え?どくポケモンが最強ですが??   作:のびうつぼ

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おこハチ〜!

「さて、と……行くかー!」

 

 朝日の照らすボウルタウン。

 町と外を繋ぐ道には、朝日に負けずとも劣らない輝きを放つ美少年が立っていました。

 この道の先には何が待っているのかと、期待に胸を膨らませる彼は一体誰か。

 

 ――そう、ボクである。

 

 この街でも色々……本当に色々とあったけど、それは一旦もらったバッジと一緒に旅のレポートにしまっておこう。

 ……決して敗北の記憶(忘れたいこと)から逃げているわけではない。ないったらない。

 え~と、宝探しを始める時にもらったこの『あんしんあんぜん! たのしいたからさがし!~著/クラベル・O・レンジ』によると、次の推奨ジムはハッコウシティの電気ジムか。

 ……クラベル校長、これツッコんじゃだめですか?

 だめですか、はい。

 ま、まぁそうだよね。宝探しを行う生徒の最低年齢は10歳。ニーズにあった素晴らしい学術書であると言えるだろう、うん。

 ……そう、学術書なのだ。

 いや、おそらく校長本人にはそのつもりはないだろうし、生徒でもちゃんと読んでなければこの本(?)の価値には気づかないだろう。

 この本には旅の中で遭遇しうるトラブルとその対処法が、あらゆる分野の専門家による監修のもとポップなイラストとふりがなつきで記載されている。

 例えばこの『ライドポケモンが背中に乗せてくれない場合の対処法~モトトカゲ編~』では、モトトカゲは猫型のポケモンを恐れる傾向があります。しっかりと絆を育んだモトトカゲである場合には問題ありませんが、まだであったばかりのころにニャオハ等を外に出して連れている場合、搭乗を嫌がる場合があります……と記載されている。

 このような超細かいポケモンの生態がたくさん載っていたり、周囲の動植物の様子からある程度の天候を予測する方法がかいてあったり、コラムとして季節ごとにみえる星座とその物語の概要がのっていたり……ととんでもなく多方面の知識が詰まっている。

 おそらく世界中でもここまで優れた”旅のしおり”は存在しないだろうと確信がある、それくらいすごい本なのだ。

 ちなみにこの『あんしんあんぜん! たのしいたからさがし!』はスマホロトムにはいっている電子書籍なのだが、762pあった。

 ……スマホロトムが開発される前はどうしていたんだろ。

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 電気ジムってことはあのナンジャモでしょ?

 ふっふっふ……このときをどれほど待ち望んでいたか。

 この時の為にずっと”仕込み”をしていたくらいには楽しみにしていたんだ。

 そーと決まれば乗り込むぞーーー! いざハッコウシティ!

 

□■□■□■□

 

「おはこんハロチャオーーー! ナニモンなんじゃ? ナンジャモです!」

 

『ナンジャモー! 待ってたぞーー!』

『おこハチ~』

『おはこんハロチャオ!』

 

「はいそこ! 勝手に略さない! ということで、今日もジムチャレンジャーくんとのコラボ配信、やっていこー!」

 

『今日はどんな子なんだろうな~』

『昨日はいたいけな少年を大人げなくボッコボコにするナンジャモちゃんが見れてよかった』

 

「チャレンジャーくんには申し訳ないケド、社会の厳しさを教えてあげるのもまた、大人の役目なのさ……ボクも心が痛むよ……よよよ」

 

『前々回はチャレンジャーくんにありえないくらいボッコボコにされるナンジャモちゃんがみれてよかった』

『まさか1体で全抜きされるとは思わなかったよね』

『その腹いせで罪もない一般チャレンジャーに当たるのは大人としてどうかと思うぞナンジャモ』

『恥ずかしくないのかナンジャモ』

 

「うるさーーい!! 関係ないもん!!」

 

『それにしてもあのハルトくんだっけ? めちゃくちゃ強かったな』

『あれはチャンピオンクラス行くかもね』

『ナンジャモとの絡みも超尊かったし、是非また出てもらいたい』

 

「はいはい、昨日は昨日、今日は今日だからね~。さて、それじゃあ改めて! 本日一人目のぎせ……挑戦者は~~? でけでけでけでけ……」

 

『今犠牲者って』

『まだ拗ねてるのかナンジャモ』

『ほんとよくないぞナンジャモ』

『まぁジムチャレンジは何度でも再戦できるし、ていうか本来はそうやって傾向と対策を繰り返して格上にも勝てるようになるっていうのが本来のジムの目的だし』

『たしかに、よくよく考えたらジムチャレンジ一発で合格できるのなんて1か月に1人いるかいないかくらいだもんな』

『だとしても言い方ってもんがあるだろナンジャモ』

『それはそう』

 

「外野うるさい! はいこの子! ばばーーん!」

「ど~も~、平日の昼間っから生配信をリアタイできる暇人のみんな~。ジムチャレンジャーのレンでーす」

 

『う”っ』

『初手火力ヤバイ』

『なんで一発殴った?』

『煽りよる』

 

「おおっと強烈なであいがしら炸裂! しかし正論過ぎて何も言い返せない悲しいみなのものなのでした」

「やっと会えた~! ボクずっとナンジャモさんに会いたくって~、このジムチャレンジ企画に出るのが夢だったんです~~!」

 

『ファンで草』

『なんだこいつかわいい』

『美少年過ぎてこの子の顔直視できない』

『なおさらなんで初手一回殴った??ww』

 

「お~! こんな美ショタのファンがいたなんて嬉しすぎる~~!! 鼻がダーテングだよも~~! ほれほれちこうよれちこうよれ~」

「いいんですか!? わ~い♡」

「わきゃ~~!! 役得過ぎる~~配信者やっててよかった~~~~! でへ、でへへ」

 

『通報した』

『おまわりさんこいつです』

『カメラに映しちゃいけない顔してる』

『ってまってやっぱりレンきゅん!?』

 

「およ? 知ってる方?」

 

『知ってるも何も……そうかついにか! 口を噤みます』

『おい気になる情報だけ残して黙るな!』

『てかこの子めっちゃ怪しげに笑って』

 

「ふふっ」

 

 ロト!

 

「にょわ!? レン氏!?」

 

『スマホロトム!?』

『この子のだよね!?』

『配信中にスマホ触るとかこれだから今どきの若い子は』

『いや……2人とのこの距離にこの角度……まさか……!』

 

「ふっふっふ……気付いた人もいるみたいだけど、もう遅いよ!」

 

『https:/〇〇□□△△』

『何このURL』

『コメ主「べのむんch レン」……ってもしかしてレン氏!?』

『レン氏のスマホロトムの画面がこっち向いて……カメラ? いや待って配信中!?!?』

 

「な、なになになにレン氏にがっちりホールドされてて画面見れてないんだけど何が起こってるのこれーー!? あっ撫でるの上手……」

 

『即落ち二コマで草』

『いやそれどころじゃないが』

 

「では改めまして……コホン」

「あっもう辞めちゃうの……? ってコメ欄大荒れだけど! スマホロトム!? って配信中ぅ!?!? なんじゃこりゃーー!!!!」

 

『リアクション100点満点かよ』

 

「ドンナモンジャTVのみんなも、ボク(・・・)の"べのむんch"のみんなも、見えてるかな?」

 

『おいおいまさかまさか』

『うおおおお! 待ってたよレンきゅんーー!!!』

『神 回 確 定』

 

「これから配信乗っ取り企画、"ナンジャモのジムチャレンジ受けてみた"の配信を始めまーす!」

「な、なんですとぉぉぉぉぉ!?!?!?」

みなのものの心(ナンジャモファン)、みーんなまとめて奪っちゃおうか!」

 

『うぉぉおおおおお!!!!!』

『あっ待って無理顔良すぎウィンクやばい』

『祭りだぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 

 

 

「あっナンジャモさんの事務所の方には既にご許可をいただいておりますので、もし懸念事項等ございましたらマネージャーにお伺いください(小声)」

「いえいえご丁寧にどうもありがとうございます。承知いたしました(小声)」

 

『おい生でするなww』

『裏でやれwwwww』

『台無しだよもうwww』

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