『はい。皆さんどもども〜。前回は大変だったけど、なんとか無事に終わったよ〜。心配してくれた皆さん。ありがとうございます』
カメラに向かってペコリと頭を下げる。自衛隊さんとの色々があった後、配信を確認してみれば、心配のコメントが多く見られたのだ。もちろんSNS上でも言っているが、改めてお礼を言う。
『はい。じゃあ今日もやって行きましょう。本日から、なんと自衛隊さんの方が手伝ってくれるようになりました!検証出来ることも増えるので、ぜひ色々とリクエストしてください!』
自衛隊さんが手伝ってくれるお陰で、化け物の行動や倒し方を調べるのがとても楽になった。もちろん人数が増えるというのもあるが、なんと、私をサポートしてくれる自衛官さんは二人なのだが、一人、とっても便利な能力の人がいたのだ。
ズバリそれは、化け物を捕まえる能力。手のひらから光る網のようなものが出てきて、化け物を覆い、
もちろん、光る魔石は好きなところで出すことが出来る。自衛官さんは光る魔石は一個しか持てないため、捕まえられる化け物は一体だけで不便と言っていたが、私や自衛隊には喉から手が出るほど欲しくなるだろう。なんせ、未知の化け物に対して、最大限の準備を整えられるのだから。
『さて、今回の化け物はズバリ虹色うさぎです!こちら写真です!これまでは絵で説明していたけど、自衛官さん達のお陰で写真が用意できたのでこちらで説明します!』
そして、ひじょーに目に悪い虹色に光るうさぎの写真を見せた。
【ゲーミングウサギwww】
【うわぁ…】
このうさぎの見た目は虹色に光る以外は普通のうさぎだ。可愛いはずなのになんとも言い難い気持ちになる。
『まあ、わかる。実際、始めて見た時は自衛官さんと一緒に苦笑いした程だし』
あの時の微妙な空気は忘れない。でもお互いの緊張は程よくほぐれたと思うから悪いことではない。
『それでは、解説にいきます。このうさぎは、物理で攻撃せず、魔法で攻撃してきます。私達が見た感じだと、火、水、風の三種類です。
魔法といえば、これまではどれも強力なものでしたが、威力はそこまででした。火は軽い火傷、水は水風船ぐらい、風は少しよろけるぐらいです。どれも、丸いボールのような形で発射されます』
始めての魔法職だ。これまではオーガ、ダークナイト、大きなカブトムシという大型の化け物が攻撃手段の一つとして使ってきた魔法だが、完全に魔法のみの化け物は始めてである。いや、空飛ぶっくは魔法みたいなものだから、それで言うと二人目かもしれない。いやそれなら化けガエルも…。いや、とうでもいいか。
『近寄ってあれこれ試してみましたが、近寄ると何かしてくるというわけではなく、死物狂いで距離を取り始めます。うさぎなので中々の速さですけど、追いつけないほどではないと思います』
今回の虹色うさぎは比較的弱いほうだろう。遠距離といえば空飛ぶっくが思い浮かぶが、アレより遥かにマシだ。なんせ…
『ちなみにこの虹色うさぎ。たまに他の化け物へ流れ弾を当てるときがあります。そうなるとなんと、一瞬でヘイトが向くので、勝手に殺し合って、私達はそこを漁夫の利できます』
実際、オーガと虹色うさぎ、大きなカブトムシと虹色うさぎというタッグに出会ったが、どっちも流れ弾にキレてボコボコにしていた。
『というわけで、実践といきましょう!』
本来なら今から虹色うさぎを探す。しかし今回は最初の一回に限りその必要がなくなる。大幅な時間短縮である。
打ち合わせ通りに、私は指示された方向に進む。カメラはもう一人の自衛官さんが持ってくれているので、そこら辺の負担も軽減。ありがたい。
カメラに映るギリギリで影から自衛官さんが捕まえておいた虹色うさぎを魔石から出す。これは、自衛官さんの能力がバレないようにするためだ。
『わっ、いましたね!』
場所は山の麓のの住宅地。周囲の家の窓はしっかりと閉められている。
大体五メートル程の距離を取った虹色うさぎは、鳴いた。
「キュ〜!」
虹色の体から、赤だけが激しく発光し、丸いボールを作り上げる。それは、直線上に飛んできた。
『こんな感じで、多分虹色うさぎをよく見ていれば避けれます』
一歩横に避けるだけで、それは私の横を通り過ぎて、勢いを無くし消えていった。
「キュ〜!」
もう一回。次は風らしい。
『さて、気づきましたか?虹色うさぎは魔法の前に絶対に鳴きます。そのため、もしこの鳴き声がしたら、近くに虹色うさぎがいて、魔法を放ってくる直前なのだと思っておいてください』
風のボールも避ける。次は水。
『じゃあ倒しましょう。ちょっと見ていてください』
一歩大きく歩を進める。
「キュッ!」
完成が近づいていた水のボールは、形を崩して地面に落ちて、虹色うさぎは後ろに大きく下がった。そしてまた、水のボールを作り始める。
『このように、この虹色うさぎは何よりも距離を取ることを最優先します。その瞬発力はまぁまぁ高いので、人によっては追いつけないかもですね。ただ逆に言えば進み続ければ一生下がっていきます』
手のひらに、いつもの如く魔石を握る。
『倒し方は至極単純。投げ物で一発です。でも、こんな感じで』
軽く投げるはオークの魔石。空中で魔石は死体となり、うさぎを押しつぶさんとする。それを、うさぎは当然のように避けた。
『普通にやると避けられます。なのでタイミングを見計らいます』
虹色うさぎが水のボールを形成し、今にも吐き出さんとするその時に、私は魔石を投げる。水のボールと魔石が交差し、片方はそれを避け、もう片方は避けきれず押しつぶされた。
『はい。こんな感じで、魔法を撃った直後は体が硬直するのか動きません。そこを狙いましょう』
さて、これで、虹色うさぎについては終わりだ。油断しなければこれ単体に負けることはないだろう。
『じゃあ、ここからは三十分間、質問タイム的なのをやっていきましょう!虹色うさぎに限らず何でも!もちろん、募集する質問は化け物退治についてだよ!』
暫くして、コメントには多くの意見が寄せられる。その中から適当に良さそうなものを探していく。
【虹色うさぎを投擲なしで倒して!】
『ほう。虹色うさぎを投擲なしかー』
取り敢えず虹色うさぎを探しながら、コメント欄と会話する。
『うーん。何か皆意見ある?どうやったらいいかとか』
【魔法を撃った瞬間に距離詰めるのは?】
『あーなるほどね?でも、それって参考になるかなぁ』
一応それは考えたことがある。ていうかやってみた。でも、
『でもそれは、魔法に当たりながらになるんだよね。ん〜、いいや、やってみよっか』
自衛官さんの持つカメラから、視点を髪飾り型のカメラへと移す。こうすれば、多分言いたいことが伝わる。
標的にするのは、虹色うさぎ1羽とスケルトン一体、空飛ぶっく一冊だ。スケルトンはなんか赤いエプロンと包丁を持っている。
初めに、ダッシュで距離を詰める。
スケルトンは私を見て、カウンターのつもりか包丁を構え、うさぎは逃げる。空飛ぶっくはスケルトンの頭に引っ付こうと動いている。
優先して狙うのはスケルトン。スケルトンに空飛ぶっくが引っ付けばとたんに厄介になる。それに、殺傷能力が高いのもそうだ。
突き出してくる包丁。かなりわかりやすいので避け、空飛ぶっくを無視してブラックジャックを叩き込んだ。魔石がごろりと落ちる。
その上部からすぐさま空飛ぶっくが紙を発射してくる。当たると痛いので全力で走り、空飛ぶっくの紙が切れるまでの間、虹色うさぎに注意を払う。風のボール。数枚の紙を巻き込んだものの、避けるのは簡単だ。
紙の枚数が切れたら1枚手に取りライターで火をつける。これで空飛ぶっくも終わり。
最後は虹色うさぎ。これが見せたかった。ジリジリと大体五メートルまで近寄る。これ以上進むと多分逃げる。
『じゃあ、行きます』
タイミングを見計らい、魔法に当たりながら進む。種類は火、ちょっと熱いが、足を止めるほどでもない。というか私は火傷すらしない。そして、魔法に当たりながら突っ切ったのにも関わらず、手に持った包丁は、うさぎの片足をかすっただけで、そのまま距離を取られた。
『はい。こんな感じで、めっちゃギリギリだし、しかも倒せるかは分かりません。もちろん魔法を避けるなら多分普通に避けられます。なので、もしこうやるのなら、リーチが長い武器がある人とかだと思います』
言いたいことは言えたので、魔石を投げて仕留める。
『それでは、もう一個といきたいですが、自衛官さん達にはお仕事があるのでここで終わります。もしなにかリクエストがあれば、コメントに残してもらえたらと思います』
『はい。今回はかなり弱めの虹色うさぎでした!弱めとはいえ、火傷はするし、もちろん、急所に当たればまずいのに代わりはありません!油断はせずにしてください!ご視聴ありがとうございました!ばいば〜い』