本企画『冬期H.S.F』主催者のka-主です。
湊友希那の作品を描きました。それでは……どうぞ!
「お待たせ、神楽」
「.......一体何をどうしたらその口からお待たが出るんだよ」
「うぐっ.......」
「心配して友希那のお母さんに連絡したら、まだ寝てる。それが待ち合わせ時間から30分後の事だ。そっから更に30分しても来ない.......まぁそこに関しては色々と言及しなかったけどさ?普通悪いと思うなら2度目の電話が来る前に家を出て然るべきだろ?なのに家を出てないは愚か、自室へ戻ったっきり降りてこないと聞かされたときは痺れを切らして友希那の家まで迎えに行こうか迷った。そしてさらに数分後…リサから近くの公園で友希那が猫と戯れてるって連絡が入った.......それに対して直ぐに待ち合わせ場所まで来てって伝えて軽く30分過ぎ…で、今に至る。1時間どころか2時間以上の大遅刻.......お待たせよりも先に、最優先して言うべき言葉があるだろ?」
「.......寝坊した上に、寄り道して2時間以上遅刻してごめんなさい、神楽.......」
今日この日ーーーー私、湊友希那は彼…大江神楽とデートする約束で、此処、羽丘駅で今から約2時間以上前に集合する事になっていたのだが.......
恐らく誰もした事ないであろう…。大切な日に2時間以上の遅刻を、私はしてしまったのだ。
寝坊の方は…神楽とのデートが楽しみで、私なりに色々とシチュエーションを考えてたり、当日着る服選びに迷ったりとで…結果、寝るのが当日の午前3時を過ぎてしまった。
アラームは…恥ずかしながら、その日に限って、設定し忘れてしまったの。
お母さんに起こされた時…私は急いで朝ごはんを食べて、支度をしに部屋へ戻ったの。その時…余りにもパニックになってたのか、選んでた服とは違うものを来てしまい…それを脱いで選んだ服を探して着る…と言う事をしていて、30分もロスしてしまった。
さぁいざ羽丘駅へ.......と思って走って神楽の元へ向かったまでは良かったの。そう.......『
その後は.......神楽の言った通りで、リサに言われるまで我を忘れてニャーんちゃん達と戯れていたわ。
だって…可愛かったんだもの.......。
「普通…急いでるなら服の着直しはまだしも…寄り道はしないだろ。リサに見つけて貰えなかったら…あと何時間その場にいるつもりだったんだ?全く…友希那はもう少し責任ある行動を心掛けてくれ」
「そ、そこまで言わなくても良いじゃない.......」
結果、神楽にこれでもかと言う位文句を言われ、挙句の果てに私が今しがた思ってた事を読まれたかのような追い討ち文句まで言われた。
でもホントに…申し訳ないって思ってるけど、そこ迄言う必要ないじゃない。
「いやある。2時間以上遅刻してくれたおかげでお前が前から行きたがってた所に行き損ねたんだ。こんな事がなければ、お前の望むデートが俺と出来た…違うか?」
「また私の心の中を…「まだ言うのか?」ごめんなさいホントに反省してるわ…」
私は、今にも泣きそうだった。
はぁ.......こんなことになるくらいなら、もっと前から準備をしておくべきだったわ。
そう思いながら、遂に縮こまってしまった私を見て、神楽は私の頭の上に手を置き、撫で始めた。
「はぁ.......ホントに反省してるようだし、そんな顔するなよ…。俺も少し言い過ぎた所あるし…今日のデート…実の所言うと楽しみにしてたのはお前だけじゃないんだ」
「.......え?」
「俺も…お前とのデート、楽しみにしてたんだ。だから…これからお前の行きたがってた所…じゃないけど、今からでも行ける所に行かないか?」
「許して…くれるの?」
「勿論。だからもうその顔は止めろ。お前には…笑顔が一番似合うんだから」
.......嬉しかった。やっぱり、神楽は優しい。普通の人なら今日のデートすらなかったことにするだろう。でも神楽は、許してくれるだけでなく、自分も楽しみにしてたと言ってくれた。それに…、私の不祥事をサポートするかのように代わりに行きたい場所まで考えてくれたのだ。
こんな幼馴染み…未来のdーーは絶対いない。
だから私はーーーー
「そうね.......行きましょ、神楽…!」
笑顔でそう言って、神楽と手を繋いだ。
かなり遅くなってしまったが、私と神楽とのデートが幕を開けたのだった.......。
━━━━━━━━━━━━━━━
駅から暫く歩いて、私と神楽は市街にあるカラオケ屋に来ていた。
カラオケ屋…Roselia結成前はちょくちょく通っていたけれど、最近はバンドの練習が主になってきたから、久しぶりに感じるわ。
「デートとして行くは場所としては正直粗末だと思うけど…どうかな?俺としては久しぶりに2人で歌いたいって思って此処にしたんだけど……」
「貴方とデートして行く場所なら、そこは決して粗末な場所なんかじゃないわ。寧ろ久しぶりに行きたかった位だから…感謝してるわよ?」
因みに、今私達がいる部屋は2人〜4、5人位で歌えるそこそこ広い部屋。内装も、私が通っていた所よりもオシャレで、それでいてシンプルな造りの為……神楽とデートと言うのに、落ち着いて居られる。
「そうか。そう言って貰えると嬉しいよ。それじゃ、早速歌う……前に飲み物頼も?友希那は何がいい?」
「そうね……あら、ノンアルカクテルなんかもあるのね?」
「そうらしいな。アルコールのものも種類豊富だが……未成年だからな?」
「分かってるわよ…ピンクのモーツァルトにしようかしら?」
私はそれなりに分厚いメニュー表を開いて、自分の飲みたいものを答えた。対する神楽は、私の答えに2つ返事で応えた後…コーラを頼んだ。
暫くしないうちに…2人の飲み物が届いた。神楽は、「少し手洗いに行ってくる」と言って席を離れている。
一足先に、自分の飲み物を一口飲んでみた。
「ん…甘くて美味し」
初めて飲むノンアルカクテルだが、口当たりが優しくて…飲みやすいと感じた。
「ん…馴染みのある味ね。それにしても……神楽はまだかしら?」
そんなに急かす訳ではないが、私としては早く神楽と歌いたいと言う気持ちが強かった。
(神楽の歌声…早く聞きたい♡)
心の中で、そう思っていると……
「おまたせ。…思ってた以上に店内入り組んでてさ、時間かかった」
部屋の扉が開き、少しやれやれとした表情で神楽が入ってきた。私は、貴方の為なら……幾らでも待てるわ……多分。
「大丈夫よ。飲み物も届いたから…飲んで早速歌うわよ?」
「そうだな」
互いにそう言って、グラスをぶつけ…飲み物を口にした。
その時私は…不意に微笑んだ。
「ん?どうかした?」
「なんでもないわ…早く、神楽と歌いたくて…///」
「そうか…なら最初はデュエットできる曲にするか」
(神楽ったら……なんて私想いなの…///)
密かにそう思いながら、私と神楽は、1曲ずつ曲を選んで……歌い始めたのだった……。
━━━━━━━━━━━━━━━
あれから2時間位かしら…?私と神楽はカラオケを楽しんだ。1曲1曲互いに歌い終える度に感想を言ったり、時に音楽の道を進んでるもの同士指摘し合ったり……歌ってる最中…遊び心が魔をさして合いの手を入れたり部屋にあった楽器でリズムをとったりと……兎に角利用時間終了の10分前になるまで私達は歌い続け、そして満喫したわ。
しかし……永遠に続いて欲しいその時間も、何時か終わりがやって来るもの。私達のいる部屋に、利用時間終了10分前の電話がかかった。
「神楽、終了時間10分前だけど……どうする?」
私は受話器を戻して、神楽にそう尋ねた。
それを聞いた神楽は「ふむ」と頷き、暫く考える為に目を閉じた。そして、目を閉じながら神楽は口を開いた。
「友希那は……どうしたいんだ?」
「私?そうね……」
今度は私が頷き、考える事になった。
あと10分……正直、満足する程互いに歌ったからそろそろお開きでも良かった。だけど……
(少しだけ……私の我儘を神楽がもし聞いてくれるのであれば、
私は再度頷き、口を開いた。
「なら、1曲だけ……私とデュエットして欲しい曲があるの」
「そうか。なら……何にする?」
そう言って、神楽は操作パネルを操作しようとした。
けど私は、それを制止させた。
「友希那……?」
「残念だけど……此処に私の歌いたい曲はのってないの」
「……?」
そう言った私に対して、神楽は訝しげな表情をした。まぁ、当然よね?此処で1曲歌いたいと言ったのだから……カラオケの曲を歌いたいと思うのが普通よね。
でも……私にとってはちがう。
私が歌いたい曲。それは……ーーーー
「『雨上がりの夢』……って曲を、歌いたいの」
「!?……結成前ーーーーいや、幼い頃お前が歌ってた、あの曲か?」
「!!……えぇ、そうよ私だけの曲。私達幼馴染みの、思い出の曲を……貴方と2人で歌いたいの」
覚えていてくれてたのね?とても嬉しいわ……♡
そう。その曲は、今から10年以上も前……私達3人が、お父さんにならってセッションをした頃に、よく歌った曲。
Roselia結成の為に、私がCIRCLEで来る日も来る日も……歌い続けた曲。
この思い出ある曲を……可能であれば貴方と2人で、久しぶりに歌いたい。それが……私の我儘だ。
「わかった……ならーーーー」
「ーーーーッ!?///」
「こうすれば、互いの耳元で、お前の作った音源を聞きながら歌える」
「そ、そうね……///」
何を思ったのか……神楽は、カバンからイヤホンを取り出して、私の携帯に差し込み、右側を自分の右耳に……左側を私の左耳に付けたの///
だから、自然と身体がゼロ距離……互いのか左肩と右肩がくっついた状態となったのだ。
「それじゃあ友希那……お願い」
「えぇ…///いくわよ。『雨上がりの夢』」
〜♪〜♪〜♪〜♪……
残り10分……とても、此処で満喫した約2時間よりも結意義で、至福の一時だった。
歌ってる最中……私の頭の中で、幼い頃の記憶がフラッシュバックした。
シロツメクサの咲くあの思い出の公園で、私と神楽。そしてリサの3人でこの曲をセッションした……懐かしくて、尊い記憶が。
歌い続けると更に……私の目の前で、その記憶が景色となって、めいいっぱい広がって……恥ずかしいけれど、涙が零れそうになった。
あの頃から……私達は変わって言った。互いに……良くも悪くも、変わっていった。
けどこうして、また貴方と出会えて……この曲を歌えて、とても、嬉しかった。嬉しくて……たまらなかった。
「「ーーーー……♪〜♪〜♪〜♪……。」」
互いの耳から、懐かしの音源が聞こえなくなった。
「ありがとう……神楽♡」
「あぁ。とても……懐かしかった。こうしてもう一度、お前と歌えて、良かったよ」
「そろそろ行こっか?」と、神楽が私の携帯からイヤホンを抜きながら私にたずねた。
私はそれに対して……「えぇ……」と応えて、手を繋いで部屋から出たのだった。
また何時か……今度は、リサと3人で……否。Roselia含めて6人で、この曲を歌いたい。そう、思いながら……。
━━━━━━━━━━━━━━━
神楽と共にカラオケを後にした私は今度は近くのファミレスに足を運んだ。互いに、そろそろ小腹が空いた為……万丈一致で、頭上に日が登る中2人でお昼にした。
神楽はエビカツバーガーのセット、私はパンケーキ。何時もライブの反省会で通うファミレスとはまた違った品揃えだった為と言うのもあるが、小腹を満たすと言うのが主だったから……少しだけ、選ぶのに時間がかかったわ。
2人で昼食をとってる最中、余りにも神楽が美味しそうにエビカツバーガーを食べてるものだから……1口だけ、頂いたわ。その後お礼として、私も自分が頼んだパンケーキを食べさせてあげた。
(周りのお客さんが、少し気だるそうにしてたのは……気の所為ね)
周りの様子が少し気になりはしたが、私達はお構い無しにお昼を食べて、ファミレスを後にした。
「さて……小腹も満たせたことだし、次は何処に行く?」
「そうね……?」
次に行く場所を考えた私の視界に、とあるお店が目に入った。
そこは、ゲームセンターで、普段1人では滅多に行かない所だ。
ましてや……神楽と2人きりでなんて、以ての外無かった。
「ゲームセンターなんて……どうかしら?」
「ゲームセンター?……ああ、彼処のね。いいよ、行こっか」
「ええ」
次の行き場所が決まった私達は、また手を繋いでゲームセンターへと足を運んだ。
「……くっ!もう一度よ!」
「ハイハイ……」
ゲームセンターに入って早々、私は目の前にあったUFOキャッチャーにあるニャーんchーー猫のぬいぐるみが欲しくてUFOキャッチャーにかれこれ30分以上その場に居続けた。
しかし……1回、2回……10回、20回……何十回やっても、あのぬいぐるみが取れなかった。何度か惜しい所までいって落ちて……また挑戦して落ちて……傍で見ていた神楽も半ば呆れ顔でその様子を見ていた。
「……もう!どうしてまた!」
「はぁ……これで49回目……まだやるのか?」
「当たり前よ!あのぬいぐるみが取れるまで……何度でも挑戦するんだから!」
「……たくっ、じゃあ一緒にやろ?それで出来なかったら諦めろ」
「……分かったわ。いくわよ、神楽!」
そして50回目の挑戦……気づけば私、5000円以上あのぬいぐるみ欲しさに使ってたのね……。今更だけどホントに、これで最後にしましょう。
「いいか?焦ってもろくな事がない。それがUFOキャッチャーだ。取りたい景品の状態をよく見て、アームを操作する」
「……取りたい景品……ニャーんちゃん……♡」
「集中力を乱すな……そう、もう少し……ストップ!」
神楽の指示でボタンを離した。前から見ればぬいぐるみの真上……後は前後のボタンで、ぬいぐるみの真上に来るように操作すればいいのよね……?
「なるほど……若干奥か、友希那?お前はボタンを押してる手と景品だけを見てろ。合図で押せ。もう一度合図したら……わかるな?」
「分かってるわ。これが……ラストチャンス!」
「よし、押せ……!」
神楽の合図。私は覚悟を決めてボタンを押し、景品と押してる手の両方を見た。そして押し始めて直ぐにーーーー
「!!ーーーー離せ!!」
(お願い!!)
神楽の合図でボタンを離した。アームは爪を開き、ゆっくりとぬいぐるみめがけて降りていき……下まで降りきった所で爪が閉じた。今度はしっかりと、ぬいぐるみを掴んでいる。
(上がり始めた……お願い!今度こそ!!)
そしてぬいぐるみをアームが持ち上げていき……穴に向けてゆっくりと進んでいく。
(いけ……いけ…いけ、いけ!!)
穴とアームとの距離が50cm、40cmと縮んで行く。
そしてーーーー
「「……ッ!!」」
私達は、景品が
そして……ぬいぐるみを私が手に取り……
「やった!やったわよ、神楽!!」
「ああ、50回目の正直で……よく頑張ったな、友希那!」
「えぇ!とても……嬉しいわ!♡」
(ふふふッ♡……ニャーんちゃん♡デートが終わったら、私の部屋でいっぱい遊びましょうね?)
心の中で、そう思いながら……30分以上も居続けたUFOキャッチャーから離れ……右手でニャーんちゃんのぬいぐるみを、左手で神楽の手を握って……UFOキャッチャーしかしてないけれど、私達はゲームセンターを後にしたのだった……。
━━━━━━━━━━━━━━━
景品を神楽と一緒に取れた余韻に浸りながら、私と神楽は街中を歩き回った。特にこれと言ったものがあった訳ではなく、ただただ散歩って感じだったが……神楽とこうして隣で歩いてるだけで、私はとても幸せだった。
そうして歩いて、かれこれ2時間程経った位かしら?ただ目的なく歩いていた私達は……知らぬうちにとある場所に着いた。
「幼い頃遊んでた場所が、今になっては小さく見えるって……こう言う事なんだな」
「そうね。でも、私達にとって……此処はそれ以上に思い出のある場所。違うかしら?」
「……そうだな」
辿り着いた場所は、幼い頃……3人で遊んだ公園だった。此処で神楽と出会って……リサと3人で遊んだり、セッションをしたりした。
私にとっては、それ以上に此処が思い出深い場所。けど神楽は……そうは思わないのかしら?
此処で過ごした思い出は……神楽にとっても、かけがえのないものの筈。なのに……何故そんなことを言ったの?
「つまり……だな。どれだけ俺達が成長して大人になっても、此処へ自然と足を運ぶ位この公園で作った俺達3人の思い出はかけがえのないものって事だ……」
そう言うと、何故か神楽は懐かしさ反面……何処か悲しげな顔をしていた。
どうして……そんな悲しげな顔をするの……?
(神楽の悲しげな顔……見てるだけで毎日辛くなってしまう……どうにか、出来ないかしら……)
「神楽……ッ!そうだわ!」
さっき迄楽しい時間を過ごして居たのに、沈んだ感じで終わりにはしたくない。そう思った私は、ある事を思い付いて、神楽の手を取った。
「ゆ、友希那?いきなり何を……」
「久しぶりに……この公園で遊ぶわよ、神楽!」
「えっちょっ……引っ張るなって……!!」
いきなりの行動に対して戸惑いを隠せない神楽を他所に、私は神楽と昔見たく此処で遊ぶことにしたのだった……。
確かに……神楽の言う通りね。あの頃は大きかった遊具が、今の私達にとっては小さかった。
だけど……神楽とこうして遊んでる時は、そんな事どうでも良くなるくらい楽しく、懐かしかった。
ブランコ、滑り台、砂浜……ジャングルジム。どれも昔は大きく見えて……今は小さい。それでも私は、そんな事お構い無しに神楽と遊んだ。
最初神楽はそれこそ乗り気では無かったが、次第に乗ってきた感じでーーーー
「神楽?次は鬼ごっこよ!タッチ。貴方が鬼よ♪」
「ハァ…ハァ……少しは休ませろ……っ、たく!直ぐに捕まえてやる!」
こんな感じで……さっき迄此処に来て暗い表情だった神楽だが、今はこうしてやっと乗り気になってくれた。
「タッチ!ハハッ!友希那は相変わらず足が遅いな〜!」
「言ってくれるじゃない!今度はこっちの番よ!」
案の定直ぐに捕まったが、余り悔しく無かった。寧ろ神楽が自然と笑顔になってくれて、私は嬉しかった。
だけど……一向に神楽を捕まえる事が出来ないのは、解せないわね!
「ハァ…ハァ……あ〜楽しかった!今でも鬼ごっこは楽しいものだよ」
「ハァ……ハァ……そ、そう……ね……。ハァ…ハァ……流石に走り過ぎたわ……」
結局……直ぐに捕まってから数十分経っても、私は神楽を捕まえる事が出来なかったら……けど。
「ハァ…ハァ……スウーー……ふぅ、漸く落ち着いたわ。ねぇ神楽?ちょっと彼処に行かない?」
「ん?滑り台の中……?いいよ?」
何とか息を整える事が出来た私は、神楽を連れて滑り台の中(半球になってて、内側が空洞になってる)へと入って言った。
「それで……此処に連れて来て、今度は何ーーんむッ!?」
「今度は何をするんだ?」と神楽が聞くよりも早く、私は神楽の唇を奪った。
「「ん……ちゅ……んちゅ……♡」」
5分位……神楽とキスをして、私は唇を離した。
「んはぁ……友希那、一体どう言うつもりだ?」
「ごめんなさい……でも神楽、漸く笑顔になってくれたわ」
「……!!もしかして……俺の為に?」
私はコクリと頷いた。
そう……さっき迄の遊びは、悲しげな顔をしていた貴方を笑顔にする為に行ったことだ。
「貴方には……悲しげな顔なんて似合わないわ」
「それ……昔俺がお前に言ってたな」
「覚えていてくれてたのね?そうよ。今日はとっても楽しい1日だった……貴方と2人きりで、とても幸せな時間を過ごせた……なのに貴方は此処へ来た途端暗い表情をして、私は胸が苦しくなった。だから、貴方と初めて出会った時に、貴方に言われた言葉を思い出して……こうしたのよ?」
「ありがとう……そして、さっきは済まなかったな。この公園のこと……何時か忘れそうで、怖くなっただけだったけdーーー「忘れさせないわ」ってうおっ!?」
貴方と初めて出会った場所……貴方とリサの3人で遊んで、セッションしたこの場所を……私は絶対忘れない。貴方が忘れそうになろうものなら……私がそうさせないようにする迄の事。
そう思いながら……神楽の言葉を遮って、私は神楽を押し倒した。
「神楽?私は貴方と築き上げた思い出を忘れたりなんかしないわ。勿論、この場所もよ?だから……今此処で、誓って頂戴?私達との思い出を、思い出の場所を忘れないって」
「ああ、ごめんな?さっきのは失言過ぎた……」
「……ッ///わ、分かってくれたなら……それでいいのよ///」
「ふふ、照れてる友希那可愛いよ?」
「か、からかわないで!///」
「「……ぷッ、アハハハハハハハハハハッ!!」」
神楽……やっぱり貴方にはその笑顔が1番似合うわ。
その笑顔……絶対に物にして、守って見せる。
この私が……ゼッタイニ……。
「今日は楽しかったわ、神楽♡」
「俺も……楽しかったよ。お前とこうしてデートできて、つくづく良かったと思う」
「そう言って貰えると、嬉しいわ……んちゅ♡」
そしてもう一度、私と神楽はキスをした。今度のキスは、神楽に感謝を伝える意味合いよ?
「んはぁ……そろそろ、帰るか?」
「そうね……もし良かったら……今夜泊まってかない?今晩は貴方と沢山お話したいの」
「……喜んで」
滑り台から出た私と神楽は、そう言葉を交わし……互いに手を繋いで、私の家へ帰ったわ……。
神楽。今日は……ありがとう♡
〜END〜
如何でしたか?
『青薔薇のベーシストはヤンデレなのか?』及び『青薔薇の少女達が紡ぐ病み物語:N』で活躍している大江神楽君と友希那のデート回でした!
他にもあと5人の参加者の作品が残っておりますので、どうぞこの後の作品もご覧下さい。
ka-主のマイページURL
→https://syosetu.org/user/297376/
『青薔薇のベーシストはヤンデレなのか?』URL
→https://syosetu.org/novel/250453/