陰の実力者ってこれでいいのか?   作:ソフトクリーム

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金髪エルフと出会う

なんか適当に盗賊団を襲って金貨を回収したら、腐敗した肉を見つけた。魔力量が多いなと思い、これは何か実験が出来るぞと遠足を楽しみに待つ幼稚園生のように、肩に担いで、人気の無いところにゴミを捨てるように放り投げた。

 

それからはもう楽しい日々だ。沢山試したいことを試して、試しまくった。もう使う用途が思いつかないからその辺に捨てようかなと思いながら魔力を操っていると、なんと金髪のエルフが現れた。しかも全裸だ。

 

ふむ

 

中々いいな…

 

身体に見惚れていると、その子は目を覚ます。僕としてはもう用済みの子なので、適当に話をしたら放置するつもりでいたが、声をかけてきた。

 

「僕が誰かって? 僕はシャドウ。君を助けたものだ」

「シャドウ……」

 

エルフは噛みしめるように呟く

 

「助けてくれてありがとう」

 

その子は泣いていた

 

「え、えぇ? どうしたの?」

「ずっと声が聞こえたの。ああでもない、こうでもないって……あれは私を助けるために、どうにかしようとしてくれたのでしょう?」

「……」

 

そんなつもりはなかったけど……でもここは適当に合わせようかな

 

「そうだね。僕は君を何が何でも助けたいと思ったんだ。とても辛く、苦しく、朽ちていくのは嫌だというのを君から感じたんだ。それでどうにかしようと奮闘したらどうにかなったんだ」

 

エルフは顔を俯き、肩を震わせる。鼻を啜る音が聞こえる。僕は魔力を操り、スライムティッシュとスライムハンカチを作り出す。ウエットティッシュとウエットハンカチのようなものだ。膝を地につけ、エルフと視線の高さを合わせる。片手で頬を包み、ハンカチで涙を拭いた。ティッシュの使い方も説明して、鼻をかませる。かませたティッシュは僕が預かった。

 

これはエルフの鼻水。何かに使えるかもしれない。取っておこう。いつどんな物が使えるか分からないし。

 

「君は帰る場所や人物に当てはあるのかい?」

 

僕はエルフの胸や臀部を凝視しながら聞くが、エルフは無言で首を横に振る。

 

「そうか。なら僕と暮らす?」

「え」

「もちろん僕が今暮らしているところじゃないけど。ここから少し離れたところに小さな小屋があるんだ。そこを整備して使えるようにする。エルフの君だし、自然が多い場所の方が安心するでしょ?」

「それは、そうだけど。でも……」

「日中は難しいけど夜にはこっちに来るよ。嫌ならここで……」

 

僕はそう言ってここから離れようとすると、エルフは立ち上がって僕に縋りついてきた

 

「待って…! 置いていかないで! もう1人は嫌なの!」

 

さっき綺麗にした顔はあっという間に、また涙や鼻水で汚れる

 

「お願い! 私と一緒にいて! 捨てないで!」

「そう。じゃあ僕の言う事をなんでも聞く?」

「私を助けてくれた恩人の言う事なら何でも聞くつもりよ」

 

僕は立ったままで、エルフは膝を地につけ、僕を見上げていた。さっきまでの不安そうな顔をしているが、同時に僕に尽くしたいという強い気持ちも顔に表れている。

 

「わかった。じゃあ僕の言うことは従ってもらうね」

 

エルフの身体は調べたことがないんだよねー。どうしてもいつもは人間ばかり襲って、他の種族についてはまだまだ分かっていないことがあるし、これも良い実験になりそうだ。僕は溢れそうになる涎をなんとかこらえて、エルフの顔をもう一度拭く。

 

「君の名前は今日からアルファだ」

「アルファ…アルファ…アルファ…」

 

自分の存在を確かめるように、彼女は何度も名前を呟く

 

「そうだ、アルファ」

「わかった。私は今日からアルファね。あなたのことは何と言えば…」

「シャドウ」

「分かったわシャドウ。これからずっとよろしくね」

「あぁ。じゃあ行こうかっとその前に」

 

スライムをアルファの身体に張り付ける。最初は驚いたアルファだが、シャドウがしてくれたものなら心底安心しているため、すぐに適応した。自分が今着ているのと同じスライムスーツの女性版だ。さっき身体を隅々まで見たから、少しのズレもない。

 

「これは…」

「スライムスーツ。アルファも訓練すれば、自分で出来るようになるから安心して」

「えぇ。ありがとう」

 

こうして2人は小さな小屋に向かって歩き出した。

 




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