キャラも多いから整理するのが大変…。
『お前ら、一誠の試合はどうした?』
「他のメンバーが残って観戦中。なーんか、北欧の奴らが騒がしくしていたからね。美猴を引き連れて、私が援護にきてあげたわけ。嬉しい?」
『実際、助かったよ。ありがとう』
「ふふんッ…もっと言っていいにゃん♪」
満足そうに笑う黒歌の隣で、呆れたように美猴が首を振る。その反応から彼が無理やり連れてこられたことは想像に難くない。
だが2人の援軍に、大一は内心ホッとしていた。これほどの強敵相手に黒歌たちの実力は申し分ないだろう。
「そういやヴァ―リから伝言だ。これで北欧の時の援軍について貸し借り無しだってよ」
『気にしなくていいことを…あいつも律儀だな』
「大丈夫っすか…って、うおっ!だいぶ見た目が…」
間もなく降り立ってきたドレッドが、大一の姿を見て驚く。彼に続くように次々と北欧の戦士たちが降り立っていくが、龍魔状態の姿に面食らうものがほとんどであった。
『援軍、ありがとうございます。他の皆さんは?』
「先輩たちは大丈夫っすよ。しかし無事で安心しました。その様子だとかなり奮戦したみたいですが、もしかして相手を倒したんじゃ…」
『それが出来たら、楽だったんだがな』
皮肉っぽくシャドウが答えると、全員が油断なく構える。視線の先にはイータムとガルドワンがすさまじい剣幕で立ち上がる様子があった。服が少し擦り切れて土汚れなどもあるが目立つ傷は無く、代わりに静かながらも言葉に出来ない凄みが感じられた。
「悪かった。少し熱くなりすぎた」
「仕方ねえ。ともかく作戦は失敗だ。あいつの耐久を舐めていたあたしらの落ち度だな。もっともこの場で全員消せないこともないが…」
「いや、潮時だ。死ぬにしてもここじゃない。そういう命令だろう。囮は力に気づかれた俺が行く。その間に撤退の準備を」
「逃がすか!」
北欧の戦士たちが一斉に攻撃を放つ。精霊を利用した魔法、光の力を付与した斬撃と多種多様な攻撃であり、複数の爆弾が同時に起動したかというほどの火力であった。目的は捕縛だが、それほどの攻撃が必要と判断したようだ。
耳がしびれるような音ともに経験豊富な戦士たちの攻撃が相手たちを飲み込む。その寸前にガルドワンがイータムをかばうように前に出たが、この攻撃の規模ではどちらにせよ変わらないだろう。
そう思っていたが、すぐにそれが間違いであることを目の当たりにする。あらゆる攻撃が飛び交う中から、巨大な影がうごめいていた。北欧側も違和感を抱いたようで、警戒を強めつつも攻撃を止めた。
「な、なんだ、これは!?」
間もなく戦塵から姿を現したのは巨大な龍であった。30メートルはあろうかという大きさは威圧的で、右腕は両刃の斧のように鋭い。顔は骸骨をかぶっているかのようで、目は不気味に輝いている。さらに背中には幾重にも翼があるが、それ以上に目を引くのは正面の顔とはまた別の顔が2つもあることだ。いずれも正面の顔と同様に目がギラギラしている。
『やはり邪龍…』
大一は納得したようにつぶやく。先ほど攻撃を防いだ時の感覚、あれは龍の生命力と聖杯の異質さが混じり合った邪龍特有の独特的なものであった。加えて、あのドラゴンの右腕が敵の持っていた斧と酷似していることを踏まえると、現れたドラゴンがガルドワンであると考えるのは当然であった。
このドラゴンの出現に美猴や黒歌も驚いていたが、その表情は大一達とは別ベクトルであり、懐疑的な雰囲気も入り混じっていた。
「おい、黒歌…!」
「ええ…でもどうして…」
『おい、あいつがなんだって───』
『消し去ってやろう!』
シャドウが2人に問うよりも先に、ガルドワンが動き出す。3つの頭が大口を開けると、黒い煙のようなものを一斉に吐き出す。炎のブレスとは違い攻撃力は無いように見え、戦士のひとりが魔法で竜巻を生みだして吹き飛ばそうとした。
しかし煙は吹き飛ぶどころか、竜巻を飲み込んで消し去ってしまう。
「なんだぁ!?」
『これはマズい!』
黒い煙が怨念であると気づいた大一は、すぐに龍人状態に戻ると素早く気を練って仙術による炎を吹き出す。怨念は仙術とぶつかり合い、互いに消滅していく。ただの魔力では打ち破れないのは、承知している。防ぐためには仙術が必要であったが…
(規模が大きい…!)
いかんせん、相手の体格は大一の数十倍はあろうかというほどであり、口から放たれる怨念はどんどん広がっていく。彼の炎では焼け石に水であった。
「そのまま火を吹き続けて」
短く伝えた黒歌はいくつもの火車を展開し、大一が吹きだす火炎へと突っ込ませていく。彼女の攻撃はどんどん回転の勢いを増していき、同時に周囲の炎をより大きく燃え上がらせていった。間もなく火車を中心に炎の盾が作られていき、迫りくる怨念を浄化し防いでいった。
『おのれ…』
「でかいと隙ができやすいってな!」
いつの間にか筋斗雲に乗った美猴が如意棒で、背中にいる頭のひとつに痛烈な殴打を決める。頬を叩きつけられた顔は牙が片方吹っ飛び、怨念を吐き出すのも中断される。しかも美猴は仙術を使った攻撃を決めたため、わずかであるが相手の気を乱した。このままさらに数発入れて、防御力を一気に落とそうと考えたが…
『舐めるな、サル風情が』
よろけた頭がすぐに姿勢を整えると、再び口を開く。そこから怨念は出ることなく、代わりに複雑な術式が組まれた防御魔法陣が3つも重なって展開された。これにより美猴の追撃は防がれてしまう。
戦士たちも美猴に続くように攻撃を放つが、相手も次々に防御魔法陣を発生させて防いでいく。気がつけば攻撃と防御が飛び交う激しい光景が飛び交っていた。
このまま持久戦となるかと思ったが、間もなく転移の光がガルドワンの足元に発生していく。
「大一、合わせて」
『わかった!』
黒歌の気に同調するように、火炎太鼓の出力を上げていく。盾となっていた火車はさらに炎の規模を上げていき、いよいよ怨念を消していくどころか、相手の巨体にまで迫っていった。
しかし炎が届く前にどこからともなく発生した黒い煙がぶつかってまとわりついていく。怨念とは違う煙は粘り気があり、攻撃の速度が急に落ちていった。どうもイータムが陰から放っているようであり、この様子をガルドワンは一瞥した。
『次はこうはいかん』
巨体全身が鈍い光を放ち、見る見るうちに縮小していく。美猴や戦士たちも攻撃を空振りし、大一たちの仙術も空を切るだけであった。
敵が煙に身を隠して見えない状況で、間もなく大一が龍人状態を解除して疲れたようにため息をつく。
「はぁ…逃げられたな」
相手の魔力、生命力ともに感知できない。異界の魔力による引き合うような感覚も無い。隣にいる黒歌も怪訝な表情で火車を消す。こうなると結論はひとつ、謎の2人組には逃げられてしまったということだ。
降り立ったドレッドが煙の奥を見据えるように目を細める。
「逃げましたかね?」
「でしょうね。感知範囲も広げていますが…」
「こちらで捜索隊を編成します。ヴァルハラでここまでやられて黙っていられませんよ」
「自分の方も冥界に情報を共有します」
「了解っす。それではまた後ほど」
北欧の戦士たちは調査のために何人か残しつつ、更なる人員のために離脱していく。
一方で残った大一は顔をしかめながらわき腹を抑えており、その様子を見た黒歌がすっと近づいて顔を覗き込む。
「けっこう手ひどくやられた感じ?」
「まあな。戦っている間はそこまで気にならないが…」
「ふーん、どれどれ…」
黒歌は遠慮なく抑えていた箇所に触れていき、そのまま周辺にも手を伸ばしていく。身体に妙な気の流れを感じるので、仙術を使って調べているのだろう。かつては警戒していた彼女を相手に、されるがままになっているのは不思議な感覚であった。
「ちょっと私じゃどうにもならないわ。無茶しすぎね」
「心配、ありがとよ。でもそうしないといけないくらいの相手だったんだ」
『たしかに普通の奴らじゃなかったみたいだよ。真面目に禁手が覚醒していなければどうなっていたか…』
「ありがとな、シャドウ」
左肩から出てくるシャドウに礼を言う。あのまま戦っていればジリ貧状態で、最終的に相手の目論見通りに殺されていただろう。シャドウの覚悟と覚醒が、あの場を切り抜け更なる強さを得ることに繋がったのだ。
「ちょっとー、私には?」
「そりゃ、感謝しているよ」
「じゃあ、買い物とかに付き合って欲しいにゃん♪デートしよ、デート♪」
「遠慮なく言うな…まあ、荷物持ちくらいなら」
「話しているところ悪いけどよ、もう戻ろうぜ。試合の方は終わっただろうけど」
いたずらっぽく微笑む黒歌と困惑するような大一の近くに、美猴が降り立つ。こちらも渋い表情をしていたが、呆れに加えて訝しげに眉根を寄せていたのも気になった。そんな彼の様子に、思い出したようにシャドウは問いただす。
『そういえば敵の龍の姿に驚いていたが、なんか知っているのかい?』
「いや知っているかと訊かれると、語弊があるな。なんつーか、同じような感覚が前にもあってな」
「邪龍ってことか?それなら俺も」
「ただの邪龍じゃないわ。あれはアジ・ダハーカの感覚よ」
「アジ・ダハーカ?」
会話に入ってきた黒歌が答える名前に、大一は耳を疑った。「魔源の禁龍」の異名を持ち、クリフォトによって蘇った邪龍の中でも最高峰の一匹だ。邪龍アポプスと共にリゼヴィムを見限り、トライヘキサを実質的に操ったこともある。その恐ろしさは先の大戦でも猛威を振るい、もしガルドワンが彼であるならば実力も納得であった。
とはいえ、これはありえないのも承知している。最大の理由は、トライヘキサを封印した例の戦いだ。
「奴はヴァ―リが倒しただろ?」
「ああ、そうだ。俺らも近くにいたからよく知っている。だからおかしいんだ。聖杯だって無いはずだしよ…」
消滅したはずの邪龍がよみがえり、悪魔となって現れた。聞いたこともない奇妙な現象に、皆が首をひねる。
『同一人物…』
「とは言い切れないんだよなぁ。さっきの姿は同じ三つ首の龍だけど、まるで違う姿だったし」
「魔法に精通しているし、龍は人型になったりと姿は変えられるわ。でもここに到着した時は、間違いなく悪魔の感覚だったのがおかしいのよね~」
シャドウたちが話している一方で、大一は考え込むように瞑目する。アポプスがハーデスと契約した経歴があるため、その繋がりでアジ・ダハーカも冥府と関係を持つことは可能だろう。黒歌の指摘にある通り、クロウ・クルワッハのように人型への変化も可能なはずだ。逆に悪魔が龍になるという方法では、ブネ家がその特性を持っている。
とはいえ、あれは異界の魔力や怨念をものにしていた。それが無角のものだと気づいたからこそ、先日のタナトスの件も踏まえて、冥府と関わっているのだと推測しているし確信がある。そもそもドラゴンとしてのプライドの高さがあったからこそリゼヴィムを見限ったため、冥府の神とはいえハーデスの言いなりになっているとは考えにくい。
疑問が絶え間なく湧き出てくる状態では、まともな推測すらも難しい。まとわりつく羽虫を払うように小さく頭を振ると、ハッキリとした声で話す。
「ここで答えは出ないだろう。まずは戻って報告だ」
『ま、それもそうだね。試合の方も気になるし』
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試合を終えた一誠たちは選手用の医務室にいた。この一戦は激闘という言葉でも足りないほどの苛烈さであった。メンバー全員が消耗しており、手傷も相当であった。
だが勝利をつかみ取った彼らにとって、心地よい疲労であった。やはり最大の功績は一誠の新たな力だろう。霊薬の効果も相まって覚醒した神器は、一時的にドライグ自身を蘇らせるにまで至った。これによりドライグが相手の王であるテュポーンを、一誠が持っている神器や聖剣の力を使いヴィーザルを打ち破ったのだ。
もろ手を挙げて喜ぶような勝利であったが、仲間や家族たちと合流してから出てきたのはその想いを吹き飛ばすような驚愕の声であった。
『はあっ!?』
部屋内にそれぞれの驚く声が響き渡る。一誠はすっかり面食らっており、仲間たちはそれぞれの当事者に矢継ぎ早に質問や心配を投げかけていた。
「お父様、また襲われたって本当ですか!?お怪我はありませんか!?」
「落ち着いて、アーシアちゃん。俺らは大丈夫だから」
「大一くん、また無茶を…」
「いや俺の方は仕事ですので…ただロスヴァイセさんたちの観戦が出来なかったのは申し訳ありませんでした」
「まさかこの前の悪魔がグレモリー領に現れるなんてどういうつもりなんだ?」
「あなたやイリナさんを狙ったわけじゃないわ。相手はギガンとの接触が目的だったみたいなの」
「おっと、全員ストップだ」
このまま白熱していきそうな雰囲気であったが、そこによく通る深い声でストラーダが待ったをかける。
「この話は全員が聞いて、整理するべきだと私は思うね。順番に片付けていこうではないか。まずは赤龍帝ボーイの父上から。死神に襲われたということですかな?」
「えっと、死神というのかはわかりませんが…タナトス様がどうのこうと言ってました」
兵藤父は困ったように頭を掻く。観戦ルームから出て移動中のところで、彼らはなんと死神に襲われたのだ。相手の狙いは一緒にいたオーフィスとリリスであったようだが、同時にタナトスの仇討も図ろうとしたらしい。幸い、神崎という謎の男や幾瀬が来てくれたおかげで事なきをえたが、一緒にいた九重や生島は落ち着かないように胸をさすっていた。
「驚いたのじゃ…」
「生きた心地がしないってこんな感じなのね…お父様が落ち着いているのに驚きましたよ」
「いや、前にも似たような目に合ったので」
けろりと答える父の様子であったが、それを肯定していいはずがなかった。兵藤兄弟としてはもう二度と両親を危険に巻き込みたくなかっただけに、今回の一件は彼らに強い危機感を抱かせた。
「最上級死神の仇討ちとオーフィスたちの力を狙ってきたのかしら。でもどうしてこのタイミングで?それに神崎という人も気になるけど」
「幾瀬くんがいたのだから、いずれ我々にも話が来るだろう。それで次は死神繋がりだが───」
「えっと、自分の方は…」
ストラーダに促すような視線を向けられた大一も起こったことを説明していく。謎の異質な悪魔との接触に、相手が異界の地と同士討ちを狙っていた様子、邪龍へと変化したこととすでに上層部にも報告したとはいえ、先ほどの相手が奇妙であることを再確認した気持ちであった。
「冥府はこの前の襲撃を踏まえると、異界の魔力について知っていてもおかしくありません。しかしそれだけでは説明できないことがありすぎて…」
「わざわざイッセーくんたちの試合中にやってきたくらいですから、それにも理由がある気がしますね」
「祐斗の言う通りだわ。現に私たちもそういう相手と戦ったものね」
「ふむ、それでは姫君の方も話を聞きましょう」
リアスの方も先ほど領地で起こったことを話していく。ギガンを狙って異界の地から来たアリッサとベルディムを相手に交戦した、言葉にすれば短いものであるが、聞いていたメンバーに不安と疑問を抱かせるには充分な内容であった。
「それで間もなく援軍に来てくれたサイラオーグたちと上役に報告したわ。結界の方はすでに元通りになっているし、罠も強化されている」
「怪我の方は…」
「ヴァレリーさんに治してもらったから大丈夫ですわ。遅れを取ったのは不本意ですが…」
心配するアーシアに、苦々しく朱乃が答える。傷の度合いは彼女と祐斗が相当であったが、戻ってからヴァレリーの聖杯のおかげであっさりと治癒していた。しかしそれ以上にベルディムを相手に追い詰められたのが悔しかったようだ。
一方でリアスに対して、グレイフィアはため息をついて苦言を呈する。ビナーの姿でありながら、その雰囲気はルシファー眷属に手を焼いていたいつもの彼女のようであった。
「あなたはひとりで勝手に事を進めて…!」
「…自覚しています。今回の一件、仲間たちを信じ切れていなかったようなものですから」
神妙な表情で、リアスは答える。いくらグレモリー領で起こった事件とはいえ、ギガンについては大一に任されているのだ。少なくとも彼には説明しておくべきだったという後悔は抱いてしまう。彼女自身がギガンに強すぎる警戒心を持っていたのも一因だっただろう。もっとも敵であった男への信頼と冥府以外の敵の可能性が見えてきた収穫もあったが。
そして彼女はくるりと向きを変えると、一誠に近づいていく。
「それにごめんなさい、イッセー。あなたの試合を応援できなくて」
「いやいや、気にしないでくれよ。リアスだって頑張っていたのに、それを責める理由なんてないじゃないか。それに俺は離れていても、信じてくれているのは分かっていたし」
「…まったく。そんなふうに言われたら、あなたにもっと甘えちゃう」
「まあ、一誠の言う通りでしょうよ。謝るなら俺の方ですから」
甘い空気感が流れそうになるも、それを切るように大一が呟く。ギガンについて、リアスたちが動いていることを微塵も知らず、一任されている身と元来の性格から責任が心にのしかかっていくような感覚であった。これに加えて、命の恩人であるアリッサが仲間たちを傷つけていたことも動揺を加速させていた。
そんな兄に対して、今度は一誠が立ち上がって近づいていく。
「なあ、兄貴。これは謝るってことじゃない…って言っても、勝手に責任感じちゃうもんな。だからこういうのはどうだ?ロスヴァイセさんのお見合いの件、先に解決してくれただろ。あれで貸し借り無しってことで」
「あれは別に貸し借りっていうもんじゃ…」
「いや、そうする。じゃないと、俺も納得できない」
一誠は拳で軽く兄の胸を叩く。自分の大切な人たちが誰かのために奮戦していたことなど百も承知だ。そんな彼らが責任を感じること自体が、一誠としては不本意であった。
弟のその想いを汲み取ったのか、はたまた諦めたのかは不明だが、間もなく大一はため息をついて小さく頷く。
「…わかった。とりあえずそうさせてもらう」
「気にするなって」
ひとまず兄が面倒な方向にこじれないことに安心し、一誠は口元に笑みを浮かべる。同時に冥府や異界の地に対して、炎のように燃え盛る感情があふれていくのも感じてとある決心もしていた。
そんな中、シャドウが大一の肩から出てきて苛立ちながら言葉を紡ぐ。
『というか、なんでお前が許すみたいな構図なんだ。気に食わない…だいたいお前だってあんだけ大一に声を荒げておきながら、謝ってないじゃないか!』
「…あっ!」
「落ち着け、シャドウ。あれは俺が誤解する態度を取ったのも悪かったんだから」
『かーっ!だから大一は甘いんだよ!覚えておけ、セクハラ赤龍帝!ドライグなんかを出そうが、僕らの方が優秀だってこといずれ見せつけてやるからな!』
「こいつ、言わせておけば…!」
気がつけば一誠とシャドウの言い合いが始まり、驚愕ではなく口げんかによって医務室は騒がしくなっていった。
どうも相手に逃げられてばっかりですね…。