幸せのあしあと   作:緑雨

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2話 心配

ー暁山家-リビングー

 

奏(カーネーションは、綺麗に白の花を咲かせていた。わたしが両親と見た、瑞希と探したあのカーネーションとは違う、どこかの花畑)

 

瑞希「触ってみたいなぁ」

奏「近くで咲いてる公園があるけど、行く?」

瑞希「うん、行きたい」

姉「外は暑いし陽も強いから気をつけてね、二人共」

奏「はい」 

瑞希「うん」

 

奏(わたしはジャージだから着替えなくていいけど、瑞希は部屋に着替えに行った。すると、家のチャイムが押される)

 

姉「は〜い、どなたですか?」

???「朝比奈まふゆです。瑞希が元気になったと聞いて、会いに来ました」

姉「入っていいですよ〜」

まふゆ「失礼します」

 

奏(まふゆは私の正面の椅子に座り、軽く微笑んでいる)

 

奏「今日って、学校じゃないの…?」

まふゆ「今日は土曜日だよ。絵名が休日返上で勉強してるだけで、普通の大学は休みだよ」

奏「そうなんだ…」

まふゆ「それで、奏。昨日は25時にナイトコードに居なかったけど、どうしたの?」

奏「眠っちゃって…」

まふゆ「ふ〜ん」

 

奏(お姉さんの前だからまふゆはいつもより明るい感じに作り笑いをしてたけど、すんっと目から光を消して私を見てきた)

 

まふゆ「ミクから聞いたけど、床で寝てたんだって? 最近はニーゴの作業も特にしてないから疲れてることはないと思うんだけど… 寝落ちするぐらい疲れてたのはどうして?」

奏「え、あ、えっと」

まふゆ「望月さんが、最近ベッドが全く使われた形跡がないんだけどなんででしょうって言ってたんだ。それに、作り置きもあまり減ってないんだってね。ねぇ、奏」

奏「…」

まふゆ「瑞希の心配をする前に、自分の心配をしたら? 瑞希の為にってずっと1人で曲を作ってたんだろうけど、1日1食で何日も徹夜して、毎日病院まで瑞希に会いに行く。そんな生活だと、奏が病院送りだよ?」

奏「…ごめん」

まふゆ「怒ってないよ。ただ、奏はそんな生活で大丈夫なのかなって」

姉「朝比奈さん、なんか怖いよ…?」

 

奏(お姉さんに話しかけられると、まふゆはすぐに笑顔を作ってお姉さんの方を向いた)

 

まふゆ「ごめんなさい、でも、奏はしっかり言わないといつもこんな生活になっちゃうから…」

姉「いつもなの?」

奏「いや、いつもはちゃんと寝て…」

まふゆ「いつも寝てないよね? 何回も寝ようって言ったよね?」

奏「うっ…」

瑞希「…」

姉「ま、まぁ暁山家にいる間は3食ご飯はあるし夜もちゃんと寝れるようにベッドがあるから」

まふゆ「奏はお手伝いさんの作り置きのご飯も食べなかったり、ベッドに譜面を散らかして椅子で寝たり、ちょっとの散歩で筋肉痛になるんです」

姉「えぇ…」

 

奏(2人がわたしのことで話している間に、瑞希がリビングの入り口から顔を出してこっちを見てきていた)

 

奏「瑞希、こっちおいで」

瑞希「うん…」

 

奏(2人も話をやめて瑞希が来るように手招いた)

 

瑞希「えっと、準備出来たよ」

奏「じゃあ、行こうか」

まふゆ「…外出? 奏が?」

奏「うん」

まふゆ「どこに行くの?」

瑞希「カーネーション、見に行く」

まふゆ「…こんな暑い日に公園まで行って、ちゃんと帰ってこれるの?」

奏「だ、大丈夫だよ、まふゆ」

まふゆ「…心配だから、私も付いていくね」

 

奏(そうして、わたしと、瑞希と、まふゆの3人で家を出て、公園に向かった。汗をかきすぎて、公園に向かう足は重かった。わたしよりもずっと病院で寝ていた瑞希の方が元気なのは、少し納得行かなかった)

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