『私の相棒は猫舌でツンデレ属性である』Byファイズフォン 作:ボルメテウスさん
「さて、この状況はさすがに危険だ」
そう言いながら、私は、ここまでの状況を思い返す。
私とバディは、あれから草加雅人に対して、警戒していた。
その予想は当たっていたというべきか、奴は、園田真理と啓太郎が見えない所で、バディに対して敵対とも言える言動を取っていた。
おそらくは、カイザが言っていた心の底にある闇だろう。
だが、その警戒を余所に、予想外の敵と交戦した。
これまで戦った事のない、ロブスターオルフェノクとの戦い。
奴は、これまで戦ったオルフェノクとはどこか違い、555に変身していたバディをあっさりと吹き飛ばす程の力を持っている。
それによって、私達は河へと投げ出される。
その後の記憶に関しては、私は何もできなかった。
正直に言えば、耐水加工をしているとはいえ、下手に起動すれば、水が内部に入る可能性があった。
だからこそ、私は助けを呼ぶ事がすぐにはできなかった。
やがて、私が目を覚ますと、そこはどこかの廃墟だった。
「ここは?」
ふと、目が覚めると、そこにはバディが気絶していた。
近くには服があり、それを乾かしているようだが、一体。
「えっ、携帯が立っている」
それに対して、驚いた女性の声が聞こえる。
見れば、濡らしたハンカチがあるようだが。
「君がバディを助けてくれたのか?」
「はっはい、あなたは」
私の存在に対して、疑問に思ったのか、見つめる。
同時に私はすぐに彼女の正体が目に見えて分かった。
オルフェノク。
それも、オリジナルに該当する。
まさか、ここで敵と出会うとは。
そう思い、疑問に思ったが、同時に疑問もあった。
「君は、なぜバディを助けたんだ?」
「それは、その。
河で溺れていたので、思わず。
それで、すぐに休める場所を探して、ここで」
「そうだったのか」
その行動に、私は思わず目を見開く。
そう言いながら、私はすぐにバディを見る。
「とりあえず、今は危機を脱した。
本当に感謝する」
「そんな、私は、ただ、助けたくて」
「そうして、人間はすぐには行動できない。
とにかく、仲間にも連絡しなければな」
「仲間ですか」
それと共に彼女は少し暗い表情が見えた。
既に啓太郎に、こちらの場所を教えた。
「ここは」
「目が覚めたか、バディ」
「あぁ、なんとかな。
そっちの子は」
「君を助けてくれた恩人だ。
そして、オルフェノクだ」
「えっ、なんで、それを」
その言葉に、彼女は、目を見開く。
それと共に、その姿はオルフェノクへと変わる。
それを見たバディは少し目を見開くが。
「待ちたまえ。
私達は、君と敵対する気はない。
何よりも、バディの恩人を傷つけるような真似はしない」
「そうなんですか」
「あんたは、スマートブレインに入っているのか?」
「・・・違います。
私は」
そう言いながら、彼女は何かを思い出したように俯く。
「・・・良かったら、話を聞かせてくれないか。
俺達で良ければ」
「力になれるかもしれないな」
「でも」
「見ず知らずの人間だからこそ、言える事もあるんじゃないのか」
そう、ぶっきらぼうで、どこか思い出すように言う。
その言葉に対して、彼女はぽつりぽつりと、話し始める。
長田結花。
彼女の人生は、聞けば聞く程、その内容は信じられなかった。
養父母や義理の妹、さらに通っていた高校のクラスメイトからカツアゲに遭うなど陰湿ないじめを受けており、ただ一人のメル友が友達という孤独な生活をしていた。
そのメル友と会えるかもしれなかった矢先、歩道橋から転落し死亡、オルフェノクとして覚醒した。
オルフェノクとなった彼女は、ひき逃げに遭いかけた義妹の命を救ったものの、それが面白くない妹に濡れ衣を着せられて家を追い出され、ついに今まで自分をいじめていたバスケットボール部の部員を一人残らず殺害してしまう。
そして、そのまま養父母も後で殺害したらしい
行き場を失い途方にくれている所で、とある人物に助けられた。
その人物は、どうやらオルフェノクでありながら、人間を守りたい。
そんな思いで行動しているらさいい。
それには、私も、そしてバディも驚いた。
「なんというか、正直に言えば、信じられない内容だった」
「ごめんなさい、こんな話を言って」
「気にしないでくれ。
それにしても」
その話を聞くと共に、私が感じたのは、彼女の危うさだ。
今、彼女はおそらくは多くの人間を殺した。
確かに人間を殺したのは許してはならない事だ。
しかし、同時にそこまで彼女を追い詰めたのは、間違いなく周りの人物だろう。
彼女の、殺人衝動をここまで膨れ上げたのは、間違いなく周りの人間が起こした事だ。
機械の私からしたら、可笑しいかもしれないがな。
「・・・なぁ、聞きたい事がある」
「なんでしょうか」
「あんたは、人を殺したくて、殺しているのか」
「そんな事っ、ありませんっ。
私は、人を殺したくない。
人を好きになりたい。
けど」
おそらくは彼女の中にある長年積み重なった黒い衝動は、簡単には払えない。
それができるのは、まだまだ先だ。
「・・・だったら、約束してくれ。
もう、人を襲わないでくれ。
自分の命が危ない時以外は、やらないでくれ。
そうしてくれれば、俺は、あんたを絶対に助ける」
「っ」
その言葉と共に、彼女は走って行った。
それに、すぐに反応できなかったバディは、途方にくれる。
「俺、なんかまずい事、言ったのか」
「いいや、ただ、今の彼女には必要だと思う。
時間が」
「・・・そうだな。
俺自身もそうだからな」
乾巧は
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草加を助ける
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ミューを助ける
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2人を同時に止める