では戦おうと思っていても、本能がそうしてしまうから勝てないんです」

 

「だから恐怖を認める……のね?」

 

「はい。そしてそれを力に変える! そうすれば、きっとあいつに勝てます!」

 

パープルシスターの言葉を受けたブラーボは、ジャッジに対する恐怖を認め、立ち上がった

 

「じゃあ、ワテクシも認めようかしら。あいつに対する恐怖を!!」

 

「恐怖を力に変える? フンッ! 笑わせるな! そんなことなど無意味! 更なる恐怖を味あわせてやるゥゥゥ!!」

 

狂人じみた叫び声をあげ、ジャッジは襲いかかる。すかさずブラーボはカッティッングブレードを二度下ろした

 

『~~♪♪ ドリアンオーレ!!』

 

ジャッジは勢いよく槍を振り下ろした。それをエネルギーを纏ったドリノコで、挟み込む

 

そして力一杯振り絞って、一気に振り切りジャッジの槍を弾き返した! 弾かれた槍はジャッジの手元を離れ、地面に突き刺さった

 

「今よネプギア!!」

 

ブラーボの合図でパープルシスターが飛び上がる。そしてM.P.B.Lの刀身からエネルギー刃を伸ばす

 

「M.P.B.L・ブラストセイバー!!!」

 

そのまま振り下ろし、ジャッジを一刀両断しようとする。ジャッジはそれを両腕で防ぐ

しかし恐怖を認めたパープルシスターの力は先程とは比べ物にならなかった。なので、敵うはずもなく、最期に二人の強さは認めないと言わんばかりの負け惜しみの言葉を残して、そのまま叩き潰されるのだった

こちらも苦戦していた。ブレイブが強いということもあるが、一番は敵がブレイブだということだった。なのでブラックシスターとナックルは、躊躇してしまっていた

 

「(あいつはブレイブじゃない。それは分かってる。でもやっぱり…… あいつは……)」

 

葛藤していた。その時、決して聞けるはずのない声が二人の脳裏に響いた

 

「(なにを躊躇っているのだ? ザック、ユニ)」

 

「その声……」

 

「ブレイブ!?」

 

死んだはずのブレイブの声が聞こえたのだ

 

「(お前たちの誓いはそんなものだったのか? 子どもたちの娯楽を…… 未来を守ること…… そんな簡単に捨てるのか?)」

 

「そんな訳、ないだろ!」

 

「(だったら奴を倒して証明して見せろ! お前たちの誓いが、嘘でないことを!!)」

 

「わかってるわ! 子どもたちの未来のためにも、あんたとの約束のためにも、ここで立ち止まってられない!」

 

「ああ! いこうぜユニ!!」

 

迷いを振り切った二人は立ち上がる! そしてナックルはカッティッングブレードを三回下ろし、クルミボンバーにエネルギーを纏わせブレイブに向かって走り出す

 

こちらに向かってきたナックルを確認したブレイブは、巨大な剣を振り下ろし、ナックルを切り裂こうとする。走っているナックルは渾身の右ストレートをその剣にお見舞いした

するとそのパンチを受けた剣の刀身は粉々に砕けた

 

「なにっ!?」

 

「今だ! ユニ!!!」

 

ナックルの合図で発射準備に入る

 

「受けてみなさい! これが…… アタシたちとブレイブの力! ブレイブカノンッ!!」

 

その一声と同時にトリガーを引いた。銃口から、光輝く青いビームが放たれ、ブレイブに直撃、彼を包み込んだ。反撃の術がないブレイブは、そのままそれを受け倒されるのだった

 

偽者のブレイブを倒すと、本物のブレイブのホッとした声が聞こえた

 

「(よくやった。それでこそ俺の意思を継ぐ者達だ。これで、安心して眠りにつける。ありがとう、ザック…… ユニ……)」

 

その言葉を最後に、ブレイブの声は二度と聞こえることはなかった

 

「安心して眠りについてくれ。ブレイブ」

 

「あんたの願いは、必ずアタシたちが叶えてみせるから……」

 

空を見上げ、星となったブレイブにそう誓うのだった

 

 

 

 

トリック・ザ・ハードとの戦いは、彼の肥大な脂肪によって、ほとんどの攻撃が防がれていた。ドンカチで殴ろうにも、脂肪に跳ね返されてしまうし、影松で刺そうとしても脂肪が厚すぎて致命打を与えれない

状況としてはただ攻撃をし続けているだけのはずなのに、いつしか四人とも疲れ、劣勢に追い込まれてしまう

 

「アクククク! もう終わりか?」

 

「ふっざけんな! まだ俺達は終わってなんかねえ!」

 

「まだ…… 終わってないもん!」

 

「アクククク! でもどう見ても疲れてるようにしか見えないけどなぁ~? もしかすると、ロムちゃんとラムちゃんをペロペロする時が近いのかもね~」

 

舌をペロペロさせながらそう言う。実に気持ち悪いものだ

 

「そんなの、まっぴらゴメンなんだから!」

 

力強い言葉を放つホワイトシスター・ラム。しかし四人とも息を切らしていた

 

「(こいつを倒すには、今のアームズでは不可能に近い。でも…… 俺達にはミッチと違って他のロックシードは持ってない。どうすれば……)」

 

悩めるグリドン。そんな時、ミナが手に何かを持って、こちらに向かって走ってきていることに気づいた

 

「城乃内さん! 初瀬さん! これを使ってください!」

 

そう言って手に持っていた物を投げ渡す。それを手に取ったグリドンと黒影は驚いた。何故なら……

 

「これ、ミッチのロックシードじゃないですか?! 」

 

光実が持っているはずのブドウロックシードとキウイロックシードだったからだ

 

「光実さんに言われたんです。必死に戦っている二人に渡してほしいって……」

 

「なるほどな…… だったら遠慮なく使わせてもらうぜ!」

『キウイ!』

 

「俺もお言葉に甘えて!」

『ブドウ!』

 

二人はそれぞれロックシードを外し、渡されたロックシードを嵌め込む

 

『Lock on! カモン! ブドウアームズ! 龍・砲・ハッ・ハッ・ハッ!!』

 

『Lock on! ソイヤッ! キウイアームズ! 撃・輪・セイッ・ヤッ・ハッ!!』

 

グリドンと黒影の二人はそれぞれ、ブドウアームズとキウイアームズにアームズチェンジした

 

「どんな姿になろうと、無駄だ!!」

 

トリックはまっすぐこちらに襲いかかってきた。すかさずグリドンがブドウ龍砲を構え腹に銃撃を放つ。高威力のエネルギー弾が無数に腹に直撃し、トリックはダメージを受ける

 

「ぐふうっ!」

 

「お次はこいつだぜ!」

 

そう言って黒影が飛び上がる。どうやら切り裂こうとしているようだ。だが斬撃はトリックには効果がない

 

「それで切り裂こうなんて無駄だよ~!」

 

「切り裂く? 違うな! 俺がすること、それは!!」

 

すると黒影は顔前まで上がってきた。そして平らな面を向け、トリックの顔面をキウイ撃輪で挟み込んだ! その瞬間、トリックの頭にとてつもない衝撃が走った

 

「あひっ? あひひひひ……」

 

「切り裂くんじゃなくて、かち割るんだよ! お前の脳天をな!!」

 

頭に強い衝撃を受けたトリックは、軽い脳震盪を起こしていそうなぐらい頭がクラクラしていた。これを見た四人は倒すチャンスだと確信する

 

「今だよ! ラムちゃん!」

 

「やっちまえロム!」

 

グリドンと黒影が合図を送る

 

「いくよ、ロムちゃん!」

 

「うん、ラムちゃん!」

 

二人は巨大な氷塊を作り出す。そして……

 

「「エターナルフォースブリザード!!」」

 

声を合わせ、その氷塊をトリックに向かって落とす。正常な判断が出来ないトリックは、そのまま避けることもせず下敷きになった

そしてその氷塊は爆発し、トリックは「幼女は……やっぱり強かった」と、最期の言葉を残して倒されるのだった

「フッ! ハッ!」

 

「フンッ!」

 

こちらは他とは違い一進一退の攻防が続いていた。さすがは犯罪組織のリーダーと凌馬の元秘書。戦い方が他の人間はひと味ちがっていた

 

「さすがはマジェコンヌのリーダー…… やるじゃない」

 

「貴様もな。プロフェッサーに一目置かれているだけある」

 

敵のはずなのに互いに褒めあう奇妙な関係だが、二人とも限界が来ていた。この一撃が最後だと二人は決意する

 

『ピーチエナジースカッシュ!!』

 

「はあぁぁぁ……!」

 

ソニックアローの刃は桃色に、マジックの剣は禍々しい色に染まる。充分にエネルギーが充填されると、二人は同時に走りだし、ソニックアローと剣がぶつかり合う

 

「「はあぁぁぁ!!!」」

 

力が拮抗し、火花が散る。その状態からマリカはピーチエナジースパーキングを発動する。これで力はマリカの方が上回り、徐々に押していく

押し返されそうになったマジックは一旦離脱し、瞬間移動で背後に回る。勝機と見たマジックはマリカを仕留めるため、向かっていく。しかし……

 

『Lock on ピーチエナジー!!』

 

なんとマリカはロックシードを嵌め込んだソニックアローを後ろを向いたまま向け、放ったのだ。これに驚いたマジックは、一瞬反応が鈍り、それを受けてしまった

 

「ぐっ!」

 

「残念ね。私を背後から仕留めようとしても無駄よ」

 

「フッ…… やはり私は人間を越えることが出来なかったか……」

 

「所詮は人形。人形が人間に敵うわけないわ」

 

「ハハハ…… だが、お前と戦えてよかったぞ。その力を肌で感じられて……な」

 

その言葉を最期に、マジックは体に電流を走らせながら爆発するのだった

 

ちょうど戦いが終わった頃、マリカは緑色の光…… グリーンハートがギョウカイ墓場に向かっていったのを目撃した

 

 

 

 

教会を出発し、ギョウカイ墓場に向かうパープルハートとブラックハート。もう少しでギョウカイ墓場にたどり着こうとする時、パープルハートが先程の事についてブラックハートに感謝の言葉を述べた

 

「ノワール…… その、さっきはありがとう……」

 

「気にしないで。ああいう駄々をこねる奴には、ああ言わないと駄目なのよ」

 

「でも紘汰は……」

 

「必ず戦おうとするのは分かってる。でも、少しは変わるんじゃないの?」

 

「えっ?」

 

「どう変わるかは分からない。でも、少なくとも考え方は変わるんじゃないの?」

 

「ノワール……」

 

と、その時。ホワイトハートとグリーンハートが合流する

 

「みんな揃ったな?」

 

「ここからは敵の本陣。慎重に進みますわよ」

 

そう言うと四女神はギョウカイ墓場に潜入した

聞いていた通り、多数の死者の怨念やクリエイターの無念がマイナスエネルギーとして漂っていた

そんな恐ろしい場所を抜け、ついに中枢にたどり着く

 

「いた……!」

 

パープルハートの目線の先に、四女神が来るのを待っていたレイの姿が映る

 

「よぉ~こそ。四女神のみなさぁ~ん」

 

「キセイジョウ・レイ……!」

 

「四女神が私に会いに来るなんて、一体何の用かしら?」

 

「もちろん、あなたを倒しに来たのですわ」

 

「あぁ~ やっぱりぃ~?」

 

「オイ! テメェ私たちのこと、舐めてんのか?!」

 

「舐めてなんかいませーん。ただ、私に挑むなんてホント馬鹿だな~って思っただけですぅ~」

 

「テッメェ……!!」

 

「フッ…… そうやって余裕ぶってられるのもここまでよ!」

 

「あなたは私たちが倒す! 倒して…… ゲイムギョウ界を救ってみせる!」

 

パープルハートの言葉を聞いたレイは狂ったように笑い始めた

 

「アハハハ! 私を倒すですって? そんなこと…… 不可能よ!!」

 

レイは杖剣を手に取る

 

「私の力の前にひれ伏すがいい! 四女神ども!!」

 

「私たちは負けない!! 絶対にあなたを倒してみせる!!」

 

その言葉を合図に、四女神はレイに向かっていった

今ここに、最終決戦の幕が開いた!

 

 

 

to be coutinued……

 

 

 

 

次回、超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>!

 

 

ついに始まった最終決戦!

 

四女神とアーマードライダー達がレイに挑む!

 

勝つのは果たして……

 

第46話「最終章Ⅱ 開幕! 未来を懸けた最終決戦!」

 

ゲイムギョウ界の命運やいかに……

 

 

 

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