楽しんでもらえると嬉しいです。
ここは──────────────────。
ゆらゆらと揺れ動くバスの中で目を覚ます。
グイッと腕を上げ睡眠で凝り固まった体を伸ばす。
──かたい。
体が硬かったわけではない、服が硬いのだ。
目を下すと俺は見慣れない制服に身を包んでいる。ピシッと伸びきった新品の制服だ。
たぶん今日は入学式か何かなのだろう。
明確な根拠はないが何故かそう思える。
──―状況の整理を済ましていくうちに段々と頭が冴えわたり、自分の事を少しずつ思い出してきた。
そして分かったことがある。
俺は転生者だ。
──────────────────────────────────────────
ここまでのことを少しまとめようと思う。
俺の名前は
そして、最も重要なのはここが「ようこそ実力至上主義の教室へ」の世界であるという事。
何故かよく読んでいた本なのだが肝心な詳しい内容が思い出せない。
まるで虫食いに食われたようにこの記憶だけ断片的でまちまちなのだ。
詰まるところ神様はこの世界で俺を楽に無双させてくれる気はないということだろう。
まあ、俺自身純粋にこの世界を楽しみたかったからこれはこれでよかった気がする。
情報をまとめ終えた俺は新天地に向けて心を躍らせた。
バスが停車した。
俺は忘れ物がないか確認し席を立つ。
そしてどんな生徒がいるのだろうかとバス内を
他の生徒は気づいてはいないようで、このままだとあの生徒が入学式に遅れてしまうかもしれない。
──―仕方ない。
寝ている生徒に近づくと、その生徒のあまりの美しさに体が一瞬ぴたりと止まる。
サラッとした長い銀髪にモデルのようなスタイル、その体から放たれるオーラは一般人とは一線を画すものだ。
やばい、ただ起こすだけなのに緊張する。
とりあえず心を落ち着かせるんだ俺。
よし。覚悟を決めて銀髪美人に声をかける。
「おきてくださーい」
起きない。
「入学式始まりますよ」
まだ起きない。
刺激が足りないみたいだ。
その生徒の肩にそっとっ手を置いた瞬間────。
ぱちッ。
「誰だ」
「いや、寝てたから起こそうと思って」
「なるほど助かった」
そう一言いうと、つかつかとバスの出口に歩いていく。
「どうした。早く来ないのか?」
「あ、行きます」
呆然と立ち尽くしていた俺は銀髪美人の後を速足で追った。
校門をくぐると大学の施設と同等いやそれ以上の光景が目に飛び込んでくる。
この景色に圧倒されそうになるが、隣を歩く銀髪美人は目にも留めず歩いていくので俺も遅れずに付いていく。
なんだか、マイペースというか自信に満ち溢れていそうな人だ。
こんなことを考えていると俺はあることに気付いた。
こんな生徒が「ようこそ実力至上主義の教室へ」の世界にいただろうか?
そもそも記憶が正確ではないのだがいくら思い出しても主人公の周りにはこんな生徒はいなかったはずだ。
なら、作中に出てきていないキャラクターなのか?
よくわからないがとりあえず銀髪美人と話してみるのが最善だろう。
少し緊張するが。
「それにしても凄いですねここは。さすが日本政府が作っただけは──―」
「鬼龍院だ」
「へ?」
「それに敬語じゃなくていい」
「―ああ。俺は東雲だ。よろし──────ちょっと待て。今、鬼龍院って言ったよな?」
「? なんだ私の名前が気になるのか」
おかしい。鬼龍院は確か主人公たちの1つ上の学年だったはずだ。
なのに入学式にいるつまり俺は───────────────────────────
────1年早く入学したってコト?!
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『学生データベース(転生前)』
名前 東雲湊
クラス 1年A組
学力 B
知性 B
判断力 B-
身体能力 B+
協調性 C+
次からは分量をますので読みごたえがマストになるとおもいます。
名ダジャレ