幸せのあしあと   作:緑雨

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2話 フェニックスグループのお嬢様

ー朝 喫茶店ー

 

えむ「それでねそれでね! あたし達、フェニックスワンダーランドってところでショーをしてるんだよ!」

瑞希「フェ、フェニックス…なんだっけ」

えむ「フェニックスワンダーランド! 皆はフェニランって呼んでるよ!」

奏「鳳さんのショー、前に皆で見に行ったよね。何回か見たけど、毎回面白かったよね」

まふゆ「そうだね。最近は見に行けてないけど、どんな感じなの?」

えむ「えっとね、ビューンでバーンって感じで、ワーッて戦うんだ!」

瑞希「えっと…?」

まふゆ「ヒーローショーかな」

えむ「そうです!」

 

まふゆ(鳳さんは擬音語、擬態語、所謂オノマトペをよく使う。最初は戸惑うかもしれないけど、落ち着いて1つずつ考えると案外簡単にわかる。ビューンは風を切るように飛び出す感じ、バーンは爆発、ワーッていうのは複数人で戦っている様子。勢いよく飛び出して、そこで爆発が起こって、数人で戦う。そう考えると、ヒーローショーってすぐに分かる)

 

瑞希「ヒーローショーかぁ、この前テレビで見たアニメみたいな感じなのかな」

奏「ヒーローアニメとは少し違うんじゃないかな?」

えむ「司くんが台本を書いてくれるんだけど、凄いんだよ! えっと、寧々ちゃんの剣でシュバって悪い人を斬っちゃうんだよ!」

瑞希「ねねちゃんの剣?」

まふゆ「草薙の剣のことかな。草薙さんのことでしょ、寧々ちゃんって」

えむ「そうそう、草薙の剣です!」

瑞希「草薙の剣ってどんな剣なの?」

まふゆ「三種の神器の1つで、力強さとか、そういうのを象徴する剣だよ」

瑞希「三種の神器をショーに使うの!?」

えむ「類くんが、本物そっくりの草薙の剣を作ってくれるんだって!」

瑞希「そう、だよね…」

 

まふゆ(流石に、本物の三種の神器をただのヒーローショーには使えないだろうね。鳳さんの一声で草薙の剣が用意できたら恐ろしいよ)

 

えむ「でもでも、金属を溶かして、それでコーンって打って創るんですよ!」

奏「凄いね…」

まふゆ「奏だったら、打つまえに熱で溶けてそうだね」

奏「うぅ…」

瑞希「ボクも無理だな…」

まふゆ「猫舌でも、熱いのはいけるんじゃない?」

瑞希「いやいや、肌が焼けちゃうよ」

えむ「やらないんですか?」

瑞希「え?」

奏「やるって、何を…?」

えむ「この後ワンダショの皆で鍛冶場まで行って打つんです! 朝比奈センパイ達も、一緒にやりません?」

 

まふゆ(まさか巻き込まれるとは思わなかった。奏と瑞希は熱に負けるだろうけど、私も鍛冶場の熱には耐えきれないかもしれない。熱いも寒いも私は苦手だ。前まで感じなかったから、その分なのかな)

 

瑞希「やってみたいけど… でも、勉強もあるし…」

まふゆ「じゃあ、行こう。勉強は後でもできる。それに、学校までに間に合わなくても先生方もわかってくれるよ」

 

まふゆ(神高の先生方も、あんまり瑞希を責められないだろうから。今は、使えるものはなんでも利用して少しでも楽しんだほうがいい)

 

えむ「じゃあ、車が今からぴゃーってくるので、待ってる間に勉強しましょう! あたしも、次のテストの範囲が全然覚えらんなくて…」

奏「それなら、なにか頼もうかな。店員さん、コーヒーお願いしてもいいですか?」

店員「はい、お1つで?」

瑞希「ボクもコーヒー!」

えむ「あたしも!」

店員「じゃあ、3つお持ちしますね」

 

まふゆ(奏が手を上げて近くにいた店員を呼んで、コーヒーを頼んだ。それに、瑞希と鳳さんも。よく、コーヒーなんて飲めるね)

 

奏「まふゆ、さっきからずっとカップを持ってるけど、飲まないの?」

瑞希「ボクも気になってたんだよね。コーヒー入ってるんでしょ? まふゆってコーヒー飲むんだね」

えむ「あたしが来たときも、口に付けてましたけど飲んでませんでしたよね?」

 

まふゆ(…どうしようかな。純粋な3人を騙すのは心が痛むんだよね。絵名を騙すのは気楽だけど。適当なこと言って誤魔化すしか無いかな…)

 

まふゆ「ごめん、忘れてた。飲もうと思ってカップを持ってたんだけど、話すのに夢中で」

瑞希「ボク、コーヒー初めて飲むからさ、どんな味か気になるんだよね。まふゆ、どんな味なの?」

まふゆ「奏、私は普段飲まないからわからないんだけど、コーヒーって普通はどんな味なの?」

奏「何も入れないと苦いけど、砂糖とかミルクを入れると甘くなるよ。苦いのが好きな人は何も入れないけど、瑞希は辛いのも苦手だし甘くしたほうがいいんじゃないかな。まふゆ、このお店のコーヒーってどれくらい苦かった?」

まふゆ「…鳳さん、苦いってなんなんだろうね。甘いとか苦いとか、色んな味を舌で感じるけどそれって本当に味なのかな。実際はコーヒーは苦いって思い込んでるから苦く感じるだけで、本当は苦くも甘くもなくて、実際は黒色のただの水なんじゃないかな」

えむ「…へ?」

 

まふゆ(どうしよう。絵名がいたら適当なことを言って怒らせれば場を流せるんだけど、この3人だと馬鹿げたことを言っても信じられてしまう。コーヒーが本当は黒色の水だと本当に信じて真剣に考えてる。どう考えても見え透いた嘘なのに)

 

奏「う~ん…?」

瑞希「コーヒーは、水?」

えむ「あ、朝比奈センパイ? 冗談です…よね?」

まふゆ「冗談だよ。コーヒーはコーヒーだよ。絵名がいない時に冗談を言っても誰もツッコんでくれないから、私が間違えてるんじゃないかと不安になるね」

えむ「そそ、それは朝比奈センパイが怖くて…」

まふゆ「鳳さん? どうしたの?」

えむ「ごご、ごめんなさいぃ…」

まふゆ「?」

瑞希「…あの2人、何やってるの?」

奏「いつもあんな感じだよ。多分、そう言う遊びなんじゃないかな?」

 

まふゆ(…コーヒーの件は、うまく誤魔化せた… かな?)

 

店員「おまたせしました、コーヒー3つです」

奏「ありがとうございます。じゃあ、みんなで飲もっか」

瑞希「勿論、まふゆも、ね?」

まふゆ「え…」

 

まふゆ(………えっと、トイレはあっちか)

好きなカーネーションの色は?(ルート分岐)

  • ピンク
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