え?どくポケモンが最強ですが??   作:のびうつぼ

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最後、一部の文が抜けてしまってたので再投稿しました。申し訳ありません。(9/18/2025)

※今回のポケモンクイズは、ポケモン図鑑を元に解釈した独自設定が含まれております。


ナンジャモがなんぼのもんじゃ(本当の)(後編)

【3回戦! ポケモンクイズ:でんき!】

 

『もう最後かぁ』

『あっという間過ぎてやばい』

 

「でんきジムリーダーであるボクの得意分野! このまま逆転でとどめばり決めちゃうぞー!」

「はぁ……はぁ……やっと落ち着いてきた……」

 

 ほんとに、ほんとに死ぬかと思った……。

 おそるべきナンジャモにより生身で高速スピンを敢行されたボクの三半規管がやっとじこさいせいしてきたのを感じながら、改めて状況を振り返る。

 

 1回戦の「ポケモンクイズ:どく」では圧倒的な大勝利、情けまでかけたうえでの完勝だった。

 しかし続く二回戦の「ファッションセンスチェック」。己の恥もかなぐりすててゴスロリ女装でストレート勝ちを取りに行くも、ストリート系のイケメンファッションという己のオタクを的確に殺す”正解”をたたき出され敗北。

 ボクのかわいさと勝利のうれしさでハイになったナンジャモが暴走し、今に至るという感じだ。

 

 ふっふっふ、息まいてるナンジャモには悪いけど、ここは勝たせてもらうよ。

 

『レン氏にドヤ顔が戻ってきた』

『その恰好でふんすって胸張ってると、なんか背伸びしてる子供みたいでめっちゃかわいいな』

『元から背伸びしてる子供定期』

『それはそう』

 

 あっそうじゃん着替えてないじゃん。

 ……え? ちょっとまって。

 

これ(ゴスロリ)のままいくの?」

 

【折角着てもらいましたからね、今日はずっとそのままですよ】

 

「うそー!?」

 

 うぅ、一瞬だけだと思って我慢できたけど、ずっと女装となると……ちょっと、いやだいぶ恥ずかしいんだケド……。

 

「恥ずかしがってるレン氏……でへ、でへへ」

 

『はい犯罪者』

『目がヤバイ』

『わかるけども』

 

 ……さっきからナンジャモの視線が怖いし。

 

「も、もうわかったから! 早くクイズいこ!」

 

 何とかして皆の気を紛らわせないと……!

 

【そうですね、それではまずルール説明から参ります】

 

「ありゃ? 最初のと同じじゃないの?」

 

【は、今回は少しパターンを変え、問題文をすべて聞いてから答えをフリップに書いてもらい、同時に発表する形で行います。正解不正解をカウントしていき、全6問の正当数で勝者が決まります!】

 

『おー! いいじゃん!』

『早押しだと実際の知識の量ってよりいかに早くそれを引き出せるかになっちゃうもんね』

『ちょっとレン氏が強すぎた』

 

 ふふん、ルールを変えてしまう程強くて申し訳ない。

 

「ふっふっふ、長期戦を覚悟しておいてよレン氏!」

「これで負けたら本当に言い訳効かないけど大丈夫ですか~?」

 

『レン氏にキレが戻ってきたな』

『メスガキ♂がメスガキ♀になった』

『どっちも可愛いからよし!』

 

【どちらも気合充分ですね、それでは早速第一問!】

 

 さ~て、こっちはクイズってよりちゃんと問題になってるって聞いたけど、どんなのが来るか……。

 

【風を受けて発電し、1日に700kmもの距離を飛行するタイカイデン。そんなタイカイデンですが、カイデンから進化するにあたり、逆に苦手になったことがあります。それはなんでしょうか】

 

 ま、1問目ならこんなもんか。

 さらさら~っと回答を書き込む。

 横を見ると、ナンジャモも鼻歌交じりにペンを走らせていた。

 流石に”こんな”でもジムリーダーか。

 

『え、ちゃんとむず』

『進化なのに退化することとかあるんだ』

 

【お二人ともはやい! ではオープン!】

 

ナンジャモ”泳ぎ!”

レン”泳ぐこと”

 

【両者ともに正解です!】

 

『当たり前のように正解するじゃん』

『ナンジャモめっちゃドヤ顔でかわいい』

『逆にレン氏はこの程度わかって当然でしょって感じですまし顔だね』

『無表情ロリ……いい』

 

【サクサク行きましょうか。第二問!ピチュー、デデンネ、パモ、プラスル、エモンガ。今あげた5匹はすべてほおぶくろに電気を蓄えるという性質を持っています。この五匹を、ほおぶくろにためられる電力が大きい順に左から並べてください】

 

「む」

「ふんふん」

 

 うわぁいい問題。

 図鑑説明程度の情報量じゃ何W、までは記載されていないから結構な専門書を読むか、もしくはそのポケモンの特徴から予測しなくちゃいけないのか。

 

 流石にボクも専門外のタイプの各ポケモンが何Wまで貯められるのかなんてとこまでは知らないし……ん~~。

ピチュー、デデンネ、パモ、プラスル、エモンガかぁ。

 下から2匹は恐らく進化前のポケモンであるピチュー、パモ。中でもパモは掌で擦らないと発電できないくらいだし、パモ、ピチューの順だと思う。

 デデンネはどちらかというと発電というより他所から電気を持ってくるポケモンのだし真ん中じゃないかなぁ。

 エモンガとプラスルは……さすがにわかんないな! うん!

 こうげき、とくこうの強さ的に多分エモンガ……だよね?

 よし、書けた。

 

【レン氏、珍しく悩んでいましたがなんとか書けた様子です。では回答をどうぞ!】

 

ナンジャモ”デデンネ、エモンガ、プラスル、ピチュー、パモ”

レン”エモンガ、プラスル、デデンネ、ピチュー、パモ”

 

 んなっ! デデンネ!?

 ……あっそうか!

 

【おっと回答が割れました!】

 

「んなー! こんな簡単なひっかけに!!」

「おっとレン氏~? はりきりすぎちゃったかな~~?」

 

『えっなんでこの二人はもう勝敗わかってるの』

『全然わかんなかったけどイメージ的にはレン氏のほうがあってそうなのに』

 

【正解は……ナンジャモ!】

 

「いえーい!」

「ぐぬぬぬぬ……」

 

『うおおお!』

『レン氏からリードした!?』

『これあるのか!?』

『盛り上がる場所逆すぎる』

『完全にナンジャモがチャレンジャー扱いで笑うわ』

『まぁあながち』

 

【ちなみにですが、”発電量”順ならレン氏のが正解となります】

 

「そーだよなーーーくっそーーーー!」

 

 正直蓄電量なんてまったくわかんなかったからいっぱい発電できればいっぱい蓄電できるだろうって考えたけど、逆だった。

 発電できないからこそ(・・・・・・・・・・)貯める必要があったんだ(・・・・・・・・・・・)

 勿論発電量が多い程それをたくさん貯められるのは間違いない。だから他の順番はあっていた。

 けどあのデデンネ(ハムスター)はそもそもの生態から違う、貯めこんでそれを使うポケモンであることを忘れていた。

 んーー、悔しい。

 

「……よし、もう外さない」

「にょや!」

 

『レン氏のするどいまなざし!?』

『イケメンすぎでは!?』

『これにはたまらずナンジャモノックアウト』

『何回ひんしになるんだこいつ』

『誰かハカドック呼んでくれ、無敵になれる』

 

【ナンジャモ、勝利まで一歩リードです! では第三問!怒ったり危機が迫ったりすると爆発するポケモン、マルマイン。かれらが爆発する原理を述べよ】

 

 記述問題!?

 でも好都合、こういう現象の理由を考えるのは好きだからいろんなポケモンのを知ってるし得意分野だ。

 

『ナンジャモめっちゃ頭抱えててかわいい』

『まぁこういうのは明らかに苦手そうだもんな』

『公式覚えるのは得意でもその意味までは考えないタイプでしょ絶対』

 

「うぐ、そ、そんなことないもん!」

 

 ふっふっふ、悪いねナンジャモ。

 折角生まれたアドバンテージだけど、追いつかせてもらうよ。

 

レン”エネルギーを多く含んだ汗がストレスによって多く分泌され、電気をとおしにくいその汗が過電圧により無理やり通電された結果爆発する”

ナンジャモ”怒りのパワーでだいばくはつ!”

 

【レン氏、大正解!】

 

「ふふーん」

 

『へ~、あれ汗なんだ』

『普通に勉強になる』

『鼻高々すぎて鼻ダーテングなレン氏』

 

 あの汗が体内で発生する電気によってリニアみたいに高速で移動することであのスピードが実現されてるんだよね。

 でもそれがやりすぎると自分ごと爆発するってのは生物としてどうなんだマルマイン。

 

【追いつかれたナンジャモ氏、逆転を阻止できるか! 第4問!マルマインを飼育する場合、必要な資格をすべて答えてください。①でんきポケモン飼育資格3級、②危険ポケモン取扱者資格丙種3類、③爆破物プロフェッショナル、④ジムトレーナー資格:でんき、⑤特別高圧電気取扱者資格】

 

 え、わかんなすぎる。なんだこれ。

 こういうシンプルな暗記系ちょっと苦手だなぁ……もっと勉強しないと。

 でもひとつひとつの資格は知ってるやつしかないし、冷静に考えれば導ける筈。

 

「あっれ~レン氏、手が止まってるぞ~?」

 

『煽りおる』

『こっちもメスガキだったか』

 

 さらっと書き上げたナンジャモを素直に尊敬しつつ、心を乱されない様集中する。

 まず①の”でんきポケモン飼育資格3級”はかなり簡単な資格だ。該当ポケモンはライチュウ等3段階目の進化ポケモンの一部やレアコイルといった、少し周囲への影響が起こりうるポケモン。あった方が何かと便利ではあるが、別に無くても飼えはする資格。つまりこれはバツ。

 次に②”危険ポケモン取扱者資格乙種2類”。これはボクも持ってるやつ。

 強い毒性を持つポケモンや高温の炎を常に出しているポケモンのように文字通り知識無しの飼育では危険が伴うポケモンを連れるのに必要な資格で、たしかマルマインも入っている爆発物系が2類だった記憶がある。

 ③の”爆破物プロフェッショナル”はポケモンを業務に用いる場合に必用な資格で、日常生活を送る分には不要だった……はず。

 続いて④の”ジムトレーナー資格:でんき”。たしかにマルマインは放っておいたら爆発したりするかなり危険なポケモンではあるが、流石にジムリーダー資格がないと飼育してはいけない、なんてことはないはず。そうでなきゃマルマインは一地方に3匹もいればすごい方、みたいになってしまう。

 最後の⑤”特別高圧電気取扱者資格”は7000V以上の電圧を用いる場合に必要な資格なんだけど、機械ではなくポケモンの発生させる電圧ならば70万V以上だったかな? こうしてわざわざ機械とポケモンで基準を分けたのは全部でんきポケモンのとある標準技(10万ボルト)が原因なんだけど……やっぱあの技無資格でぽんぽん撃っていい技じゃないよ絶対。

 それはともかく、マルマインが爆発を起こす際に係る電圧は流石に70万は言っていなかったはずなので、これもバツだろう。

 つまり正解は……②のみ!

 

【かなりの長考でしたがレン氏、無事に書けたようです。それでは回答オープン!】

 

レン”②”

ナンジャモ”②、③”

 

「え?」

「あっ」

 

 あれ③って必要だっけ!? いや爆発物プロフェッショナルはキラーメとかマタドガスも該当してるから持ってるし、いるのは業務だけのはず……。

 

【おっとまたまた回答が割れました!】

 

『これどっちだ!?』

『顔的にはナンジャモがよりやべって顔してるけど、レン氏もちょっと不安そう』

 

【正解は……②のみ! レン氏正解です!】

 

「いやったーーーー!!」

「やらかしたーーーーーーー!!!!」

 

『うおおおお逆転!!』

『あんだけ煽ってたのに』

『これは恥ずい』

 

「あれ? あれあれあれ~?」

 

『レン氏が水を得たコイキングのようだ』

『頭の上に王冠が見える』

『口みたいな栗しやがって』

 

「おててを動かすのは速いみたいですけど、速すぎて手元狂っちゃったのかなぁ? まさかとは思うけど、電気ジムリーダーともあろう方がシンプルに間違えた、なんてことあるはずないもんね~? 書き間違っちゃったんだもんね~?」

「ぐぬぬぬぬ、ぐぬぬぬぬぬぬ、ぐぬぬぬぬ」

 

『ぐぬぬ川柳すな』

『名句が生まれたな』

『ポケバトに送ろう』

 

 いや~よかったよかった。

 デデンネでポカした時はどうなることかと思ったけど、何とか逆転できたね。

 

【それでは最終問題!】

 

 今はボクが一問分リード。これならもしこれでボクが間違え、ナンジャモが正解したとしても同店だから、ボクの負けは絶対にありえな。

 

【この問題に正解した方には、なんと10万Vならぬ10万ポイントが与えられます!】

 

「はぁぁぁぁぁぁぁああぁ!?!?」

「なんですとぉぉ!?」

 

 なんでだよ!! いやまぁ定番だけど!!

 

「これはでんきショックどころかかみなり級の衝撃だね! レン氏!」

「急にイキイキしてきたじゃんか! いやまぁなんとなく予想はしてたけれども!」

 

 実際に喰らうと……むかつく!

 ……ま、別にいいけどね。

 

「ふん、どっちみちボクが外さなきゃナンジャモさんが勝てないことは変わらないんだ。精々10万と1ポイント差で負ける準備をしとくんだね」

「レン氏こそ! 9万9999ポイント差で負けてから吠え面かかないでよ!」

 

 なんかカンストしてるみたいでやだな、9万9999ポイント差。

 

『う~ん、この……争いは同じレベルのものでしか発生しないと言うか』

『同じレベル(100Lv)』

『やってることはめっちゃすごいのに言ってることはずっとかわいいんだよな』

 

【それでは最終問題です! 海の星とも例えられるランターン。彼らが頭のちょうちんから放つ光は5000mの深海から水面まで届くといわれています。では地上が街灯の一切ない曇った夜、つまりほぼ完全な暗闇であると仮定した場合、光を水面から観測する……つまり1ルーメン以上の光量で届けるには、ランターンは何ルーメンの光を出せばよいでしょうか】

 

『なんて?』

『わかるかーーーー!!!』

 

「これが最終問題……?」

 

 光量の計算……ってこれじゃあでんきポケモンクイズじゃなくて物理の問題じゃないのか……?

 ほらみなよナンジャモの顔。

 

「ほへ?」

 

 ヤドンよりアホそうだ。

 ま、まぁ好都合ではあるか。こんなの計算の仕方さえ知ってれば誰でも解けるし、ナンジャモはそれを知らなそうだ。

 えっと、水中での光の減衰率は100m毎に100分の1、つまり水深÷100のn乗分の1……100の50乗分の1!? おいおいまってよこれじゃあ星が干上がる量の熱量が発生す……あっそういえばこの計算前にもやったことが……。

 ほわんほわんほわん……(回想)。

 

『ジニアせんせー、何度計算してもランターンの光で星が滅亡しちゃうんですけど、これってあってます?』

『あはは、懐かしいなーランターン問題。昔はマグカルゴ問題と合わせてポケモン2大問題なんて言われて、永遠の謎扱いだったんだよ』

『へ〜、初めて聞きました』

『解明されたのは結構最近なんだ。たしかに通常光は水中だともの凄い勢いで減衰していく。しかしランターンの光はちょっと特殊でねぇ……あの光は、空気中よりも水中の方が伝わりやすいっていう性質を持っていて』

 

 水中においてランターンの灯りは、100m毎に1ルーメンしか減衰しない……!

 

 ほわんほわんほわん……(回想終了)。

 

「そっか……そういえば……!」

 

 はっはー! この勝負もらったー!

 

『レンきゅんが勝ち誇った顔に!』

『”理解”ったのか! レン氏!』

『ナンジャモはどうだ!』

 

「うむむむむむむむむむ……ぱひゅう……」

 

『ダメだー!』

 

 なるほどたしかに最終問題にふさわしい良問題じゃないか!

 一件ただの計算問題に見えて、その実様々な分野への広い教養とでんきポケモンに対する深い知識の両方を問うている。

 

「むぅ……あっそういえば!」

 

 お、ナンジャモも気付いたかな。

 でもこれ、どっちだろうな……光の減衰式か、はたまたランターンの光の特徴か。

 ふむ、ちょっと試しにカマかけてみるか。

 

「ナンジャモさん、ボクももう書き終わったし、ここから変えたりもしないからさ、みなのものにヒントとかあげてみる? もうわかったんでしょ?」

「お~! レン氏冴えてる~! それじゃあ全然わからなくて困ってる皆の者に、かしこいかわいいナンジャモちゃんからないしょばなし!」

 

 ふっ、ちょろい。

 

「みなのもんは~、水中で光がどれくらい進むかしってる? それと、答えは超巨大マックスな値になったよ!」

 

 にやり。

 

『見逃さなかったぞ俺は、レン氏がとんでもなくあくどい笑みを浮かべたことを』

『ナンジャモ気付いてー!』

 

「ふっふ~ん、ボクってばやっさし~、こんな大ヒントあげちゃうなんて、みなのものにとってボクはデンリュウの如き灯台になってるだろうな~」

 

『だ~めだご満悦』

 

【それでは正解発表に参ります! これで勝てば10万ポイントです! 回答オープン!】

 

ナンジャモ”100の50乗ルーメン!”

レン”50ルーメン”

 

「「ふふん」」

 

 お互い自分があっていて当然だと自慢げだ。

 ふっ、かわいそうなナンジャモ、略してかわいそうナンジャモだね。

 

『こんっな真反対なることある??』

『でもどっちもドヤ顔だ』

『どっちがあっててももう片方は相当恥ずかしいぞこれ』

『5000mから50ルーメンぽっちで届くわけなくね?』

『スマホロトムのライトくらいだぞ50ルーメンって』

『でもナンジャモの方もなんだこの……何?』

『いくらなんでもバカの数字すぎるだろ』

 

「おいバカってなんだ! れっきとした物理だぞ物理ー!」

 

 まぁこの星の水分がすべて蒸発するくらいの光量だから、間違いなくバカの数字ではある。

 ただ本来はそのバカの数字が正しいというのも確かな訳で……5000mってすごいなホント。

 

【それではこの最終問題を受けて、第三回戦の勝者となったのは……】

 

「でけでけでけでけ」

「だかだかだかだか」

 

『ここまでで一番軽やかなドラムロール』

 

【レン氏ーーーーーーーーーー!!!!!!!!】

 

「ひゃっほーーーーーーーーい!」

「なんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」

 

【では改めお二人の獲得ポイントの発表です、ナンジャモ氏、2ポイント。そしてレン氏10万3ポイントです】

 

『こwwれwwはwwひwwどwwいww』

『点差やばすぎて草こえてハードプラント出た』

『超えすぎだろ』

『わかるけども』

 

「ちょっとなんでなんでなんでー! 水中の光は100mで100分の1になるって昔アカデミーで習ったもん! ランターン問題って!」

「あれ~? ナンジャモさん知らないの~?」

 

『ランターン問題?』

『なんとなく朧気に聞いた覚えが……』

『あーーーーそういえば確かに昔学校で習ったわ』

 

「それ、もう解明されちゃってるんだよね~! あっでも、最近のことだからおばさんは知らなくて仕方ないか~~~!!」

「くぁwせdrftgyふじこlp」

 

『ナンジャモーーーーーー!!』

『はいライン超えた』

『そりゃ10歳からしたら全員おじおばだろうよ』

『哀れナンジャモ、骨は拾ってやるからな』

『これが……ジェネレーションギャップ……!』

『そもそもランターン問題ってなんだよ無学な俺を置いていかないでくれ』

 

「ランターン問題っていうのは物理学の公式に当てはめた時、推進5000mから水面まで届くほどの光を生み出した際に発生する熱量で海がすべて蒸発してしまうはず……けど現実海は干上がっておらず、間違いなくランターンの光は深海から地上まで届いている……っていう未解明の謎だったものだね」

 

【レン氏のいうとおり、2年前まではナンジャモ氏の回答が正解でしたが今ではランターンの光の仕組みが解明され、水中に限り100mに1ルーメンしか減衰しないことがわかったのです】

 

「逆に空気中ではかなりの勢いで減衰……たしか100mで10分の1だったかな? するから大きな光を出してもトレーナーが失明することはないのさ」

 

『はえ~』

『勉強になるな~~~』

『もしかしてマグカルゴ問題の方も解決されてたりする?』

 

「いやそっちは全然まだ。ほんっとになんでなんだろうねあれ」

 

 かつての2大問題、今では唯一にして最大の謎となったマグカルゴ問題というのは、体表温度が2万度にもなるマグカルゴは存在しているだけでこの世に天災を巻き起こす……筈なのだが何故か外への影響は暖炉にいてもらうと部屋中があったかくなる程度のものであり、しかし体表温度を測ると確かに2万度を示す……というものだ。

 大体なんで2万度が測れるんだよ。一応計器の測定上限が理論上3万度だから測れてはいるけど、2万度の液体に触れてマトモでいられる素材なんてまだできてないぞ。

 ……ホントに謎だ。いつか絶対ボクが手ずから解き明かしてやる。

 

 閑話休題(それはともかく)

 

「ナンジャモさん? 負けちゃいましたね〜、こ〜んな小さな子供に♡ それに専門の筈のでんきタイプで……私、心配です……こんなザマででんきジムリーダーを名乗って恥ずかしくないんでしょうか……あっそうだ! なんなら私が変わってあげましょうか? ジムリーダー♡」

 

『この女装っ子容赦というものを知らない』

『泣きっ面にスピアーとはこのことか』

『明らかに悪意あるき踏んだりローキックだろ』

『泣きっ面にローキック』

『鬼すぎる』

 

「こ、こここっこ……」

「こ?」

「これで勝ったと、思うなよおおおお!!!」

 

 あ、逃げた。

 

『ジムリーダーの姿か? あれが』

『芸人としては百億万点だよナンジャモ』

 

 去っていくナンジャモの背を見つめながら、ふぅとなんだかんだずっと張り詰めていた息を解放する。

 

「くっ、ふふふふっ……」

 

 あ、やばい。落ち着いたら笑いが込み上げてきた。

 まぁもういいだろう……よし。

 

「あはははははっ! やったーーー!!勝ったぞーーーー!!」

 

 やばい! めっちゃ嬉しい!

 見てるかみなのものーー! 乗っ取り企画大成功だぞーーー!!

 あはは! テンションの上がり方がやばい! ピースしちゃお!

 

「いえーい」

 

『おっほ天使』

『そんな笑顔も出来んのかよレン氏ぃ!』

『歯を見せて笑うの、純粋さ全開で大天使が背に見える』

『落ち着けその天使腹の中真っ黒だぞ』

 

「むぅ、なんてこと言うのさぁ」

 

『あ〜あ〜、みなのもののせいでレンきゅんむくれちゃったじゃーん』

『ちょっと男子ぃ』

 

 みんなもノリノリだ。楽しー!

 宝探し開始の前からチャンネルを作って着々と準備してきてよかったーー、完全勝利の大成功だ!

 

「……ふぅ」

 

 さて、と。戦勝ムードも一旦ここら辺にして。

 

「みんな忘れてない? ここまでの3本勝負はあくまでも前哨戦」

 

 もちろん大いに盛り上がって嬉しいのは勿論だけど、ボクがスキップしたジムチャレンジの代わりでしかない。

 なら(・・)ここからこそ本番だ(・・・・・・・・・)

 ナンジャモの去っていった方向を改めて見やり、確信する。

 まったく、あの人はほんっと完璧なエンターテイナーだよ。

 

「それじゃ、行こっか」

 

 にっと、これまでともまた違う笑みを浮かべ、一言漏らす。

 うん、我ながら完璧だ。

 え、なんで完璧って分かるかって?

 そんなのヒトカゲの尻尾を見るより明らかじゃないか。

 

『そっか!!! ここからが本番だ!!』

『うおおおお!!!! このままいけーー!! レンきゅんーーーー!!!』

『ナンジャモーー!!! 意地見せろーーーー!!』

 

 1歩、1歩と靴音を響かせながら、目的地へと向かう。

 靴音の示す行き先は、光の街ハッコウシティにおいて一際輝くセンターコート。

 街の灯り程度では負けてしまう宝石の煌めきを照らすためのスペシャルステージ。

 

「幾らボクらが眩しくっても、瞬きなんて許さないから」

 

 少しずつ見えてきたセンターコートに、堂々と佇む王者(ジムリーダー)の影が見える。

 

「もうクライマックス? はっ! 馬鹿言うなよ、ようやく始まったんだ!」

 

 あれだけ気になっていたコメント欄ももはや目に入らず、少しずつ縮まる彼我の距離を、1歩踏み締める度に強烈な電撃を浴びた様にビリビリと震える空気を感じる事だけに脳のキャパシティが全て振り分けられる。

 

「脳のスパークを感じろ! 心に落ちるかみなりに震えろ!」

 

 そして、ついにセンターコートを挟んだ彼女の対岸に辿り着く。

 バチン、と。

 彼女と目が合った瞬間、たしかに目線の真ん中で火花が散る感覚を味わった。

……なんでだろう、もうずっと一緒にわちゃわちゃと話した筈なのに、漸くナンジャモと本当に出会えたような気がする。

 不思議と沸いたその感情があったからこそ、ナンジャモからかけられた言葉に、驚かされた。

 

初めまして(・・・・・)、チャレンジャー!」

 

 あぁ、そっか……君も同じ気持ちなのか。

 その見開かれた目に、その釣り上がる口に、全身から迸る電流のような闘志に、こちらもまた、燃え上がらされる。

 やっぱりジムリーダーになんてなるやつは、みんなポケモンバトルという悪魔に魅入られた狂信者なんだろう。

 ……ボクと、おんなじだ!

 

「行くよ! ジムリーダー!」

「ふひひっ! かかってこい! チャレンジャー!」

 

 さぁて、盛り上がっていこうか!!

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