こうして、俺たち、ジュラ・テンペスト連邦国と、武装国家ドワルゴンとの同盟が成立したのだった。
俺たちの魔物の国に、心強い後ろ盾が出来た。
で、その二日後。
ガゼル「来てやったぞ、リムル、リアムよ。」
何と、ガゼル王が再び来たのだ。
リアム「随分と早い再訪ですね………。」
リムル「今度は何の用だよ?」
ガゼル「お前達に土産をやろうとおもってな」
リムル「土産?」
リアム「何それ?」
ガゼル王が供に合図を送ると布で簀巻きされたものを投げその拍子で表面の布がめくれると、そこに居た人に俺たちが驚く。
リムル「えええっ!?」
リアム「コイツってたしか!?」
カイジン「ベスターじゃねえか!?」
ベスター「うぅぅぅん………。」
泡を吹いて気絶しているベスターであった。
ガゼル王が、理由を説明する。
ガゼル「有能なコイツを遊ばせておくも勿体ないのでな。とはいえ、俺に仕えるのを許すわけにはいかん。好きに使え。」
カイジン「王よ、それではベスター殿の知識が我等に流出することになりますぞ!?」
ガゼル「流出していった本人が今更なにを言う。」
カイジン「それは………。」
カイジンは止めようとしたがガゼル王の正論で言葉に詰まった。
ガゼル王は、復活したベスターに声をかける。
ガゼル「そのための盟約よ。お前達のこの地を、まだ見ぬ技術の最先端にしてみせろ。ベスターよ。」
ベスター「はっはい!」
ガゼル「ここで思う存分、研究に励むが良い。」
ベスター「…………っ…………は!今度こそ………今度こそ、期待に応えてご覧にいれます。」
ベスターはそう言うと、今度は俺たちに顔を向ける。
ベスター「リムル殿、リアム殿、カイジン殿すまなかった。許されるならここで働かせてほしい。」
カイジン「…………優秀な研究者が来てこっちも大助かりってもんだ。旦那方。何かあったら、俺が責任を取ります。ここは俺を信じて、こいつを許してやって下さい。」
ベスター「カイジン殿………。」
まあ、ベスターも、ガゼル王の期待に応えようとして、焦ったからな。
俺たちは、頷いて、答える。
リムル「カイジンがそれで良いなら、俺たちに文句はないよ。」
リアム「ベスター。これからよろしく頼む。」
ベスター「ははっ!不肖ながら、精一杯努めさせていただきます!」
ガゼル「…………では、さらばだ!」
ガゼル王はそう言って、去っていく。
周囲の面子が拍手する中、その中に混じっていた奴らに声をかける。
リムル「はぁ………さてと。」
リアム「お前ら、何してんの?」
俺とリムルの視線の先には、ガビル達が居た。
いつの間にここに来たのか。
ガビル「あっ………いやあ、ハハハ!このガビル!リムル殿とリアム殿のお力になりたく、馳せ参じましたぞ!」
部下「ガビル様、かっこい〜!」
部下「当然である。」
それを聞いた紫苑と銀姫は。
紫苑「では、斬りますね。」
銀姫「始末しましょう。」
そう言って紫苑は剛力丸を、銀姫はツクヨミライドウォッチを構える。
それを見たガビルは焦った。
ガビル「あっ!いやいやいや………!是非とも、我輩達を配下に加えていただきたいのです!必ず、お役に立ってご覧に入れますので。何卒。」
部下たち「何卒………。」
部下「ガビル様がこう言ってますので………。」
親衛隊長「兄は反省しているのです。」
副隊長「彼に、償いの機会をお与えください。」
ガビル達がそう言う中、親衛隊長と副隊長とその配下達が現れる。
リムル「親衛隊長と副隊長まで?」
リアム「来てたのか。」
親衛隊長「私たちは、兄と違って、勘当になった訳ではありません。」
ガビル「何!?」
副隊長「首領アビルが、見聞を広めよと、僕たちを送り出してくれたんです。」
ガビル「我輩を慕ってついて来たのでは?」
親衛隊長「違います。」
副隊長「違うよ。」
ガビル「ガーン!」
リアム「なるほどね………。」
そうして、ベスター、そしてガビル達が仲間になった。
リムルは、親衛隊長とその配下に名前を付ける中、俺は副隊長に名前をつける。
リアム「副隊長。君の名前は、蓮月だ。」
蓮月「ありがとうございます。」
ちなみに、ガビルの配下にも、名前をつけた。
ガビルとよく居るあの3人組は、青色の奴がカクシン、緑色の奴がヤシチ、あと一人はスケロウの名前をつけた。
名前をつけた事により、ガビル達は、
そんな中、ウォズが俺に話しかけてくる。
ウォズ「我が魔王。少しよろしいか?」
リアム「どうしたの?ウォズ。」
ウォズ「実は、蓮月に、シノビの力が反応しているのですが……………。」
リアム「シノビの力が?」
マジか。
なら、与えるべきか。
リアム「なら、彼にシノビの力を与えても良いか?」
ウォズ「構いませんが……………。」
リアム「あ、そっか。シノビの力が使えなくなるからな。」
ウォズ「いえ。どうやら、新たなシノビのミライドウォッチが生成されたようで、彼にはそれを渡します。」
リアム「分かった。」
なるほどな。
その後、蓮月にシノビミライドウォッチを渡して、蓮月は仮面ライダーシノビに変身する事が出来るようになった。
そんな感じで、テンペストはだんだんと大きくなっていった。
一方、とある建物では、水晶玉を見る四人の人物が居た。
その四人は、全員が魔王で、ピンク色の髪の女の子がミリム、背中から翼を生やした女性がフレイ、大柄な男性がカリオン、白いタキシードを着る男性がクレイマンだ。
その水晶玉に映し出されていたのは、豚頭魔王のゲルドと、リムル、俺の戦闘時の物だ。
ミリム「面白い!面白いのだ!この玩具達の調査には、私が赴く!」
クレイマン「しかし、ミリム。ジュラの森には不可侵条約が………。」
ミリム「不可侵条約?そんな物、ヴェルドラが消えた今、撤廃してしまえばいいのだ。」
クレイマン「なるほど………その通りですね。」
ミリムの発言に、クレイマンがそう言うが、ミリムの反論にクレイマンは頷き、カリオン、フレイも頷く。
ミリムは口を開く。
ミリム「決まりなのだ!ただし、互いに手出しは厳禁!よいな?」
クレイマン「勿論です。」
ミリム「約束だ!協定は成立した。では、今から調査に行ってくる。邪魔するでないぞ、クレイマン!カリオン!フレイ!はっ!」
そう言ったミリムは、窓から、ジュラ・テンペスト連邦国へと向かう。
一方、俺は、とんでもない魔力の塊が、こちらに向かってくる事に気づいた。
リアム「なんか、とんでもない魔力の塊が、こっちに近づいてくる……………!?」
俺はそう呟き、ある丘へと向かっていく。
途中で、リムルと合流する。
リアム「リムル!」
リムル「リアム!お前も感じるか?」
リアム「ああ!とんでもない魔力の塊が、こっちに来てる!」
俺たちはそう話して、丘に到着すると、ピンク色の魔力の塊が、地面に着弾する。
俺たちは、飛ばされない様にする。
すると、ピンク色の魔力の塊の中に居たであろう何者かが、話しかけてくる。
ミリム「初めまして。私はただ一人の
リムル「魔王かよ?」
リアム「うそ〜ん………。」
ミリム「お前達がこの町で一番強そうだったから、挨拶に来てやったのだ。」
ミリムという魔王は、そう言う。
ていうか、何で魔王がもう来るんだよ!
やっぱり、ゲルドの件で、目をつけられてたのか?
すると、ミリムという魔王が苦しみだす。
ミリム「な、なんなのだ!?あ、頭が痛いのだ!?」
リアム「お、おい!大丈夫か!?」
リムル「どうしたんだよ!?」
ミリム「わ、私には、
リアム「え、俺?」
え、マジで?
俺たちの解析鑑定みたいなスキルなのかな?
というか、解析出来なかったって、どういう事なんだろ?
俺が首を傾げる中、ミリムという魔王は、俺を指差す。
ミリム「そこのお前!この私と戦うのだ!」
リアム「えええ……………!?」
リムル「どうしてそうなるんだよ!?」
ミリム「お前の実力を知りたいのだ!」
なんでそうなる!?
俺は心の中でそう思う。
だが、下手に断って、面倒な事になるのは避けたい。
俺はため息を吐きながら言う。
リアム「………………分かった。」
リムル「良いのかよ!?」
リアム「下手に断って、面倒な事になるよりはマシだし。それに……………今の俺が、どのくらいまで通用するのか、知りたいし。」
リムル「………………あんまりやり過ぎんなよ。」
リアム「ああ。」
俺はそう言って、ジクウドライバーを装着する。
そして、ジオウライドウォッチIIを取り出して、起動する。
『ジオウ!II!』
起動した後、スプリットリューザーを動かして、ピクトウィンドウをずらす。
そして、D‘9サイドとD‘3サイドに分離させる。
『ジオウ!』
二つのライドウォッチを、ジクウドライバーに装填して、ジクウドライバーのロックを外す。
すると、俺の背後に、二つのアナログ時計が左右対称の状態で現れる。
リアム「変身!」
俺はそう言って、ジクウドライバーの本体を一回転させる。
すると、俺の背後の時計が、同じ時間を指し、ライダーの文字が浮かぶ。
『ライダータイム!』
『仮面ライダー!ライダー!ジオウ・ジオウ・ジオウ!II!』
俺は、仮面ライダージオウIIに変身して、サイキョーギレードを持つ。
それを見たミリムは。
ミリム「ほう!それがお前の本気か!」
リアム「まあね。」
ミリム「では……………行くのだ!」
そう言って、俺とミリムは、お互いに駆け出して、ぶつかり合う。
俺のサイキョーギレードとミリムのパンチがぶつかり合い、周囲に衝撃波が放たれる。
そんな中、リムルの元に、シズさん、ウォズ、紅丸、蒼影、紫苑、銀姫が集まる。
紅丸「リムル様!」
リムル「紅丸!シズさん!皆も!」
銀姫「どういう状況ですか!?」
ウォズ「我が魔王と戦っているのは……………魔王ミリム!?」
シズ「えっ!?」
蒼影「なっ……………!?」
紫苑「魔王が何故!?」
リムル「分かんないけど、今、俺たちに出来ることは、あいつを信じる事だけだ。」
シズ「
リムル達は、そう話していた。
俺とミリムは、現在進行形で戦っていた。
言える事が、一つある。
それは………………マジでやばい。
リアム(魔王って言われてるだけはあるな……………!強い……………!)
俺は、なんとか白老にしごかれてた事もあって、戦えている。
それと、ジオウIIの未来予知能力もフル活用している。
それでも、何とか戦えているという感じだ。
ミリム「やるではないか!だが……………私には勝てないのだぁぁぁ!」
リアム「それでも、やれるだけやるさ。」
ミリムがそう叫んでオーラを出す中、俺はジカンギレードを取り出して、サイキョーギレードのフェイスユニットのレバーを操作して、文字を変える。
『ジオウサイキョウー!』
そして、サイキョーギレードのフェイスユニットを取り外し、ジカンギレードに装填する。
『サイキョーフィニッシュタイム!』
俺はサイキョーギレードのブレード部分をジカンギレードと合体させて、サイキョージカンギレードにして、構える。
待機音が流れて、金色のエネルギーがサイキョージカンギレードから伸びて、ピンク色の『ジオウサイキョウ』と書かれた文字が浮かぶ。
ミリム「行くのだ!」
リアム「ハァァァァ!!」
『キング!ギリギリスラッシュ!』
ミリムのパンチと、キングギリギリスラッシュがぶつかり合い、周囲にこれまでとは比にならない位の衝撃波が放たれる。
それには、俺とミリムもしばらくは耐えたが、お互いに吹っ飛ばされる。
ミリム「アハハハハ!右手が痺れたのは、本当に久しぶりだな……………!」
リアム「マジかよ……………。」
ミリムは、高笑いしながらそう言う。
それには、俺は引き攣った笑みを浮かべるしかなかった。
どうやら、まだまだの様だ。
すると、リムルがやって来る。
リアム「リムル。」
リムル「リアム。後は俺に任せろ。お前は少し休め。」
リアム「………………ああ。」
リムルはそう言って、前に出る。
俺は、変身解除して、一息つく。
ミリムが口を開く。
ミリム「どうした?まだ遊び足りぬのか?……良いだろう。もっと遊んでやるのだ。」
紅丸「リムル様………。」
リムル「諦めたら、そこで終了だから、出来るだけやってみるさ。期待はするなよ。」
リアム「出来る限りはやれ。」
ミリム「ほう………。私に立ち向かうのか?」
リムル「自信があるのなら、俺の攻撃を受けてみるか?」
ミリム「アッハハハハ!良いだろう!面白そうなのだ!………ただし、それが通用しなかったなら、お前達は私の部下になると、約束するのだぞ。」
リムル「分かった。」
そう言って、リムルはクレーターの中心にあるミリムの方へと向かう。
リムルは、どう対処するつもりだ?
すると、リムルが構え、リムルの右手に、金色の液体が集まる。
リアム(アレって確か………。)
リムル「食らえ〜〜!」
俺がそう考える中、リムルは駆け出して、その金色の液体をミリムの口に突っ込む。
しばらくの静寂の末、ミリムが叫ぶ。
ミリム「何なのだ、これは!こんな美味しい物、今まで食べた事が無いのだ!」
リムル「どうした?魔王ミリム。」
ミリム「えっ!?」
リムル「ここで俺の勝ちと認めるならば、更にこれをくれてやっても良いんだが?」
リアム(ああ、アレって、蜂蜜だな。)
そういえば、確か、アピトって名付けた蜂から、蜂蜜を受け取ってたな。
確かに、ミリムって、魔王だけど、幼そうに見えるもんな。
ミリム「欲しい………!うう………だがしかし、負けを認めるなど………!」
リムル「う〜ん!美味しい!」
ミリム「あ〜っ!!」
ミリムは、魔王としてのプライドか、負けを認めようとしなかったが、リムルが追い打ちをかける様に、蜂蜜をミリムの前で食べる。
俺たちは、それを呆然と見ていた。
リムル「お〜っと!そろそろ残りが少なくなってきたぞ!」
ミリム「ま………待て待て!提案がある!引き分け………!今回は引き分けでどうだ?今回の件、全て不問にするのだ!」
リムル「ほほう?」
ミリム「も………勿論、それだけではないのだ!今後、私がお前達に手出しをしないと誓おうでは無いか!」
リムル「…………良いだろう。その条件を受けよう。」
ミリム「うわぁ!」
リムル「では、今回は引き分けという事で。」
シズ「スライムさん、悪い笑みを浮かべてなかった?」
そうして、リムルは若干悪い笑みを浮かべながら、ミリムに蜂蜜を渡す。
未曾有の天災を、乗り切ったな。
俺たちは、場所を移動して、ミリムが蜂蜜を舐めるのを見ていた。
ミリム「あ〜ん!う〜ん!美味しい!美味しいのだ〜!」
リアム「それは良かったな。」
俺は、ミリムにそう話しかけ、リムルと思念伝達で話し合う。
リアム『リムル、グッジョブ!』
リムル『ああ!………それにしても、これ以上面倒な事になる前に、早く帰ってくれないかな〜。』
リアム『確かに…………。』
確かに。
これ以上、ミリムがここに居ると、面倒な事になりそうだ。
すると、ミリムが俺たちに話しかける。
ミリム「なあなあ。」
「「ん?」」
ミリム「お前達は、魔王になろうとしたりしないのか?」
リムル「…………何で、そんな面倒な事しないといけないんだ。」
ミリム「えっ!?だって、魔王だぞ!?かっこいいだろ?憧れたりとかするだろ?」
リアム「しないって。」
ミリム「えっ!?」
「「えっ?」」
俺の言葉に、ミリムは驚いた様な表情を浮かべる。
えっ、何で驚くの?
俺は、いずれ魔王になるかもだが、今はまだ早いだろう。
リムルが、ミリムに質問をする。
リムル「魔王になったら、何か良い事でもあるのか?」
ミリム「強い奴が、向こうから喧嘩を売ってくるのだ。楽しいぞ。」
リアム「そういうのは、間に合ってるし、俺たちは興味もないよ。」
ミリム「ええっ!?じゃあ、何を楽しみに生きてるんだ?」
リムル「色々だよ。」
リアム「俺ら、やる事が多すぎて、かなり忙しいからさ。魔王の楽しみは、喧嘩以外には、何かあるのか?」
俺の質問に、ミリムは言葉に詰まる。
ミリム「無いけど………。魔人や人間に威張れるのだぞ?」
リムル「退屈なんじゃ無いか?それ。」
ミリムの答えに、リムルがそう言うと、ミリムは図星の態度を取る。
まあ、魔王なんざ興味ないしな。
魔王になって、余計なしがらみは増やしたくない。
ていうか、退屈してんじゃねぇか。
リムル「じゃあ、そろそろ………。」
リアム「気をつけて帰れよ。えっ!?」
俺たちがそう言うと、ミリムは俺とリムルを掴む。
ミリム「お前達、魔王になるより面白いことしているんだろ!?」
リムル「ええっ!」
ミリム「ずるいぞ!ずるい!ずるい!もう怒った!」
リアム「そう言われても………。」
ミリム「教えろ!そして、私を仲間に入れるのだ!村に連れて行け〜!」
そう言って、ミリムは、俺とリムルを激しく揺すって、俺とリムルを締める。
…………っていうか、限界!
駄々っ子かよ!
あと、ウォズさん、殺気を向けようとしないで!
俺とリムルは、即座に脱出する。
リムル「分かった、分かった。」
リアム「町には連れて行く。ただし、条件がある。今度から俺たちの事は、さん付けで呼べよ。」
ミリム「ふざけるな!逆なのだ!お前達が私をミリム様と呼べ!」
リムル「………じゃあ、こうしよう。俺たちがミリムと呼ぶから、お前は俺たちを呼び捨てで呼ぶ。どうだ?」
俺とリムルの提案に、ミリムはそう言う。
リムルが、折衷案を上げると、ミリムは少し目線を逸らして、答える。
ミリム「…………分かった。しかし、特別なのだぞ。私をミリムと呼んで良いのは、仲間の魔王達だけなのだ。」
リアム「はいはい、ありがとうな。」
リムル「じゃあ、今日から俺たちも友達だな。」
ミリム「う………うむ。」
リアム「これから村を案内するが、俺たちの許可なく暴れるなよ。約束だ。」
ミリム「もちろんなのだ!約束するぞ、リムル、リアム!」
どうにかなったみたいだな。
それを見ていた他の人たちも、ホッとしていた。
ミリムが高笑いしていると。
ガビル「おや?」
ミリム「あ?」
その声がして、蒼影を除いた全員が震える。
蒼影は、リグルドあたりに知らせに行ったのだろう。
震えた理由は、ガビルがとんでもない事を言ったからだ。
ガビル「どなたですかな?このチビッ娘は?」
ミリム「えい!」
ガビル「ああぁぁぁぁぁぁ!!」
そんな事を言ったもんだから、ミリムに盛大に殴られ、石畳を破壊しながら、転がって行く。
ガビル「ああ…………。」
ミリム「誰がチビッ娘だ!ぶち殺されたいのか?」
暴れるなって、言ったばかりなのに………。
早速暴れたミリムを俺たちが呆れながら見ていると、ミリムはガビルに話しかける。
まあ、ガビルの自業自得な面もあるけど。
ミリム「良いか?私は今、とても機嫌が良い!だから、これで許してやるのだ!次はないから、気をつけるのだぞ!」
ガビル「ぶははっ!我輩の親父殿が、川の向こうで手を振っているのが見えましたぞ。」
リムル「お前の親父は生きてるだろ。」
リアム「何言ってんの?」
ガビル「あっ。ところで、そちらのチビッ娘………。」
ミリム「ああ?」
ガビルが、またチビッ娘って言おうとした瞬間、ミリムはガビルを睨む。
ガビル「おっと。お嬢様は一体………?」
リムル「こいつは、ミリム。」
リアム「魔王の一人らしいぞ。」
ガビル「魔王ですと!?」
俺とリムルがそう言うと、ガビルは驚く。
まあ、そうなるのも、無理はない。
リムル「あのな、ミリム。怒っていても、すぐに殴ったりしたらダメだぞ。」
ミリム「う………私を怒らせる方が悪いのだ。それに、あの位は、挨拶の内だぞ。」
リアム「殴り合いは挨拶じゃないんだぞ。それは禁止だ。」
ミリム「うう………!」
俺とリムルの言葉に、ミリムは頬を膨らませる。
そんなこんなで、村の皆に、ミリムの事を紹介する。
リムル「新しい仲間を紹介する。」
リアム「といっても、扱いは客人という形になるので、丁寧親切に対応して欲しい。」
ミリム「ミリム・ナーヴァだ!」
ミリムがそう叫ぶと、周囲がどよめく。
まあ、魔王の一人だからな。
村人「なんと!?魔王ミリム様!?」
村人「おお………!ご尊顔を初めて拝謁出来ましたぞ!」
ゴブタ「さすが、リムル様とリアム様っす!」
リグルド「あの暴君と、ああも親しげに……。これで、このテンペストも、安泰という物だ………!」
ミリムって、有名な魔王なんだな。
っていうか、リグルドは泣きすぎだろ。
すると、ミリムがとんでもない事を言った。
ミリム「今日から、ここに住む事になった!よろしくな!」
「「えっ?」」
ミリムの発言に、俺たちが驚いていると、周囲が歓声を上げる。
住むなんて、聞いてないぞ!?
ただ案内して、案内し終わったら、帰る感じじゃなかったのか!?
リムルが、ミリムに聞く。
リムル「………住むって、どういう事だ?」
ミリム「そのままの意味だぞ。私もここに住む事にしたのだ。」
リアム「ああ………。ま、まあ、本人がそう言っているので、そのつもりで、対応して欲しい。」
リムルの質問に、ミリムが答え、俺がそう言うと、再び歓声を上げる。
人気なんだな。
すると、ミリムが叫ぶ。
ミリム「何かあったら、私を頼ってもいいのだ!」
ミリムの宣言に、村人は歓声を上げる。
すると、リムルがつぶやく。
リムル「魔王と友達か………。」
ミリム「そうだな。友達は変だな………。」
リムル「あ………聞こえてた?」
リアム「聞こえてたぞ。」
ミリム「え、えっと………。友達というより………マブダチだな!」
ミリムがリムルを持ち上げ、俺の腕を持ち上げながらそう言うのに、村人は、何度目かの歓声を上げる。
俺たちは、驚く。
リアム「マブダチ!?」
ミリム「違うのか!?う、うぅ………。」
俺の叫びに、ミリムが反応して、泣き出しそうになる。
やっべぇ、地雷を踏んだか!?
リムル「マブダチ!マブダチ!皆!俺たち3人はマブダチ!」
リムルがそう宣言すると、周囲の人たちが、マブダチコールを始める。
ミリム「だろ?お前達も、人を驚かせるのが上手いな。」
こうして、火薬庫よりも危険な魔王ミリムが、ジュラ・テンペスト連邦国の仲間入りを果たした。
そして、温泉宿で、ミリムは温泉に入っていた。
一方、俺たちは、和室に集まっていた。
集まっていた面子は、俺、リムル、ウォズ、リグルド、カイジン、紅丸、蒼影、白老だ。
集まっていた理由は、ミリムの扱いと、今後の方針だ。
ただ、リムルが何かを考え込んでいた。
リアム「リムル。」
リムル「ああ、すまない。何だっけ?」
リグルド「ミリム様の件です。まさか、魔王自らやって来るとは思いませんでした。」
リムル「でもまあ、一応は許可なく暴れないと約束してくれてるし………。」
カイジン「いや、しかし、気になるのは、他の魔王達の出方じゃねえか?」
リアム「どういう意味だ?」
カイジンの言葉に、紅丸達は頷き、俺は、理由を尋ねる。
ウォズ「魔王は何人か居るんだが………お互いが牽制し合っているんだ。」
カイジン「ウォズの言う通りだ。今回、旦那方がミリム様と友達と宣言したから、この町も、魔王ミリムの庇護下に入る事を意味する。本来なら、それは望ましい事かもしれんが………。」
白老「リムル様とリアム様は、総統という立場にありますのじゃ。つまり、このジュラの大森林が、魔王ミリムと同盟を結んだ………そういう風に、他の魔王達の目には、映るでしょうな………。」
紅丸「魔王ミリムの勢力が一気に増す事になり、魔王達のパワーバランスが崩れる。」
「「なるほど………。」」
つまり、俺たちは、魔王達の勢力争いに巻き込まれるかもしれないって事か。
面倒な事になりそうだな。
リグルド「しかし、実際にですぞ。魔王ミリム様を止めようとしても、無理でしょう。」
紅丸「あれは、別次元の強さだった。リムル様とリアム様がいなければ、俺たちが戦い、命を落としていただろう。」
蒼影「その通りだ。他の魔王が敵対するというのなら、そいつらを相手にする方がマシだろう。」
そこまでか………。
流石に、それは凄いな。
しばらくの静寂の末、獅子脅しの音がすると。
リグルド「という事で、ミリム様のお相手は、マブダチとして、リムル様とリアム様に全てを任せるという事で………。」
「「「異議なし。」」」
「「丸投げ!?」」
俺たちに丸投げしたぞ!
俺たちが驚いている中、白老が口を開く。
白老「魔王ミリム様は、最強最古の魔王の一人。絶対に敵対してはならない魔王と、言われておりますしのう。今回ばかりは、リムル様とリアム様にお任せする他ありますまいて。ホッホッホッホッ。」
ウォズ「無論、私も手伝うさ。」
仕方ないか………。
俺とリムルは、そう思った。
だが、俺たちは知らなかった。
ミリムが巻き起こす旋風は、まだ吹き始めたばかりだという事を。
一方、当のミリムは、シズさん、朱菜、紫苑、銀姫にお湯をかけていた。
ミリム「アハハハハ………!楽しいのだ!うおぉぉぉ!ハハハ………!」
朱菜「お風呂で遊んではいけませんって、言ってるでしょ!」
銀姫「やめて下さい!」
シズ「アハハハハ……………。」
紫苑「うう…………くらえ!」
紫苑はそう叫んで、お湯をミリムにかける。
ミリム「やったな!それ!」
朱菜「良い加減にしなさーい!!」
銀姫「紫苑もやめなさい!」
シズ「結構騒がしいね……………。」
女湯から、朱菜と銀姫の叫び声とシズさんの呟きが響くのだった。
今回はここまでです。
遂に、ミリムが現れました。
流石のリアムも、ミリムには勝てませんでした。
まあ、最古の魔王が相手ですし。
蓮月と名付けた副隊長は、仮面ライダーシノビに変身します。
蒼影が風魔ですので。
次回は、ユーラザニア、ブルムンド、ファルムスから、あのキャラ達がやってきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
リアムの運命の人は、クロエですが、どんなエピソードをやって欲しいというのがあれば、受け付けます。
あとは、少し先になりますが、ファルムス王国との戦いがどういう感じにするのかも受け付けます。