陰の実力者ってこれでいいのか? 作:ソフトクリーム
ベータがいた
僕はなんでここにいるのかと聞こうとしたら
「シャドウ様のことを調べましたので」
恋する乙女のように、頬を赤くしてシャドウの目を見つめる。隣にいる彼女はシャドウと小さく呟いていた。そう言えば名乗ってなかったね。
「初めまして。私はベータといいます。貴方の隣にいる男性が私達の主です」
「え…はぁ…えっと…?」
そりゃいきなりそんなことを言われても固まるしかないよね。ってあれ? 私達? 私じゃなくて?
「あなたを保護しなさいと命令が下りましたので、保護させていただきます」
「だ、誰なの? そんなことを言ったのは?」
「私達のリーダーです。あ、シャドウ様はリーダーではなく主様です」
リーダー…誰だろう…僕が会った中でそんなことをいうのがいるとしたら…あぁ1人しかいないね。もう1人は狩りに行くのですとかしか言わないもんね。あの子は2人とは関わりがない…よね?
なんか考えるのはやめろと本能が告げている
「ベータ。この子をお願いね」
この子を渡して早くここから去りたい
「はいシャドウ様」
「ね、ねぇ。シャドウ。この人信じていいの?」
「問題ない。僕の大切な仲間だ」
「そう…なのね」
彼女はベータを見る。ベータは何やら頬を抑えてニヤけそうになるのを我慢しているようだ。まぁ、後のことはベータに任せよう。僕はこの場から去った。
「…」
「…」
シャドウが去ってから、さっきまでのベータと違い、冷たい目で彼女を見ていた。彼女もまたベータに冷たい目を向けていた。
あぁ…愛しきシャドウ様を呼び捨てするとかどんな神経をしているのかしらこの女。だっこされて、しかも自分のために演奏までしてくれるなんて…なんて羨ましいのかしら。シャドウ様の演奏もあまりの素晴らしさに思わず聴き入ってしまったわ。この子…シャドウ様に向ける目が不健全極まりない。このままじゃこの雌はシャドウ様にとって害虫になるかもしれないから、その辺で消すのも…いやいや、そんなことをしたらあの人に怒られる。あの人を怒らせちゃダメなのは身をもって知っているでしょ私。ここはシャドウ様のことを思い出して…あぁ、~心が安らぐわ~。さて、これを保護しないと…やっぱ事故に合わせるのもありかも…いやダメよベータ。今は仕事よベータ。ベーt、えへへ、シャドウ様に付けていただいた名前を自分で呼ぶだけで…ふふふ
こいつ…何なのあの胸は…。私に胸が無いことに対する挑発なのかしら。それに私を助けていただいたシャドウ様に色目を使うとか…。話を聞いた感じ、シャドウ様の部下とかその辺でしょうけど、いずれ私があのお方の横に立つのがふさわしいわ。だって一緒に演奏しようと言ってくださったのよ。彼の演奏に応えられるのは私だけ。他の人には出来ない、私だけだわ。それをこんなポッとでの女に取られる? 冗談じゃない。ていうか胸揺らすな、もいでやりたい…せめて形を崩して垂れさせてやりたい…。シャドウ様はこいつについていけと仰ったから、仕方なくついていくことにしましょう。どの道行く当てがないし。…見ているだけでムカつくのはなんでかしらねー。
次の瞬間、2人はさっきまでの冷たい目が嘘のように、親しい者と話す感じで、顔を軟らかくし、声色も明るくなる。
「改めて。私はベータ。これからあなたはイプシロンと名乗りなさい」
「何でその名前を名乗らないといけないのよ」
「そうですか~。シャドウ様があなたの名前を考えてくださったお名前ですが、お気に召しませんでしたかそうですかー。シャドウ様にはそうお伝えしますねー」
「わかった。イプシロンね。了解。これからよろしくねベータ」
「はい~。よろしくおねがいしま~す。ってあら、きゃぁぁ~」
近づいてきたイプシロンにベータは転んだ振りをして体当たりしようとする。イプシロンは咄嗟のことで反応するのが遅れ、ベータの胸がイプシロンの胸に当たる
「あぁ~、大丈夫ですか~?」
顔を見ると、ベータは嘲笑していた。彼女の視線は私の胸に向けられている
「…。えぇ、大丈夫よ。そっちこそ大丈夫かしら? 随分と足がフラフラしているようだけど、身体の凹凸がヘンテコだからじゃないかしら? 少し体形を意識した方がいいかもしれないわよ?」
「ご忠告、どうもありがとうございますぅ~。でもぉ~、身体はぁ~、生まれつきのものですしぃ~、シャドウ様はぁ~、夜にぃ~、一緒のベットでぇ~、私のぉ~、身体を~、暖かくぅ~、抱きしめてくれましたよぉ~? それにぃ~、私がぁ~、死ぬのはぁ~、シャドウ様がぁ~、シャドウ様自身を~、許すことがぁ~、出来ないとぉ~、強い思いがぁ~、魔力を通じてぇ~、言われましたぁ~。てへぇ♪」
「………」
甘ったるい声で、こちらを嘲笑う女。私から離れて腕を前に組んで胸を強調させた。
っふ
「何か言ったかしら?」
「いえ~、何もぉ~。それじゃあ時間も押しているし、案内するわ。付いてきなさいイプシロン」
さっきまでの嫌味な声ではなく、仕事モードで話すベータ。イプシロンもそれを感じ取り、ベータの言う事は信じず、シャドウ様がベータについていけと言われたことを信じて、彼女の後ろをついていくことにした。
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