キラキラ道場破りツアー☆   作:湯瀬 煉

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あけましておめでとうございます。

公式ぶっ壊れチートvs公式ぶっ壊れチート
ちなみにめだかボックスの18、21、22巻がなくて最後どうなったのか全然知らないんですよね、輪ゴム以外は。
ちなみに推しは安心院さんだ。だからもう先は知りたくないまである。


五条悟vs黒神めだか

 あるスポーツ選手が歴史的記録を出してから、次々に世界記録が更新されていくように。一人の天才棋士の爆誕からほとんど間髪入れず最年少天才棋士が爆誕するように。ある日ある時ある天才が生まれた事により、世界全体のレベルが段違いに引き上げられることがある。

 いわゆるシンギュラリティ。時代の始発者。

「君、女子高生? 他の子から頭抜けて天才とか言われるタイプでしょ」

 時代の始発点に立ち、『現代最強術師』と呼ばれている男──五条悟はいつもの軽薄な笑みを相手へと向ける。六眼と呼ばれる特殊な目は、相手の特異性を見抜いていた。異常、負荷、能力、どれでもあってどれでもない、その特異性を。

「そうだな。確かに私はよく天才だとか、優秀だとか、特別だなんて言われるよ。そこを否定するつもりは毛頭ないし、事実私は天才なのだろう」

 あるスポーツ選手が数年もの間、あらゆる大会で一位を独占するように。ある天才棋士が過去のあらゆる天才を蹴散らして圧倒的な戦績を刻むように。ある日ある時ある天才が生まれたことにより、世界に『絶対』が刻まれることがある。

 いわゆるシンギュラリティ。時代の滅亡者。

「そちらこそ。私など、そちらと比べれば子猫のようなものだよ」

 あらゆる天才を敗北させ、怪物と恐れられながら敵に愛された女──黒神めだかは凛とした態度のまま、相手と対峙する。気配で、感覚で分かる。あまりに規格外な、その能力を。

 戦闘狂ではない。だがしかし、自分と互角かそれ以上の敵との遭遇───。これに滾らない最強など、いるはずもなく。

「ま」

「まあ」

 最強呪術師(バーサス)最強生徒会長。

「勝つのは僕だけどね」

「私は負けんがな」

 ここに、激突。

 

 五条悟の高火力技は四つ。強化した無下限である『蒼』、反転させた無下限である『赫』、その両方を掛け合わせた『茈』、さらに領域展開『無量空処』。しかし『茈』ほどの大技となればタメは大きく、初手から全力で攻撃を行えるほどの隙はない。しかし絶対不可侵の術式、さらには精密な呪力操作を実現する六眼(りくがん)があるがゆえの圧倒的な呪力効率が、五条悟を最強たらしめる。

 黒神めだかに不可能はない。あらゆる異常性(アブノーマル)、あらゆる過負荷(マイナス)、スキルを見知っている範囲内で完成させた彼女の手数は無限に等しく、ただ圧倒的なゴリ押しであらゆる敵を蹂躙する。怪力、頭脳、文武両道に極まったステータスは確かに圧巻だが、五条悟のような概念防御能力を発揮する相手を正面踏破出来るかは不明である。

 初撃。黒神めだかの拳が五条悟に迫ると同時に、五条悟の蹴りが黒神めだかの腹部に直撃する。

「……がッッ!?」

 その蹴りはあまりに早く、そして何よりめだかを驚かせたのは、彼女の攻撃が相手に到達していない事である。確実に当たる軌道、速度であったにもかかわらず、直撃前に拳は停止し、不思議な手応えを感じている。その感覚を掴むより早く、女子高校生の矮躯は遥か後方数百メートル先まで飛ばされていた。

「一撃で決めるつもりで叩いたんだけど、硬いね。ギア、上げてくよ」

 めだかが立ち上がるより早くに五条悟は接近。頭を狙い正確に足を振り下ろす。

「ふむ……。やはりダメか」

自分の頭があった場所が砕け散るのを眺めながら、音もなく立ち上がりそれどころか回し蹴りまで繰り出していた黒神めだかは、ため息をこぼす。またもや回し蹴りは直前で停止してしまっている。

 百戦錬磨、既に格上との戦いに慣れすぎているめだかがそのタネを見抜くことは容易い。まして、他人の能力を見聞きするだけで完成させるほどの観察力ともあらば、五条悟の力の正体の八割は掴んだといって過言では無い。

 具体的には、停止する力と吸い込む力、そして弾き飛ばす力の三種と、それらの活用法について。『茈』のような掛け合わせや『無量空処』にまでは思い当たらないながらも、通常戦闘において問題ない程度に相手の手札を読めたことになる。問題は完成させる手段。既に完成しているといって過言では無い五条悟の『無下限呪術』を、黒神めだかがどう『完成』させるかがこの戦いの肝となる。

「バリアのような力ならば、()()ごと蹴り飛ばせるのだがな」

「なら、()()()()()()()──!」

 五条悟の言葉の次の瞬間。めだかの足を止めていた力が突如解除され、フルパワーの蹴りが叩き込まれた。おそらくは車ですら凹み、ぶっ壊れるほどの一撃を受けて、しかし最強は倒れない。逆に顔面目掛けての拳が叩き込まれ、さらにめだかは吹き飛ばされた。

「ほら。無限なら解いてあげるから、好きに打ってきなよ」

 五条悟は調子よく両腕を広げ待ち構える。

 これまでの攻撃を見て確信した。相手の打撃は強力だが、術師でいえばせいぜい一級程度。フィジカルのみでも圧倒できる相手である、と。

「……言ったな?」

 しかし五条悟は見誤る。確かに、黒神めだかの身体能力は一級術師程度。単独で国家転覆が可能なレベル(特級術師)の五条悟には遠く及ばない。しかし彼女の強みは人並み外れた身体能力ではなく。

「ふッッッ!!」

 叩き込まれた打撃そのものは大したダメージではない。しかし直後、五条悟の全身を、雷電が貫いた。

「──は?」

 術式、といえばそうかもしれない。これは放電体質を完成させることで実現した雷撃であり、黒神めだかの持つ能力のひとつである。五条悟が警戒レベルを引き上げ反撃に出るも、既に攻撃は届かない。それはまるで()()()()()()()()()()()()()、見事に回避し、死角から電気をまとった拳が五条を襲った。

 送信、受信──かつて立ちはだかった敵の持つ才能を、黒神めだかは完成させる。放つ電気の威力は倍以上に。そして受け取る感情はさらに鋭く、細かく。

 本来、送信する能力の方は電磁波を発生させるのみであり、他者を支配することに長けてこそすれ、人を感電死させるようなものでは無かった。しかしかつて自身に行使した自己催眠──自らの脳みそに電気信号を叩き込むという荒業を基に、攻撃性を高めることで、手指から放つ電気信号のみで十分な戦闘力を発揮するに至る。

 普通ならばこれで決着は着く。だがしかし、五条悟は翻弄されながらも全く膝をつく気配がなかった。

「固すぎる……!!」

「僕、最強だからね。これが続くならしんどいけど」

 めだかの拳を回避した五条が、指先を彼女へと向ける。呪力で防御を固めることで感電のダメージを最小限に抑え込み、大ぶりの一撃を待った。渾身の一撃を躱されためだかは硬直し、すかさず五条が繰り出したのは、無下限呪術の──

「術式反転、『赫』」

収束の反転、反発の赫。規格外の衝撃波と共にめだかの体が再度宙を舞った。

 黒神めだかは確かに、反発反応が相手の手札にあることを予想はしていた。対策もあった。しかしそれ以上に、五条悟の一撃は強烈だった。

 能力バトルは複雑なだけで実際、じゃんけんのようなところがある。能力の使用者、または能力そのものの弱点を割り出し、そこを重点的につつくことこそが必勝法であり、たとえ走攻守揃った完璧に近い能力があったとしても、完璧であることがそもそも弱点になったりする。どんなバトルも攻撃には防御、防御には攻撃をぶつけるのがセオリーであることに変わりはない。

 しかし五条悟は、そういう能力バトルの“お約束”の範囲外に生きていた。攻撃が規格外、防御も規格外、ゆえにどんな手段も彼まで到達しない。水をかけられても強すぎる炎は消せないように、明けない夜があるように、めだかの立てた優等で理論的な対策は、五条悟には通用しない。あらゆるじゃんけん(相性や弱点)を超えた規格外の完全性(つよさ)である。

 五条悟が再び宙を舞う。そして未だ空中にいる黒神めだかを、地面へと思い切り蹴り落とした。轟音と共に地面を転がる女生徒の姿を、最強の男は空から見下ろしていた。

「火力はまあまあ。さっきみたいな飛び道具が他にもあるなら無限は解かない方が良いか。

 まあどっちにせよ、次で終わる」

 黒神めだかの体が、地面にめり込んだ。深く、深くさらに深く──沈み込んでいく。液状化、ではない。ただ下に強く引き付けられる感覚があった。

「出力最大──術式順転『蒼』」

めだかの体が完全に見えなくなった直後、周囲の地面が一斉にめだか目掛けて収束。体を押し潰そうと迫る。そして次の瞬間────ぷち、という音が聞こえた。

「……終わりか。案外あっけないもんだな」

 着地し、肩を回す五条は、地面が圧縮された跡を眺める。自分ならば無下限による防御があるが、それすら無ければ圧死だろう。中にある死体は相当酷いことになるに違いない。背伸びをして背後を見た、その先に。

「確かにそうだな。人類最強の男の攻撃にしては随分とあっさりしたものだった。まだ全力を出させてやれてないと思えば申し訳ないことこの上ないよ」

同じように背伸びをしている、黒神めだかの姿があった。

「は? なんでお前……」

「さすがに脱出は不可能だったのでな。一度死んでから絶命を『無かったことにした』。ああ、案ずるな。もうやらん」

 黒神めだかが完成させたスキルのひとつ──過負荷(マイナス)の力。『無かったことにする』能力による横暴。五条悟と同じく、あらゆるじゃんけん(相性や弱点)を超えた規格外の負完全性(よわさ)である。

「あっそ」

同じ規格外。五条悟はすぐに切り替え、『蒼』でめだかを引き付け、呪力を込めた拳を顔面へと叩き込む。収束反応を利用した打撃は最速必中であり、逃れる術などありはしない。防御は無下限呪術で固めてしまえば、五条悟の一方的な攻撃が可能になるだろう。

「二度は効かん!!」

 しかし、めだかは耐える。能力や体質のようなものではなく、ほとんど気合いによる耐久だが、耐えたという事実が重要なのだ。無下限による防御は不可侵。不可侵『だからこそ』この攻撃は必ず──当たる。

 黒神めだかの前蹴りが五条悟の鳩尾に叩き込まれた。本当に呆気なく、攻撃が直撃したのである。

 言葉使い(スタイル)の逆説。不可能『だからこそ』可能とする脅威の能力である。無論、通用するかどうかは賭けだったものの、彼女は確かに、攻撃を叩き込むことに成功した。

「ははっ」

 重い一撃。想定外の一撃。ゆえに強く響いた。

「良いんじゃない?」

五条悟はギアを更に上げる。体術、無下限を用いた近接戦闘による制圧を諦め、さらなる高等技術──呪術戦の奥義を選択する。

 

「領域展開───」

 

 対抗手段はほとんど存在しない。殊に五条悟の領域は必中必殺な上に領域の練度が高く、領域勝負でもほぼほぼ勝機は無いだろう。

 

「──『無量空処』」

 

 発動した時点でほとんど勝ち確。しかし相手ならば何とかするだろう、という予感が五条にはあった。そして黒神めだかは、何とかする方法を既に思い浮かんでいた。後は実践のみ。そして既に、作戦は始動している。

 空から虫が落ちてきた。一匹のみ、ふらふらと。

不慮の事故で必中効果はこの虫に移ってしまったようだな。では私の番だ」

 領域展開後、術式は焼き切れ使用は困難になる。直感的にそれを理解しためだかは一直線に五条へ駆け抜け、攻撃を仕掛けた。

 最速必中必殺──複数のスキルを重ねた拳が五条悟の腹をぶち抜いた。

「……終わりだな」

 致命傷。確かな手応えがあった。

「いいや、まだまだ」

 しかし、五条悟はまだ止まらない。──反転術式。負のエネルギーである呪力を用いた治癒である。もはや蘇生レベルの復活を遂げる相手に目を見開くめだかを、五条悟は逃さない。強烈な蹴りが彼女の側頭部に叩き込まれ、後方へと遥かに蹴り飛ばされた。その間に、術式をも反転術式で完治させていく。

「……“九綱”、“偏光”、“烏と声明”、“表裏の狭間”…………」

 距離と時間は取れた。術式は万全。呪詞、掌印、それら一切を省略せず繰り出されるのは最大出力の──

「虚式『茈』───!」

収束、反発、二つの反応を掛け合わせることで発生する、仮想の質量。これが直撃した者は抵抗する間もなく消し飛ぶことになるだろう。

 決着の一撃。これに対し、黒神めだかは──

「攻撃は最大の防御。ならば、防御は最大の攻撃だ」

両手を広げ、相手の虚式を真正面から受け止めてみせた。ありえない光景である。しかし理屈は単純明快。

「無下限呪術──お前の力は、この世に遍在する無限を現実に持ち出し、“永遠に到達しない”状態を作るというものだ。正確には、“()()()()()()()()永遠に到達しない”、だろうがな。でなくば収束反応が起きん。

 しかし術式(のうりょく)の根幹は永遠に到達させないということだ」

 永遠に到達しない通常の無下限と、永遠に行動まで到達しない領域。どちらも“到達しない”という点は共通している。

「だがそれゆえに、お前は自分しか守れないし、攻撃は他人を巻き込む。それがお前の弱みだ」

 黒神めだかの真骨頂──『完成(ジ エンド)』。彼女は既に五条悟の手札を見たし聞いたしもう知った。ゆえに彼女の脳内で完成させてしまっている。

 事実──五条悟の『茈』はめだかどころか、地面すらも抉っていない。自分のみならず、広範囲の無限を用いて、『茈』はどこにも到達していない状態が作られる。

「──名付けて、完全版(ハイエンド)無下限呪術」

お返しに繰り出されるのは、五条悟の座標にピンポイントで叩き込まれる、必殺の出力の──

「虚式 『茈』──!!」

 決着の一撃。五条悟の体が、ついに崩れる。

「術師なら回復で何とかなる程度の傷には抑えたつもりだ。しかし決着は着いたろう。

 365日24時間、いつでも再挑戦は受け付けているぞ。それではこれにて」

 解散ッッ!!




めだかちゃんならやりかねないという気持ちと、めだかちゃんでも出来るかぁ? という二つの気持ちがあります。
しかしこうして戦闘書いてると、戦闘ロールとか懐かしくなるものですね。ベルンもそうだそうだと言っています。でもTwitterに復帰はまだまだ難しそうです。

呪術廻戦とシルヴァリオ要素が強すぎる気がするので、そろそろフリーレンとか空崎ヒナとか出したいんですが、こやつら死ぬイメージが湧かないでござる。
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