陰の実力者ってこれでいいのか? 作:ソフトクリーム
僕はアルファと2人きりでご飯を食べていた。
「アルファー」
「何」
「僕が誰かと付き合うとしたらどんな人がいいと思う?」
ガシャン!
アルファは持っていた茶碗を粉砕した。瞳は暗く落ち窪んでいるような感じで、真顔で僕の下にすり寄ってくる。僕の身体を押し倒して、寝転んだ僕の上に彼女は跨った
「誰?」
弱弱しい声ではあるが、同時にとても冷たくもある。そんな声を出せるんだと思っていると
「誰?」
なんか雰囲気が変わった?
「誰? 誰? 誰?」
「お、落ちついてアルファ」
「私は落ち着いているわよ。で? どこの誰?」
「いないよ! もしいたらどんな人かなって想像しただけで…」
「……そう」
彼女の瞳に生気が宿る。真顔から少し安心したような顔をしていた。
「シャドウ。今の他の5人に言っちゃだめよ? 分かった?」
「え、なんで?」
「あの子達は今大切な時期なの。そうね例えるなら…大切な試験を受けるための準備中みたいなものよ。今の発言はあの子達には衝撃が多すぎるから絶対やめてね」
絶対止めてと言われると、やりたk
「ご飯抜きにするわよ」
「わぁあ!? 待って! 言わない! 言わないからアルファのご飯もっと食べたい!」
「分かってくれてなによりよ。それに嬉しい……本当に嬉しい」
なんかさらッと思考を読まれた気がする。ベータもガンマの僕の思考を読みながら話をしていた時があったらし、もしかしたらエルフは相手の思考を読み取る力が他の種族より強いのかもしれない。
イータ? 彼女は読み取る力はあるけど、研究に使えないなら無視するだろうね
アルファの食事は本当に美味しい。味付けも食べる回数が増えるたびに、僕好みになっている。完全に餌付けされている。
「話を戻すけど、私ならその相談を受けることができるわ。もう少し話してみない?」
「あぁ。恋愛のことね。実際に付き合う人って想像出来ないんだよね」
「私もその経験がないから分からないわ。…そうだ、この前街で若い男女が手を繋いでいたのよ。それをすれば何か分かるかもしれないわ」
「なるほど…じゃあしてみる?」
「そうね。やってみないと分からないことは沢山だもの」
「僕から繋ぐよ?」
「えぇ。お願い」
僕はゆっくりと手をアルファの手に近づける。人差し指が彼女の指先に触れると、彼女は身体をビクッとさせた。慌てて手を引っこめると残念そうにしている
「大丈夫よシャドウ。慣れない感覚だったから驚いただけ。もう一度お願い」
「わかった」
もう一度指と指をぶつける。すぐに繋ぐのではなく、指で指をくすぐってみた。指を絡ませて、それをゆっくりと上下左右に揺する。アルファは顔を真っ赤にして嬉しそうにしている。なるほど、指と指でこれなら、手を繋いだらどうなるかな。
僕は少しずつ指を深く交わらせる。どちらかの手汗で、指はするりと入り、付け根の部分まで入った
「入ったね」
「えぇ。シャドウの太くて熱くて…逞しい男ってはっきり分かるわ」
僕はそのままもう片方の手もゆっくりと交わらせていく。怖くないよ、大丈夫だよと心を込めて、既に握っている手をにぎにぎしたり、魔力で温めながらすると、彼女の緊張がとけたようで、ゆっくりと僕を受け入れてくれた。もう一つの方も根元まで深く入る。
さっきよりもアルファは心地よさそうだ。
魔力と魔力を交わらせるのもいいかもしれない
そう思った僕はアルファに魔力で全身を包み込む。今までの戦闘で使っていた類の物ではなく、マッサージやリラクゼーション用に開発した魔力で彼女の全身を覆う。ただ覆うだけではなく、アルファの魔力に痛みなく、ゆっくりと入れて、戻して、入れて、戻してとしている内に、彼女も受け入れる準備が整ったのか、深く交わる。
とても暖かく心地よい
アルファは目を瞑って小さく吐息を漏らした
交わり続けると、とっても固い感触がした。彼女も全身に魔力で覆っている。これは突然の不意打ちや事故、精神攻撃から自分の身を守るための鎧のようなものだ。その鎧を壊すのは不味い。下手したらアルファの身体が避けちゃうかもしれないからね。だから僕はその固い部分にも優しく魔力で突いたり擦ったりする。
とても気持ちいい
続けていると、なにかが弾けそうな感じになる。これは覚えがある…男のあれだ。アルファの魔力もなんだかぎゅーっと僕の魔力を逃がさないように包み込む動きをしている。アルファは口を開けて、頬を赤く染めて焦点の合っていない目で僕を見ていた。
「シャドウ」
「アルファ」
名前を呼び合い、もう一度手を強く握ると同時に、僕達はお互いの身体をビクッとさせた。心地よい脱力感と、彼女に何かを解き放った感覚を味わった。
もういい時間になってきたので、アルファが帰ることになった
「すごかったね」
「…えぇ。本当に凄かった。何か熱いものが私の奥に解き放たれた感触だったわ」
「火傷した?」
「ある意味火傷したわ。…抑えないと垂れるわねこれ」
アルファは全身に手を当てて抑えている。まるで水が入ったバケツに穴が開いて、それを逃がさないようにしている感じだ。
「大丈夫?」
「大丈夫よ。そろそろ私は戻るわ。くれぐれも他の子達にこれをやらないように。あと私としたことも内緒よ」
「はいはい。分かったよー」
「…次もしましょうね」
「そうだね。僕もまたアルファとしたいし」
「じゃあまたね」
アルファは部屋を出て行った
すごい気持ちよかった! 今度はもっと気持ちよくなってもらうために、マッサージの勉強をしよう。アルファに言われたのは、さっきの魔力交じりのことだから、単純なマッサージならセーフでしょ。
マッサージの相手をしてくれそうなのは…ベータかイプシロンかな。
今度どっちかと会ったら相手してもらおうっと!
今日はこの心地よい感触で寝たい
おやすみ!
評価ください。