幸せのあしあと   作:緑雨

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4話 狭間のセカイ

ー公園ー

 

瑞希「えっと、ゲリラライブって何をするの?」

一歌「今から公園でライブをするの! 音響機材はないけどギターは持ち歩いてるし、マイクがなくても公園なら声も通るからね」

瑞希「勝手にやって大丈夫なの?」

一歌「後から怒られるかも知れないけど… よくやってるし、そんなに酷くは怒られないよ」

瑞希「へ、へぇ…」

 

瑞希(よくやってても、怒られるなら良くないことなんじゃ…)

 

まふゆ「…瑞希、歌覚えてる?」

瑞希「殆どわからない…」

一歌「じゃあ、瑞希ちゃんが覚えてる曲教えて」

瑞希「…オルゴールに入ってた曲」

一歌「オルゴール?」

 

瑞希(あのオルゴールの曲しか、覚えてないな…)

 

まふゆ「多分、奏のオルゴールじゃないかな? 瑞希の家に置いてあったから。星乃さん、聞いたことある?」

一歌「わからないです…」

まふゆ「だよね。私も、曲名まではわからないな。瑞希、他には覚えてる?」

瑞希「他に…」

 

瑞希(聞いたことがある曲… そうだ)

 

瑞希「これ、聞いたことある」

一歌「Re:Untitled… え、Untitled!?」

まふゆ「確かにそれは聞いたけど… 星乃さん、知らないでしょ?」

一歌「Untitledなら知ってるんですけどね…」

まふゆ「? Untitledを知ってるの?」

一歌「あ、はい。今は消えちゃってるんですけど、前にスマホに入ってました」

まふゆ「Untitledが、星乃さんの所にも…」

一歌「2年前にスマホに追加されてて、少し前に消えちゃったんですけどね」

瑞希「Untitledって、どんな曲なの?」

一歌「えっと、私達、Leo/needの心を表したような曲かな」

 

まふゆ(Leo/needの心を表したような曲… 私達が知ってるUntitledとは違うみたい。同じ名前の別の曲なのかな)

 

瑞希「ボクのスマホに入ってるRe:Untitledとはちょっと違うんだね」

一歌「それ、どんな曲なの?」

瑞希「なんかね、殆ど音が聞こえないんだよね。凄い静かな曲みたいでさ」

 

まふゆ(そう言って瑞希が再生ボタンを押した瞬間、光に包まれた)

 

ー???のセカイー

 

まふゆ「瑞希、急に再生しないで」

瑞希「ご、ごめん」

一歌「…え?」

まふゆ「星乃さんも来たんだ」

一歌「はい。瑞希ちゃんが曲を流したら、光に包まれて… ここ、セカイ?」

まふゆ「星乃さんも、セカイを知ってるの?」

一歌「あ、はい。私のスマホにあったUntitledを流したときも、セカイに行けたので… 朝比奈先輩も知ってるんですか?」

まふゆ「…うん。私達ニーゴにもUntitledがあったから」

 

まふゆ(このセカイは、私達ニーゴ4人だけのセカイじゃない? 星乃さんが入れるってことは、誰でも入れる?)

 

瑞希「…前に来たときと、ちょっと違うね」

一歌「私が知ってるのとは全く違うけど…」

まふゆ「瑞希、どこが変わったの?」

瑞希「あそこに、人が2人いる。」

 

まふゆ(瑞希が指さした先には、私達がよくしるミクと、知らない誰かがいた)

 

ミク「あ、まふゆ、瑞希。それと、えっと…」

???「一歌!」

一歌「ミク!?」

まふゆ「えっと… 誰?」

???「私はミクだよ。一歌達のセカイのね」

 

まふゆ(星乃さんのセカイのミク?)

 

LNミク「気付いたらこんな場所にいてさ。このセカイのミクと話をしてたの」

一歌「ってことは、そっちの白い子も…」

25ミク「うん。ミク、だよ」

一歌「ミクが2人も!?」

まふゆ「…どういうこと?」

瑞希「ボクもわかんない…」

25ミク「このセカイは、色んなセカイの狭間にあるから、他のセカイの人が入ってきちゃうの」

まふゆ「…狭間?」

LNミク「この子と調べてたんだけど、このセカイはこの子がいたセカイと私がいたセカイの間にある。それに、他にも近くにセカイが沢山ある。だけど、このセカイはセカイとして不完全で、他のセカイから人が来れるし、他のセカイに入れる。でも、このセカイもセカイだから、誰かの心の奥底にある想いが形作っている。こんな感じかな、予想だけど」

 

まふゆ(わけがわからない。セカイが沢山あるのはわかるけど、このセカイは不完全? 確かになにもないけど、元々私達がいたセカイだって殆ど物はなかったし… それに、狭間ってどういうこと? このセカイは他のセカイと何が違うの?)

 

まふゆ「今の話を、詳しく聞かせてもらえないかな」

LNミク「うん、いいよ。セカイは人の想いの数だけあるのはわかるよね? 君のセカイだったり、一歌達のセカイだったり。それで、このセカイはそんな沢山あるセカイの間にある。セカイは沢山あるから、それは不思議じゃないんだけど、このセカイは私達も出入りできるの。君のセカイにも、一歌達のセカイにもここからは行ける。変なセカイに迷い込むことはあっても、自由に行き来できることって普通はないんだよね。それに、セカイって普通は誰でも入れるわけじゃないんだ。君のセカイにも、一歌達のセカイにも同じ想いを持った数人しか入れなかった。だけど、このセカイは20人も入れる人がいる。私はこのセカイの人じゃないから、君達の本当の想いはわからないし、なんでそんなに大勢の人が入れるのかもわからないんだけど…」

 

まふゆ(…詳しく説明してもらってもよくわからないな。このセカイから色んなセカイに行ける。それで、このセカイには20人の人が入れる。 …20人って、誰だろう。私と奏と絵名と瑞希と星乃さんと、後15人… わからない)

 

まふゆ「じゃあ、このセカイのミクはどこにいるの?」

25ミク「…多分、いない」

一歌「いない…? このセカイにはミクがいないの?」

25ミク「うん。だから、不完全なセカイ」

まふゆ「じゃあ、このセカイは誰のセカイなの? 前のセカイは私のセカイでしょ?」

25ミク「このセカイは、多分瑞希のセカイ」

瑞希「ボ、ボク?」

 

まふゆ(瑞希のセカイ… たしかにそれなら辻褄が合いそうだね…)

 

まふゆ「じゃあ、このセカイに何も無いのは瑞希が何も覚えていないからってこと?」

25ミク「うん」

まふゆ「瑞希が色んな物に触れたら、このセカイに物が増えるの? マリオネットみたいに」

25ミク「うん。さっき、オルゴールが出てきた」

LNミク「一歌のギターもあったよ」

一歌「え、どこ?」

LNミク「あっち。2分ぐらい歩いたらあると思う」

一歌「見てくる!」

 

まふゆ(セカイに出てきたってことは、奏のオルゴールも星乃さんのギターも、瑞希にとって大切なのかな)

 

まふゆ「ねぇ、瑞希。星乃さんが帰ってきたら、1回Re:Untitledを止めて。カーネーションを見てから、もう1回セカイに来よう」

 

まふゆ(カーネーションは、瑞希と奏が一緒に見た思い出だろうから、何かセカイにも影響が出るかもしれない。それでなにか変わったら、瑞希のセカイで確定かな)

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