変わる世界で配信中   作:ありくい

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なんだかんだ元気に生きる

時刻は12時。私は、たっぷりと睡眠をとり、恵の作ったご飯をお腹いっぱい食べて、恵とお風呂には入れなくて…英気を養っていた。

 

「おはよ〜ございまぁ〜す〜」

 

ぐーっと伸びをしながら降りてきたのは、三春さん。恵によると、昨晩帰ってきたらしい。時間的には11時辺り、新しい化け物と出会うことのないだけ、よく考えられている。

 

「おはよ〜。よく寝てたね」

 

「えへへ〜。いつもより寝ちゃいました〜っていうのは嘘で〜」

 

間延びした口調なのに、発言まで先延ばしするような、せっかちな人ならいらいらしそう。不思議と、私は何も感じないけど。

 

「えっと〜、じゃっじゃ〜ん〜!」

 

そうして取り出したのは、

 

「アルバム?」

 

「はい〜!家から持ってきたんですぅ〜!」

 

バッバーンと見せつけながら、キャピキャピしている。これが最近の若者というのかな?…そういえば、ちょっと前まで私もそんなのしてたかも。友達と一緒に…。

 

「最近の〜トレンドはアルバムなんです〜!」

 

「あっ、そういえばそうらしいね」

 

通常、家から出ようにも迂闊には出られない現在。だんだんと能力持ちの人達が判明してきて、少しずつ生活は良くなっているものの、やはり外は危険で、何より、宅配すら動かせないのがかなりキツイ。

 

だから、家から出ずに、暇つぶしも兼ねて、友達を思い出せるアルバムがトレンドとなった。

 

アルバムならみんな持っているし、友達と通話しながらだとか、思い思いになんとか元気に過ごそうとしていた。とってもそういうのは好ましいし、楽しいのは大好きだ。

 

「へー。私も見ていいかな?」

 

「ぜひぜひ〜。恵ちゃんの写真見ますか〜?」

 

「そういや、中学からの付き合いってわけじゃないんだっけ?」

 

「はい〜。小学生からですね〜」

 

一応、恵の写真は全部目を通していて、特に良いものは脳内に永久保存しているはずだけど…、見てみよう。

 

そうして、ゆったりとした時間。途中からは恵みも混ざり、お菓子や紅茶と一緒にアルバムを読んでいった。昔を懐かしむように、三春さんも恵もエピソードを話すもんだから、思ったよりもページをめくる手は進まずに。

 

プルルルル、プルルルル

 

アラーム。そろそろ、準備の時間だ。

 

「あっ、時間だ。ふたりともありがとうね。とっても楽しかったよ」

 

「いえいえ〜。あっ、お姉さんのアルバム。明日見ませんか〜?」

 

「いいね。お姉ちゃん。アルバムってどこにあるの?場所言ってくれるなら探しとくよ?」

 

「えっと…小学校のも中学校のも物置だから、明日取りに行くよ。それより、ご飯食べようか」

 

やっぱり、空腹の状態だと頭が回らない。しっかりと食べることが大切だ。

 

「ご飯なに〜?」

 

「うーん。最近届いた食材だと…お鍋かな?明日の朝ごはんにもなるし、いいかも」

 

「締めは雑炊〜!」

 

「明日の朝ごはんはそれにするから、晩の締めはうどんね。あ、卵入れる?」

 

「入れる!」

 

卵は万能だ。ほとんどの栄養も取れるし、本当に隙がない最高の食材だ。…ビタミンCくらいは自分でとれ!

 

「明日の朝楽しみ〜!」

 

「お姉ちゃんが喜んでくれて良かった。腕によりをかけるよ!!!」

 

「デザートも〜」

 

「ごめん。材料と時間とやる気がない」

 

「そんな〜」

 

 

 

 

そうして、

 

鍋をみんなでつついている時に、テレビをつけてみた。最近の騒動からはもっぱら、人材が足りないのかひたすらに同じ人が似たような内容を毎日やっていくか、再放送でテレビから離れてしまったのだ。

 

まあそれも仕方ない。テレビ局がゴブリン等化け物に荒らされていない訳がないし、俳優さんや芸人さんみたいな人たちも、動けないのだから。

 

「っあ…」

 

基本的には、前と同じだろうなと思っていたテレビは少し変わっていた。ただのニュースでも、スタッフ総動員で、顔も見たことのない人達が前に出て面白おかしくトークしている。音響とか、監督とかかな?

 

また、バラエティも復活。今求められているであろうお家での生活の仕方。また、化け物等のモンスター関連でも、いわゆる配信者の許可をとって動画を辛うじて集まった俳優などと同時視聴とか、配信者に直接来てもらうとか、創意工夫が見られた。

 

「すごいね。こんな状況なのに、みんなを楽しませようとしてる」

 

テレビの背景のセットは、面白いぐらいにハリボテだけど、それが今の現状と、熱意を同時に表しているようにも感じる。とても、心が暖かくなる。

 

出来ることをやって、日常を作る彼らには、いくら感謝してもしきれないや。

 

 

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