ありふれた職業で世界最強 白騎士と創世の龍 作:Als_EX
※劇中で火属性魔法使ってた記憶があったため、前話の恵里のステータスに火属性適正を追加しました。
初めての訓練から2週間くらい。
俺は訓練の合間を縫ってハジメと図書館に来ている。
基本的に魔物とか鉱石とかについて調べてる感じだ。
初見殺しだけは避けたいしな。
「はぁ〜」
ハジメが溜息をついて本を放り出した。
気持ちはわかるがちょっと控えて欲しい。
司書さんがめちゃくちゃこっち睨んでるから。
ハジメがこんな感じになったのには理由がある。
ステータスのことだ。
まずこれが最初のステータス。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
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そしてこっちが今のステータス。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:2
天職:錬成師
筋力:12
体力:12
耐性:12
敏捷:12
魔力:12
魔耐:12
技能:錬成、言語理解
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そう、全然上がってない。
別に訓練をサボっていた訳ではないし、なんなら人一倍張り切ってやってたはずなんだけどな。
しかも魔法の適正もないらしい。
細かいところを端折って説明すると、この世界では適正のあるなしによって魔法を使うのに必要な魔法陣の大きさが変わる。
今のハジメでは初級の魔法"火球"を放つのに大体直径2mくらい必要なんだとか。
ステータスが低く近接戦闘は出来ない。魔法も使えない。
そうしてクラスの中で無能のレッテルを貼られてしまった。
どうにか出来ないかなぁ…
例えば……
「銃でもあればなぁ……」
「え?リュート今なんて?」
「いや、銃でもあればハジメも無能呼ばわりされなくなるかなって」
「そうか…銃か……」
ハジメが考え込み始めた。
「ちょっと考えてみよう」
そう言ってハジメは現状銃を作れるかについて話だした。
「構造についてはどうにでもなる。リボルバー式ならそこまで複雑じゃないし。ただ素材の問題が大きい」
「そもそもこの世界って火薬あるのか?」
「そう、そこなんだよ。火薬が出回っているかどうかがわからないから地球と同じものは作るのが厳しい。だから発射機構に魔法とかつかえないかな?」
「魔法か…そうなると強度の問題が……「すみません」」
いきなり話しかけられたので驚きながらそっちを向くと今にもブチギレそうな司書さんがいた。
「静かにしていたたけますか?」
「「すいませんでした」」
どうやら白熱しすぎて知らぬ間に声が大きくなっていたようだ。
ほんとうに危なかった。出禁はキツいしな。
「この話はまた今度かな」
「そうだな」
そうしてハジメは読書に戻る。
俺は読み終わったから新しい本を探しに行くか。
本棚の間を彷徨っていたとき、ふと目に入ったとある本に手が伸びる。
「神エヒトと白き龍?」
どうやらこの世界の神話について書いてあるらしい。
内容を要約すると、創世神エヒトとその眷属の白い龍が人々に対して行ったこと、そして龍の最期が語られていた。
「白き龍は魔人族側についた赤き龍と相討ちになり、今は教会の下で眠っているねぇ……」
本当なら見てみたいものだ。
何かの拍子に復活したりしないかな?
「って時間やべぇ!」
時間も忘れて本を読み耽っていたようだ。
急いで本を元に戻し、訓練場へと向かう。
「なんとか間に合った……」
訓練が始まる前にギリギリ訓練場に着くことができた。
が、ハジメがいない。
図書館にはいなかったのは確認済みだ。
「嫌な予感がする…」
そんな予感に頼りながら訓練場を走り回っていると、皆から死角になるところに檜山達とハジメがいた。
どう見てもリンチしてる。
「アイツら魔法まで使おうとしてやがる!」
俺は全速力で走り、ハジメに向かう魔法を背負っていた槍で掻き消した。
「しっ、白浪…」
「そんなんだからモテねぇんだよバーカ。…さて、ハジメをいたぶった落とし前はどうつけてやろうか」
そう言いながら檜山達にゆっくり近づいていく。その時だった。
「何やってるの!?」
白崎御一行の登場だ。
あからさまに「ヤベッ」って顔したなアイツら。
「いや、誤解しないで欲しいんだけど、俺達、南雲の特訓に付き合ってただけで……」
「南雲くん!」
白崎は檜山の弁明は聞かず、ハジメに走り寄る。
「特訓ね。それにしては随分と一方的みたいだけど?」
「いや、それは……」
「言い訳はいい。いくら南雲が戦闘に向かないからって、同じクラスの仲間だ。二度とこういうことはするべきじゃない」
「くっだらねぇことする暇があるなら、自分を鍛えろっての」
檜山はボコボコに言われて決まりが悪そうに去っていった。
是非もないね。
「あ、ありがとう。白崎さん。リュートも。助かったよ」
「あんま間に合ってなかったけどな」
取り敢えず魔法だけは防げてよかった。
「いつもあんなことされてたの? それなら、私が……」
あー……結構ちゃんとキレてるな……
檜山が去っていった方をめちゃくちゃ睨んでる。
「いや、そんないつもってわけじゃないから! 大丈夫だから、ホント気にしないで!」
「でも……」
ハジメは大丈夫と重ねて言う。それに白崎も渋々だが引き下がる。
「南雲君、何かあれば遠慮なく言ってちょうだい。香織もその方が納得するわ」
八重樫の気遣いにも感謝の言葉を言うハジメ。
俺としてもそれはありがたい。
ハジメはなんでも抱え込む癖があるからな。
「だが、南雲自身ももっと努力すべきだ。弱さを言い訳にしていては強くなれないだろう? 聞けば、訓練のないときは図書館で読書に耽っているそうじゃないか。俺なら少しでも強くなるために空いている時間も鍛錬にあてるよ。南雲も、もう少し真面目になった方がいい。檜山達も、南雲の不真面目さをどうにかしようとしたのかもしれないだろ?」
あぁもうコイツホント嫌い。
何をどう考えたらそんな結論になるんだよ。
「ごめんなさいね? 光輝も悪気があるわけじゃないのよ」
「アハハ、うん、分かってるから大丈夫」
八重樫もハジメも大変だなぁ…
「ほら、もう訓練が始まるよ。行こう?」
そうハジメに促され、訓練場に戻る。
ハジメのことは今まで以上に気にかけておくか…
訓練も終わり、いつもなら夕飯まで自由時間なのだが、今日はメルドさんに呼び止められた。大事な話があるそうだ。
「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ! まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ! では、解散!」
思ったより早かったな…
これから大変そうだ…
今回もありがとうございました。
誤字、脱字報告もお願いします。
ふろくさん脱字報告ありがとうございました。