ありふれた職業で世界最強 白騎士と創世の龍   作:Als_EX

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4話 覚悟

【オルクス大迷宮】

 

全100層からなるとされる大迷宮。

七大迷宮と呼ばれるものの一つで、進む毎に魔物が強くなっていく。

階層によって魔物よ強さを測りやすいため、新人の訓練によく使われる。

 

今俺たちはその【オルクス大迷宮】に挑戦するために、メルドさん含む騎士団数名と宿場町ホルアドにある王国直営の宿屋にいる。

 

「久々の普通サイズのベッドだな」

「そうだね」

 

俺はハジメと相部屋になった。

あんまり関わりがないやつじゃなくてよかった。

 

そこからはしばらくはお互い話さず読書していた。

が、

 

「僕もう寝るね」

 

といって寝る準備をするハジメ。

 

「おう、おやすみ」

 

そう返すとハジメは布団に入り目を閉じた。

 

そんな時だった。

 

「南雲くん、起きてる? 白崎です。ちょっと、いいかな?」

 

白崎の声だ。

ハジメは…寝れてないみたいだな。

 

ハジメが起き上がり、嫌々扉を開けに行く。

 

「……なんでやねん」

「えっ?」

 

何かあったんだろうか?

気になって様子を見に行くと、白崎がだいぶアレな格好で立っていた。

 

「あ~いや、なんでもないよ。えっと、どうしたのかな? 何か連絡事項でも?」

「ううん。その、少し南雲くんと話したくて……やっぱり迷惑だったかな?」

「…………どうぞ」

「…俺は少し外歩いてくる」

 

おそらく2人きりの方が良いだろう。

俺は宿屋から出て、近くのベンチに腰掛ける。

なんとなくステータスプレートを眺める。

 

===============================

白浪リュート 16歳 男 レベル:10

天職:龍騎士

筋力:350

体力:180

耐性:240

敏捷:400

魔力:800

魔耐:650

技能:全属性適正・全属性耐性・複合魔法・剣術・槍術・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解・器

===============================

 

「どうしたの?」

「おわっ!?」

 

びっくりした。

気づいたら恵里が隣にいた。

 

「そっちこそどうしたんだ?」

「リュートが外に出て行くのを見かけて、気になったから追いかけてきた。ハジメと何かあったの?」

「いや、ハジメとはなにも。ちょっとハジメに客が来ただけだよ」

 

プレートを仕舞いながら軽く話す。

それからしばらく会話はなかった。

不意に恵里が話し始める。

 

「明日、魔物と戦うんだね」

 

声からはかなり不安であることが窺える。

 

「ボクはまだ怖いよ」

「俺だって怖いよ」

 

魔物と戦うのだって、生き物を殺すのだって。

 

「でも、覚悟を決めなきゃ」

 

生きる為に、地球へ帰る為に。

 

「俺は死ねないから」

 

でも、それはそれとして。

 

「あぁ、でも恵里だけは死んでも守るから」

「え?」

「だから、大丈夫」

 

そう言って恵里の目を見る。

すると恵里は少し笑った。

ちょっとは気が楽になったみたいだな。

 

「なんで笑うんだよ」

「アハハ…いや、リュートは変わらないんだなって」

「そうか?」

「うん。…ねぇ、ボク達が初めて会った時のこと覚えてる?」

「ああ」

 

小学生の頃、家の方向が同じだった為、剣道終わりは天之河とよく一緒に帰っていた。その頃は今ほど嫌いじゃなかった。

 

そんなある日、いつもの橋を通りかかったとき、橋から落ちようとする同じ歳くらいの子供が見えて、天之河と2人で止めた。

その子供が恵里だった。

何があったのか天之河がしつこく聞き出そうとし、しばらくして根負けしたのかゆっくりと話しだした。

 

「父親の厳しい躾を受けて母親に助けを求めたが、母親も自分を叱り、相談出来る友達もおらず、誰も助けてくれないことを悲しんで自殺しようとした」とこんなようなことを言っていたはずだ。

それを聞いた天之河が「俺が恵里を守ってやる」と言っていたのを覚えてる。

 

そのあと帰ろうとしたが、その時の俺は行動力が化け物だった。

俺は「そんなに辛いなら俺の家においでよ」と提案した。

恵里もそれを承諾、一緒に家に帰ることになった。

多分父さんも母さんも困惑しただろうが、事情を説明するとすぐに許可をくれた。

そうして今まで一緒に暮らしてきたのだ。

 

「あの時もボクのことを守ろうと、安心させようと必死だったなって」

「そんなに必死だったっけ?」

「うん。あの日のことは今でも昨日のことのように思い出せる」

 

そう言って恵里は目を閉じる。

それから1分くらいたっただろうか。

 

「ありがとう。だいぶ安心できた」

「それならよかった」

「明日はよろしくね」

「任せろ」

 

それからはしばらく雑談しながらゆっくりと宿屋へ向かって歩いていく。

 

「じゃあ、おやすみ」

「おやすみ」

 

そう言って2人はそれぞれの部屋に戻っていく。

 

部屋に入ると既にハジメは寝ていた。

 

あの言葉を"嘘"にしないようにしないとな。

 

そんなふうに考えながら俺は眠りについた。




今回もありがとうございました。

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