ちょっとミアレで友達の借金返してまして、、、タウニーって言うんですけど。
「うっうっ、ナンジャモはちょっぴりピンチで泣きそう!」
「さっきめそめそ泣いてたじゃん」
「レン氏しーーーっ! じごくづきするぞ!」
「黙らせる手段物騒過ぎない?」
口では大慌てなナンジャモだが、手は淀みなく腰のポーチへと伸びている。
……全然泣きそうじゃないじゃないか、演技上手め。
「ふひひっ、ぞれじゃあ逆転劇、はじめちゃおっか! みなのものー! 弾幕の準備はいいかー!」
『なんだなんだ』
『なんかわからんけどたぶん行けるぜ!』
「さぁ出番だぜシビルドン! せ~のっ!」
「『『『シビルドンのぼりー!!』』』」
「……あははっ!」
いいじゃんいいじゃん!
あと三体で後半戦、こっからが本番ってワケね。
「早速行こうか! ドオー! ダストシュート!」
「まずは瀕死の君から介錯いたす! シビルドン! こおりのキバ!」
落ち着け、どうせすばやさでは負けてるんだ。
無理に自分からあてに行かず、相打ち上等でカウンターを……今!
「そこ!」
「にししっ! あまーい!!」
「んなっ!」
突如、シビルドンの姿が
……いや、違う。重力も慣性も存在しないかのような急上昇急降下、急停止に急発進があまりにも不規則に連なり、見てるこっちの
しかもシビルドン特有の細長い体を巧みにくねらせ、進行方向すら予測をさせない徹底っぷり。
……こんなの残り三体で出てきていいポケモンじゃないだろ絶対。
カウンターを試みたドオーだったが、前述した動きに翻弄され一方的に攻撃を喰らってしまった。
「ドオー!」
「どお、どおぉ……」
ドオーの弱点である冷気を伴った噛みつきを喰らい、目を回してその場に倒れこんでしまう。
ごめん、ありがとねドオー。
心の中で唱えてボールに戻し、改めてナンジャモに向き直る。
とんでもない攻撃を喰らい、気付けばボクには……笑顔が浮かんでいた。
「ははっ! なんだよ今の動き!」
「ライモンシティのジェットコースターに乗りまくって鍛えたボクたちだけの得意戦術! 恐れ入ったかレン氏ぃ!」
「悔しいけど超すごい! すごすぎて気持ち悪いくらいだ!」
「んっぐぐぐぐ、フクザツ!」
なるほどジェットコースターか! たしかにあの動きはいつぞやに家族で乗った
あれのキモは緩急だ。スタートとストップの落差の大きさが視覚情報のバグを生むため、すばやさはそこそこ程度のシビルドンでも理論上は可能なんだろうが……あんな100から0に、0から100への瞬間的な変化がホントに生物に可能なのか……?
それこそ電気のスイッチをオンオフするかのような……ん? いや、まてよ。
「……あっ」
なるほど、あくまで仮説だけど、これなら一応……ふふっ、まずは試してみるか。
「さぁおいで、タギングル!」
「たぎゃー!」
「にっしっし、次のイケニエはこいつだってさシビルドン!」
「はっ、フカすじゃん!」
たしかにシビルドンはとんでもなく強敵だ。
だがまぁ、これならまだ都合がいい。正直タイカイデンの方が危なかったともいえるだろう。
ポケモン上部に置いて相性っていうのが時に純粋な強さを凌駕するってこと、教えてあげるよ!
「タギングル! こうそくいどうで距離を取り続けて! 絶対に間合いに入らせるな!」
「んなっ! 姑息ですぞレン氏!」
「いまさらなにを!」
『がんじょうがむしゃらしてくるジムリーダーにだけは言われたくないと思うぞ』
『鏡って知ってる?』
それはホントにそうなんだよね。
「あーあーきこえないきこえなーーい」
「はぁ……」
『はぁ……』
『はぁ……』
「おい! なんだその息の合ったため息!」
いやそれはもう、ねぇ?
間違いなく今、ボクたちの心は一つに成っていただろう。
「……よし、いいぞタギングル! その調子ー!」
「たっ! ぎゃっ! たっ! ぎゃっ!」
こうそくいどうを続け、5m程度の距離を常に保ち続けるタギングル。
シビルドンのトップスピードはそこまではやくないんだ。こうしてしまえばどれだけ変則的な動きをしようが物理的に攻撃は届かない。
さらにこうそくいどうを繰り返すタギングルは、時間が経てば経つほどさらに素早くなっていく。
「えーい埒が明かん! シビルドン、10万ボルト!」
「ゲンガー戦で何も学ばなかったのかな~? あなをほる!」
どんなに素早く動いても逃れられない雷速の攻撃も、地面に潜れば一安心だ。
「そっちこそ、アカデミー主席さんは”ふゆう”っていう特性もしらないのかなぁ?」
『お互いキレッキレだな』
『ナンジャモがここまで人煽るの中々見ないよね』
『わかる。いっつもひたすら煽られてるし』
体を流れる電気で発生させる磁場によって宙を泳ぐシビルドンには、地面からの攻撃は当たらない。
けどさぁ……誰が地面から攻撃するなんて言った?
「ふぅ、ちょっと休憩」
ナンジャモ、シビルドン、そしてボクが一直線に並んだのを確認し、長いスカートをふわっと広げて地面にちょこんと座りこむ。
「タギングル」
カメラにすら乗るか乗らないかの小声で、タギングルに合図を送る。
次の瞬間、ボクの真後ろの地面に小さなポケモンが一匹通れるか通れないか程度の穴が開く。
余談だが、うちのタギングルはとっても小さい特異個体だ。
学校の近くにいたポケモンの大きさを測るのが趣味という変な人に見せたら『イッツスモールポケモン!』と叫び出したくらいには小さく、そのせいで群れから追い出されてしまっていたところをボクが保護したという経緯がある。
つまり何が言いたいのかというと……。
「なげつける」
「およ? わきゃーーー!?」
地面に意識を集中しているようじゃ、空高くジャンプし夜空に紛れるタギングルを認識するなんてできるわけがないってこと。
普通じゃあんなぐにゃぐにゃ気持ち悪い動きをするシビルドンに投げつけたものを充てるなんて不可能だから、ここまでしてなんとか動きを止めてもらったってわけさ。
そしてここでボクが……というかタギングルがなげつけたのは王者のしるし。
「わっちょっシビルドン!?」
王冠の輝きでシビルドンが一瞬硬直する。
「ようやく掴み取った大きな隙だ!! タギングル!!」
『めっちゃ下準備してるけど何するんだ……』
「バトンタッチ!」
「ばとんたっちぃ!?」
『ここでぇ!?』
『いやまぁたしかに今なら安全に変えれるけど!』
「いっぱい速度をあげたのはこのためかレン氏!」
「さぁ舞台は整った! 君の為だけのステージだぞ! 来い!」
『何が出てくる……実質どくジムリの切り札……』
『めっちゃはやくなってるからな。パルデアにはいないけどペンドラーとかか……?』
「エレズン!!」
「ずん!」
「えれ!?!?!?!?」
『かっっわいいのでてきた』
『なんでだよ!!!』
あはは! いいねいいじゃんいい反応だ!
さぁいくよエレズン、みなのものの度肝抜いてやろう!
まだ続く!!!