待っていたのか柱間ァ!(現代で)   作:駅員A

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対面! 仏間とタジマ

 記憶を取り戻したマダラはそれから毎日弟たちと遊び、時折柱間のいる川へ遊びに行き、と夏休みを満喫していた。

 そんなある日のこと。

 

「忍はいない、チャクラすらもない。こんな世界でどう生きていけばいいんだか」

「戦ばかりしてきた俺らだ。戸惑う気持ちも分かるぞ、マダラ」

 

 マダラと柱間は水切りをしながら人生について語り合っていた。

 持っていた石を見つめるマダラに柱間は語りかけた。

 

「俺らが切望した子供を激しい戦場へ送らなくともよい世界……それが今だ。俺とてあまりにも平穏な世にまだ慣れていない」

「能天気な貴様がか? そんな繊細な奴じゃねーだろ、お前は」

「む、なんぞその言い方は! 俺とて気にすることは沢山ある!」

「フン、ムカつく落ち込み癖もまだ治っちゃいねーようだしな」

「……お主とて、小便の時に後ろに立たれたら止まる癖……まだ治っていないのではないか?」

「なっ! うっせーな! 今は立小便をしない時代だ! そんな癖治す必要もねーよ!」

「厠のつくりは昔とそう変わらんぞ」

 

 からかう柱間に言い返すマダラ。

 次第に二人の言い合いが取っ組み合いに変わっていた。

 

「やっぱり俺らはこうでないとな! 柱間ァ!」

「時代が変わったとはいえ、俺も負けぬぞ! マダラ!」

 

 お互いに身体を鍛え直していた二人が忍組手をしていると、物音が。

 すぐさま離れ、体制を整える柱間とマダラ。

 そんな二人の前に現れたのは二人の少年だった。

 

「そこのおかっぱ野郎! 兄さんから離れろ!」

「兄者! 生傷が絶えないと思ったらやはり喧嘩していたんだな!」

 

 片方はイズナ、もう片方は扉間。

 突然あらわれた弟たちに兄たちは驚いた。

 

「イズナ、何かあったのか?」

「扉間もなぜここに?」

 

 尋ねる兄たちに弟たちは腕を組んで答えた。

 

「最近、兄さんが俺らを放ってどこかに行くから気になってついてきたんだ! この前なんて顔を腫らして来て、きっと悪い奴と会っていると思ったからね!」

「兄者がこそこそと隠れてどこかへ行っていたからな。どうせ捨て犬の世話でもやっているのかと思ったがまさかこんなデカかったとは」

 

 扉間の言葉にイズナが目を吊り上げた。

 

「おい! 兄さんを捨て犬と一緒にするな!」

「貴様も兄者を悪者と決めつけて何様のつもりだ」

「なんなんだよ、お前! どこ小だ?」

「木ノ葉第二小だ。貴様は?」

「木ノ葉第一」

「なるほど、第一小の者か。礼儀知らずなだけある」

「なんだと?! 第二は弱い奴の集まりだもんなぁ! お前はどっからどう見ても弱そうだ!」

「本当に弱いか……確かめてみるか?」

「上等!」

 

 拳を構える扉間とイズナに兄たちが声を張り上げた。

 

「扉間! そういう言い方はよせと言っておるだろう! 手を下げろ!」

「イズナ、そいつにあまり近づくな!」

 

 兄たちが間に入ったものの、弟たちはにらみ合っている。

 

「兄者、なぜ第一小の者と慣れあう?」

「兄さん、あんな奴と遊ぶより僕らと遊んでよ!」

 

 柱間もマダラも困惑顔だ。

 

「扉間よ、そのうち紹介しようと思っていたがマダラは俺の親友ぞ。お主もそのうち奴の良さが分かる」

「イズナ。勿論、お前らと遊ぶ時間だって大切だ。でもな、柱間はそこら辺の奴とは違う。俺が認めた男だ」

 

 言い聞かせる兄たちに扉間もイズナも不機嫌になった。

 

「親友? 奴の良さ? 兄者は何をのんきなことを……さっきも殴り合いの喧嘩を始めていたではないか」

「兄さんが僕ら以外を認めるなんて信じられない! なんか騙されているよ!」

「おい。騙しているのはそっちだ。兄者は人を信じすぎる甘さがある」

「兄さんだって都市伝説をすぐに信じるくらい素直なんだから!」

「兄者は甘いだけじゃなく、平気で夢を大声で言うバカなところもある」

「兄さんは俺たち弟に優しいのに自分一人で背負ってばかりでこっちが心配になるくらいの大馬鹿者だ!」

 

 だんだん逸れる弟たちの話を兄たちが止めた。

 

「扉間、そのぐらいにしろ」

「なあイズナ……俺のことディスってねーか?」

 

 柱間は堂々と、マダラは眉を下げながら。

 そんな兄たちに弟たちは反応した。

 

「兄者は甘い! 先ほどの喧嘩もそこのマダラとやらが吹っ掛けていたではないか!」

「兄さん! 僕は兄さんのことが心配なだけなんだよ!」

 

 うちはも千手も兄弟でわいわいガヤガヤしていたその時。

 兄弟たちがいた河原からそう遠くない茂みからガサッと音がした。

 しかも、それは二か所から。

 マダラと柱間はすかさず足元の石をそれぞれの茂みに投げた。

 

「どうやら考えることは同じようですな、千手仏間」

「のようだな、うちはタジマ」

 

 石を避けながら現れたのは柱間たちの父親である千手仏間と、マダラたちの父親であるうちはタジマ。

そんな父親たちが手に持っていたのはホームビデオ。

 どちらも最新式だ。

 これには子供らもびっくり。

 だが、いち早く次男たちが父を頼った。

 

「父さま! 兄さんがそこの変なおかっぱ野郎に殴られそうだったんだ!」

「父上! 兄者がまた怪しげな者に騙されかけている!」

 

 父親たちはビデオを構えたまま、うんうんと我が子の主張を聞いていた。

 

「いや、まず父さまたちが何やっているのか気にしろよ」

「父上、どうしてここにいるのだ……?」

 

 長男たちは訝し気な顔だ。

 父親たちがそれぞれ真剣な顔で答えた。

 

「柱間、我が子の成長という重大な情報、逃してはならん」

「マダラ、このカメラは光も闇もよく映す。我が子を映すのにちょうど良い」

 

 長男たちはこれ以上問いかけるのを諦めた。

 仏間たちもさすがにずっと撮り続けることはせず、ビデオカメラを下ろして次男たちに向き合った。

 仏間が優しい口調で扉間に言った。

 

「あの者たちはうちは一族だ。扉間、お前がよく家に連れて来るうちはカガミの親戚だ」

「カガミの……? 確かに名字は同じだが……」

「さすがの柱間もうちはに騙されるほど愚かじゃない。これからの千手を率いる男なのだからな」

 

 タジマはタジマでイズナの頭を撫でながら言った。

 

「イズナ、マダラはうちはの男だ。多少の傷は平気だろう」

「でも父さま……兄さまがあのおかっぱ野郎に会いに行くせいで僕らと遊ぶ時間が減ってるんだよ」

「遊ぶ時間が減ったとしても、マダラのお前たちへの愛情に変わりはない。安心なさい」

 

 弟が父親にたしなめられる光景にマダラも柱間も唖然とした。

 以前ならここで殺し合いが始まったというのになんだこのギャップは。

 長男たちの考えていることがタジマたちも分かったのか、少し気まずい顔に。

 

「柱間、扉間。そろそろ帰るぞ」

「マダラ、イズナ。こちらも帰るとしよう」

 

 弟たちは意気揚々と、兄たちは寂しげに父の後をついて行ったが、タジマも仏間も足を止め、お互いに振り向いた。

 そして両方が口を開き、

 

「「来週」」

 

 と声を重ねた。

 まさか話が被ると思わず、お互いにムッとした顔になった。

 

「そちらからどうぞ、千手仏間」

「いや、そっちから話せ、うちはタジマ」

「父さま。用があるならさっさと話した方がいい」

 

 マダラに促されたタジマが口を開いた。

 

「来週末に我が家ではバーベキューを予定しています。これも何かの縁。千手仏間、あなたのご家族を招待しましょう」

「父さまっ?!」

 

 突然の誘いに子供たち、特にイズナが驚いたがタジマは仏間の方を向いていた。

そして当の仏間もムッとした顔のまま言った。

 

「ちょっと待て。来週末は我が家も流しそうめんを予定しているから、うちは家一同で来たらどうだ」

「父上?!」

 

 こちらも扉間が咎めるような声を出したが仏間は意に介さない。

 そんな中、柱間が大喜びで言った。

 

「ならば今週は俺らがマダラの家に、再来週はマダラたちが俺らの家に来ればいいぞ! バーベキューに流しそうめん! どっちも楽しみだ! なあ、マダラ!」

「あ、ああ。楽しみが続けば弟たちも喜ぶ。どうだろう、父さま」

 

 柱間のパスを受け、マダラもぎこちなく父に伺ってみた。

 

「私は構わない。誘いを断るのは失礼に当たるから喜んで行こう」

「マダラの家はああ言っている。父上もそれでいいだろう?」

「少々、予定はズレるが……構わん。では、うちはタジマ。来週の正午に伺う。それでいいか!」

「ええ。お待ちしていますよ、千手仏間」

 

 こうして、兄たちは意気揚々と(マダラは隠そうとして隠しきれていない)、弟たちは不満げながら二つの家族は帰って行った。

 




 マダラとイズナが下の弟たちの突撃を受けている中、父と母はそれを見守っていた。

「おかえりなさい、あなた」
「ただいま戻りました。下の子らの面倒を見ていてくれてありがとう」
「三人ともお昼寝していたからそう大変じゃなかったわ」
「そうでしたか。……来週のバーベキューですが、千手仏間の一家も招待しました」
「あら! あなたのお友達の? とうとうこの日が来たのね」
「友人ではありません。マダラがあそこの長男と仲良くなっただけですから」
「ふふ……そうなの?」

 悪戯っぽく笑う妻の視線にタジタジになるタジマだった。
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