超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>   作:波紋疾走(pixiv)

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あと一話で斬月&ベール編は終わらせれたらいいなと思ってます


斬月&ベール編第2話「外敵の正体」

 

 

 

 

 暗闇の中、ベールは右手に"BANG BANG SHOOTING"と書かれた黒いゲームカセット型ツールを手にしながら立っていた。そしておもむろに起動ボタンを押すと、ゲームがスタートする。

 

 『バンバンシューティング!!~~♪♪』

 

 するとベールの体を闇が包み込む。その時、彼女の瞳が妖しく緑色に輝いた。

 

 

 「ん⋯⋯」

 

 風呂に入り、ベッドでうたた寝をしていたベールは奇妙な夢を見て目が覚める。まるで自分が闇に堕ちたかのような夢だった。それよりも自分が握っていた謎のゲームが気になっていた。

 

 「あのゲームは一体⋯⋯」

 「ん?どうした?」

 「いえ、なにもありませんわ」

 

 はぐらかすベール。丁度その時、エスーシャから連絡が入った。どうやら魔王降臨の地で外敵らしき反応があったらしい。それと、そこの調査をして欲しいようだ。座標が送られてくるとすぐさま二人は現場へと急行した。

 送られてきた座標を元にたどり着いたのは自然豊かな森だった。エスーシャ曰く他のソルジャーも来ているとのことらしいが、ファントムになっていそうで二人にとっては不安だった。

 そんな不安を抱えながら森を突き進む二人にエスーシャから通信が入る。二人に今回の外敵を伝えに来たようだ。どうやら敵は人間で、しかも単独ながらも海上にてBランクソルジャーを撃破したという。この強敵に出くわしたら倒しても構わないが、捕獲して連れてきてもいいとエスーシャは言って通信を切るのだった。

 

 エスーシャからの通信が終わった直後、なにやら物陰からこちらを見ている者がいることに気付く。まさか外敵かファントムが近くにいるのか? そう思いながら声をかける。すると声に反応し、物陰から⋯⋯

 

 「わ、私です! ベールさん!!」

 「ネ、ネプギアちゃん!?それに 凰蓮さんまで!?」

 

 ネプギアと凰蓮が現れたのだ。

 

 「ふぅ~ ようやくお二方に会えましたわ」

 「⋯⋯まさか外敵って、あなたたちのことでしたの?」

 「へ? 私たちが外敵ってどういうことですか?」

 

 言葉の意味が分からないネプギアに二人は説明する。

 

 「実は今わたくしたちはある任務の真っ最中で、先程その標的が海上で戦闘を行っていたらしいのですわ」

 「それで捕獲命令が下っているのだが⋯⋯」

 

 二人の説明を聞き、ここでネプギアは理解した。外敵と呼ばれているのが自分のことであることを。

 ようやく理解してくれたネプギアに二人はなぜここに来たのかを問いかける。

 

 「お姉ちゃんに頼まれて、お手伝いに来たんですよ。けど、リーンボックス行きの船は全部運航を中止していてびっくりしましたよ」

 「で、女神化してここまで飛んできたと?」

 「はい。でも女神化して飛んでたらいきなり攻撃されるわで大変だったんですよ」

 

 結構攻撃されたのだろう。ネプギアは疲れきった表情をしていた。

 

 ところで一つ疑問が浮かぶ。それは凰蓮がどうやってここまで来たかだ。ネプギアは女神化して飛んできたことは分かった。しかし人間である凰蓮は船を使わずどうやってここまでたどり着いたのだろうか? その疑問に彼はこう答えた。

 

 「それはもちろん、泳いで来たの!」

 

 驚愕の一言に貴虎とベールは驚きを隠せない。しかし海藻の付いた服や磯臭い匂いを嗅げばこれが嘘でないことは明らかである。どうやらリーンボックスで軍人だった頃、訓練で遠泳をしたことがあるので泳ぎには自信があるらしい。しかも上空でネプギアが攻撃されていたので見つからなかったのでここまでたどり着けたのだとか。

 

 凰蓮の身体能力に驚くばかりだったが、気を取り直して二人に詳しく任務の内容を話す。事情を知ったネプギアと凰蓮はこちらが聞くまでもなく協力すると申し出てきた。拒む理由のない貴虎とベールは二人を引き連れて、魔王復活の地へと向かった。

 

 しばらく歩くと目的地にたどり着いた一行。しかし到着しているはずの他のソルジャーたちが見当たらない。その時、黒い靄とらん豚たちを発見する。

 貴虎とベールの脳裏に嫌な予感が走る。そしてその予感は程なくして的中してしまった。

 

 黒い靄からファントム・ヘルハウンドとリザードマン、そしてグール数体が現れた。

 

 「な、なんですのあの怪物は!?」

 「あいつらはファントム。らん豚と化した人間の心が壊れ、変異して誕生した怪物だ」

 「じゃああれは元々は人間⋯⋯なんですか?!」

 「ええ。でも、こいつらには話は通用しませんわ」

 「故に倒すしかない。変身」

 

 『メロン! Lock on! ソイヤッ! メロンアームズ! 天・下・御・免!!』

 

 斬月に変身し無双セイバーを抜剣、と共に向かい交互に攻撃していく。迫りくる剣戟をヘルハウンドは両手で受け止めつつ、隙を突いて反撃していた。

 

 「くっ!やはり一筋縄ではいきませんわね!」

 

 そう言った途端、ヘルハウンドは森の方へと移動する。追いかける二人だったが姿を見失ってしまう。警戒しつつ探す二人。その時、斬月の背中に火花が散る。

 

 「ぐあっ!」

 「貴虎!」

 

 グリーンハートが声を上げた次の瞬間、彼女も火炎攻撃を受ける。

 

 「(こいつ、いったいどうやって⋯⋯)」

 

 ヘルハウンドの能力のカラクリを明かそうとする斬月に再び攻撃を仕掛ける。その時、あることに気付く。

 

 「⋯⋯ベール。どうやら俺達はまんまとあいつの罠に嵌ったようだ」

 「どういう意味ですの?」

 「この場所、木々が生い茂るせいで影が沢山ある」

 「それとヤツの能力に一体何の関係が⋯⋯ まさか!!」

 

 ようやくここでカラクリを理解する。そう、ヘルハウンドの能力とは影と同化するというものなのだ。故に影の多い森というのはヘルハウンドにとって自分の能力を最大限に生かすことの出来る場所なのだ。

 

 しかしカラクリが判明したところで現状は袋の中のネズミであることに変わりはない。ここから抜け出すことも考えたが、おそらくヘルハウンドに阻まれるだろう。敵の場所がわからない状態のまま、二人は戦わざるを得なかった。

 

 その頃、斬月の戦いを見ていた凰蓮は覚悟を決めて変身していた。

 

 「変、身」

 『ドリアーン! Lock on!~~♪♪ ドリアンアームズ! ミスタ~ デンジャラース!!』

 

 ブラーボに変身し、ドリノコを構えリザードマンに攻撃を仕掛けていく。しかしリザードマンの装甲は硬くドリノコでは傷一つ付けられない。それどころか、逆に攻撃を受けて劣勢へと追いやられていた。

 一方ネプギアはファントムが人間であるという事実を受け入れることが出来ず戦えずにいた。そんな彼女を襲うべくグールはジリジリとにじり寄ってくる。

 

 「ネプギア!危ない!」

 

 戦闘を中断し、ネプギアを守るべくグールと戦うブラーボ。その力はリザードマンよりも劣るため、難なく撃破する。そして振り返りこう言った。

 

 「今ここでワテクシたちが躊躇えば、街の人々に危害が及ぶことになるわ。それでもいいの?」

 「そんなの⋯⋯そんなのは嫌です!」

 

 そう言われてハッと目が覚めたネプギアはパープルシスターへと変身する。すぐさま、M.P.B.Lからビームを発射する。しかし強固な装甲に阻まれてしまう。

 

 「うそ!?」

 「奴の装甲は強固よ。ちょっとやそっとじゃ傷つかないわ」

 「じゃあどうやって⋯⋯」

 

 途方に暮れるパープルシスター。しかしブラーボはなにやら対策を思いついていたようで、余裕の態度を見せていた。

 

 「そんなの簡単。奴の胸をひたすら攻撃するの。それだけで勝てるわ」

 

 そう言うと走り出してリザードマンの胸部を切り裂く。さらに反撃を受け止め跳ね返すと再び胸部を切り裂きのけ反らせる。そして続けざまにブレードを三度下ろす。

 

 『~~♪♪ ドリアンスパーキングッ!!』

 

 ドリノコにエネルギーを纏わせ、それを胸部目掛けて投げつける。直撃するとブーメランのような軌道を描き手元に戻って来る。再びそれを投げつけ胸部に傷を負わせる。そして三回目を投げ終えると、リザードマンの装甲はその下が見えるまで崩壊していた。

 

 「すごい!」

 「強固な装甲を持つ敵には攻撃個所を一点集中すれば必ず崩れる。まあそれ相当にこちらもリスクを負わないといけないけどもね」

 

 そう言って歯の欠けたドリノコを見せつける。

 

 「ともかくあいつの胸に向かって一発やっちゃいなさい」

 「はい!」

 

 大きく返事をすると、ブラーボの前に立ちM.P.B.Lから先程よりも強力なビームを胸部目掛けて放つ。装甲が万全なら防げただろうが、崩壊した今では耐えることが出来ない。なすすべもなくリザードマンは撃破されるのだった

 

 一方斬月とグリーンハートは未だ状況を打開出来ずにいた。影を使った奇襲攻撃に、二人は背中合わせになるという対策を取ったが、一瞬の隙を突かれかなりダメージが蓄積していた。

 

 「このままじゃ二人共々やられてしまいますわ⋯⋯!」

 

 なんとかしてあいつを倒さねば⋯⋯ その時、ふと木漏れ日が射す場所に目を付ける。

 

 「太陽、光⋯⋯そうか!!」

 

 何かを思いついた斬月はグリーンハートにあの木漏れ日が射す場所の葉を少しだけ落としてほしいと頼む。意図が分からないが、言われるがまま風を巻き起こして葉を落とす。そしてそこまで移動し、太陽を背に向け無双セイバーを顔面に近づけ動きを止める。

 まるでスポットライトを当てられている舞台俳優のように佇む斬月。だがこれでは格好の的でしかない。最後の一撃を食らわすべく、ヘルハウンドは背後から迫る。そして影から姿を現すと自らの手に炎を纏わせ飛び掛かって来た。危うし斬月! しかし。

 

 『ソイヤッ!メロンスカーッシュッ!!』

 「ハアァァッ!!」

 

 分かっていたかのように振り向きざまに強烈な一閃を食らわし、ヘルハウンドを撃破したのだ。

 桜吹雪が舞うかのように落ちる葉を体中に浴びながら、静かに変身を解除する。同じく変身を解除したベールは、彼になぜ気づいたのかと問いかけた。すると。

 

 「太陽の光が当たることで無双セイバーの刃が光を反射する。それで敵の位置を捕捉していただけだ」

 

 と、答えるとヘルハウンドだったらん豚を抱え凰蓮とネプギアの元に戻る。ベールもその後を追って行こうとするが、ふと目をやった先にエスーシャによく似た少女が倒れていることに気付く。

 

 「大丈夫ですの?」

 

 声をかけたが返事はない。しかし脈を取ればちゃんと生きていることがわかったし、大きな外傷もない。ベールはその少女を連れて教会へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 教会に戻った一行はまず少女を自分たちが寝泊りする部屋に連れて行き手当てを施す。ベッドに寝かせると、エスーシャに戦果を報告をしに行っていた。

 

 「で、この子が今回の外敵の正体ってわけか」

 「ええ。ネプギアちゃんと凰蓮さんですわ」

 「よろしくお願いします」

 「Merci~」

 「フッ、君たちのことなんて興味ないね」

 

 いきなり興味ないと言われて困惑する二人。だが構わず話は進んでいく。

 

 「それでは、魔王についての報告を聞こうか。君たちはあの場所で何を見たんだ?」

 

 そう問いかけられ、復活の地には魔王がおらず黒い靄を目撃したこと。そして先発隊がファントムと化していたことを告げた。

 

 「なるほど。分かった。もう帰っていいよ」

 

 帰れと指示するエスーシャにこの際だからとネプギアは思い切ってあることを問いかける。

 

 「あの、どうしてあなたがリーンボックスを治めているんですか?」

 「⋯⋯」

 「あなたたちゴールドサァドはどうして”あのアイテム”を所持しているんですか?そして決勝戦のあの日、なにをしたんですか?」

 「⋯⋯君の質問には興味ない。どうしても喋りたければ、壁にでも話しているといい」

 

 そう言ってエスーシャは逃げるかの如く行ってしまった。話を聞かれず落ち込むネプギアに貴虎は、いつもこんな調子だとフォローに入る。心にしこりが残りながらも納得し、部屋に戻るのだった。

 部屋に戻ると保護した少女が目を覚ましていた。戸惑う少女に自分たちは怪しい者ではなく、この国のソルジャーであることを告げ自己紹介をする。それを聞いてどうやら安心したのか、自己紹介をしてくれた。

 

 「私はコヨミと言います。今は訳あってソルジャー見習いをしています」

 「ソルジャー見習い?」

 「はい。私の母は数年前に亡くなって今は父一人なんです。それで、父を助けたい一心でソルジャーになろうと思ったんですけど剣が抜けなくてダメだったんです」

 「なるほど、それで頼み込んでソルジャー見習いならいいと言われて今に至るという訳か」

 「で、あの時、あそこにいたと。教えてくださりませんか?何があったのかを⋯⋯」

 

 そう言われてコヨミは何があったのかを話し始める。

 

 あの時、魔王復活とあって多人数で現場に向かいコヨミもそのうちの一人だった。しかし現場にたどり着いたが魔王は復活していなかった。不審に思い辺りを捜索していると、突然黒い靄が現れてその場にいた全員を飲み込んだらしい。靄は体を侵食していき、仲間たちは助からないと絶望し、らん豚やファントムと化してしまった。だが自分だけは、まだこんなとこで死ねないと強く思ったらなぜか助かったらしい。

 

 「なるほど。黒い靄⋯⋯もしかしたら、あれが魔王の正体かもしれませんわね」

 「ああ。それよりも、どうして君はファントムやらん豚にならなかったのだ?」

 「貴虎。そういうことは今聞いてはいけませんわ。コヨミちゃん、疲れてるでしょうし、私たちと一緒にお風呂はいかがですか?」

 「いいんですか?」

 「ええ、そうと決まれば準備なさって」

 

 そう言うとベールはネプギアとコヨミを連れて大浴場へと向かった。その間、男性陣は街に買い物に出かけにいくのだった。

 

 

 

 

 街に出かけた貴虎と凰蓮はブーメランパンツ一丁で散策するスライヌマンことヌマンを発見する。

 

 「お前は確かエスーシャの側近の⋯⋯」

 「おーっとここで出会うとは奇遇だね!何か用かい?」

 「聞きたいことが二つある。一つはコヨミという少女のこと。二つ目はエスーシャのことだ」

 「ほほう。いいよ、答えられるところまで答えてあげよう」

 

 そう言われた貴虎はコヨミのことについて問いかけ始める。

 

 「コヨミはソルジャー見習いだと言っていたが、他にもソルジャー見習いはいるのか?」

 「いいや彼女だけさ。彼女の家は貧乏でお金が必要だからオイラが独断で決めたのさ」

 「つまりエスーシャは知らないということか。それでコヨミは一体どういう子なんだ?」

 「一言でいえば、どんな逆境でも希望を捨てない強靭な精神を持った子。だね。体力もないけど、必死に諦めず食らいついていく。そんな子だよ」

 

 意外な一面を知り少し驚く。続いてエスーシャのことについて問いかける。

 

 「エスーシャは何故リーンボックスの統治者だというのに、この国に興味がなさすぎる。何か理由があるのか?」

 「理由か⋯⋯あるにはある!しかし話すことは出来ない」

 「何故だ?」

 「すなわちそれは政治家のスキャンダル!もしスキャンダルが世に知り渡れば、降ろされるからだ!」

 「なるほどね。つまり統治者の地位を降ろされかねないほど重大な物だってことわかりましたわ」

 

 それを指摘され図星だったのか、ヌマンは逃げるようにその場を去って行った。理由までは聞けなかったが、よほど重大なことであることだけは分かったので満足した二人は買い物を終え、ホテルへと戻るのだった。

 風呂を満喫したベールたちはコヨミを見送り部屋に戻る。扉を開けたその時、差出人不明の手紙が挟まっていることに気付く。

 

 「なんでしょうか?」

 

 開くとそこには

 

 ”手遅れになる前に、エスーシャを止めてください”

 

 とだけ書かれていた。

 

 「この手紙の差出人。名前は書かれてませんが、わたくしたちに送られてくるということは、彼女に近しい人物ということですわね。エスーシャ、あなたは一体何を考えているのですか⋯⋯?」

 

 とその時、図ったかのようにエスーシャから連絡が入る。

 

 『君たちに緊急連絡だ。魔王が見つかった』

 

 

 

 See you Next Game⋯⋯?

 

 

 

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