The color is redder than crimson and shining. 作:希衣 三十三
間違いなく私の口癖だ。今回の忍務も、そう言って引き受けた気がする。しかし深く思い出せない。
その時視た色も、思い出せない。そんなこと今まであっただろうか。
そんなことを考えながら、私自身が運営する独自流派『色使』の、まだ私だけの事務所で支度をする。
気にかかることが頭に残るものの、胡粉色を身に纏って高速移動を行い、そう遠くない見慣れた道を行く。
まあ気にすることもないか、そう考え直して依頼人「赤ずきん」の家の扉を叩いた。
第1話
昔と変わらない間取り、昔から変わらない席である赤ずきんの隣に座り、他のシノビを待つ。赤ずきんの母親がお茶を用意したのとほぼ同時に扉を叩く音が響き、赤ずきんの母親が扉に向かって行く。
私が赤ずきんの顔を覗き込むと、緊張した面持ちでこちらを見返す。「大丈夫よ。」と赤ずきんに声を掛け、赤ずきんの母親は到着した三人のシノビを席に案内し、それぞれにお茶を出す。
出揃ったのを確認して、自己紹介をと思い口を開く。
彩取「皆様、ご機嫌よう。私、彩取 白黒(イロトリ ハクロ)と申します。そちらの赤ずきんさんとは、古くからお付き合いさせていただいてますわ。本日は赤ずきんさんの護衛を務めさせていただきます。皆様、よろしくお願いしますわね。」
言い終えて軽くお辞儀をすると、赤みの掛かったショートカットの女性が自己紹介を始める。
空羅「空羅(クウラ)って言います!赤ずきんちゃんさんとは最近お知り合いになりました!傭兵をやってますっ!よろしくおねがいしますっ!」
元気のいい子だ。一息ついて、その隣の女性とも見間違えそうな長髪の男性が目を閉じたまま話す。
断無「拙は断無 刃鐵(タテナシ ハガネ)と申す。今回は外部からの依頼で護衛を承る次第となった。よろしく頼む。」
ぼさぼさの髪と独特な衣装を纏った男性が続ける。
飯綱「私は飯綱 夜光(イイヅナ ヤコウ)といいます。皆さんお若い中で少し浮いた存在になっていますが、よろしくお願いしますねえ。普段は連絡網を務めているだけなんですけど、知り合いの任務を肩代わりすることになったので、あまり護衛任務には慣れていませんが、心強い皆さんと一緒に頑張っていきたいですね。よろしくお願いしますよ。」
一通りの自己紹介を終え、残るは赤ずきんだけとなったが赤ずきんはまだその緊張が抜けてないようで、席を立ち三人に軽く会釈をした後、
赤ずきん「こ…こんにちは…赤ずきん、です…」
届くかどうか心配になる声量で自己紹介をし、その後の沈黙に耐え切れずシノビ三人から盾にするように私の後ろに隠れ、こちらに助けを求める眼差しを向けてくる。
彩取「ふふ…皆様、ごめんなさいね?この通り、赤ずきんさんは昔から恥ずかしがり屋で。ほら、目的くらいお話しなさい?」
そう催促するが、
断無「構わぬ。拙は依頼で此方に赴いた故、依頼に関係せぬのであれば多少の難儀には目を瞑るつもり。」
そう言い切られてしまった。しばらく言い詰まった後に赤ずきんは少し前に出て、森の中へおつかいに行くことを伝える。伝え終わるとすぐに私の後ろへ隠れてしまった。そんな赤ずきんを母親はどこか懐かしそうな目で見ている。
お茶を飲み終えた一同は、赤ずきんの家を出発しおつかいとその護衛の任に付く。