変わる世界で配信中   作:ありくい

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《恵視点》


今の世界

 

お姉ちゃんと三春と共に、団らんの時間を過ごした後、私達は玄関でお姉ちゃんの装備をチェックしていた。

 

もうそろそろ時間なので、三春と一緒に見送るのだ。

 

「いってらっしゃい。無理はしないでね」

 

「いってらっしゃいです〜」

 

「うん。無理なんてしないよ。恵の為に、絶対に帰ってくるから!」

 

「…うん。信じてる」

 

多くの場合、お姉ちゃんは無傷で帰ってくるから、どれだけ無理をしているかなんてわからない。でも、していないわけがないのだ。そうでもしないと、あんな頭のおかしいこと、できるはずがない。

 

…一緒に行きたいけど、ここらへんで三春と交代で仮眠を取らないと、最悪私が倒れかねない。ただでさえ、最近は動画制作等で少しミスが増えてきたのだ。

 

「さー三春ちゃん〜!寝ましょうね〜!」

 

「うん。でも、その前に」

 

パソコンを立ち上げて、海外のニュースに目を向けた。G7はあがってるけど…結構あがってない国多いな。

 

まあこういう時、政府が人員不足を補うために、広報の人員すらこき使う、あるいは、単純にゴブリン等化け物によって全滅させられたか。報道が民営化されていれば、そこから得られることもあるのだけれど…。

 

まあ、取り敢えずまとめてみよう。

 

と、そこで、パソコンの検索ワードをみて即座に目を逸らした三春に目を向けた。

 

「三春も見る?」

 

「いや、私は寝ようかな〜って〜」

 

「あはは、三春が寝たら起きれないから私が先に寝るって言ったじゃん。当然、それまでは三春も寝かさないよ?」

 

「コーヒーいれるね〜」

 

快諾してもらえて何よりである。マイペースな三春は案外作業は効率良かったりする(ゆっくりやるから結局は普通の人)ので、助かるのだ。

 

 

 

 

 

まず、今回のゴブリンイベント。最大の疑問点だった『ゴブリンの王を倒せず、時間切れ』となった場合の話。結果としては、大きなデメリットはない様子だった。

 

ただ、当然ながら本来得られるはずのメリットは失う。具体的には、ゴブリンが湧かなくなる、また、ゴブリンの森、あるいはゴブリンの村の出現である。

 

そして、G7はそのメリットを享受出来たようだがG20と広げていくと、ポツポツとそれが出来なくなっていくようだった。

 

初期は、一般的な意見として、ゴブリンが出なくなるくらいであれば、ゴブリンの王という災害は最悪無視という選択肢もあるのではという話になったが、空飛ぶっく(正式名称)の誕生によりその意見は淘汰された。

 

やはり、空飛ぶっくはかなりエグい。一応銃等で対処は可能なのだが、普通の人間は銃を持たない。少なくとも、これまで平和だった国では。よって、空飛ぶっく付きゴブリンの群れに、一部の国は苦しんでいるようだった。

 

また、今回のゴブリンの王。最も早く倒すことができた国は、中国であった。アジア諸国は全国もれなく、初期のゴブリンによって甚大な被害を受けている。とはいえ、多くの人的資源から繰り出される能力の飽和攻撃と、重火器の集中砲火によって、あっさりと倒されたようであった。

 

…一部の人は、ゴブリンを狩りたいという理由で他国へ行ったという噂もある当たり、ゴブリンへの恨みが強い、というのもあるのかもしれない。

 

そして、次がインド。理由は中国と似たようなものとされている。そして、3番目はアメリカだ。

 

アジア、オセアニア、アフリカ、ヨーロッパの状況からゴブリンの王を分析し、普通に軍事力で押し切ったようであった。アメリカは日本との時差の都合上、日本でゴブリンの王が現れてから大体13時間なため、ある程度の準備はできていたのだろう。

 

さて、ここまでで、参考になるかと言えば勿論、

 

まっったくならない。主に人が足りないのだ。それに、私が参考にしたって意味がない。頑張れ日本。頑張れ自衛隊である。

 

しかし、めちゃくちゃ参考になることもある。それは、ゴブリンの森についてである。

 

まず初めに、日本は、ゴブリンの王を倒したとはいえ、新たな化け物が出るまで残された時間が1.5日。当然、あまりゴブリン達について調べられていないのだ。その点、海外では様々な事柄が試されている。

 

まずはじめに、異世界産の技術。

 

これは、意外というべきか、やはりというべきか、世界共通であった。お姉ちゃんに使ったおくすりは勿論、異世界産の武器なども手に入ったようだ。性能面についても、文句なし。ただ言うことがあるとするなら、数が限られているのが問題である。

 

他にも、なんと、()()()()となることも判明。ゴブリンの村には宿泊施設があり、不動産を通じて家も買える。そしてそのゴブリン村の内部は、化け物が湧かない。

 

これには仮説があるが、現状最も有力なのは、ゴブリンの住民たちによって、ゴブリンの村という地域単位の化け物の湧く制限が限界値となっていること。

 

また、外から来た化け物は、オーガですら倒せるということで、中は完全なる安全地帯。ちなみに現在、富裕層が必死になっている。

 

 

 

そしてもう一つ。ゴブリン村を

 

()()()()()()()

 

まず、ゴブリンの森は消失。当然、化け物も湧く。そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

一応、例の声によると、『ああ!なんてことだ。友好を示したゴブリン達を、こんなにも無情に扱うなんて!恨みつらみが募ったゴブリン達は、ゴブリン村の秘術によって思念体となり、他の化け物に寄生します。彼等の望みは、人類の破滅。未来永劫、この恨みは薄れることなく、この邪智暴虐な彼等を苦しめるだろう』とのことらしい。

 

その言葉通り、恐ろしい変化が見られた。それは、

 

 

化け物たちの、()()()である。

 

その国では、オーク、オーガ、スケルトン、そして、スライムまでが軍隊のようにまとまって行動するようになってしまった。ゴブリンの技術なのか、スライムをその他の化け物達は素手で持っている。

 

一応、化け物でもスライムの圧倒的な強酸には勝てないと結論出ていたのだが…やはり、異世界の技術は侮れない。

 

 

 

 

最後に、面白い事が分かってきた。現在、日本という国内において、同じ能力というものは見られていない。似ていても、少しだけ違ったりするのだ。

 

しかし、国が違えば、そうでもないことがわかった。

 

英雄が、世界に名を馳せ始めた。

 

アメリカで、拡大、縮小の能力持ち。お姉ちゃんのファンと同じだ。

 

中国で、触れたものを眠らせる能力。私と同じ。

 

イギリスで、

 

インドで、

 

フランスで、

 

聞き覚えのある能力が、次々と前に出始めた。もちろん、それらがすべて微妙に違う可能性もなくはないが、可能性は低いはずだ。

 

そして、一人気になった子がいた。

 

とある国の女子大生。彼女の能力は―――

 

接続(コネクト)

 

己の力を過信して(ヒーローだと信じ切って)、無駄に戦い、最後は自殺した女の子、その子の名前はカトレア。

 

SNS上で、お姉ちゃんのファンと主張していた子の一人である。

 

 

 

 

 

 

 

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