ガルパンRTA 大洗の担い手ルート   作:京都府南部民

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さぁ、いよいよガルパン オリ主二次創作に手を出してしまいました。
戦車関係の知識は無いけど、私にはwikipedia先生がついているという自信でやっていきます)
アンツィオだってノリと勢いで頑張ってるんだからへーきへーき


キャラクリ~原作1話まで

人生の大切なものが全て詰まっているシミュレーションゲーム、はっじめーるよー

ニューゲームを選んでタイマースタート!

 

今回プレイするのは戦車道シミュレーションゲーム『ガールズ&パンツァー パンツァーマイソロジー』です。

 

人気アニメ『ガールズ&パンツァー』を舞台にしたゲームで、シミュレーションゲームというよりシューティングゲーじゃないか!というお声が強い今作ですが、今回はそんなゲームのストーリーモードで、リザルト称号「大洗戦車道の担い手」を狙っていきます。

 

「え、結構簡単に獲れる称号じゃないの?」と思った方も多いと思いますが、トロフィー画面の総合ユーザーデータによりますと(アッサム風)

なんと獲得率27%と思ったより低い数値なんです。もっとも、オンラインでつないだプレイヤーだけの数字が反映されているのと、アップデートが入る度にある程度の数値は変わってしまうのですが、おおむね誤差だよ誤差!

恐らく考えられる理由といたしましては、やっぱりみんな大活躍したいという欲求から大洗の導き手称号や、○○(←任意の戦車を入力)無双称号、アンツィオ大好き!称号を得てしまうからでしょう。特に導き手称号の獲得率は42%です。

難易度ハードだとどうしてもプレイヤーが頑張らないといけないのは確かなんでどうしようもないところはあるんですけどね……。

ただ、ノーバグ縛りの八九式戦車で全学校の戦車を撃破した兄貴には戦慄した(小並感

 

ちなみに担い手称号の条件は「各試合総合生存率50%」です。

それだけ?とお思いですが、いざやってみようとすると実は結構これが難しく……即ち、できるだけ原作通りの試合展開にする必要があります。できるだけね、ある程度のオリチャーはご愛嬌

プレイヤー自身は撃破されては生き残ってを繰り返せれば良いのですが、そこはシミュレーションゲームとプレイヤー心理を突いてくる巧妙なガルパンAIですので、RTAを狙う身としてはその辺も踏まえてのプレイをしていきます。

 

まずはキャラクリエイトをしていきます。本ゲームではオリジナルキャラクターを10まで制作する事ができ、それぞれのプレイをクリアする度に各パラメーターに自由に割り振ることができます。強くなってニューゲーム、またはオンラインで世界中のガルパンおじさんたちと戦うことができるのがゲームとしての魅力ですね。

名前は「砲門 愛」。略してホモちゃんですね。愛じゃよ、愛。ラブアンドピース!

顔、髪型や身長、誕生日などはランダムで結構ですが、RTAのキャラクリで重要なのは出身地です。

出身地は47都道府県の各市町村と、各学園艦のモチーフとなっている国から選べるのですが、ここで海外国と本編で出てくる学園艦が母港としている都道府県を選んでしまうと、高確率でその学校との絡みができてしまいます。フリーモードですとかなりの高確率で、そこに進学します。

正直、市町村までは別にどうでも良くない?と思いますが、聖グロ面子がわざわざ横浜出身って明記されてるからですかね。

それ自体は別に構わないのですが、序盤で各学校とのイベントが入ってしまうのはタイムロスになってしまいます。あくまでストーリーを進行させる上で発生するイベントについては問題ありません。

 

なので、ここは現時点で特に学園艦の存在が記されていない京都府、それも内陸の精華町を選択します。

実は京都府と滋賀県と大阪府はRTA的にはオススメの出身地で、まずガルパンほんへに出てくる各学園艦の地方にも被らないので、上記の各学校イベントがそもそも発生しにくいという点があります。

最終章に出てくる青師団学園が和歌山母港らしいので、そことのイベントは出てくるかもしれませんが、本RTAにおいてはむしろ最終章、あるいはスピンオフで登場する学園艦とのつながりのほうがうまあじですので、何気にばっちこいです。

他にも兵庫にワッフル学院、奈良にグレゴール学園ってのもありますが、こちらでも構いません。奈良に学園艦……猿沢池にでも浮かべるのかな?

 

出身地を精華町に決めましたので、次は初期パラメーターを決めます。本作ではパラメーターは100までが上限ですが、アイテムやいくつかイベントを踏むと突破する事も可能ですし、エンド後の大学生、社会人ルートまで遊ぶと青天井になります。

ここでタイプを選びますが車長型、砲手型、操縦手型、装填手型、通信手型とありますが、無難に車長型を選んでおきましょう。ちなみに全タイプでプレイをクリアすると家元型が選択可能になり、エロ同人の出演率が高まります。

 

車長型を選んだ理由ですが、パラメーター自体満遍ないからです。

割り振りポイントは10ポイントで、各タイプを選ぶとそれぞれのパラメーターにポイント全部を割り振っても、そのタイプのものが最高値になります。

車長型の場合は統率値が最も高い数値となります。

 

統率40

砲手18→22

操縦29→33

装填5

通信20

体力100

勉強20

金運5

友情0→2

 

はい、典型的な車長型ですね。割り振りもおおむね問題はないのでこちらで決定いたします。

ちなみに体力は文字通りの意味で1日の行動に必要です。ただ体力が100もあれば8時から21時まで活動可能で、上限突破をしても徹夜が平気になるぐらいです。夜間イベントは特にないので、良いところ殲滅戦か最終章の知波単戦のような長期戦にでもならない限り、体力値あまり重宝しません。

勉強は戦車道で自らが担当する役割の能力値に半分足されます。

次に金運ですが、これはバイトなど資金調達時にプラスされますが、今回は特に使う予定はないので5と言わず0でも構わないぐらいです。強くてニューゲームを繰り返し、金運100になりますとカール自走臼砲が序盤で購入できます。

そして友情ですが、即ち親友の数になります。

実はこの親友というのが劇場版編で必要になってきますので、ここで2人用意しておくことにします。

 

さぁ、いよいよシナリオ選択です。本作では3つのシナリオから選ぶことができ

 

・大洗シナリオ→要するにほんへです

・フリーシナリオ→各学園艦に所属することができます。大洗女子学園にも在籍できますが大洗シナリオほど濃密ではありません。

・オリジナルシナリオ→オリジナルの学園艦戦車道の隊長になって、夏の全国大会制覇を目指します。ちなみにラスボスは大洗固定で負けイベントです。

 

という3つで、もちろん大洗シナリオを選択します。

ここで戦車道経験の有無を問う選択肢がでてきますが、ここは「はい」を選びます。

「はい」を選ぶと、体力勉強金運友情以外のパラメーターがそれぞれ均等に上昇します。

次にどこかの流派に属するかの選択肢が出ますが、西住流であればしほまほみほとの友好度が上がり、島田流を選ぶと千代さんと愛里寿ちゃんとの友好度が上がります。

ただ、選んでしまうとシナリオ開始時点で流派イベントが入ってしまいタイムロスになるので、「どこにも属していない」を選択します。

さて、ここからはランダムイベントなのですが………

 

『私は戦車道経験者。京都府精華町の小学校中学校に通い、そこで戦車道を履修し関西のジュニアチャンピオンになった』

 

おっしゃあ!

地方ジュニアチャンプの台詞があると大幅にパラメーターが上昇します。ウイニングポストでいう新馬戦の後に「重賞~G1も目指せるスピード」レベルです。

ただ、他に挑戦する兄貴たちのためにアドバイスしておくと、別に地方ジュニアチャンプでなくても、都道府県のジュニア選抜に選ばれた、というだけでも相当上がりますので、わざわざ再走する必要はないです。

しかし、これでプラウダまでは特別どのパラメーターを上げるということはしなくて良くなります。強いて言えば勉強値を中心に上げていきましょう。

 

本作で大洗シナリオは原作開始の1年前、1年生からのスタートになります。

これは戦車道経験を無いと選択した方の救済措置の様なもので、1年で各パラメーターを上げるという事ですが、戦車道経験者、それも地方ジュニアチャンプなので特に上げるものはありませんし、パラメーターは上がれば上がる程、上がりにくくなるという使用ですので、ここは日がな一日を過ごしましょう。

 

『今は大洗女子学園に進学して、そこで女子校ライフをエンジョイすることになる』

 

はい、良い感じで一人暮らしです。ここ出身地を大洗町にしておくと、親と一緒に住んでいるかどうかのコマンドが出てロスになります。

 

『さぁ、学園生活!』

 

砲門ちゃんが部屋を出たところから、自由に動かせるようになりますので一旦ステータスを確認

 

統率53

砲手40

操縦50

装填15

通信35

体力102

勉強20

金運5

友情2

 

ヨシ!と言えますが、統率が思いのほか伸びなかったのが気になります。まぁ、〇ッカさんと同じ順位の数なのでこのまま進めましょう。正直60は欲しいですが、それこそ1年間で統率値と勉強値を増やせばへーきへーき。

 

さて、それともう一つ確認しなければならないのが、パッシブスキルの欄です。

キャラクターの特徴といえば伝わりやすくなると思います。『真面目』『大きい声』『放浪癖』など、色々とありますが、どのスキルであっても何気にロスを稼ぐのであまり好ましくはありません。

『浪費家』であれば素寒貧の状態を維持してイベントを強制的に起こさないようにするという手もあるので、それを狙っていますが……

 

はい『健啖家』のパッシブスキルが確保されていました。

これは食べる量が増えるだけでなく、わざわざ食事中に心で思ったことをモノローグ型式で台詞が入るというもので、今回のRTAにとって大幅な足かせになるでしょう(げんなり)

ただパッシブスキルはどれであっても、ロスに繋がるのでこのまま進めます。

 

本作はオープンワールドのシミュレーションゲームなので、極めて自由な行動が可能です。

学校の授業をさぼったりできますし、他の学園艦に潜入する事もOKです。さぼり続けると艦底部へのルートが開けますが、RTA上、あまり意味がないので普通に登校します。

移動コマンドで登校を押すと一発で校門前まで行けるので多用していきます。

教室までは自分の足で行かなければなりませんが

 

『教室には既に生徒が何人かいる』

 

よしよし、ほんへのキャラがいないクラスのようですね。

ここに原作キャラがいればイベントが入ってしまいますが、これで時間短縮になります。イベントといっても自己紹介ぐらいですので再走する程ではありません。

無論、これで友情値を増やす必要性もあるのですが、それは原作開始時点からでも問題無いのでこのまま進めます。

 

『入学式のために体育館へ移動せぇへんと』

 

体育館へと移動しました。まだ生徒会の一役員に過ぎない会長と柚ちゃん、留年生がいますね。

学園生活の紹介シーンはチュートリアルも兼ねているので飛ばせません。てか、学園艦生徒会の権限強すぎィ!

 

『慌ただしい1日やった。今日はどうしよう』

 

はい、ここからですが、もうこの1年間はパターン入ってます。

とにかく図書室で読書と自主勉強コマンドを選びます。

図書室で読書すると統率値が上がり、自主勉は勉強値が上がりますので、もうこれを繰り返します。

あと図書室では歴女集団ことカバさんチームと会合できますが、イベント発生はタイムロスなので会釈する程度で納めておきましょう。

 

戦車倍速中……

 

はい、8月になりました。

戦車道経験者なので、夏の全国大会でみぽりんが赤星救出するシーンをテレビで見なければならない強制イベントが発生します。

 

『黒森峰の副隊長が救出に向かった。私はその行為を……→「優しい人やなと思った」』

                           「厳しい目で見た」

 

これで、西住殿との関係が円滑になります。

ただ、西住殿と仲良くなってもRTA的にはあまりうま味はありません。なる分には構わないのですが、主人公とあってイベントが豊富に実装されており、それらはできるだけ回避しなければなりません。

 

戦車倍速中……

 

原作1日前となりましたので改めてステータスを確認します。変化のあったやつだけを載せます。

 

統率67

砲手45

操縦52

勉強48

 

はい、工事完了です……

これだけあればプラウダ戦まで遊んでいてもOKです。

 

『新学期がはじまり遂に2年生。何や戦車の匂いめっちゃなつかしいけど、これは何かの暗示なんかな』

『授業が終わると生徒会に呼び出された。向かわなければ』

 

お、思いのほか早かったですね。

ここで生徒会室に呼び出され、戦車道の履修を迫られますが即座にはいを選びましょう。

 

『即決、感謝する』

 

まだ知性キャラ扱いだった留年生桃ちゃんかわいいね。無知の知

この後特にイベントは無いので家に帰って寝ます。18時就寝とかはじめて見た……。

 

はい、ほんへ始まりました。今のところ、大きなロスはなく、会長、快調な滑り出しです。

この時点で、まだ諸キャラクターに接触する必要はありません。特になんとなく生活しておけばOKです。

 

『全校生徒に告ぐ! 体育館に集合せよ。体育館に集合せよ』

 

はいこれは無視してOKです。もう戦車道に決めているので(罪悪感は)ないです。

健啖家スキルも発動してしまったので、食堂で海鮮丼特盛を頼みます。

ちなみに、体育館では食券100枚、遅刻見逃し200日、通常授業の3倍の単位を与えるという内容で戦車道が紹介されていますが、愛ちゃんは事前の交渉で食堂フリーパス、遅刻見逃し365日、通常授業4倍の単位が貰えます。まぁ、多少はね?

 

2日経ちました。放課後に車庫の前に招集がかかっていますので、そちらへ行きます。

え、生徒会の勧誘シーン? 名場面? カットです(無慈悲)

 

おぉ、既に何度もプレイしていますが、こうして原作キャラが一堂に会していると圧倒されちゃいますね。

西住殿がⅣ号に触れて、戦車道イケるイケる発言した時点で、いったん終了です。ご視聴ありがとうございました!

 

 

 

 

あ、シナリオ気になる兄貴のために用意しておきますね。

 

 

 

 

大洗女子学園で関西人と言えば、数人いるが、その中に砲門 愛という女子生徒がいるのは間違いない。

かく言うは私自身だからである。

 

「ホームルームは以上です。それじゃ、起立礼おつかれしたー」

 

担任のずぼらな挨拶と同時にクラスメイトたちがどっと教室を後にしたりしなかったり。

私は日課の読書に努めるか、と席を立ったその時であった。

 

―2年普通科、砲門愛。2年普通科砲門愛。至急、生徒会室へ―

 

何事であろうか。

特に何かをやらかした覚えはないはずだが、とにかく行かねば話にならない。

クラスメイトたちの怪しげな、心配の視線を後に生徒会室へと向かう。

 

「砲門です。入ってええですか?」

「ご苦労、そこで待っていてくれ」

「粗茶をどうぞ」

「おぉ、ありがとうございます」

 

広報の河嶋さんと、副会長の小山さんからもてなしを受ける。

粗茶というのを一口すすると、どこか安堵した。

精華町。京都府南部の生まれとしては茶にうるさい方だと自覚しているが、結構なお点前である。

 

「めっちゃ美味い」

「ふふ、ありがとう」

「どこの産地のやつですかね」

「大洗の農協さんがくれたやつなの。まだ試供品なんだけど……」

「は~~~、いや、イケる味ですわ。すんません、良かったらちょっと分けていただけます?」

「うん! ちょっと缶に詰めるから待っててね」

 

生徒会室に備えられているカウンターから缶を取り出して、茶葉を詰め、こちらに渡してくれた。

 

「ありがとうございます」

「いえいえ。砲門さん、お茶好きなの?」

「好き、と言いますか……生まれ育ちが京都府南部なもんで。ちょっと、こう、うるさいとこあるんすよ」

「お茶の名産地だぁ! 毎日、玉露とか飲んでるの?」

「そうですねぇ。どっちかっていうと飲むだけなら麦茶の方が多いんですけど、でも仰るように玉露は常に家にありますんで……」

「へ~、羨ましいなぁ。名産地に住むとそういう特典があって良いよね」

「正直、玉露も良いんですけど、ほうじ茶なんかも結構ええのありますよ。今度、またここに持ってきますんで、良かったら賞味してください」

「本当!? ありがとう~」

 

自分が育った自治体はどちらかというとイチゴが特産であるが、まぁ、ブランド茶葉の入手に困らないのは事実だから、特に否定もしない。

小山副会長と和やかに話していると、河嶋広報に連れて角谷生徒会長が入って来た。

手には好物と噂の干し芋の袋を持っている。

会長席に座られたところで、私は立ち上がり一礼した。

 

「砲門です」

「砲門ちゃん! あぁ、そんなかしこまらないでいーよ」

「座ってくれ」

 

勧められるがままに、もう一度座り直す。

 

「じゃあ、お歴々も揃ったところで……なんか私、やらかしました?」

「うん?」

「いや、何のお話かなぁ思って、心当たりが特にないんですけど」

「あー、そうだったねぇ。河嶋」

「はい。砲門、単刀直入に言う。我が校は戦車道をすることになった。必修選択科目の枠でな」

「戦車道をですか!?」

 

身震い、いや武者震いが瞬く間に駆け抜けた。

かつて研鑽に研鑽を積み上げた少年時代、関西ジュニアチャンプとして君臨した中学時代が、私をつんざいたのである。

 

「ほ、ほんまですか?」

「知っていると思うが、戦車道の世界大会が日本で開催される事に併せて、文科省から全国の高校や大学に、戦車道への協力が要請されているんだ」

「それで我が校もかつて盛んだったみたいだから復活させよう!って話になったんだけど……」

「なんか調べたら砲門ちゃん、関西でジュニアチャンプだったみたいじゃない? それで経験者として是非参加して欲しくてさー」

「いや、いや、もう、是非参加させていただきます!」

「本当!? 話早くて助かるわー」

「いえ、こちらこそ嬉しいぐらいで……あ」

「どうしたの?」

 

舞い上がっているところで、なぜ私が大洗女子学園に通っているのかを思い出した。

戦車道復活は嬉しいお話だが、まずはそれを生徒会にお話しておかないといけない。

 

「すんません、ちょっと参加するにあたってなんですけど、お願いがありまして……」

「お願い?」

「言ってみ」

「はい。えっと、仰るように、ウチは小学校ん時から戦車道やってて、中学で関西ジュニアチャンプ、もっというなら関西選抜ジュニア代表やったんですけど……そのせいか学業のほうがちょっと疎かになってたとこがありまして」

「ほんほん」

「親から、高校は戦車道離れて勉強学業に打ち込めって言われてんすよ。それで戦車道のない大洗女子に来たって経緯なんですけど」

「あー、そうなんだ」

「父は割と自由というか理解ある人なんで大丈夫やと思うんですけど、母がこの辺厳しくて……ちょっと情けない話、生徒会さんから母に話通して欲しいんですよ。それやったら許してくれる思うんで」

「会長」

「うん、いーよ。後で連絡しておく」

「助かります」

 

一抹の不安が取り除かれると、安堵のため息を実感してしまう。

粗茶をもう一啜り嗜んだ。

 

「でも、良かったぁ。快く引き受けてくれて」

「即決、感謝する」

「むしろ、頭下げるんはこっちの方ですわ。やりたい事やれんまま勉強勉強っちゅうんも飽き飽きしてたとこなんで」

「砲門ちゃん、成績良いしねー。小山、特典も説明して」

「はい。砲門さん、戦車道の履修にあたってなんだけど、学校としても大きく力を入れたいと思ってるから、特典をいくつか用意してるの」

「特典」

「うん。まず食券100枚、遅刻見逃し200日、通常授業の3倍の単位をあげようと思っているの」

「おーー、太っ腹」

 

とても魅力的な特典である。力の入れようというか心意気が伺える。

しかし、私は欲張りなもので、少々駄々をこねる事にした。

 

「どうかな?」

「うーーーーん、食券ですけど食堂フリーパス、遅刻見逃し365日、単位は4倍で貰えますか?」

「え!?」

「遅刻はともかく。食券と単位は……会長」

「いーんじゃない? 契約金とか払うよりマシだからね」

「ありがとうございます」

 

ふぅ、だめでもともと行ってみるもので、ゴネ得に勝るものはない。

遅刻と言わず単位はどうでも良かったのだが、大ぐらいな私にとっては食堂フリーパスはとっても重要だ。

 

「でも、それだと他に選択してくれる子たちと不公平になっちゃうんじゃ……」

「関西のジュニアチャンプにやってもらうんだから、そんぐらいは出さないとね」

「分かりました。それでは早速手配してきます」

「よろしくぅ」

 

河嶋先輩が退出したので、私もというところで、なお生徒会長に呼び止められた。

まだ何か話す事があるのだろうか。

 

「砲門ちゃん、ちょっと真面目な話して良い?」

「どうぞ」

「実はもう一人誘おうと思ってる子がいるんだよねー」

「ほう」

「西住みほ、知ってる?」

「……ええ、まぁ」

 

もちろん、知っていた。

去年の全国大会で水没した戦車を助けにいった黒森峰の副隊長。

世間的には色々と賛否が分かれたが、否の声としては「黒森峰の10連覇が無に帰した」というものである。

 

「実は、その子も明日誘おうと思ってんだよねー」

「おぉ、ええ事やと思います」

「そんで聞きたいんだけどさー。砲門ちゃんと、西住ちゃん。どっちが隊長やった方が良いかな?」

「西住さんですね」

「……即答だねぃ」

「引き受けた身として、何より評価していただいてる中で言うのもなんやと思いますけど、ウチには1年以上のブランクがありますし、何と言っても所詮は地方止まりの人間です」

「それでも凄いと思うけど……」

「いえ、小山さん。戦車道というか、競技やってた人間としてはあんまりええ事やと誇れる事ではないんです。世間的にはウケるでしょうけど、こればっかりは個人の心情として」

「……」

「それを考えますと、西住さんは、何と言うても西住流家元のご息女ですし、黒森峰で副隊長やってた実力は、ほんまに実力やと思います。それに……」

「それに?」

「多分、優しい人やと思うんで。初心者の子らにも、よぅ手ほどきしてくれると思うんすよ」

「砲門ちゃんは、どうなの?」

「ウチは、ちょっと……ガラ悪いんで」

 

今でこそ大人しくなったが、それこそ中学の時なんかは恐らく想像しうるところの関西人だったのは間違いない。

それを考えると、西住さんが隊長をやった方が100倍マシであろう。

 

「じゃあ、砲門ちゃんには副隊長やってもらおっか」

「副隊長でっか。まぁ、その方がええ思います」

「うんー、じゃあ、よろしくね! また後日、招集かけるし」

「分かりました。改めて、よろしくお願いします」

 

深くお辞儀してから、恭しく生徒会室を後にした。

退室した瞬間何度も拳を突き出して「ヨシヨシヨシヨシヨシヨシ!」と気合が入ったのは言うまでもない。

 

帰宅してからの事である。

母から電話がかかってきた。

 

「はい、もしもし。ウチやで」

―おー、元気?―

「もう、ばっちばち」

―生徒会長さんから、聞いたわ。戦車道やるんやってな―

「うん、折角誘われたしやろうと思う。……ええやんな?」

―うん、止める事もないし、思いっきりやり―

「ありがとう! や、お母さんにやめろ言われたらどうしようかちょっと悩んでたわ」

―ちゃんと勉強はしなさいよ。中学校の時みたいに、トロフィー賞状と一緒に0点のテスト飾るんは恥ずかしいからね―

「前も言うたけど、ウチ今成績優秀者やで。へーきへーき」

―ほんまに大丈夫なんか心配やわ。あんた好きな事のめり込むタイプやし―

「お母さんに似たんやろな」

―否定はせんけどね……愛―

「ん?」

 

母の声がどことなく、真剣であった

 

―戦車道、きっちりやりや。手抜いたらアカンで―

「お、おぉ」

―ほな、もう夜も遅いし、電話切るね。おやすみ―

「お、お休み」

 

プツっと切れると、無音の空間に悪寒が走った。

ああいう声色を聞くのはジュニアチャンプ前夜以来だが、遠方の娘を心配するあまり思わず強張ったのであろう。

何はともあれ母から許可を得たので、深く考える事もない。

部屋の電気を消して、ゆるやかに枕へと頭を埋めた。

 

 

 

 

 

数分前

 

「~~~~という訳なんです。どうか娘さんの戦車道参加を認めていただけませんでしょうか」

「それは……その」

「お願いします」

 

電話越しに伝わる決意と悲壮感を否定できるほど、愛の母親―灯は酷では無かった。

 

「良いでしょう。娘の事、よろしくお願いします」

「ありがとうございます。では……」

 

もう少し、辞令のやり取りはあって然るべきだが、それ以上に事態の深刻さが灯の脳を駆け巡った。

 

大洗女子学園が廃校になる。

 




誤字脱字などがあればお気軽にご指摘ください。

次話は1月29日の朝6時に投稿予定です
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