『私の相棒は猫舌でツンデレ属性である』Byファイズフォン   作:ボルメテウスさん

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木場とMr.J

 あまり人目につかない、人気のない場所。そこに二人の男が立っていた。

 

「……」

 

 木場は目の前にいる男をじっと見つめていた。

 

 先程まで、ライダーに変身していた人物である黒人の男性。

 

 その人物の名はMr.J。

 

 彼がどのような人物なのか、分からず警戒している。

 

『君は、なぜオルフェノクとして、人間を襲わないんだ』

 

 そう、Mr.Jが木場に問いかける。

 

「なぜって、そんなのオルフェノクだからと言って、人間を襲って良いはずはないでしょ!」

 

 木場は、そのMr.Jの言葉に反発するかのように言う。

 

 しかし、それに対してMr.Jは冷静な口調で言う。

 

『それはどうかな? 

 

 例えば、人間が私達の正体。

 

 つまりオルフェノクだと分かれば、どうする』

 

「それは」

 

 その言葉に対して、木場はすぐに口を開く事ができない。

 

『簡単だ。殺す。それも躊躇なく』

 

 そしてMr.Jは、淡々とそう言った。

 

『それが普通なんだ。

 

 それが当たり前なんだ。君だって、自分が襲われたら抵抗せずに殺されるのか?』

 

 その問いに対して、木場は何も答えない。

 

『私達は、むしろ慈悲深い方だ。

 

 オルフェノクが人間を殺しても、その者はオルフェノクとして生き返る可能性がある。

 

 だからこそ、オルフェノク同士の差別はほとんどない』

 

「ほとんどないって」

 

 そう言いながら、Mr.Jは、その身体をオルフェノクへと変える。

 

『人間は、肌の色で差別する。人種だけで差別する。オルフェノクには、それがない。

 

 肌も全員が同じ色。姿はそもそも別々だから差別するような対象はない。人種だって、同じオルフェノクだ』

 

「それは暴論だ! 確かに、俺達は、オルフェノクは人とは違うかもしれないけど……でも!」

 

 木場は、思わず反論しようとする。

 

 だけど、そこから言葉を出す事ができなかった。

 

 木場が、オルフェノクとして覚醒した時。

 

 それは、目覚めた時の絶望だった。

 

 従兄弟と恋人を殺した。

 

 そんな自分が何を言えるのか。

 

 いや、だからこそ言えるだろう。

 

「俺達が無理矢理オルフェノクにしたら、その人は無理矢理人殺しにさせるんじゃないですか。

 

 何よりも、あなたは、あの時、ペットショップの店主の為に戦ったじゃないですか。

 

 人間のペットショップの店長を」

 

 木場は、自分の中の気持ちを整理して、そう口に出した。

 

『……』

 

「俺達がオルフェノクだというのは変わりない。

 

 だけど、だからこそ、オルフェノクと人間が歩み寄れる事を諦めちゃいけないんです」

 

『……それは綺麗事だ。

 

 人間同士でも、争いを行うのに、オルフェノク同士なら分かり合えるなんて』

 

「それでも俺は諦めたくない。

 

 オルフェノクだろうと、人間であろうと関係ない。

 

 分かり合いたいと思うからこそ戦うんだ」

 

『それでは戦いは終わらないぞ』

 

「分かっていますよ。だけど、俺は諦められない」

 

『……』

 

 木場の言葉に、Mr.Jは、無言で立ち上がる。

 

『そうか』

 

「待ってくれ、まだ」

 

 そう言おうとしたが、既にMr.Jの姿は消えていた。

 

 それに対して、木場は無言で、その場で留まるしかなかった。

乾巧は

  • 草加を助ける
  • ミューを助ける
  • 2人を同時に止める
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