『はーい!皆さんどもども〜。なんか、物凄く変なことが世界で起こっていますが、私は、今は取り敢えずいつも通り化け物の倒し方を教えていきたいと思います!あ、でも今回は前回みたいに質問時間を設けて、みんなともっと良い倒し方を考えていきたいと思うので、どうかよろしくお願いします!』
というわけでいつもの図。正直、これ要るのか不安になってきた。
『えーっと、今回の化け物は、こちら。化けガエルです。私がいま適当につけたものですけど、このカエルはその名前通り、変身します。そして、油断して近づいてきたところを丸呑みされます。あ、丸呑みされるって言っても、それで即死とかはない感じだね。お腹の中は空気が薄くて、ベトベトするけど、刃物とかで中から切り裂けるよ』
【ん?陽菜ちゃん呑み込まれてね?】
『え?まあ一回しか呑み込まれてないけどね』
【!?】
【なんてことしてるの!?】
『…?あ、でもね、この変身なんだけど、結構簡単に見分けられるかな。後で確認しようと思うけど、目がかなり違うから、そこが一番見分けられると思うよ。他にもあるけど、それは後でね。あ、今のところ変身してるのは人、猫、犬、虫かな。サイズは多分好き放題変えられるんだと思います。元のカエルは大体、えーと、大型犬ぐらい!』
『それで、さっき丸呑みされるって言ったけど、それだけじゃないよ。当然のことなんだけど、変身を解いたら、丸呑み以外の攻撃もしてきます。それがこれ。飛び付く、粘液を飛ばす、舌で突く、このあたりかな。一つ一つ説明していくね』
そうして、攻撃方法を纏めた紙を見せる。
『まず、飛び付く。このカエル自体が重いし、余裕で重心を崩されて、倒れちゃいます。そしたらゴブリン…はいないところもいるけど、オークとか、オーガにリンチされちゃいます。これは、対処法としては落ち着いて、しっかりと引き剥がしましょう。それか、刃物を突き刺すぐらいだと思います』
『次は、粘液を飛ばす。これはものすっごいベットベトだよ。動きがかなり制限されるね。気持ち悪いけど、当たっても数秒たったら水に変わるからそうれまで逃げたほうがいいかな』
『で、最後は舌で突く。これ、一番危ないです。結構ダメージが大きいし、目に入れば多分間違いなく失明します。みぞおちを突かれると呼吸が苦しくなるね。で、避けるのがかな〜り厳しいから、後で教える予兆を見逃さないようにしよう』
紙を纏めてカバンに詰めて、石で飛ばないようにする。
『さ!それじゃ行ってみよう!…あ、倒すのに使うのはブラックジャックと包丁のいつものセットだよ!』
この装備は、多分相当なことがないと変えることはないと思う。まあ、それはこのチャンネルのアイデンティティということでいいだろう。
『お、あれだねぇ』
すやすやと眠る野良猫に目をつける。家族連れなのか、親猫二匹と3匹の小猫で眠っている。
『ん〜、いい機会かも。ねえ皆、あの中に一匹だけ化けガエルがいるよ。考えてみてね』
そこから1分ほど待ち、ぼちぼちコメントが答えを出し始めたので答え合わせだ。
『そう!正解は手前から3番目の猫!これ、多分よく見たらわかると思うんだけど、毛並みに違和感がないかな?うん、分かった人も結構いると思うけど、ちょっとヌメヌメしてます。というか、猫の下を見てみて。ちょっと濡れてるよね?これが、一番いい見分け方だね』
そのまま、私は足音を響かせないように近づいていく。
『こうやって、先に正体がわかったときは、もう勝ったようなものだね。わざと近づいて、適当な石か枝をぶつけましょう』
そうして、ちょんとその猫に石が触れた瞬間、猫がぐにゃりと歪み、むりやり引き伸ばされたように体が伸びる。そうして、猫の口とは全く別の場所が開いて飛び出た舌が石を絡め取った。
それが、シュッと口内に戻ったタイミングで、ブラックジャックでぶっ叩いた。ぐちゃりと潰れ、その場に石がコロリと転がった。
『はい!こんな感じで、隙たっぷりなのでそこを突きましょう!でも、今はブラックジャックで叩いたけど、できるだけ包丁のほうがいいかな。そのほうがきれいに倒せるし、後で魔石を武器として使うならそのほうがいいよ』
そうして、そのまま別のカエルを探す。その間に適当にコメントを眺める。
【気持ち悪っ】
『あー、わかる。気持ち悪いよね。今のところ、このカエルがカエル以外の姿で動くのは見たことないから、サイズを小さくして家に侵入するっていうのはないんじゃないかな…。あの、誰かそれを見た人いますか?』
【朝4時にそんな事してる人いなくね?】
【いたらヤバい】
【自衛隊だが、今のところそのような報告はない】
『わ、自衛隊さんだぁ』
と、そのタイミングで、配信とは別に恵から連絡が来た。
〘裏付けがない限り、配信でその話は辞めたほうがいいと思う。軽くネットで探してみたけど、見たことあるって人もいたよ。嘘かもだけどね!それに、その人が本物の自衛隊とは限らないからね!〙
たしかに。そもそも、自衛隊が今こんな配信を見れるのだろうかという話もある。
『あ、えっと、その、まあ、まだ日が浅いから、今日のところは皆窓とかはしっかりと閉めよう!もしかしたらたまたま見ていないだけって可能性もあるからね!』
えっと、これでいいのかな?あ、恵からスタンプ来た。いいみたい。
『…てあ、いたね、じゃあ次!あの化けガエル、今度は普通に戦おうかな!』
目がおかしい犬。当然ながら化けガエルだ。さっきと同じように、化けガエルに近づいて、同じように枝を食べさせる。そのまま潰さずに、一旦後ろにさがった。
『さっきもちょっと言ったけど、たま〜に、この化けガエル普通に歩いてるんだよね。だから、そのとき用の対策だね』
化けガエルが丸呑みの硬直から解かれて、普通のカエルが鳴くかのように喉を膨らませた。
「ゲコッ!」
カエルの正面から離れて、そのまま飛び出た舌に包丁を合わせる。
「ゲェッ!」
『今みたいに、喉を膨らませたら絶対に舌を出してくる。そのときに正面には絶対に回らないこと!』
化けガエルは痛みに苦しんだあと、後ろ足のみで体を跳ねさせる。
『これ!飛びつき!』
当たると面倒臭いので、避けて、そのままブラックジャックをぶち当てる。
「ガッ!」
流石にキツかったようで、カエルは魔石に変わった。
『あっ、倒しちゃった。じゃあ次の探しに行こっ…!?」
足元の虫が、急激に体を引き伸ばす。視界が暗くなり、おそらく、頭の髪飾り型のカメラもその様子を映していることだろう。それに、体内はベトベトしてるから、スマホとカメラがやばい!
咄嗟に短刀を取り出して、我武者羅に振った。
「ゲェェ!!」
無事倒すことができ、その場には魔石とベトベトの私が残った。
『うへぇ…』
しばらくすると水に変わったけど、それはそれで気持ち悪い。でも、カメラもスマホも無事だし、ひとまず良しだ。
『はい、こんな感じで、気をつけましょう…。もう、粘液はいいかな。こんな感じで、うぅ…。あ、そうだ、コメントで何か他の倒し方思いついた人いますか?』
【うーん…】
【思いつかない】
【そもそも、前回と違って特別特殊な敵じゃないからいないんじゃないかな?】
そこから、特に良さそうな倒し方があるわけでもなく、コメントから目を離し、カメラを見た。
『それでは、今回はこれで終わろうと思います!最後に、まだ小さい体で侵入してくる可能性もあるから、窓はしっかりと閉めましょう!それじゃ、ご視聴ありがとうございました!』
あ、当然ながら変なコメントは恵ちゃんが徹底的に消しました。具体的には【エッッッッッ】などです。ご安心ください。この世界のネットもネットです。