変わる世界で配信中   作:ありくい

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《恵視点》


休息

「んん〜っ!」

 

スッキリした。実際死んではないし、夢での出来事だけど、多分脳裏にしっかりと焼き付いてくれるだろう。これからは、人を見捨てようとすれば恐怖に震え上がるはずだ。

 

「あ〜あ。暗くなっちゃった」

 

配信中の画面に映らないようにゆっくりと迫っていたせいで予想より時間がかかってしまった。

 

「あ、携帯確認しよーっと………あ」

 

見れば、鬼のように電話が掛かっている。えっと、どうしよう。と、取り敢えずメッセージで連絡しておこ プルルルル

 

「は、はいもしもし?」

 

「あ〜、やっと出た〜!速く帰ってきて〜?陽菜さんすごいよ〜?」

 

そこを退いて!!!!!!恵を迎えに行くの!!!!!!

 

ふおおおおおお!!!儂に全力を出させるとはのぉ!!!!!ふんぬぅ!!!

 

「陽菜さんすごいね〜。火傷した方の足でもちゃんと立ってる〜」

 

「ええ!?ちょ、大丈夫なの?」

 

お姉ちゃんそれ激痛に耐えるとかで済むの!?不味くない!?」

 

「大丈夫なわけないよ〜。私が今全力で回復してるんだから〜」

 

「急いで帰る!それまでお願い!」

 

「は〜い」ガチャ

 

家まで後ちょっと。急げ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご、ごめんね。お姉ちゃん」

 

「……」むすっ。

 

なんとかゴブリンを潜り抜けて帰ってきたら、お姉ちゃんにフルホールドで捕まえられてしまった。不機嫌そうに頬を膨らませている。友達(三春)の目の前なので恥ずかしい。いや、辞めなくて良いけどね。別に。

 

「あら〜。恵がそんな状態なのは珍しいね〜。えっと、じゃあまずはこっちの傷を治しますね〜。火傷は後で〜」

 

悪化してしまった足だが、流石にもう一瞬で治せるものではないので、別の傷、オーガの時の傷を治すことにした。こちらはすぐに完治まで行けるらしい。

 

「はい〜。じゃあ次、足の方やりますね〜」

 

「……」ぎゅーっ!

 

またもや強く抱き締められる。離してくれないなぁ。

 

「…なんか、面白いですね〜。で、ええっと〜、はい〜」

 

さっきは背中側だっただけに見えなかったけど、三春の掌からぽわっと緑の光が飛び出た。それは傷口の上でくるくると踊り、緑の粉をパラパラと落としていた。

 

「お、お姉ちゃんどう?なんか感じる?」

 

「別に」

 

「あ〜、結構続けないとですね〜。あ〜、後2日は安静です〜」

 

2日。結構長い。でも、それならゴブリンの王が出るという最終日には間に合う。そう。まだ2日目なのだ。

 

「あの、お爺さん」

 

「別に構わんよ。布団がないからタオルぐらいしか貸せないが大丈夫か?布団はそれが最後なんじゃ」

 

なんと、一つしかない布団をお姉ちゃんに貸してくれていたらしい。なんと優しいのか。

 

「ありがとうございます」

 

「なら〜、私がご飯作りましょうか〜?」

 

三春がそんな提案をする。まあ、私も同じ事を言おうとしたのだけど、それはそれとして

 

「三春はダメ」

 

「ええ〜?どうして〜?」

 

「三春はいつも行動が遅いから火を使うといつも焦がしちゃうじゃない」

 

「そうだっけ〜?」

 

私は忘れない。家庭科の調理実習。言葉通り炭となった数々の食材たちを。

 

「そうです!私がやるから三春はお姉ちゃんの…」

 

「……」ぎゅーーーっ!

 

無言の抗議を受けている気がする。

 

「えっと、料理の時間だけだから。それに、我慢してくれたらなんでもお願い聞いてあげるよ」

 

「……」

 

力が弱まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、イベント3日目、4日目は何事もなく過ぎていく。インターネットを確認すれば、自衛隊と1万規模のゴブリンとの衝突映像や、そこそこ知名度が上がり始めている強い力を持った配信者達が協力して1万規模のゴブリンのボスを倒すというような動画が上がっていた。

 

でも、今最も注目されているのは、そのどれでも無かった。

 

 

『こちら、首都上空です!本日深夜12時に現れた―――』

 

ヘリコプターに乗ったアナウンサーが叫ぶように指し示しているのは空中に現れた巨大な扉。タイマーが設定されていて、あれであれば日本時間の5日目の正午にちょうどゼロとなる。

 

おそらくというか、ほぼ確実にそこから出てくるのだろう。その場所は、今私達がいるところからは結構遠い。時間までに行くのならそろそろ家を出ないと行けないのだが、まあゆっくりとしている。

 

理由としては、お姉ちゃんの足がまだ完治していないのと、わざわざ行く必要が無くなったからだ。

 

というのも、その理由はお爺さんにあった。ちょうど、扉の出現で世界が騒いでいた頃、お爺さんがおもむろに一つのクエストを発動させる。

 

『イベントクエスト ゴブリンキングの討伐

勇気あるものは、ゴブリンキングを討伐せよ』

 

それは、お爺さんの意思とは関係なく発動し、そして日本中のすべての人間の目の前に表示された。参加する意思を持つものには、追加でもう一つメッセージが現れた。

 

『クエストの参加を確認。開始時刻の2時間前に輸送いたします』

 

これで実際に輸送されないのなら、してやられたということになるが、今の私達にしてみれば、信じたほうがいいだろう。  

 

ひとまず今日は、アップを兼ねてちょっとしたゴブリン退治に出向いたのだ。

 

 

 

 

 

 

 




マジでごめんなさい!!このあと一回別のやつ投稿しちゃいました!ほんっとうにごめんなさい!あとタイトル忘れてるの今気づきました!ごめんなさい!
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