陰の実力者ってこれでいいのか?   作:ソフトクリーム

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僕は閉じ込められる

どうやら僕はとても迂闊な行動をしてしまったらしい。獣人の村から出ることが出来なくなっていた。出ようとすると、誰かしらが僕を見つけて呼び止める。陰に潜んでも必ず見つかってしまう。出て行こうとするたびにゼータは僕に言い聞かせるように出て行っちゃだめと言うのだ。

 

一応無理やりやろうと思えば出られる。しかし村人が死亡してしまう。1人や2人で済めばいいが、最悪全員死亡する。仮に出られたとしても、儀式の時に付けた指輪。これが非常に厄介。

 

何故分かるかって?

 

僕は何回か村ごと魔力で吹き飛ばして脱走しようとしたのだ。吹き飛ばした後の村は焼野原で、全員血に付したまま動かなくなっていた。ゼータも動かなくなっていた。その隙に逃げようと村を出ると、突然視界が真っ暗になり、とてつもない睡魔に襲われる。睡魔を耐えつつ歩くと何かにぶつかる。伏せたり飛んだりしても前に進むことができない。違う方向に歩いても、また何かにぶつかって動くことができない。もう一度魔力で吹き飛ばしてみたが、またぶつかった。流石の僕でも睡魔には叶わない。そのまま眠ってしまうと、村は何も無かったかのように、僕が来た時のままになっている。

 

どこにでもあるような村で、仕事をして、ご飯を食べて、睡眠を取って、男と女が凹凸擦って、狩りをしていた。

 

「ねぇゼータ」

「なぁに? シャドウ」

「この村って何か伝説とかある?」

「ないよ。どこにでもある普通の村だよ」

「そう」

「なんでそう思ったの?」

「いや。あとさ僕一度出て行ったよね」

「そうなの?」

「驚かないの?」

「だって今ここにいるじゃん。それに…うん。大丈夫だよ」

「そう」

「うん。ねぇシャドウ、今日は何して遊ぶ?」

「そうだねー。かくれんぼでもしようか?」

「それ前やったじゃんー。違う遊びしよ。そうだ、近くの川で釣りしようよ」

 

今話していたのは僕1人で出て行こうとすると起きる話しだ。誰かと出ると、村を出ることはできる。

 

じゃあその隙に逃げればええやんって思うでしょ? 僕もそう思って逃げようとしたわけですよ。一緒に出た人から一定距離離れると、1人で出ようとした時みたいに、突然視界が真っ暗になってとてつもない睡魔に襲われるわけです。

 

訳が分からないよ

 

なんじゃこりゃ

 

思い当たるのが儀式しかないのですが…

 

その儀式のことを聞いても、ゼータはよく分からないと返してくる

 

村人やゼータの両親に聞いても、分からないと返してくる

 

どういうことなんだろう

 

何も分からない

 

考えることすら億劫になってきた

 

時間が経つたびに出ようと考えることすらしなくなってきた

 

このままだとおそらく…

 

「ほら、シャドウ! 腕組んで」

「ゼータから組めば?」

「私ばかりじゃん。偶にはシャドウから組んでよ」

「えー」

「ほら、いいから」

「はいはい。分かったよー」

「んふ。ありがとシャドウ」

 

鼻歌を歌いながら僕の隣を歩くゼータ

 

腕を組む力がとても強い

 

僕を見る目が少し暗い気がする

 

なんかこのままだと本当に危ない気がする

 

何か方法を探さないt

 

「シャドウ」

「ん!?」

 

ゼータにキスされた

 

「余計なことを考えないで」

 

唇を離すことなく、舌を絡めてきた

 

ゼータはキスしたまま草陰を指さす

 

ねぇ、そこでしない?

 

多分こんなことを言っていると思う

 

長いキスを終えて口を離すと、ゼータは息を荒くして僕に抱き着いてきた。

 

この臭い…

 

「ね、シャドウ」

 

僕はどうすれば…

 

その時、遠くからとてつもない爆発と同時に世界がグラグラと大きく揺れ始めた。

 




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