『私の相棒は猫舌でツンデレ属性である』Byファイズフォン 作:ボルメテウスさん
先日の一件もあってか、バディは以前よりも少しすっきりとした表情だった。
マスターは、店を畳んだ後、東京から別の所に元々移り住む予定だったらしい。
だからこそ、いや、おそらくはバディとマスターは2度と会う事はない。
だが、それは悲しい別れではない事を、私は信じていたい。
そして、その日の夜、私達は夜ではあるが、クリーニング屋の仕事の為、配達に出掛けた。
その際、啓太郎がこんな事を話していた。
「俺、ただのクリーニング屋じゃ駄目だと思うんだよね。
ただ、洋服を綺麗にするんじゃなくて、もっと色んな物を綺麗にしたいんだ。
皆を幸せにしたいみたいに」
「お前、今、自分で良い事を言っていると思っているだろ」
「茶化さないでよ」
そう、啓太郎はバディに対して言うが
「いや、良い話だと思うよ。
ただ、ちょっとな」
それと共に啓太郎の言葉に同意しながらも、どこか別の場所を見つめていた。
「・・・ふむ、それは人間で言う所の夢というのか」
「そうだよ。
俺、それが夢だからね」
「夢か。
機械の私にはあまり分からない事だ」
「そうかな?
機械でも夢を見る事はできると思うよ。
何かやってみたい事とか」
「それは目的ではないのか?」
「う~ん、それも間違っていないと思うけど。
どう言えば良いんだろうなぁ。
改めて、考えると、夢ってなんだろうね」
「人間が生きる為に必要な目的。
それとは、また違うのか」
「ファイズは、何かないの?
こう、叶えたい目標みたいなのが」
「私の目標か。
今の所は、そうだな」
その言葉に対して、私は、夢というのは、どう考えれば良いのか、分からずに首を傾げる。
その最中で出たのは。
「私と同じライダーズギアに会いたいかもしれない。
私は、製造されて、こうした意思を持つ事ができたのは、バディが初めて変身した時だ。
知識では、確かに知っているが、彼らが実際にどういう存在なのか」
「それって、兄弟に会いたいという感じ?」
「・・・どうなんだろうな。
もしも、私以外、意識もないただの機械ならば、私の存在意義は」
「・・・会いたいんだったら、会えば良いんじゃないのか?」
「たっくん?」
「お前が言ったんだろ。
俺にマスターと会わせたみたいに」
「バディ」
そう言いながら、バディは窓の外を見る。
「俺には、そういう夢なんて、ないからな。
お前達の気持ちがあまり分からないんだ」
「・・・そっか。
そう考えると、夢って、本当になんだろう。
俺は、夢を追いかけるのが生き甲斐だけど、別に夢が無くても確かに生きていける」
そう、車内では、あまりにも重い雰囲気があった。
その時だった。
「はぁ!」
啓太郎は、何か驚いた表情だった。
見ると、そこにはオルフェノクが人間を襲っている所だった。
「オルフェノク!!」
その言葉と共に、バディはすぐにベルトを腰に巻き、飛び出す。
「なんだぁ?お前は」
オルフェノクはすぐにバディの姿に気づいたようだった。
バディはその問いに、すぐには答えず襲われていた男に目を向ける。
骨を折られたのか、首がおかしな方向に曲がったまま、男はぴくりとも動かない。
すでに死んでいるのは明らかだった。
だが、気になる部分があった。
「なぜ、縄を持っているんだ?」
オルフェノクは人知を超えた存在であり、縄は必要ない。
むしろ、邪魔でしかないだろ。
「もしかして」
「アルバイトさ…クリーニング屋のな!!」
そうバディがベルトを巻いた瞬間、オルフェノクは襲い掛かる。
「うわっと、ちっ!!」
「ばっバディ、まさかぁ!!」
そのままバディは、私を天高く投げた。
「ケータイは投げる物ではない!!!」
私はそう言いながらも、瞬時に変形すると共に、変身コードを入力する。
「なんだぁ、今の声は?」
疑問に思いながら、周りを見るオルフェノクとは対照的に、バディはそのまま私が墜ちてくる位置に、そのまま立つと同時に
「変身!」
その言葉と共に、私はベルトへとすぽんっと収まり、変身する。
『バディ、このオルフェノク。
もしかしたら、まだ、人を殺していないかもしれない』
「あぁ、何を言っている?」
その言葉と共にすぐにオルフェノクの方へと目を向ける。
どのような状況か、分からない。
それでも、オルフェノクは既に戦う気はあるだろう。
『仕方ないか』
どちらにしても、戦いは避けられない。
同時に、オルフェノクが襲い掛かる。
素手で、武器がない様子は見て、分かる。
次々と拳や蹴りを放っていくが、それらはバディは簡単に躱してく。
その様子を見るだけでも、明らかに戦闘経験はない。
いや、むしろ、オルフェノクになった事すら、初めてに見える。
そう考えをしていた時だった。
「ふんっ!」
『バディ!
後ろからもう一体、オルフェノクが来ているぞ!』
「なに?」
聞こえた声と共に、見つめた先には、剣を持つオルフェノクがいた。
その見た目から、馬を思わせるオルフェノクであった。
私の声を聞いた、バディはすぐにその攻撃を避ける。
だが、同時に襲い掛かった衝撃。
555の装甲越しでも分かる程のダメージから考えて、目の前にいるオルフェノクの強さは、これまで戦ってきたどのオルフェノクよりも強い。
「こいつっ一体っ」
『バディ、すぐにコードを』
『461』
同時に、バディはすぐにファイズフォンにコードを入力する。
それと同時に、目の前に襲い掛かろうとしたオルフェノクに降りてきたのは、ドラム式洗濯機だった。
「なっ、なんだ、これ!?」
それは、オルフェノクからしたら、驚きを隠せなかった。
「今度はこれかよ!
どうするんだよ!!」
「とりあえず、手に取りたまえ!」
「あぁ、もぅ!」
それと共に、その取っ手に、ミッションメモリーをセットする。
同時に、その手に持った丸い部分は盾に変わる。
それを剣で攻撃してきたオルフェノクを反撃し、そのままもう一体のオルフェノクを蹴り飛ばした。
「あぁ、これ、どうすれば良いんだよ!!」
そう言いながら、すぐにアーマーのパーツを見る。
だが、それは、目の前にいるオルフェノクは待ってくれない様子だった。
「こうなったら、一気にやる!!」
『待て、バディ!
アーマーを着ないで、行うのは』
『Exceed Charge』
だが、その言葉を遮って、バディはその手にある盾をファイズガードシールドにエネルギーを流し込む。
巨大なエネルギーの刃となり、そのまま真っ直ぐとオルフェノクに向かって、体当たりを行う。
その一撃に対して、オルフェノクは、なんとその剣で対抗した。
ファイズギアの中でも攻撃力はあまりなく、防御として使われるファイズガードシールドだが、それでも並のオルフェノクでは耐えきれない。
それを真正面から受け止め、さらには
「はあぁぁ!!!」
反撃し、吹き飛ばした。
「ぐっ」
それには、さすがのバディも苦い顔をする。
同時に変身が解除される。
「たっくんっ大丈夫!!」
「あぁ、ぐっ」
傷が痛むのか、顔を歪ませる。
「啓太郎、バディのベルトからファイズショットを取り出して、私に装着してくれ」
「えっ、うんっ分かった!」
その言葉と共に取り出したファイズショットをそのまま分離し、装着する。
「着装完了!!」
同時に、私は周りを見渡す。
先程の攻防で、未だにオルフェノクがいる以上、暗闇の中から襲い掛かってくる可能性がある。
私は、そのまま周りを見ると共に、オルフェノクを探る。
その最中、オルフェノクのみが残すだろう足跡が見え、見つめる。
「逃げた?
どうやら、オルフェノクは、この場から逃げたようだ」
「そうなの?
良かったぁ」
「安心はしない方が良い。
すぐにこの場から離れよう。
あの馬のオルフェノク、これまでのどのオルフェノクよりも強い」
もしかしたら、今後、対峙する可能性が高い。
それと共に、私達はすぐにその場から離れていった。
乾巧は
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草加を助ける
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ミューを助ける
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2人を同時に止める