調べてみたらギリシャのお菓子って甘くてなんぼな物が多いみたいです。
※今後の活動について【活動報告】に新投稿してますので、少しでも興味がありましたらご覧になって下さると幸いです。
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「これがルクマデスの材料になります」
来太とデネブと共に厨房内から集めた材料と調理器具を並べて、オリオンたちに説明を始める。
今回作る料理:ルクマデス(4人分)
◾️薄力粉 100g
◾️強力粉 100g
◾️インスタントドライイースト 小さじ1/2
◾️塩 (少々)
◾️砂糖 小さじ1
◾️牛乳 1/2カップ
◾️水 1/2カップ
◾️揚げ油(クセの無い植物油) 適量
◾️蜂蜜 適量
◾️シナモンパウダー(適量)
◾️胡桃(適量)
◾️ベリー(適量)
「まずは生地作りから始めます。ボウルに薄力粉、強力粉、インスタントドライイースト、塩、砂糖を入れます」
「ぜんぶ、いれて、いいの?」
「そうだね。全部使って大丈夫だよ」
「アステリオス、粉を溢さない様に気を付けろよ」
「わかっ、た」
「そうそう。その調子だ」
アステリオスが説明通りに材料をボウルに入れるのを見守りながら、来太は説明を続ける。
「次にボウルに入れた材料を混ぜて下さい。やってみます?オリオンさん」
「マジで?俺こんなちんちくりんだけど」
「アステリオスに掴んで貰ったらどうだ?」
「待って!それ下手すると俺ボウルに落っこちねえか!?絶対離すなよアステリオス!」
「うん!」
アステリオスにぬいぐるみの様な胴体を掴んで貰いながらオリオンはスプーンを持って材料を混ぜる。
「全体が混ざり合ったら、牛乳と水、胡桃を入れて粉っぽさが無くなるまでかき混ぜて下さい。混ぜた後に粘り気が出て来たらオーケーです」
「ねー、誰か交代してくれない?俺疲れて来たんだけど」
「頑張れオリオン!」
「がんばって」
「マジかー、誰も代わってくれない。この中で俺が年長者なのに」
オリオンが愚痴りながら暫く混ぜていると、段々と生地が混ざり合い粘り気が出て来た。
「生地が混ざり合ったらボウルにラップを掛けて1時間発酵させます」
「その間どうするんだ?」
「待ってる間に使った道具を洗っておこう。アステリオス、これがスポンジと洗剤だ」
「わかった」
生地が発酵するまでの間に使用した調理器具を分担して洗い、フライパンに揚げ油であるオリーブオイルを入れる準備に取り掛かる。その時、来太はオリーブに関する逸話の事をふと思い出す。
「そう言えば、ヘラクレスさんが極北にあるヒュペルボレイオスと呼ばれる国からオリーブをオリンピアに持ち込んだ話がありましたよね」
「あー、それアルテミスから聞いたな。ケリュネイアの鹿をヘラクレスが捕まえた後だったか。ケリュネイアの鹿は全部で5匹なんだけどよ、その内の4匹はアルテミスの戦車に繋げてたんだが、5匹目だけは狩猟の女神であるアイツでも捕まえる事が出来なくて、代わりにヘラクレスが1年間追い掛け回って生け捕りにしたんだと。それがヘラクレスが成し遂げた十二の試練の3番目だ」
「アルテミスさんとの約束で生け捕りじゃないといけなかったとは言え、ヘラクレスさん程の大英雄でも捕まえるのに1年掛かったって、ケリュネイアの鹿ってとんでもないですね。……あれ?アルテミスさんがケリュネイアの鹿で戦車を牽いてたと言う事は、もしかしたらライダークラスのアルテミスさんがカルデアに召喚される可能性も?」
「あり得るかもしれない話だけどよ、そんな恐ろしい事を口にするなよ!?アイツがアルトリアちゃんやクー・フーリンみたいに複数居たら俺の自由は永遠永劫に失われるわ!!それにアタランテの心労も加速するからな!!唯でさえあんな感じなのに!!」
「ライダークラスのアルテミスか、どんな感じになるんだろうな。気になる」
「ぼく、も」
「お前らも興味持つなよ!?」
あるかもしれない可能性の話をしている内に1時間が経過し、ボウルに掛けたラップを取り外すと、中の生地が醗酵前の2倍程の大きさにまで膨れていた。
「それじゃあ、充分に発酵した生地をスプーンで掬って予め180℃に熱した油で揚げます。大きさはスプーン1杯くらいで良いです。暫く経って生地がきつね色になったら取り上げて下さい」
「オリオンの体毛の色でも良いぞ」
「まさかの俺が目安!?」
「おりおん、と、おなじいろ」
フライパンの中で生地が段々きつね色(オリオン色)に変わったところで紙製のカップに盛り付ける。
「最後に蜂蜜とシナモンパウダーを掛けて、ベリーをトッピングして完成。これがギリシャのドーナツ ルクマデスです」
「おー、マジで出来たな」
「おい、しそう……!」
「ああ、とっても美味しそうだぞアステリオス!よく頑張ったな!!」
完成したルクマデスを目の当たりにして、オリオンとアステリオスは感動する。
「それじゃあプレゼント用にラッピングして、余った分は食べましょうか。デネブ、フォークと取り皿持って来てくれる?」
「袋に入れただけでプレゼント感が増したな」
無事にラッピングまで終えると、アステリオスはマジマジと自分が作った物を見つめる。来太はそんなアステリオスに話し掛ける。
「アステリオス、作ってみてどうだった?」
「……さいしょは、じょうず、に、できるか、ふあんだった。だけど、みんな、と、つくって、ぼく、すごく、たのしかった。えうりゅあれ、よろこんで、くれるかな?」
「うん。アステリオスがこんなに頑張って作った物をプレゼントしてくれたら、エウリュアレも喜んでくれると思うよ。本当、よく頑張ったね」
「うん!うん!」
「皆ー!フォークと取り皿持って来たぞ!食べよう!」
「わりーな、デネブ」
デネブが持って来た取り皿にそれぞれルクマデスを移して、各自フォークで刺して一口食べる。モチモチとした食感に蜂蜜とシナモンパウダーの甘さが相まっており、中の胡桃やベリーも良いアクセントになっていた。
「お、美味い!」
「あまくて、おいしい!!」
「うんうん!」
「うん、美味しい。これも充分美味しいけど、アレンジとしてシナモンパウダーの代わりにきな粉にしても美味しいんだよね。それと、出来立てのものにバニラアイスを乗せて食べても良いし。また作る時にやってみようかな」
自分たちで作ったルクマデスを味わい、来太たちは一息付いた。そして、アステリオスは自分でラッピングした分を大切に持って来太たちに頭を下げる。
「みんな、ありがとう」
「どういたしまして」
「頑張ってエウリュアレに渡せよ」
「ファイトだ、アステリオス!」
「うん!いって、きます!」
来太たちに感謝して、アステリオスはエウリュアレの元へ向かった。残った来太たちはアステリオスが無事にエウリュアレに渡せる事を心から祈る。
そんな時、来太はオリオンに訊く。
「それで、
「あー……やっぱ気づいてたか」
意表を突かれたオリオンは顔を逸らした。厨房には、ラッピングした袋が1つ残されていた。
つまり、
「いつから気づいてた?」
「エミヤさんたちが居ない事に対して"好都合"だと言ってた時ですかね。出来るだけ人に知られたくないって事は、プレゼントの事を勘付かれたくなかったからですよね?デネブも気付いてましたよ」
「え!?そうだったのか!?よく気付いたな来太!」
「おい、相棒は気づいてなかったみたいだぞ」
「……そうですね」
デネブの天然さに、来太とオリオンは呆れる。
「アルテミスさんにプレゼントしようと思った理由、聞いても良いですか?」
「なに、嫉妬深いアイツはちょっと傍から離れてもよく怒るからよ。偶に機嫌直して貰わないと、溜まった分が一気に爆発されたら後々面倒だからな」
「オリオンが他の女性をナンパしなければ良いんじゃないか?」
「それはそれ!可愛い女の子、絶世の美人が目の前に居たら口説くのがギリシャの狩人だからな!!」
(何で最後の最後で台無しにするかな、この人……)
何があってもナンパを辞めないオリオンに来太は呆れた。だが、何だかんだ恋人であるアルテミスの事を気に掛けている辺り、オリオン自身も彼女を大事にしている証拠でもある。
「あー!ダーリンこんな所にいたの!?」
すると大きな声が聞こえたので声のする方を見ると、アルテミスがオリオンをがっしりと掴んで自分の胸元に抱き寄せた。
「も〜〜〜!探したんだからね!居なくならないでよダーリン!!」
「あー、悪い悪い」
「アルテミスさん、沈んでます。オリオンさんが沈んでますのでその辺にした方が」
「あ!?ごめんねダーリン!苦しかった?」
「いや、いつもの事だからもう慣れた」
慌てるアルテミスにオリオンは淡白に答える。2人の様子に、本当に普段からこんなやり取りをしている事が見て分かった。
「ほら、ダーリン。早く2人の愛の巣へ戻りましょ!居なくなった分、ずっと居てもらわないと困るわ!」
「あー、ちょっと待ってくれアルテミス」
するとオリオンはアルテミスから離れると、ラッピングしたルクマデスをアルテミスに渡す。
「ダーリン、これって?」
「ルクマデスって言う菓子だ。来太たちに教えて貰って作った。お前にやるよ」
「え?」
突然のプレゼントに、アルテミスはオリオンと渡された袋を交互に見る。
「ダーリンが?プレゼント?私に?」
「他に誰が居るんだよ。要らねえならマシュちゃんにあげるが──」
「ありがとう〜〜〜ダーリン!!すっっっっっごく嬉しい!!!」
オリオンが言いかけた瞬間、アルテミスは力一杯オリオンを抱き締めた。彼女の表情は、今まで以上に嬉しそうな笑顔をしていた。
「大好きダーリン!!大切にするね!!」
「いや食えよ!腐らせる気か!!」
「ダーリンからのプレゼントなんて勿体なくて食べられない!!」
「やれやれ」
「うんうん、やっぱり2人とも仲が良いな」
2人から発せられるとびっきり甘い空気が厨房全体に充満していく光景に、来太とデネブは暖かい目で見守るのであった。
◾️◾️◾️◾️
一方その頃、アステリオスはエウリュアレが居る部屋の前に来ていた。
「えうりゅあれ、いる?」
「アステリオス?何処に行ってたのよ」
アステリオスが部屋に入ると、エウリュアレがベッドの上で横になっていた。
「どうしたの?……あら?どうして手を後ろを隠してるの?」
「え、えっと」
アステリオスは緊張しながらも他にしているラッピング袋を不思議そうに顔を傾げるエウリュアレの目の前に差し出す。
「えうりゅあれ。こ、これ、あげ、る」
「これを私に?中を見ても良いかしら?」
「うん」
エウリュアレは受け取ったラッピング袋の封を開けて中身を見る。中にはアステリオスが作ったルクマデスが入っていた。
「へぇ、美味しそうじゃない。誰かに作って貰ったの?」
「ぼくが、つくった」
「貴方が!?本当に?」
エウリュアレは驚いた表情でアステリオスを見る。アステリオスはもじもじしながら答える。
「えうりゅあれ、の、ために、つくった。いつも、ぼく、と、いっしょに、いてくれる、えうりゅあれ、に、よろんで、ほしくて」
「アステリオス……」
緊張のあまり緊迫した表情をするアステリオスに、エウリュアレは優しく微笑む。
「ありがとう。とても嬉しいわ」
「ほんとう?えうりゅあれ、うれしい?」
「ええ。よく頑張ったわね、アステリオス」
「っ!うん!よかった、よかった!えうりゅうあれ、が、よろこんで、くれて……!!」
彼女からの感謝の言葉に、アステリオスは思わず涙を流した。そんなアステリオスに、エウリュアレは優しく抱き締める。
「もう、なんで泣くのよ」
「ご、ごめん、ね。でも、ぼく、うれしくて!」
「ええ。本当にありがとう……私のアステリオス」
泣き続けるアステリオスに、エウリュアレは泣き止むまで寄り添った。その姿は正に女神の様であり、子どもを優しく抱きしめる母の様にも見えた。
ライダークラスのアルテミスが実装される未来は来るのでしょうか?可能性は0ではありませんが……。
アステリオスとエウリュアレは見守り続けたくなる2人ですよね。第三特異点組の中でもトップで好きなキャラクターです。
来太さんのカフェ飯、次回のゲストは……
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セイバー・リリィ
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クー・フーリン
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