転生シズクのTS異世界転移スカヴェンジャー   作:さろんぱす。

3 / 4
2万文字に、収めたかった(6千字オーバー)……。


#03 未等級遺跡探索

 戦車を持ち帰ってから5日後。

 シズク達は泊まっているホテルのレストランに招待され、案内された個室で料理に舌鼓を打っていた。

 

「なにこれ美味しいー! このステーキが機械で生成された肉ってマジで?」

 

「天然物があるのは本州ぐらいですよ。どこも土地が汚染されてますから」

 

 部屋の中央にある円状テーブルに幾つもの料理が並ぶ。

 分厚いサーロインステーキに、エビの丸焼き。シュウマイに唐揚げ。

 作りたてなのか湯気と共に美味しそうな匂いが漂ってくる。

 付け合わせての野菜サラダも新鮮。実に食欲をそそる光景だ。

 

「次はエビにしよっと。おお、身が詰まっててプリップリ!! これ絶対に美味しいやつぅ!! ほらほら、ティアもあ~ん」

 

「……いえ私は結構です。というかあの、よくこの状態で食べれますね」

 

 シズクはステーキ続けて、丸焼きにされたエビっぽいものを両手に取った。

 真っ赤になった甲羅をパカっと割れば、その中に詰まっていたのはプリプリの身だ。

 それをティアのホッペに押し付けながら、横目でテーブルの反対席に視線を向ける。

 

 そこには一人の女性が座っていた。

 シズクとティア以外で唯一テーブルに付いている相手。

 何を隠そう二人を個室に招待者した、このホテルの支配人である。

 

 特に断る理由もなかったので、この招待をシズクは了承した。

 ホテルの売店で自身はジャケットを購入し、ティアには紅色のセクシーなドレスを着せてから、こうしてこの場に出向いたのだ。

 

「このホテルの支配人、バララ・イーカだ。今回は招待に応じてくれて感謝する」

 

 初めにそう名乗った相手は、マフィアボスのような女性だった。

 年は30ぐらいだろうか。真っ先に目につくのは顔の左半分にある火傷の痕。

 元はかなり美人だろうに、鋭い眼力と併せて子供が泣き出しそうな怖顔になっている。

 

 顔以外では身を包む真っ赤なスーツと、腰の下まで伸びる金髪が目につく。

 毛量がすごい。脱色して10本に分けて纏めたら、イカちゃんって呼ばれそう。

 

 あと、後ろにはライフルを持った黒スーツの男たちが10人ほど並んでいる。

 支配人の護衛だろう。軍人上がりっぽい雰囲気だが、人外っぽいのはいない。

 まぁ気にする必要はないだろう。

 

「それで支配人のバララ・イーカさんが、わざわざ私達を個室に招待した理由は? あっ、このソースすごい」

 

 そんな相手にシズクはエビ(?)を頬張りながら尋ねた。

 一噛みごとに甘い肉汁が溢れ、弾力を持ちながらも柔らかい身が、掛けられたソースと絡み合って最高に旨い。

 

「ん~~~、おいしぃ~~~♡」

 

「ちょ、ちょっとシズクさん! 緊張感なさすぎですよぉ。……あっ、でも本当に美味しい」

 

「ああ、どうやら口に合ったようで何よりだ。それにしても貴方達マイペースすぎるわ……」

 

 だが支配人は表情を変えなかった。

 むしろ珍しい生き物を見つけたような、生暖かい目でシズクを見ていた。

 部屋のシリアスだった空気が、日常系ギャグに変わってしまったようだ。

 

「それで呼び出した理由だけど……。一つ依頼を受けて貰いたいの」

 

 エビをモグモグ頬張りながら、ああやっぱりそうか。とシズクは思った。

 組合に呼び出されて3級に昇格したのが2日前。

 

 どうもこの昇格はかなり早かったようで。

 生身で戦車を鹵獲したのと相まって、そこそこ注目されてしまったのだ。

 戦力を欲している権力者や金持ちであれば、声をかけてきてもおかしくはない。

 

 なお野盗退治と手に入れたPDAを渡した報酬は1000円だった。

 元は数十円だったことを考えると、9割以上が口止め料ということになる。

 あのPDAには、よっぽどやばい情報が詰まっていたらしい。

 

「……とするとタイミング的に青田刈りかな? エサ付け用の美味しい依頼か、それとも実力を図る為の共同依頼か。どっち?」

 

「いや、今回はどちらでもない。まぁ必要ならそういう依頼も回すが……。それより二人は一週間前にホテルを襲った強盗を覚えてる?」

 

「猫耳生やした3人組でしょ。青・黄・赤の信号機みたい色をした。あっ、依頼ってそいつらの始末? そういや流れ弾で9mm飛ばされたっけ」

 

 このホテルに来て2日目の朝に逃げていった3人組だ。

 猫耳を生やして手榴弾を投げていたのを覚えている。

 流れ弾とは言え撃たれたので、一発ぐらい殴っても文句は言われないだろう。

 

「ああ、大体あっている。依頼したいのは奴らの始末だ。猫のような姿に変異した半ミュータントの強盗団、その名も――ドザエモンズ、のな」

 

「いやいや、ドザエモンズて」

 

水死体(ドザエモン)じゃないですか!!!」

 

 支配人の発言に、今までビクビクしていたティアが立ち上がって叫んだ。

 どうしても突っ込みたかったようだ。だが止めない。すごく気持ちが分かるから。

 

「何をどうしたら、そんな名前が付いたの?」

 

「奴らの自称だ。なんでも世間という海に浮かぶ認められぬ者達……という意味があるらしい」

 

「こじつけすぎですよ!!!」

 

 なんてイカれたチーム名なんだ。一生沈んでれば良いのに。

 そう思いながらエビを食べ終わったシズクは、赤タレのシュウマイに口に放り込む。

 ジャンのような甘辛な味付けがクセになる。野菜もふんだんに入っているようだ。旨い!!

 

「まぁ名前はどうでもいいんだ。ただ最初はすぐ捕まると思われてたのに、だんだん被害が馬鹿にならなくなってきてな」

 

「このホテル以外でも強盗してるってこと?」

 

「その通り。そこで街の商人達を代表して、家が討伐することになったんだが……」

 

 普通は軍にどうにかして貰うのでは?

 いや、この地域の軍は腐敗がものすごいんだった。

 

 だがそれなら各商人が個別に人を雇うなり、懸賞金を掛けたりするのではなかろうか? ということは……。

 

「それって、ただ押し付けられただけじゃね?」

 

「あっ、やっぱりそう思う? ……そうなんだよ。家が新興のホテルだからって、いつも厄介事を押し付けられてさぁ……」

 

 支配人は溜息を吐きながら目を手で覆い、机に突っ伏してしまった。

 あれぇー? 雰囲気がマフィアの親玉から苦労人にジョブチェンジしちゃったぞ。

 シリアスさんが即死しちゃった。

 

「まぁそれでも何とか追い込んだのよ。ところが奴ら遺跡の中に逃げ込みやがって」

 

「中まで追わなかったの? 場所がやべーとこだったとか」

 

「シズクさん、遺跡は基本的にスカベンジャーじゃないと入れないんです」

 

「あっ、そうなんだ。じゃあ他のスカベンジャーは? 1級とか雇えばいいじゃん」

 

「それがその遺跡って、よりにもよって無等級だったの。おかげで他のスカベンジャーにも断れちゃって……」

 

 支配人はタバコに火を付けて吸い、上を向いて煙を吐いた。

 もうやってらんないわー、という感じに。

 

 なお、無等級遺跡とは、誰も中を確認していない遺跡である。

 どれほどの危険が待っているか不明なので、基本的に誰も入ろうとしないとか。

 

 大抵は下級が偵察(生贄)に出るのだが、今回の遺跡は街から遠くてまだらしい。

 とすると、この辺りがシズク達に声をかけた理由だろう。

 

「でも貴方達なら受けてくれるかと思ってね。なんせたった2人で野盗の塒を強襲した命知らずよ。戦車の慣らし運転代わりに、未知の遺跡でピクニックなんてどうかしら?」

 

 やっぱりそういうことか。

 でもこれってピクニックじゃなくて潜入ゲーだ。

 しかも場合によってはタワーディフェンスに変わるだろう。

 

「んー、ティアはどう思う?」

 

「断ったほうが良いと思います。シズクさんなら他で幾らでも稼げますから、無駄な危険を犯す必要はないかと」

 

「成功した場合の報酬は?」

 

「報奨は1人始末に付き2千を払うわ。それと掛かった費用はコチラ持ちよ」

 

 思っていたよりも安い。上手くいってもたった6千円だ。

 これで未知に遺跡に潜るぐらいなら、其のへんでロボット回収した方がマシだろう。

 敵がどれだけいるか不明な以上、戻ってこれる保証などないのだ。

 

「うーん、そういうことなら……思いきって、引き受けちゃおっかな!!」

 

「えぇーーー!?」

 

 だがシズクは引き受けた。

 ティアは驚いて目を見開いているが、こんな楽しそうな依頼を断るなんてとんでもない。

 

(それにデメちゃんで転移すれば、いつでも脱出できるからね!! 6千円も美味しい)

 

 最悪は大量に爆薬を持ち込んで、遺跡ごと吹き飛ばせばいいだろう。

 そして誰も入ってないということは、中には物資がたっぷり残されているという事。

 上手く行けば根こそぎ持ってくることも可能なハズである。

 

「それに無等級遺跡って、……自動人形とかありそうじゃん?」

 

「そんな理由で受けるんですか!?」

 

「安心して。死んだら墓ぐらいは建ててあげるわ」

 

 シズクはニコニコしながら、鳥の唐揚げをパクリ。

 しっかり中まで火が通っている。掛かっている香味ねぎタレが絶品だ。

 肉の油が中和されサクサクと何個でもいける。

 

 ティアが死んだような顔になったが、支配人とシズクは笑顔だった。

 

「では依頼は成立ね。行く日が決まったら教えて頂戴――アンブレラ製薬日本研究所へ」

 

「嫌 な 予 感 が す る !!!」

 

 個室に入って初めて、シズクの笑みが引きつった。

 

 

 

 

 

「で預けてから一週間経ったけど、戦車とロボの仕上がりはどう?」

 

「完璧であーる!! 追加で頼まれた塗装もやっておいたぞ」

 

 ホテル支配人の依頼を受けてから2日後。

 シズクたちはギム・ギンガナム艦隊車取引所へ、依頼した整備品を受け取りに来ていた。

 

「見よ、この勇姿を!!」

 

 案内された室内駐車場の一角には、ロボと戦車が停められている。

 最初の遺跡で鹵獲したベルゼルガと、野盗の塒で鹵獲した大型多脚戦車だ。

 

「おお、ピカピカになってる!!」

 

 フルメンテされたベルゼルガは全身が輝いていた。

 装甲板が全て張り替えられ、まるで新品のような出で立ちだ。

 

「さっそく起動してみるといいのである」

 

「ティア電源入れて―」

 

「ちょっと待って下さいね。えーとたしかここにスイッチが」

 

 シズクは言われたとおりにベルゼルガを起動させた。

 ティアが背中の装甲を開いて、奥にあるスイッチをオンだ。

 ベルゼルガの目に光が宿り、鋼鉄の体が動き出す。

 

『――起動処理完了。米国IAI製DVL型重装警備ロボ・ベルゼルガ。個体名ベルルンです。お久しぶりですマスター。何なりとお申し付け下さい』

 

 それと前よりも受け答えが人間らしくなっている。

 真面目な騎士みたいな口調だ。具体的には女たらしの方のランサー(FGO)。

 

「ちょっと賢くなってる?」

 

「記憶媒体を大容量に替えたのでAIの質が上がったのだ。それと行動プログラム(ルーチン)が4つ入るようになったぞ」

 

「まじで!?」

 

 現在ベルルンに入っているルーチンは3つ。

 銃器取扱LvB、整備修理LvC、そして運転LvCである。

 単純に出来ることが増えるので、ルーチンの数は多ければ多いほど良い。

 

「帰りに奉仕LvCを買って入れよう」

 

『マスターへ申告。近接ルーチンを希望します』

 

「却下。銃器で頑張ってね。沢山あるから」

 

 確かに近接も捨てがたいが、それより普段使いの方が重要だ。

 特に奉仕があれば洗濯とか掃除とか、細かい作業は全部おさらばできる。

 

 警備というよりも家政婦になりそうだが、戦闘は戦車があるから別に構わないだろう。

 必要なら人間用の武器を持たせれば良い。

 

「それから戦車の方は……黒カラーかっけー! それとタイヤがでかーい!!」

 

「色は望み通りの黒色塗装だ。それと装輪装甲車用のコンバットタイヤ。飛び跳ねたりはできなくなったが、走行性はかなり上がっているぞ」

 

 こちらも窪んでいた装甲は全て新品に。

 尻尾の先には12.7mmの3銃身ガトリングが2つ付いている。

 

 さらに6本足の先が大型タイヤに変更されていた。これなら荒れ地でも十分に走れるだろう。

 鹵獲時は昔のマウスボースみたいな感じの球タイプで、不整地だと少し不安だったのだ。

 

「それと機体の各所にマウントラックを付けてある」

 

「全部で6箇所か。これだけアレば十分かな」

 

 機体の各所には、太いホッチキス針ような物が張り付いていた。

 本体の上部に左右2箇所ずつ。尻尾の下部左右から、斜め後方に突き出すように1箇所ずつだ。

 

「大砲を外したので、その分だけ重量には余裕がある。一台ぐらいなら装甲車でも牽引できるだろう」

 

「ふむふむ、遺跡で車を見つけたら引っ張ってこれると。では上と中はどうかな? ……よっと」

 

 外側を見終わったシズクは戦車の背に飛び乗る。

 中央に円形の乗車口があり、その前には情報収集用の丸形センサーが。

 後ろにはベルルン用の固定席が取り付けられていた。

 

 シズクは乗車口を開け、戦車の中へ潜り込んだ。

 

「おー、軽トラの運転席って感じ? サイドブレーキないけど」

 

 席は左右2列に改造されていた。二人用のソファーみたいだ。

 日本だった時の名残なのか、ハンドルは中央から右側に移されている。

 それと操縦用に付いてるボタンは驚くほど少ない。これは未来で自動化が進んだおかげだろう。

 

「おいでティア」

 

「し、しつれいします」

 

 シズクは一通り内部を見てからティア呼んだ。

 乗組口は真上にあるので、降りてくる時にパンツが丸見えだった。

 同じ部屋で着替えているので元より知っているが、それはそれとしてコレは良いものだ。

 

「楽しみが増えたね」

 

「なにがですか?」

 

「そりゃティアのパンツよ」

 

「えっ」

 

 シズクは降りてきたティアを一度受け止め、隣の席に座らせた。

 幅はエコノミー2席分ぐらいしかないが、それほど圧迫感は感じられなかった。

 きっとシズクもティアも小柄だからだ。

 

「これなら足代わりにしても問題ないね」

 

「えっ、街中でコレ乗り回すつもりなんですか!? 装甲車があるのに」

 

「コッチのほうがカッコイイからね」

 

 大型二輪の代わりはコイツで決定だ。

 だって装甲車より戦車の方がカッコイイのは確定的に明らか。

 

「それで自動操縦のAIってのは、どうしたらいいの?」

 

「あっ、それは聞いておきました。右端にある赤いボタンをせばいいそうです」

 

「おっ、ナイスゥー!」

 

 シズクはすぐにボタンを押した。

 電源が入ったモニターに明りが灯り、戦車正面の映像が映る。

 

 その端の方に小さいこの戦車が浮かんでいた。デフォルメされているので結構可愛い。

 昔に流行ったデスクトップマスコットのようだ。

 

『――機体起動開始。剣菱重工製・大型多脚戦車HAW206C、起動しました。……貴方がボクの旦那さまですか? マスター登録をお願いしまーす!』

 

「声(CV:玉川)と、しゃべり方まで可愛い、だと……」

 

「なんでもタチコマという機体のAIをコピー移植したそうです」

 

「それでこんなにフレンドリーな性格なんだ」

 

 タチコマて。確か攻殻機動隊というアニメに出てきた小型多脚戦車だ。

 同作のマスコットで、めちゃくちゃ人気だった記憶がある。

 それが実在しているとは驚きだ。やはり版権が買われてしまったのだろうか。

 

「で、マスター登録って、どうしたらいいの?」

 

『上部カメラに顔を近づけて。続けて指もお願いしまーす。あっ、解除コードもよろしくね?』

 

「ほいほい」

 

 シズクは言われた通りに顔と指をくっつけた。

 すると機体の内部カメラが何度かウィンウィンとピントを替え、目の色彩が読み取られる。

 

 終わったら次は指紋が、それから声紋が登録された。解除コード(緊急パスワード)も設定。

 これでマスター登録は終わりのようだ。念の為にティアもサブマスターとして登録しておく。

 

 それから運転ルーチンを入れれば音声による操作も可能らしい。

 なので最後に呼びやすいよう、固有のパーソナルネームを付ける事にした。

 

「型式番号だと呼びづらいからね。……よし、貴方の名前は黒く(ブラック)ボディで鋭い尾(スティンガー)から……併せてポチコマだ!!」

 

「なんでポチ!? ブラックとスティンガーどこ行ったんですか!!?」

 

『――「ポチコマ」了承。パーソンナルネームに設定……旦那さまー、それから隣のお姉さんもよろしくね!!』

 

 名前を付けられて嬉しいのか、モニターの中のポチコマが尻尾を振る。

 ブンブンと巨大な機械の尾が左右に揺れる。完全に犬のようだった。

 

「これで戦車の設定は終わりと。じゃあ一度外に出るね」

 

「なら私は運転ルーチンと、ホテル位置なんかを入力しておきます。あと他のお店も」

 

「細かいのは全部よろしく」

 

『わーい、新しいデータだー!』

 

 シズクは一旦外に出ると、 御大将にお礼を言ってから再びポチコマに乗り込んだ。

 ベルルンには乗って来た装甲車を運転してもらう。

 

「まずは官営武器点に向かって。爆発物を大量に買っとこう。タイラントとか出そうだし」

 

「なんですかそれ?」

 

「量産型のストーカーおじさん。しかも割りと不死身で、キレると暴れ出すタイプ。……よっしゃGOー!」

 

『目的地了解~。出発しんこー!!』

 

 シズクの音声に従い、ポチワンが自動で走り出す。

 サスペンションが凄いのか、揺れはほとんど感じられなかった。

 勝手に走ってくれる事といい、今まで使っていた大型二輪とはLVが違う快適さだ。

 

「それでティアは何か用意しときたい物ってある?」

 

「出来ればPDAの性能アップを。ハックの効率が上がれば探索が楽になりますから」

 

「ならいっそハックツールも相談してみようか。あと細菌対策の防護服とか」

 

 官営武器店では入口で4人組のグループとすれ違った。

 15歳ぐらいの少年少女達だ。内訳は男と女が二人ずつ。

 

 みんな両手にピカピカの9mm拳銃を握りしめて店を出ていく。

 しっかり防具も付けていることから、これから一旗上げるのかもしれない。

 

「最初はみんな、あんな感じ?」

 

「護身用かもしれません。色々と物騒ですから」

 

「遺跡に行っても9mmじゃロボは倒せないよね」

 

 どちらにしろ21世紀の日本では考えられない光景だ。

 

「戦車で乗り付けてくるとか、あんた達なにやってるのよ……」

 

 店に入ると、店主は相変わらずゴシック服で乳酸菌を飲んでいた。

 乗って来た戦車にはドン引きされたが、次の仕事の事を相談するとノリノリでお品書き持ってきてくれた。

 

 やはり金さえ払えば後はどうでも良いらしい。

 細かい事情は気にしない性格のようだ。さっぱりしてて良い。

 

「それで何が必要なのかしらぁ?」

 

「一番良い防護服を頼む。それから銃弾に爆薬、ハック用のPDAとソフト。ポチに入れる重火器ルーチンも」

 

「随分と買い込むわねぇ……」

 

 ポチは自立AIが搭載されたものの、行動用のルーチンは何も入っていなかった。

 運転は新しくインストールしたが、備え付けの火器を使わせるには専用のルーチンが必要だ。

 

「あと速乾性のコンクリみたいなのってある?」

 

「そんなもの何処で使うのよぉ?」

 

「壁の隙間から敵が湧いたりしそうだし、埋めながら進めば安全かなって」

 

 排水溝や空気穴から化物が湧くのはお約束だ。

 だがそれなら塞ぎながら進めば良い。バックアタックされる危険は減るだろう。

 普通は重量が嵩むから実際にやるやつはいないだろうが、ところがシズクの能力なら可能である。

 

「全部でいくら?」

 

「ヤクルトはおまけして……諸々合わせて4450円よぉー、まいどありぃ~! またロボットお願いねー? 前のは売れちゃったから」

 

 どうやら前に下ろした2機は、とっくに売れてしまったらしい。

 札を抱きしめてホクホク顔の店主に見送られ、シズクは官営武器店を後にした。

 

 官営武器店で取引を行った。

 ・ガスマスク&高性能防護服x2(800円)

 ・機関砲用大型マガジンユニットx1(500円)

 ・手榴弾各種x10(250円)

 ・高性能ハックツールx1(200円)

 ・高性能PDAx1(200円)

 ・高性能爆薬x10kg(1000円)

 ・弾薬x大量(100円)

 ・奉仕LvCルーチンx1(100円)

 ・重火器取扱LvBルーチンx1(800円)

 ・速乾性建材パック(1kg)x50(500円)、以上の物を購入した。

 

 シズクは合計4450円を支払った。

 残金が128円になった。

 

 

 

   ◆◆◆   ◆◆◆

 

 

 

「では、これから出発します。殺菌車の準備よろしく」

 

 戦車を受け取った翌日。

 電話で支配人に連絡を入れたシズク達は、目的地に向かって出発した。

 

「気をつけてな。ぶっちゃけ、お前らに死なれると私も困るんだ……」

 

「バララ・イーカさん、どんどん威厳が無くなってくね」

 

「頑張ります」

 

 すでに組合での処理は終えてある。

 使いそうな火器と弾薬はポチのマウントラックに括り付け済み。

 なお、装甲車は置いてきた。この戦いには付いて来れそうになかったから。

 

「なのであとは研究所に乗り込んで、ドンパチ始めるだけっと」

 

「未知の遺跡ですけど、管理はどうなってるんでしょうね」

 

 未等級とはいえ遺跡なので、外は軍人さんが歩哨してるらしいが。

 

「もしかしてミュータントに食われてたりして」

 

「軍の人ですし、流石にそれはないですよー」

 

「だよねー」

 

「「アハハハハハハ!!!」」

 

 とはいえ、コレばかりは現場に付いてみなければ分からないだろう。

 シズク達は冗談を言い合いながら、ポチを目的地の遺跡へ走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グギュ、グギュ、グギュ……キシャァーーーーー!!!」

 

 辿り着いた研究所では、歩哨の軍人さんがモリモリ食べられていた。

 美味しそうに頬張っているのは、骨格が浮かび上がった黒い体に、後ろへ伸びた頭をした化物である。

 

 宇宙ゴキブリと呼ばれているミュータントらしい。

 

「なにあれ、エイリアンじゃん。ゴキブリじゃないよ。ぜんぜんゴキブリ違うよ……」

 

「そんなこと言ってる場合ですか!?」

 

 どうみても映画のエイリアンだ。それがパッと見ただけでも10匹もいる。

 どこから湧いてきたのか、どうやら入口付近は彼らの勢力圏になっているらしい。

 無視しようにも、お目当ての入口―大型の搬入用通路―の扉は、すぐ後ろだった。

 

 こうなれば少し早いが、おっぱじめるしかないだろう。

 シズクは流れ弾が扉に当たらない位置へ移動すると、従僕たちに命令を下した。

 

「ポチさん、ベルルンさん、やっておしまいなさい!!」

 

『――攻撃命令を受諾。戦闘モードに入ります』

 

『――ボクも頑張りまーす!』 

 

 シズクが邪魔者の排除を命じると、まずベルルンの両腕が火を吹いた。

 改造された小手に仕込まれた、軍正式採用の5.56mm弾だ。

 だが命中こそしているものの、倒すには至っていない。どうも威力不足らしい。

 

「アイツラ固くね? どういう生体してるんだろ」

 

「9mmを掴めるシズクさんに言われても……」

 

 だが続けてポチが放った12.7mmは違った。

 それも両腕に一門ずつ、尻尾に2連装の合計4門同時射撃だ。

 

 大型の対物弾が雨のように発射され、最初の斉射で3匹がバラバラに。

 慌てて動き出したところで、更に3匹がズタズタに引きされる。

 5.56mmの小銃弾には耐えれても、流石にこの口径なら殺せるらしい。

 

『――武装変更、グレネードの斉射を開始』

 

 更にベルルンも小銃弾を諦め、代わりにグレネード弾を発射した。

 予備武装として渡しておいた、回転式グレネードランチャー2丁である。

 

 機械によって正確に弾道を計算された榴弾は、見事に宇宙ゴキブリの胴体を直撃。4発で4匹を仕留めてしまった。

 

『――殲滅を完了しました』

 

『周囲に敵影無ーし!』

 

「うーん、お供達が優秀だと楽でいいなぁ」

 

 シズク達はポチに乗ったまま入口に近づいた。

 この遺跡は山の麓に作られた研究所だ。

 地上部分は土砂崩れに巻き込まれて崩壊しており、侵入するには唯一無事な物資搬入口から入るしか無い。

 

 傍には詰め所らしき小屋もあったが、こちらも瓦礫の山になっている。

 これでは調べても何も出てこないだろう。

 

 しょうがないのでシズクはポチをシャッターの側へ。

 横に付いていた開閉卓を、ポチが慎重に両手のマニピュレーターで操作する。

 

 普通の戦車にはない両腕。その先に3指を備えているからこそ出来る芸当だ。

 一々降りなくて済むので、こういう時には大変に便利である。

 

 ポチが幾つかボタンを押すと、シャッターはガラガラと音を立てながら上がっていった。

 これは皇国軍が後付した物なのか、遺跡の電力とは関係なく動くようだ。

 

「うーん、中は真っ暗。さすがに灯は付いてないか」

 

「非常灯もダメみたいですね。電気が止まっているのでしょうか?」

 

 入口から覗いた先には闇が広がっていた。

 日の光が届かないため、暗視装置がなければ何も見えないだろうほどの暗闇だ。

 だがシズク達はみんなサーモグラフィー付き装備があるので問題ない。

 

 それに幸いなことに通路はかなり広かった。ポチでも余裕で通れる広さだ。

 運搬用の大型トラックが、すれ違えるように作られているのだろう。

 これならポチに乗ったまま進むことが出来る。

 

「さーて、ココからが本番。……だけどこの通路、結構ながいね」

 

「もう200mぐらい進んでますよ。どこまで続いてるんでしょう」

 

 時々出てくる()()()()()の化物を、グチュグチュと轢き殺しながら安全運転で進む。

 通路は緩やかに右カーブを描きながら、斜め下に向かって伸びていた。

 

 そうして計400メートルほど進んだ先に十字路があった。

 壁に残っていた掠れたプレートを読んで見れば。

 

 北(↑)はゴミ集積場。南(↓)は発電施設。東(→)は荷捌き場、となっている。

 

 なお、シズク達は南側から入り、右に90度曲がったため、西側から来たことになる。

 

「とすると最初は発電施設かな」

 

「灯が付けば探索が少し楽になりますね」

 

 これが普通の遺跡探検なら、真っ先に荷捌き場へ向かうだろう。

 だが今回の依頼は人探しだ。当然、全部の部屋を回らなければならない。

 

 なのでまずは視界を改善できそうな発電施設へ向かう。

 ポチは入れそうになかったので、部屋の前で一旦降りる。

 

「買ってきてよかった防護服。あとガスマスクのフィルターは切らさないように」

 

「はい。研究所ですからね」

 

 戦車から出てきたシズクたちは全身真っ黒だった。

 レンズが真っ赤に光っているサーモ付きのガスマスク。

 頭にはヘルメットを被り、防護服に防弾コートの重装備だ。

 色は全身が黒で統一され、完全に暗闇に溶け込んでいる。

 

「では軽く一周してみよう。側を離れないように」

 

 念のためベルルンも連れて部屋に踏み込む。

 金網で区切られた室内の中央には、中型の発電機(ダイナモ)が12個並んでいた。

 

 ただしどれも動作は止まっている。

 燃料が切れたのか、それとも整備不良で壊れたのか……。

 

 シズクは発電機の調査をベルルンに任せ、壁際にあった制御用コンソールに。

 だが残念ながらPDAを接続できそうな端子はない。あるのはスイッチだけだ。

 

「何が起こる分からないので、慎重に行動してくださいね?」

 

「わかった。理解している(理解したとは言っていない)」

 

 ティアの忠告を聞き流し、シズクはコンソールのボタンを片っ端から押した。

 

 ――ポチポチポチポチポチポチ。

 

 その様子には慎重さなど微塵もない。

 いつでも逃げ出せる能力を持つシズクだからこその芸当だ。

 

 全てのボタンを流れ作業で押していき、最後にトグルスイッチをバチンと上げる。

 

「おっ、一台動き出した!!」

 

「慎重にって言ったのにぃ……」

 

 そのまま10秒ほど経つと、一台が鈍い音を上げながら動き出した。

 

「これこのままで大丈夫かな?」

 

「燃料不足のようです。動かすなら注入する必要があるかと」

 

「じゃあそうしよう。燃料缶が一つだけ残ってるし。照明は……無理か」

 

 部屋の照明はチカチカと点滅し、続けてバチバチと火花が弾けた。

 経年劣化で故障しているのだろう。このままだと火事になりかねない。

 

「止めた方が良いと思います。火花は不味いですよ」

 

「確かに。地下で火災とかシャレにならない」

 

 埃に引火したらヤバイことになるので、照明のブレーカーは落としておく。

 続けて、残っていた燃料缶の中身を発電機に放り込む。

 ガソリンとも軽油とも違う未来特有の謎液体だが、とにかく動いてくれれば良い。

 

「これで扉の開閉と、エレベーターの動作が可能になったはず」

 

 ただし壊れていなければだが。

 シズク達はそのまま通路を戻ると、十字路から北のゴミ集積場に向かった。

 

「んで次はゴミの積載場に来たんだけど……」

 

「なんですかアレ。ぶよぶよしてますよ……」

 

 入口から覗いた集積場にあったのは、部屋の半分を埋め尽くすほどの巨大化な肉塊だった。

 ぶよぶよとしたピンク色で、所々に血管のような赤筋が走っている。まるで生きた肉団子だ。具体的にはバイオ2のG生体。

 

 しかもその中央からは、猫耳が付いた黄色い頭が生えていて、周りには大ヒルが無数に集まっている。

 

「あれってドザエモンズの一人じゃね? 確か黄色いのがいたよね」

 

「……貰った資料から推定するに、おそらく副リーダーの『ドザミ』ではないでしょうか」

 

「うわー、急にホラーゲーになっちゃったぞ」

 

 データで見たときは確かに人の型をしていた。

 それがこれほどに変わっているという事は、この遺跡にはこうなる何かがあるのだろう。

 天井の穴から降って来ている液体が不味いのかもしれない。

 

「変な物でも食ったのか、それとも未知の薬品でも使ったのか」

 

「汚染された水でも飲んだのかもしれません」

 

 どちらにしろ碌な物ではなさそうだ。

 おまけに時折ビチャビチャと、体内から大きなヒルを吐き出している。

 

「こいつが生産者かよ。キモすぎるから始末しておこう」

 

「証拠として一応、撮影しておきますね」

 

「見せてもバララ・イーカさん吐きそうだなぁ」

 

 シズクはポチに括り付けていた30mmを手に取った。

 こういう時は向こうに気づかれない内に、さっさと先制攻撃するに限る。

 

 中央の頭に照準を合わせてトリガーを引けば、肉袋は衝撃によって引き裂かれた

 見た目からして高い再生力を持ってそうだが、流石に30mmは耐えられないらしい。

 

 キモイ肉袋と化したドザミは、悲鳴を上げながらズタズタのミンチに変わっていく。

 

『――ギィエェピィイイイイイ!』

 

 ――グチュ、グチュ、ブチュ、ドプン!!

 

 それは余りにも気持ち悪い音だった。恐らく匂いも酷いことになっているだろう。

 膿の詰まったプチプチを纏めて潰しているような気分だ。

 ティアはよっぽどダメだったのか、顔をそむけて口元を抑えていた。

 

「うへぇー、何これキモすぎ。でも目的の一匹だから許す」

 

 これがターゲットでなければ放置一択だ。

 シズクはちょうど一分撃ち続けてから、ようやくトリガーから指を離した。

 続けてベルルンにグレネード弾を撃たせ、手榴弾を投げてヒルも一掃する。

 

「この場所はもうダメそうだから、とっとと次に行こう」

 

「そうですね。肉片が飛び散って酷い事になってます」

 

 本来なら使える物がないか探してみる所だが、今回はちょっとやる気にならない。

 というか集積されたゴミは肉塊の下だったので、一緒に吹き飛ばされて粉々だ。

 これでは使える物は残っていないだろう。というか液体も飛び散ってるので触るのは危険。

 

 シズク達は大人しくゴミ集積場を後にし、今度は十字路を東に進んだ。

 

「……おおっ、車が残ってるじゃん!!」

 

「動きますかね? あっ、動きそうです!!」

 

 荷捌き場は広い正方形の部屋で、一台の大型トレーラーが止まっていた。

 残念ながら荷物は全てダメになっていたが、大型コンテナを備えているので、売れば一台1000円ぐらいになる。

 

「動くのは整備ロボのおかげかな」

 

「はい、最近まで頑張っていたようです」

 

 それとどうしてこの1台が無事なのか気になったが、その理由は直ぐに判明した。

 側に2体の整備用ロボットが倒れていたのだ。

 四角い胴体から様々な工具が付いた腕が飛び出ている。

 

 どうやら頑張ってメンテナンスを続けていたらしい。何百年もずっと……。

 

「なんとも悲しい話だね」

 

「そうですね。でも無駄ではないかと」

 

 確かに。ギリギリだが動ける状態で使える人間にパス出来たのだ。

 ならばその行動に意味は合ったのだろう。

 

「――メンテロボが守り通したこのトレーラーは、持って帰って大事に使おう」

 

「シズクさん……(感動した視線)」

 

「――そして整備ロボットも直して扱き使う。これだ!!」

 

「シズクさん……(呆れた人を見る視線)」

 

 車+ロボ2体(故障)ゲットだ。なかなか幸先が良い。

 

「あと丁度いい場所だから、ここに接続先を作っておこうかな」

 

「接続先、ですか?」

 

「そう。金魚王の遺産(ゲート・オブ・デメキング)で空間を繋げるポイントって、実は事前登録が必要なんだ」

 

 シズクはコンテナの床に金魚を描き、30分ほど生命オーラを滾らせた。

 こうすることで新たらしい場所への接続が可能になる。

 

 すでに貸しガレージは登録済みだが、この遺跡の物を直接送るのは不味い。

 ここは製薬会社の研究施設なので、ウィルスや汚染への備えはしておくべきだろう。

 

「ガレージ直送だと汚染されてた場合とかやばそうだし。……よし終わり。次に行こう」

 

 更に奥へ進もうとするも、部屋の東側は1メートルほど床が高くなっていた。

 恐らくこの段差の縁にトラック等を後付けし、荷物を積み降ろしていたのだろう。

 

 周囲には台座にタイヤを付けた様なロボットの残骸も転がっている。

 完全に壊れているが、積み下ろし用のロボットだろう。 

 

 それと端にもスロープ等は見当たらない。普通の車が入れるのはここまでのようだ。

 

 ――しかし多脚戦車であれば、この程度の段差は踏み越えることが出来る。

 

 ポチは全てのタイヤをロックし段差を登り始めた。

 

 ――ガチャン、ドスン、ガチャン、ドスン。

 

 重量物が地面を叩く音が何度も響く。

 ポチは6本の足を活かし器用に段上へと乗り上がった。

 

「いいぞポチ! すごいぞポチ!!」

 

『ボクならこれぐらい楽勝ですよ~』

 

 先には北側に若干狭くなった通路。

 南側に配送用と思わしきエレベーターがあった。

 それと東南端(右下)に守衛室だと思わしき部屋。

 

 シズクたちは迷わず守衛室に入った。

 引き出しを開け、PCの電源をONに、ロッカーも開けて抜き打ちチェックを行う。

 

 一台だけ保全機能が生きているロッカーがあったが、中には何も残っていなかった。

 恐らくドザエモンズの残りが持っていったのだろう。

 

「このロッカー、勝手に現状維持してくれるんだっけ」

 

「はい。保全用の極小機械群(ナノマシン)が機能してますから、まだ使えると思います」

 

 これはナノマシンにより中身を長期間維持してくれるロッカーらしい。

 銃器を放り込んでおけば、勝手にメンテナンスしてくれるという事だ。

 

 中々便利そうなので遠慮なく頂いていく。

 それにしても崩壊前はほぼ全てのロッカーに、この機能が付いていたというのだから驚きだ。

 

「これはトレーラーに詰んどこう。データにマップは残ってた?」

 

「吸い出したデータによれば、ここは地下2階のようです。南の搬入用エレベーターの他には、北に隔壁で区切られたエリアがあります」

 

 それからギリギリ生きていたPCからは階の情報が吸い出せた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 それによるとココはB2F、上の階に上がるにはエレベーターを使う必要があるらしい。

 

 だが守衛室から南端のエレベーターは潰れていた。

 上から巨大な物質が落ちてきたような壊れ方だ。

 

 完全に使い物にならないので、諦めて北に進む。

 通路は若干幅が縮まっていたが、それでもまだポチが通れる幅だ。

 ポチの内部が汚染されると困るので、ここからはシズクとティアも自分の足で進む。

 

 途中にあった大扉は端末が生きていたのでティアがハック。

 触手(走狗)を壁にくっつけ、必死にPDAを操作している様は、なかなかにエロイ。

 

 暇になったシズクは扉をペタペタと触る。

 分厚い扉だ。この先にはよっぽど隠しておいきたい何かがあるらしい。

 

「……開きました」

 

「ご苦労さま。さて先は……んー、東京ドームかな?」

 

 10分ほど掛けて開けた先には、ドーム状の空間が広がっていた。

 縦横100メートルはありそうな円形広場である。

 扉横のプレートに書かれていた部屋名は「生体実験場」。

 

「一体、何の実験をしてたのかな(すっとぼけ)」

 

「たぶん禄な物ではないかと」

 

 下には土が盛られていて、全天候型の野球場のように見える。

 ただし観客席はどこにもなく、周囲は全て壁に囲まれている。

 

 おまけに天井からはキィキィと、コウモリのような鳴き声が聞こえてきた。

 明りが付いていないので不気味である。

 

「これあれだよね。途中まで進むと襲われる奴。映画で見た事ある」

 

「でもここ以外の扉は反対にしか……」

 

「なら進むしかないね!!」

 

 扉は今入ってきた所(南側)と、実験場を挟んで反対側(北側)に一つだけ。

 西側は天井付近のダクトから水が流れ落ちていて、東側の壁には卵がびっしりと張り付いている。

 

 なので北の扉以外に進めそうな場所はない。

 シズク達はポチに乗り込み、実験場へ踏み出した。慎重に慎重に。

 それでも半ばまで進むと、お約束のようにミュータントが襲いかかってきた。

 

「……知ってた。やっぱりこうなったか」

 

『敵対反応です旦那さま! 天井と地中と左右壁から多数きてます。うわぁ、すごい数!!』

 

「ちょっ、天井以外からも来てますよ!?」

 

 最初に天井から降ってきたのは、コウモリのような化物。

 続けて左の地面からバカでかいミミズがニョキニョキと生えた。

 そして右の壁から這い出て来たのは赤目のタランチュラだ。

 

 どれも当たり前のように1メートル超えのサイズだった。

 それらが多数並んで向かってくる。

 

「おっ、動物王国かな?」

 

「ヒィッ!! なんですかアレ!? 何なのよココォー!!」

 

 あまりの光景にティアが悲鳴を上げる。

 だが今は泣き叫んでいる場合ではない。

 

「まぁまぁ落ち着いて。ポチ、反対まで全力疾走!!」

 

『はーい、出発進行~~!!』

 

 シズクはティアとベルルンを抱えて背に飛び乗ると、ポチの全力で走らせた。

 北側の扉に辿り着いたら12.7mmを一発撃たせてみるも、こちらの扉も隔壁のように分厚く抜けなかった。

 

 ここはティアにハックして貰う必要があるようだ。

 30mmを撃ち続ければ壊せそうだが、そうすると後ろから襲われそうなので、この扉は残しておかないと不味い。

 

「さぁハックはよ。頑張れ♡ 頑張れ♡ 頑張らないと死んじゃうぞぉ~♡」

 

「プレッシャー掛けるのやめて!!!」

 

 シズクは適度にティアを煽りながらも、化物たちに向かい合う。

 普通なら恐怖して逃げるところだが、しかしこちらの獲物は30mmである。

 

 これは戦車の上部装甲だって抜ける火砲。

 ホラーゲーに戦闘機で乱入したかのような武器である。チート以外の何物でもない。

 もしこれがゲームであれば、クリエイターが悲鳴を上げて、止めろ! と叫ぶだろう。

 

 更に前回は弾切れした事から、今回は大型マガジンユニットを買ってきてある。

 弾丸が5500発も入るすごいマガジンだ。

 銃本体に内蔵されている弾と合わせれば、実に30分以上も撃ち続けることが可能。

 

 シズクはポチに括り付けていた装備類を降ろし、マガジンユニットを手持ちの30mmと接続した。

 

「さて、扉が開くのが先か、それとも化物が全滅するのが先か」

 

『それって、どちらにしてもボク達の勝ちなのでわ? 12.7mm4門、準備よーし!!』

 

『両手武装を7.62mm機関銃ニ丁に変更。回転式グレネードランチャー及び手榴弾各種もスタンバイ。問題ないと判断します』

 

 おまけにフル武装の戦車とロボまでいる。敗ける要素はどこにもなかった。

 

「――勝ったな。ちょっと一狩り行ってくる。あっ、ハックはやくしてね?」

 

「あっ、はい。がんばります」

 

 そんなやり取りに一周回って冷静になったのか、落ちついて作業を始めたティアに扉を任せ、シズク達は発砲を始めた。

 

 ――ズドドドドド! ――Vooooooo!! ――ドパパパパパパ!!!

 

 合計7門の火砲が一斉に鉄の塊を吐き出す。

 途端にボロボロと死んでいくミュータント達。

 

 いくら化物といっても、やはり生物では硬度に限界があるようだ。

 その上に知能が低いのか、真っ直ぐ向かってくるので簡単に当たる。

 シズクが大まかな斉射で多数を消し飛ばし、飛んでくるコウモリ型をポチが正確に撃ち落とす。残りをベルルンが丁寧に撃ち抜いていく。

 

 そのまま5分ほど発砲を続けると、周囲に居たミュータントはみんなバラバラになっていた。

 

「うわっ、ざっこ」

 

『いぇーぃ。みっしょんこんぷりーとー!!』

 

『――敵対反応無し。殲滅を完了しました』

 

 襲ってきたのは全部で200匹以上居たが、もはや生き残りは一匹もいない。

 ちょっと火力が高すぎたようだ。

 

「……あの、ハックに成功しましたけど。遅かったみたいですね」

 

「でも入口の半分の時間でできたじゃん。すごいすごい。本番に強いタイプなのかな? これはドンドン追い込まないと(使命感)」

 

「お願いだからやめて下さい(涙目)」

 

 シズクはティアがハックした扉を開くと、後方を確認しながら奥に進んだ。

 

 

 

   ◆◆◆   ◆◆◆

 

 

 

 隔壁の向こうにはエレベーターが一基だけだった。

 化物の運搬用なのか、やけに頑丈な作りである。

 

 だがポチを乗せるのは流石に無理なようだ。

 なので一度、荷捌き場へ送る事にした。

 

「ばいばいポチ。また帰りに乗るから待っててね。あっ、近づくやつは遠慮なく殺っちゃっていいから」

 

『はーい! 了解しましたー!!』

 

 シズクは弾薬を補給してポチを見送ると、エレベーターを起動させる。

 壁にあったボタンはB2(現在)、B1の2つだけだ。

 

「行き先は一つだけかー。ではポチっとな」

 

 B1を押すとエレベーターは扉を締め、ゆるやかに上昇を始めた。

 ゴウンゴウンと壊れそうな音を発しながら。恐らく50メートルは登っただろう。

 

「さーて、上の階はどうなっているかなー」

 

「変なのがいないと良いんですけど」

 

「フラグ乙。……たぶん一杯いると思うよ」

 

『――お二人とも準備を。そろそろ到着のようです』

 

 ベルルンの警告に沿ってシズクは30mmを構える。

 邪魔になりそうな大型マガジンは、ポチと一緒に荷捌き場行きだ。

 だが残弾はマックスなので、一階層分の探索には十分だろう。

 

 ――チンッ!

 

 そしてついにエレベーターが止まった。

 

「ミぃつケたぁ……!!」

 

「ほら、ティアが変なフラグ建てるから」

 

「私のせいですか!?」

 

 開いたドアの先には、赤頭のムキムキマッチョが居た。

 身長は3メートルを越えている。

 全身の筋肉が隆起していて、両肩から追加で2本の腕が生えている。

 おまけに右肩と胸部分から眼が生えていた。

 

 バイオ2のG第3形態みたいな姿だが、頭には可愛らしいネコ耳が。

 

「ネコ耳ってことはアレもそうだよね」

 

「恐らくドザエモンズの参謀『ドザマタ』の成れの果てかと」

 

「おっ、2人目みっけー。じゃあ殺そっと」

 

 こんにちは、死ね。そんなノリでシズクは50口径拳銃を抜き打ちする。

 飛びかかろうとした赤頭マッチョが、両膝を撃ち抜かれて態勢を崩した。

 更に前のめりになったところへ頭に3発。

 

「やれベルルン」

 

『榴弾発射します』

 

 そうして動きが止まった所へ、すかさずグレネードランチャーを撃ち込ませる。

 榴弾を合計12発ぶち込まれ、赤頭マッチョは爆散。細かい肉片になって飛び散った。

 

「いやあの、ちょっとぐらい話を聞いたりとか……」

 

「だって助けてとか言われても面倒だし……」

 

 これが物語なら事情を慮るところだが、現実では敵の話を聞いたりはしない。

 というか依頼は始末だし。街に連れていけとか言われても無理なので、やはり何も言わずに殺すのが正解だろう。

 

 なお、助けてと懇願されても容赦なく殺していた模様。

 どんなウィルスを保菌(キャリー)してるか分からないからね。しょうがないね。

 

「あと念の為に速乾性建材を撒いとこう」

 

「10パック(10kg)もあれば十分そうですね」

 

 シズクたちは買っておいた速乾性建材パックの中身をバラ撒いた。

 1つ1つはティッシュ箱サイズだが、中身は圧縮されているのか、封を切ると大量の粉が吹き出してくる。

 

 これは水分に触れると急速に硬化する粉だ。

 続けて専用の液体をばらまくと、小さな肉片ごとカチコチに石化していく。

 

 これで例え再生能力を備えていたとしても、復活は不可能だろう。

 再生する化物は粉々にして固めて放置が最適解って、昔から答え出てるんだよね。

 

「では部屋の中を探ってみよう。おっ、でかいシリンダーがいっぱいだ」

 

 エレベーターから降りた先は円形の空間だった。

 床からシリンダーが何本も伸びている。それも人間を閉じ込めれそうな大きさだ。

 

「生()培養槽……No15?」

 

 ティアがシリンダーの根本にある文字を読み取る。

 培養槽ということは、このシリンダー内で何らかを成長させていたのだろうか。

 

「気になるから軽く調べてみよっか。電子系の方をよろしく」

 

「残っている端末からデータが吸い出せないか、やってみます」

 

 ティアの護衛にベルルンを付け、シズクは部屋をぐるっと回った。

 シリンダーは計20ほどあったが、ほとんど割れてしまっている。

 最初から無かったのか持ち去られたのか、中身はどこにも見当たらない。

 

「割れずに残ってるのは一つだけか」

 

 1つだけあったが中身入も、浮いていたのは機械の頭部だけだった。

 それも腐ってグチャグチャに溶けてしまっている。これでは修理も無理だろう。

 

「何を培養してたんだかねー。ティアの方は何か分かった?」 

 

「残っていたデータを全部吸い出しました。隣が溶液を作る部屋のようです」

 

「おっ、金の匂いがする。行ってみようか」

 

 培養液生成室と書かれた隣部屋には、丸型の機械が鎮座していた。

 1メートルの水晶玉を、上下から機械のパンズで挟んだような形だ。

 これがプラントという装置らしい。

 

「炭素変換で何でも作れる夢の装置、か」

 

「作れるのは設定された物だけですけどね。これは培養液の製剤専用みたいです」

 

「ふーん。でも生体培養液って需要あるの?」

 

「あります。主に医療関係ですね。怪我を直す再生槽や、義体の生体パーツ製造で使われています。これなら数万で売れるかと」

 

「ほうほう。なら持って帰ろう。動くみたいだしラッキー。床からの外し方は分かる?」

 

「一応は。前のチームで何度か回収したことがあります。時間かかりますけど」

 

 ならば問題は無さそうだ。

 貴重な品らしいので、持ち帰れれば結構な額になるだろう。

 

 シズクは作業をティアとベルルンに任せて、一度前の部屋に戻った。

 

「今のうちに割れてないシリンダーを対処しとかないとね。2kgぐらいでいいかな」

 

 再生して襲ってきそうなので、買っておいた高性能爆薬を貼り付けておく。

 振動を感知して爆発するようにセット。シリンダーが割れた瞬間にボンッ! だ。

 

「これでヨシ、と」

 

 あくまで念の為だが、本当に再生し始めたら盛大な出落ちになるだろう。

 

 シズクは爆薬の設置が終わると、1時間掛けて取り外されたプラントを、荷捌き場に送った。

 

「んで次の部屋は?」

 

「他にも似たような部屋が2つあるようです。マップはこんな感じですね」

 

「生き残りがいるに100ペリカ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ティアが見せてくれたマップによると、ここは隔離された実験エリアのようだ。

 

 現在は「生体培養室」という部屋で、ここから南に抜けると先に十字路がある。

 そこから西側には「水棲プール」、東側には「低高温実験室」、南は「滅菌室」となっていた。

 

 滅菌室の先は一般エリアらしいので、先にこの東西部屋を回るべきだろう。

 

「どちらから向かいますか?」

 

「まずは低高温実験室に行こう」

 

 プールは下手したら濡れそうなので、先に東側に向かう。

 ドアはティアがハックして開く。下の階での経験(極限状態で仕事)が生きたのか、かなり手際が良くなっている。

 

 部屋の中には冷凍庫のような小部屋と、溶鉱炉だと思われる設備があった。

 

「低温室は分かる。寒い場所だとウィルスも動きが鈍りそうだからね」

 

「そうですね」

 

「でもなんで製薬研究所の地下に溶鉱炉があるのか。これが分からない。しかも何も残ってないとか」

 

「とりあえずデータだけ抜いておきますね」

 

 ここには何も残ってなかったので、諦めてとっとと次に行く。

 十字路を戻って、西側の水棲プール室へ。

 

「さーて、何が出るかな―? サメが泳いでそう」

 

「そうですね。他の候補はタコかイカ辺りでしょうか」

 

「残念、どっちも外れみたい」

 

 水棲プール室では、5メートルサイズのワニが優雅に泳いでいた。

 全身の鱗がグチャグチャになった、白目を向いた巨大なワニさんだ。

 それもギザギザの歯の隙間には、ネコ耳が生えた青い頭が挟まっていた。

 

「あれってドザエモンズのリーダーだよね」

 

「はい、恐らく『ドザエモン』です」

 

 どうやら最後の一人はワニに食われたようだ。名前通りにドザってる。

 

「これで全部か。なんだ意外と楽勝だったな」

 

「やりましたね。これで依頼達成ですよ!」

 

 シズクとティアは喜びながらワニを撃った。

 だが巨大ワニをぶち殺すと、驚くことに挟まっていたドザエモンが動き出した。

 

 なんという生命力なのだろう。

 ここのウィルスに感染した成果か、まだ生きているようだ。

 

「タスケ……助ケ……テェ……」

 

「ポチっとな」

 

「ちょ、ちょっと何してるんですか!?」

 

 シズクは迷わず壁の排水ボタンを押した。

 驚くティアの前で排水口がガバっと開かれ、水とともにドザエモンが流されていく。

 

「ドボジデテェエエエエエ!!!」

 

「いや助けるとか無理だし。グッバイ!」

 

 更に流れきる寸前、シズクは拳銃でドザエモンの頭を撃ち抜いた。

 確実に殺すためである。おまけで余った高性能爆薬も放り込んでおく。

 

 この爆薬はC4の未来版のような物で、物質の内部に酸素を含んでいる為に水中でも爆発するのだ。

 

「――起爆っと」

 

 排水が終わってから遠隔起爆ボタンを押すと、遠くから爆発音が2つ聞こえてきた。

 使用する周波数が同じである為、培養室の爆弾まで爆発してしまったのだろう。

 

 だがこれでミッションコンプリートだ。報酬6千円が確定。

 オマケにココからは家捜しのボーナスタイムに突入である。

 

「ノルマはクリアしたし、ジャンジャン探そう!!」

 

「南の一般エリアに向かいましょう。ここには汚染が酷すぎます」

 

「天井から黒い水がタレてきてるもんね」

 

 25メートル級のプールには、天井から水が流れ込んでいた。

 恐らくは崩壊した地上部から、雨として降った汚染水が漏れているのだろう。

 下のドーム西側に流出していた水も、ここと繋がっている可能性が高そうだ。

 

「とするとドザエモンズは換気口かダストシュートでも登ったのかな? 出会った場所的に考えて」

 

「かもしれません。強盗らしい行動ですが、途中で汚染されて化物になったみたいですね」

 

 屋内には壁にも気味の悪いカビが生えているし、長居はしない方が良いようだ。

 何が溢れてくるか分からないので、入口は速乾性建材で完全に封鎖しておく。

 

 それからシズク達はプール室を出て、南の殺菌室に入った。

 滅菌用のシャワーは壊れていたが、隣接された着替え部屋のロッカーから、消毒液と簡易測定器を見つけた。

 

「とりあえず被っとこう」

 

「そうですね。ベルルンと銃にも掛けておきましょう」

 

 すぐに防護服越しに消毒液を被り、ベルルンや武装にもぶっかける。

 簡易測定器を起動してみると、結果はウィルス検出無し。

 これなら一般エリアに入っても大丈夫だろう。

 

 シズク達はドアを2つ抜け、次の部屋に移動した。

 ここは警備室らしく、ドアの前には金属探知機が置かれている。

 

「おっ、警備ロボみっけー!!」

 

「DVL型のブラックメイルですね。壊れてますけど」

 

 室内には停止したロボットが3体いた。

 全部が同じ機種で、黒い犬に蝙蝠の羽を付けたようなロボットだ。

 ベルルンによれば修理可能との事だったので、これはキープしておく。

 

 それから横の着替え室にも、保全機能が生きているのロッカーがあった。

 上の段にあったのは「熱光学迷彩」「壁面透過眼鏡」「虫型ドローン(4体)」の3つ(ティア鑑定)。

 

「熱光学迷彩って、姿を消せる奴だっけ?」

 

「熱と光を後方に逸らす隠密用の装備です。昔の特殊部隊で使われていたとか」

 

 見た目はバッテリーが付いた薄い布である。

 それも大サイズの物らしく、二人ぐらいなら隠れることができそうだ。

 

「つまり透明マントってことか」

 

「バッテリーは……切れてるみたいですね」

 

「せっかくだからポチで充電しとこう」

 

 ティアの見立てでは電池が切れてるだけっぽいので、ポチの動力で充電しておく。

 ポチには中型の核融合炉が積まれているので、いくらでも発電できるのだ。

 

 ちなみにこの世界では融合炉は特に珍しいものでもないらしい。

 安全性は完璧に確保され、その辺のサイボーグが小型のを積んでたりするとか。

 ただし新しく作る技術は失われている。

 

「すごいね未来。電気使い放題じゃん」

 

「首都には縮退炉があって、一台で国全体の電力を賄えるそうですよ」

 

「何だかそのうち爆発しそうだなぁ。まぁ気にせず先に行こう」

 

 なおティアの話によると、過去には爆発させて消滅した国もあった模様。

 まぁ日本列島は無事らしいので、いまさら気にすることは無いだろう。

 というか気にしても防げる類のものじゃない。

 

「それからは壁面透過眼鏡は言葉のままか。あと虫型ドローンも」

 

「特殊な音波で壁の向こうが見れる装備ですね。どちらも電池切れです」

 

「これってさー、ぶっちゃけストーカーグッズだよね」

 

「そうですね。3つ揃ってるのはアウトでしょう」

 

 どうやら警備員に変態がいたようだ。

 控えめに言っても警備員室に有っていいものではない。

 

 続けて下の段にあったのは、警備員服とビキニ水着だった。

 どちらもパッケージは開きられていない。新品のようだ。

 

「服は女性用。水着は……透け透けスケベビキニ!?」

 

「ここ、本当に警備員室だったのでしょうか……?」

 

 面積が小さい三角ビキニだ。

 パッケージの注意書きによれば、水を浴びるほど透ける素材で出来ているらしい。

 これは良いものを手に入れた。

 

 そして最後に奥から出てきたのが社員証。

 このロッカーはヨコシマという社員が使っていた模様。気が合いそうな人間だ。

 

 これらは消毒室の物とまとめて、荷捌き場に送っておいた。

 

「水着は帰ってからティアに着てもらうとして。……お次の一般エリア情報は?」

 

「ほ、ほんとうに着なきゃだめですか? えっと、部屋は4つ。北西の研究室。北東の休憩室。それから南西が監視室。南東が資材保管庫です」

 

「おっ、資材保管庫!! でもどうせ全部回るから、近い方から順番に行こう。まずは研究室」

 

 研究室は荒れ果てて何もかも風化していた。

 部屋の保存機能が早々に亡くなってしまったようだ。

 端末も全て死んでいたので、諦めて反対の休憩室へ。

 

「なかなか広い部屋。意外とホワイト企業だったのかな」

 

「冷蔵庫の中身は……ダメみたいですね」

 

 ここには巨大な冷蔵庫があったが、中身は全部腐っている。

 未来技術でもナノマシンがないと1000年保管は無理らしい。

 冷蔵庫さんは少々気合が足りなかったようだ。

 

「まぁそんな物はどうでもいい。それより資材保管庫に行こう!!」

 

「ちょっと待ってください。いま隔壁を開けますから」

 

 休憩室から出て南に下ると、円形のEVホールがあった。

 だがそこから更に南への通路は隔壁で区切られている。

 

 物資の持ち出しは厳重に管理されていたのだろう。

 許可がないと入れない仕組みになっていたと思われる。

 

「だがハックしてしまえば関係ない! 時間がかかってもいいから開けよう。さぁ!!」

 

「えーと、ここをこうして……あっ、一回で行けた」

 

 意外なことにティアは一発でハックを成功させた。

 やはりスキルが一回り成長しているようだ。シズクはもっと追い込もうと心に誓った。

 

 ハックが終われば重厚な隔壁が、ゴウンゴウンと音を立てながら上昇していく。

 

 その先には、ついに夢の保管庫が!!

 

『――侵入者発見!! 侵入者発見!! ――戦闘モード起動!!』

 

 だがその通路には一体のロボットが待ち受けていた。

 床に固定されたタイプだ。

 

 4本の腕には違った武器を持ち、口の中にも砲塔の陰。

 それでいて下半身はなく、代わりに大量のコードが床下の穴へ伸びている。

 

「あ、あれはまさか。定点防衛用警備ロボのビーストマスター!?」

 

「(メダロットの)ラスボスじゃん!!」

 

 シズクが驚いている間に、ティアが解説を始めた。

 

 右上腕の箱型武装は、空気圧縮で大量の釘を打ち出す多連装タレットガン。

 左上腕のライフル型武装は、レーザーで爆発物を撃ち落とす2連装圧搾光砲。

 更に口中に見える砲は、戦車の装甲をぶち抜ける高出力圧搾光砲。

 

 他にも、大威力のテーザー、EMPパルサー、対物防護力場など。

 これでもかと言わんばかりに、ありったけの武装が詰め込まれているらしい。

 

「なんでそんなロボットがこんな所にあるの?」

 

「本来なら軍のような、重要拠点に設置されてるハズなのですが……」

 

「ちなみに30mmって効く?」

 

「搭載された対物防護力場は、戦車の主砲(120mm)を弾けるらしいので、恐らくダメかと」

 

「うわだるっ!!」

 

 どうやら正しく、この研究所のラスボスのようだ。

 

 果たしてシズク達は、この先にたどり着けるのだろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――あっ、でもさっきの社員証があれば、戦う必要ないかもしれません」

 

 だがその時、不思議なことが起こった。

 ティアが何かを思いついたようだ。

 

「もしかして、あのロボ丸ごと持って帰れるの!?」

 

「うまく行けば、ですけど。でもベルゼルガが壊れる可能性が……」

 

「かまわんやれ」

 

 シズクはすごい勢いで食いついた。

 失敗して壊れたら? 大丈夫だ。さっき新しいロボが3体手に入ったから。

 

「――貴方が死んでも変わりはいるもの(ガチ)ってね。でも出来れば成功させてね!!」

 

「えーと、じゃあベルルン。社員証を持ってメンテナンスに来た振りしてくれる?」

 

『――任務了解。敵の無力化を実行します』

 

 ティアから詳しい指示を受けたベルルンが、通路を一歩ずつ進んでいく。

 シズクはちょっと早まったかな? と思ったが、黙ってベルルンを見送った。

 幸いなことにビーストマスターがいきなり発砲してくる事はなかった。

 

(がんばれベルルン!!)

 

『私はヨコシマ社員の代理です。対応求む』

 

『警備主任ノIFFヲ確認……シカシ本人確認デキズ……情報ヲ求ム……』

 

 IFFとは言わば「敵味方識別装置」である。

 本来は戦闘機や艦艇が、同士討ちを避けるために装備するものだ。

 

 それがこの世界では警備ロボットにも搭載されている。

 なのでこれを手に入れるか、上手く誤魔化すことができれば、ロボットに襲われず遺跡を自由に歩けるようになるのだ。

 

 また大抵の場合は社員証にIFFが内蔵されているらしい。

 しかも、あの変態道具が詰まったロッカーの社員は、ここの警備主任だったようだ。

 この研究所、文明崩壊前からやばかったんじゃね?

 

『緊急時に付き物資が必要。また貴君のメンテナンスも請け負う』

 

『回線ヘ接続……エラー。回線ヘ接続……エラー』

 

 ハラハラしながら様子を伺っていると、ベルルンは何度か問答を繰り返す。

 

『繰り返す。貴君のメンテナンスを請け負う。電源を落とされたし』

 

『……緊急時ト判断。ソチラノ指示ニ従イマス』

 

『忠道大義。安らかに眠れ……』

 

(おっ、これ騙せたんじゃね?)

 

 しばらく迷い続けたビーストマスターは、最終的に指示に従って電源を落とした。

 どうやら主任の振りしてお持ち帰り大作戦は成功のようだ。

 

 ベルルンはビーストマスターの背中を開け、内部電源をオフにする。

 これでラスボスは完全に無力化された。入れてて良かった整備修理ルーチン。

 

『マスター、任務完了しました』

 

「素晴らしい……ッ!」

 

 シズクは両手を広げてベルルンを迎え入れた。

 その顔は満面の笑みである。お前代わりはいるとか言ってただろって?

 いいんだよ。高そうなロボが丸ごと手に入ったから。

 

「ベルルんはここで、ビーストマスターを持ち帰れるようにしといて」

 

『了解。床との接合部を解除します』

 

 ビーストマスターをツンツンしてみるも反応は全くない。

 戦わずにラスボス戦を終えたシズクは、るんるん気分で通路を進んだ。

 

 先には監視室もあったが、まずは物資保管庫からだ。

 中は特に荒れてたりはせず、複数の小コンテナが規則正しく並んでいた。

 

「これ全部物資じゃね? なんというお宝の山!!」

 

「無事な物があるか調べましょう!!」

 

 シズクだけではなく、ティアもすごく楽しそうだ。

 奥から順番に調べていくと、保全機能が生きているコンテナが5つ見つかった。

 1メートル四方のサイズである。見た目は小型の冷凍庫だ。

 

「重力軽減システムは死んでますけど、でもシズクさんの力でトレーラーに載せれば全部持っていけますよ!!」

 

「よーし、ぜんぶ回収しちゃうぞー!!」

 

 持ち上げて見ると、けっこうな重さだ。1つ100kgぐらいはある。

 だがシズクであれば問題なく持ち運べるだろう。

 

 ティアが言うには、このコンテナは長距離の輸送で重宝されているとか。

 魚でも肉でも北から南まで腐らせずに持っていくことが可能らしい。

 

 おかげでなんと1つ(中身無しで)、1万以上で売れるそうだ。

 これは是が非でも回収しなければならない。更に中身も確認しておく。

 

「えーと、1つ目は精密部品で、2つ目は中容量の記憶媒体か。ぎっしり詰まってる」

 

「端末のメンテ用でしょうか? 残念ながら3つ目は空です。4つ目は防護服ですね」

 

 ロボットとサーバーの予備パーツだろうか。

 いくらで売れるかは不明である。高く売れるといいのだが。

 

「生体パーツは使われちゃったみたいですね。それから5つ目ですけど……」

 

「これって、自動人形……? でも頭と下半身が無い、だと……」

 

「和服ですし……元はIAI製の侍女型自動人形かと」

 

 最後のコンテナから出てきたのは、自動人形だった。

 ただし頭と下半身が取り外されており、あったのは胴体部分だけだ。

 人形とは言え、かなり不気味な姿である。部品取りに使われてしまったのだろうか?

 

「この頭って、もしかして生体培養室に浮かんでたやつじゃね?」

 

「言われてみれば、そうかもしれません。あの爆弾って」

 

「もう爆破しちゃったんだよなぁ……」

 

 すでにドザエモンと一緒に爆破してしまった。

 間違いなく粉々になっているだろう。残念だが頭は諦めるしかないようだ。

 

「それでも、この体の動力炉と重力装置は生きてるようです」

 

「ふむふむ、なら帰ってからバラそう」

 

「あとコンテナ内にオプションパーツもありました」

 

 内部には他にルーチン用だと思わしき情報端末が幾つか。

 それと位相空間生成装置なる物が残っていた。

 シズクは能力でデメキンを具現化し、外のビーストマスターと共に荷捌き場へコンテナを送った。

 

 それから監視室からサーバーの記憶媒体を引き抜く。

 机の裏も探してみたが、最初の遺跡のようなセキュリティスイッチは無い。

 

 これでこの遺跡の捜索は全て終わったとみて良いだろう。完全制覇だ。

 

「よーし、撤退するぞー」

 

「結局、ここは何を研究していたのでしょう」

 

「その辺はあとで調べれば良いよ」

 

 最後は南のエレベーターを爆破して荷捌き場に戻った。

 

「ただいまポチ!! 元気にしてた?」

 

『はーい、頑張って留守番してましたー! お土産一杯みたいですね~』

 

「金目の物も沢山あったし、これは大成功かなって」

 

「そうですね、あとは外に出るだけです」

 

 拾得物はトレーラー後部の大型コンテナに詰め込む。

 便利そうなので運搬ロボも拾っておいた。

 

「あとはトレーラーを索引すればOK。ポチよろしくね」

 

『がんばりま~す!』

 

 もちろん途中で発電室にもより、稼働していた発電機もしっかり貰っていく。

 それとゴミ集積場にはまた肉袋―それも更に巨大化したワームみたいな姿―がいたので、余った爆薬を全てプレゼントしておいた。

 

「再生してる上に口の中に眼があるとか気持ち悪すぎぃ」

 

「青いネコ耳頭も生えてましたけど。流れたドザエモンが変異したのでしょうか?」

 

「さぁねー。まぁなんでもいいじゃん。爆薬を8kgもごちそうしたから、きっとお腹いっぱいになってるよ」

 

 口の中に放り込んだのは、500gもあれば車を破壊できる爆薬だ。

 時限信管で1分後にセットしておいたので、時間が来れば木端微塵になるだろう。

 

 無事に外に出たシズク達は、街に向かってポチを走らせた。

 後ろから聞こえてきた大爆発音をBGM代わりにしながら……。

 

「ところで、この研究所って何を研究してたんだろ」

 

「えっと、残っていたデータにあった研究記録によりますと……ダッチワイフの新素材です」

 

「えっ、なんだって??(突然の難聴)」

 

 シズクは黙ってティアの説明を聞いた。

 それによれば、この遺跡は新型の生体パーツを研究していたようだ。

 

「つまりここは自動人形用のエロパーツの研究をしていって事?」

 

「はい。それも極小機械群に頼らない永続化を目指していたようで」

 

「その結果があの化け物たちなの?」

 

 シズクはココで見た化け物たちを思い出した。

 今聞いた研究からは凡そ想像できない。どんなドスケベだったんだよ。

 

「再生は細胞を増殖させる試薬の副作用ですね。再現なく増えて肉袋化してしまうようです」

 

「ならドザエモンズはその試薬を間違って飲んでしまった、ってことか」

 

「かもしれません。施設のアチコチに流出していたみたいです」

 

「うぇー」

 

 話を聞く限り、完全に失敗作だ。

 しかもそれが流出してるとか。あの研究所やばい。

 

「ちなみにアンブレラの本社は研究を了承してたの?」

 

「いえ、本社からの要求はアレコレ躱して、予算だけ頂いて好き勝手やってたみたいです」

 

「素直に草」

 

 シズクはあまりの内容に絶句した。

 これは酷い。予算だけ貰ってエロに全力疾走とか。

 やっぱり日本企業はHENTAIなんだなって。

 

「さて、バララ・イーカさんに連絡いれるか」

 

「街に入る前に消毒してもわないとですね」

 

 戻ったシズク達は街に入口で念入りに消毒と殺菌を行い組合に向う。

 

 

 

「未等級遺跡の初見攻略余裕でした。あとプラントって、どこで売ったらいいの?」

 

「待ってくれ。お願い待って。いまプラントって言った!?」

 

 シズクが組合で遺跡について報告すると、受付員のシエロは慌てふためいた。

 

「あとこれ、ヤバそうな研究のデータね。気持ち悪い化物いっぱいいて萎え萎えだったんだわ」

 

「……ちょっと理解が追いつかないかなって。あとプラントはボッシュートです。勝手に売ったら捕まるから」

 

「ぜんぶ置いてくからよろしく」

 

「ちょっ!!!」

 

 プラントを運んできて目の前に置くと、シロエは絶叫を上げて奥に駆け込んだ。

 聞こえてくる叫喚をそのままに、シズク達は素知らぬ顔でホテルに帰還した。

 

 

 @リザルト

 無等級遺跡「アンブレラ製薬日本研究所」を攻略した。

 ・中型の発電機x1

 ・大型トレーラーx1

 ・壊れた整備用ロボットx2

 ・壊れた運搬用ロボットx5

 ・保全機能付ロッカーx3

 ・培養液製剤生成プラントx1

 ・壊れたブラックメイルx3

 ・熱光学迷彩x1

 ・壁面透過眼鏡x1

 ・虫型ドローンx4

 ・女性用の警備員服x1

 ・透け透けスケベビキニx1

 ・ビーストマスターx1

 ・保全機能付小型コンテナx5

 ・完全な精密部品x100

 ・中容量記憶媒体x100

 ・高性能防護服x100

 ・壊れた自動人形の体x1

 ・小型位相空間生成装置x1

 ・ルーチン用端末x3

 ・サーバーの記憶媒体x4、以上の物資を手に入れた。

 ・ティアのハッキングスキルが上昇した(LvC→B)

 




という訳で、未知の研究所探索でした。
イメージは30mmと戦車を呼び出せるハルク(バイオ2)。


■以下、機械達のステータス

【パーソナルネーム】ベルルン 【型番】DVL001 【制作】米国IAI

【能力】
 頑強性B 破砕力C 精密性B 俊敏性D 応用性C
 A=一流 B=軍人 C=人並 D=苦手 E=貧弱 F=子供
 
【特性】
 重装警備ロボット:戦闘が前提のため頑丈。頑強性にプラス補正
 自動成長型AI:学習が可能な高機能AI
 
【ルーチン】
 銃器取扱LvB:銃器を取り扱うプログラム。熟練級
 整備修理LvC:機体を整備するプログラム。一般級
 運転LvC  :乗り物を運転するプログラム。一般級
 奉仕LvC  :家事炊事などのプログラム。一般級

【装備】
 追加5指マニュピレーター:メンテ用に追加された5本の指。細かい作業が可能
 右小手部5.56mm機銃:ライフル用の5.56mm弾を発射する内蔵銃
 左小手部5.56mm機銃:ライフル用の5.56mm弾を発射する内蔵銃
 右手回転式グレネードランチャー:榴弾を6連射出来るランチャー。元は人間用
 左手回転式グレネードランチャー:榴弾を6連射出来るランチャー。元は人間用

【予備】
 7.62mm中機関銃x2:人間用の機関銃。装弾数は200発
 手榴弾各種:人間用の手榴弾


【パーソナルネーム】ポチコマ 【型番】HAW206C 【制作】剣菱重工

【能力】
 頑強性A 破砕力A 精密性C 俊敏性C 応用性D
 A=一流 B=軍人 C=人並 D=苦手 E=貧弱 F=子供

【特性】
 重装多脚戦車:6本足の多脚戦車。20mm未満の攻撃を弾ける。頑強性にプラス補正
 自動成長型AI:学習が可能な高機能AI

【ルーチン】
 重火器取扱LvB:重火器を取り扱うプログラム。熟練級
 運転LvC  :乗り物を運転するプログラム。一般級

【装備】
 右腕部備え付け重機関銃:12.7mm弾を発射する3銃身ガトリング
 左腕部備え付け重機関銃:12.7mm弾を発射する3銃身ガトリング
 尻尾上部備え付け重機関銃:12.7mm弾を発射する3銃身ガトリング2門
 尻尾側面備え付け発煙弾発射筒:発煙弾を発射する6連装の筒型発射機
 本体内蔵照準妨害装置:赤外線誘導、レーザー照準を妨害する装置
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。