待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!!   作:一人称苦手ぞ。

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目指せ地下。

 

 

 

 

 

 せんとらるたわあ……つまり今、儂が被身子やくらすめえと達と居る建物が悪党に占拠されてしまった。ので、どうにかして事態の収拾を図ることになった。被身子にちょろいと言われたことや、他の連中に生暖かい目を向けられたことは解せぬ。まっこと解せぬ。あと峰田、この中で最も絶望していたくせに何で今は変に積極的なんじゃ。上鳴と「女の子同士も良いよな!」なんて訳の分からん下世話な話をしておるし。見てくれは女子(おなご)でも、儂は男じゃが? その辺り、今度話しておくか……。いや、話したとて何が変わるとも思えんが。あと、信じて貰える気もせんが。

 何はともあれ、面倒な事になったのは事実じゃ。これからこの建物をどう奪還するか、それを決めなければならない。じゃから被身子、いい加減儂から離れろ。さっきからせくはらするんじゃない。気が逸れる。

 

「……I・アイランドの警備システムは、このタワーの最上階にあるわ」

 

 そう言って儂等の前に出たのは、めりっさじゃ。緊張した面持ちで口を開いておる。正装しているからか見てくれは大人のように見えるが、どうやらまだ子供のようじゃ。儂等より大人びて見えるのは、外国人じゃからか?

 まぁ外国人じゃろうと日本人じゃろうと、子供なら守らなければ。これは儂の主義じゃからの。変わるつもりはない。

 

「つまり?」

「警備システムを掌握されてるなら、承認プロテクトやパスワードは解除されてる筈。だから私達でもシステムの再変更が出来る。

 ヴィランの監視を逃れながら最上階まで行ければ、みんなを救けられるかもしれない」

 

 ……なるほど。詳しいことは一切分からぬが、ひとまず最上階に行けば何とかなると。めりっさはそう言ってるわけじゃ。警備機構(しすてむ)をどうにかしさえすれば、少なくとも外の人質に危害が及ぶことは無くなる。が、最上階に行くのは間違いなく危険が伴うじゃろう。悪党の計画や目的は知らんが、警備機構(しすてむ)を乗っ取った以上は乗っ取り返されるのは嫌がる筈じゃ。

 ならば、上に行く程に悪党の監視が強くなると思うが……。悪党と戦闘になることは避けたい。

 しかしのぅ……。警備機構(しすてむ)とやらが乗っ取られているなら、恐らく儂等の行動は悪党共に筒抜けになる。上へ向かうのは簡単ではない筈じゃ。

 

「監視を逃れるって、どうやって?」

 

 めりっさの案に、耳郎が反応した。確かに監視の逃れ方は気になるところじゃ。こういう大きな建物には、監視写映機(かめら)が至るところに設置されているんじゃろ? 当然悪党は、それを見て監視している筈じゃ。今この状況も見られていると考えたら、やはり上に行くのは容易では無い。

 

「現時点で私達に実害は無いわ。多分、システムの扱いに慣れてないんだと思う」

 

 ……いや、それは無いと思うが。この建物を掌握した上に、偽の声明発表(あなうんす)までしている悪党が警備機構(しすてむ)を満足に使えないなんてことは有り得ん。今のところ儂等に実害は無いのは、監視している者がまだ手を下すまでもないと考えているからじゃろ。向こうがその気になった時点で、儂等に危害が加えられる筈じゃ。

 じゃからめりっさの考えは、少々楽観的過ぎる。まぁ悲観的になったとして、何が変わるわけでもないんじゃけども。

 

「そんな事、無いと思うのです。ヴィランはこの建物もシステムも掌握したんですよ? 現状、私達は既に見付かってると思うんですけど……。今にここに攻め込んでくるかも……」

 

 被身子が左右の人差し指を交差させながら、皆に向かって突き出す。示し合わせてもいないのに儂が思ったことを直ぐに口にしてくれるのは、助かる。そもそも普通科のこやつがこの考えに至るなら、くらすめえとの誰もがそう思っている筈じゃ。

 つまり、めりっさの案に簡単に頷くことは出来ない。何より、危険じゃからな。全員が悪党共に立ち向かうことになってしまう。

 

「確かにそうかもしれんけど……。せやけど、ここで動かないで居ても何ともならん思う。だから、動いてみるしかあらへん」

 

 被身子の言い分に、麗日が口を挟んだ。まぁ確かに、儂等側から悪党共の動きを察知することは出来ん。儂や被身子が思ったことは、あくまで憶測。事実かどうか分からんことに萎縮してこの場に留まってしまえば、現状は何も変わらない。

 

「麗日。儂がさっき何を貴様等に言い付けたか、覚えているか?」

「それは……。戦闘は、しない……」

「そうじゃ。ではこのまま儂等が上に向かったとして、それに気付いた悪党共はどうすると思う?」

「捕らえに来るから、そしたら戦闘になる」

「そうじゃ。分かってるなら良い」

 

 この建物を取り戻す。全員がそう決めた以上は、動かないなんてことはない。が、動けば悪党と鉢合わせて戦闘することになってしまう。そうなれば、儂との約束を破ることになる。正直言って、警備機構(しすてむ)とやらを掌握され恐らく監視されている以上、戦闘は必ず起きるじゃろう。都合良く悪党と出会わず最上階に行けるなんてことは、まず有り得ん。

 

「でもさ、廻道。動かなきゃ何にもならないよ。そりゃ戦闘は避けるつもりだけど、どこかで必ず戦闘になると思う」

「別に動くなとは言っておらん。もっと考えろと儂は言ってる。要は戦闘をせず、悪党に気取られず、最上階に行けば良い」

「そんな事、出来ますの……?」

「知らん。じゃけど、それを考えるべきじゃ。全員で」

 

 本音を言うと、そんな都合の良い手は思い浮かばない。だって無理そうじゃもん。例えば儂等が監視写映機(かめら)とかに映らないで動ければ、話は変わってくるんじゃろうけど。まぁそんなのは、残念ながら葉隠以外には無理じゃ。

 

「メリッサちゃん。さっき、プロテクトとかパスワードとか解除されてるかもって言いましたよね?

 で、それって……どこかの端末から操作出来たりしないんです?」

「……無理。ここはタルタロス並みの警備システムだから、殆どの操作は最上階のセキュリティルームじゃないと出来ない。幾つかある警備室の端末で出来ることは殆ど限られてる筈で……」

「でも、プロテクトとかパスワードは外されてるんですよね? じゃあもしかしたら、ハッキングとか……出来ません?」

 

 ……。うむ、被身子が何を提案しようとしてるかまったく分からん! はっきんぐとは何じゃ? 何処ぞで聞いたような気がするが、思い出せぬ。

 取り敢えず、何か思い浮かんでは居るらしい。駄目元で提案しているように聞こえるが、くらすめえと達は被身子の言葉に耳を傾けている。そして一斉に考え込んだ。

 

「そうだ、メンテナンスルーム!」

 

 はっきんぐが何かも分からんままに様子を見守っていると、めりっさが何かを思い付いたようじゃ。

「みんな、聞いて。セントラルタワーの最下層に、建築以来使われていない部屋があった筈よ。そこでシステム自体をメンテナンスモードに切り替えて一時的にでも奪還、もしくは正常化することが出来れば……!」

「……! オールマイトが動けるようになる!」

「地下にあるメンテナンスルームに向かえば良いということか! 渡我先輩、よくタルタロス並みのシステムにハッキングなんて考えが思い浮かびましたね!?」

「あ、はは……。ただの素人意見なのです。本当に出来るかどうかは知りませんけど、可能性があるならやってみます……?」

 

 めんてなんす……? 何……? 確かめんてなんすは修理とか点検とかそんな感じの意味じゃった筈。つまり……ええっと、修理や点検の為の部屋が地下にあって、そこではっきんぐ? とやらを行うと?

 いかん、頭がぐるぐるしてきた。儂、あいてぃいとかそう言う類いの事は分からんのじゃ。理解が及ばん。及ばんが、取り敢えず地下を目指すということか? 最上階に向かうよりは、危険じゃないかもしれんな。いやしかし、狡猾な悪党がその「めんてなんするうむ」とやらの存在を軽視するものなのか……?

 

 それはそれとして。飯田貴様。なに被身子に詰め寄ってるんじゃ。こやつを褒めるのは構わんが、あまり近寄るな。儂のじゃ、儂のっ。

 

「待ってくださいメリッサさん。

 I・アイランドはタルタロスと同等の警備システムを備えています。その中心のセントラルタワーに、システムに干渉出来るメンテナンスルームなんてものがあるのでしょうか?」

 

 つい飯田を目で威嚇していると、八百万が疑念を口にした。こやつの中で、何か引っ掛かる部分でもあるのじゃろう。くらすの中で最も考えることに長けているのがこの八百万じゃ。状況が状況じゃから、慎重になるのも分かる。

 たるたろす……の、警備機構(しすてむ)がどれだけ凄いものなのか儂は知らん。知っているのは、授業で聞いた「とにかく凄い」ってことぐらいじゃ。それは恐らく、この場に居る全員がそうじゃろう。(まこと)に最も優れている警備機構(しすてむ)じゃったとして、その内容を外部に漏らすなんて真似はしない筈じゃからな。

 そんなたるたろすと同じ程度の警備機構(しすてむ)が有るのがこの人工島。この場所が占拠され、今やあい・あいらんどは乗っ取られてしまったと言って良いじゃろう。めんてなんするうむ、とやらに対抗策が有るのじゃろうか?

 

 ……いや、むしろ乗っ取られることを想定していなくて、奪われた場合奪還出来ないなんて方がおかしな話か。

 

「ああ、えっと……。この間パパが連れて行ってくれたの。警備システムに何か異常があって内部に閉じ込められてしまった際、降りた隔壁なんかを手動で開けれるようにすることが出来るって。だからもしかしたら警備システムも……。

 あ、これ秘密ね? 広まっちゃうと大問題になるから」

「……分かりました。危険はありますが、メンテナンスルームに向かいましょう。私達で、メリッサさんを護衛します。道案内を、お願いしますわ」

 

 ……。どうやら、めりっさを警護しつつ地下を目指すことになったようじゃ。何事もなく上手く行けばよいが、最悪失敗することも想定しておかなければ。悪党が押し寄せたら……殺すことも視野に入れておく。この人数を守りながら悪党を殺さずに制するのは、不可能ではないが手間取ってしまうじゃろうからな。手間取っている間に、何が起こるか分からんし。じゃから、殺してしまうのが最も手っ取り早い。

 今生で人殺しはしないつもりじゃけど、被身子や子供達に危害が加わるぐらいなら殺さねばならぬ。

 

 

 腹は、括っておくとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全員で階段を下りながら、地下へと進む。耳郎が音を聴くことで先に誰か居ないか確認しつつ、慎重にかつ迅速に。監視写映機(かめら)で悪党に見られていることを考えると、時間的猶予はまるで無いと言って良い。いつ悪党が儂等を攻めてくるか分からん。急げるのであれば、急いだ方が良いじゃろう。

 儂等が動き始めたことは、おおるまいとには知らせてある。宙に血で小さく文字を書くことで、吹き抜け下で捕らわれているあやつに儂等の意図は伝えておいた。表情で猛反発されてしまったが、事態が事態じゃ。それに、誰かを助けると決めた緑谷を止めることが出来ないのは儂以上に知ってる筈じゃからの。

 おおるまいとには、しばらく縛られたままで居て貰うしかない。活動限界のことを考えると、やはりのんびりしている時間は無い。警備機構(しすてむ)を取り返すことが出来たとして、その時あの筋肉阿保が動けなくなっていたら儂等の作戦は破綻する。その辺りの事は緑谷も分かっているのか、少々顔に焦りが出ている。

 

 ……これはいかん。少し、落ち着かせるとするか。

 

「緑谷」

 

 先頭を警戒しながら歩いている緑谷の背を、軽く叩く。

 

「な、なに? 廻道さん」

「少し落ち着け。気を急くな」

「だ、大丈夫。落ち着いてるよ」

(まこと)に?」

「……ごめん。少し……焦ってる。その、色々……心配で」

「大丈夫じゃ。あやつが無様を晒すと思うか?」

 

 まぁ、悪党に捕らわれてしまっている時点で無様は無様なんじゃけど。人質を取られたらろくに動けなくなってしまうのが、英雄(ひいろお)の悪いところじゃ。悪党を倒すのに犠牲を出さない考えは立派じゃとは思うが、儂はどうも受け入れられん。

 世の中、救えない命なんて山程有る。儂とて、全ての子供を守れるとは思っていない。目に映る範囲、手が届く範囲しか守ることが出来ない。それを歯痒く思うこともあるが、個人がどんなに強かろうとやれる事には限界があるからのぅ。

 

「晒さない、と思う……」

「なら、今は信じて動け。余計な事は考えるな。今の儂等の目的は?」

「……メンテナンスルームに忍び込んで、システムにハッキングすること」

「うむ。それだけを考えろ」

「……分かった。ごめん、ありがとう」

「落ち着いたなら良い。気負うなよ」

 

 少し話したことで、多少は落ち着いた……か? とは言え、いざという時は儂が真っ先に動く。相手は狡猾な悪党。子供十人を庇って戦う事は初めての経験ではないが……余裕があるとは言い難い。こやつ等はなまじ戦えてしまうから、場合によっては無茶をしてしまう。何も出来ない子供の方が、まだ守り易い。

 何も起こらないなんて都合の良い事を、つい願いたくなってしまう。何となく、隣に居る被身子を盗み見る。すると直ぐに気付かれて、微笑まれた。何で気付くんじゃこやつ。やはり少し不安そうにしているから手を繋いでやりたいんじゃが、この先に起こり得る事を考えると両手は自由にしておきたい。ううむ……どうしたものか。

 

「ブラッディ……って、呼んでも良いかしら?」

「……、今はな。平時は止めてくれ」

 

 周囲に気を配りつつ歩いていると、直ぐ後ろに居るめりっさが話し掛けてきた。気に食わんあだ名で呼ぶのは止めて欲しい。が、今はそんな事に拘って口論している場合でもない。仕方ないから、この事件が解決するまでは許してやるとするかの。

 それはそれとして、どうにかその変なあだ名を消し去りたいとも思うが。

 

「……こんな時にこんな事を聞くのもどうかなって思うんだけど……。オールマイトの後継者って本当?」

「は?」

 

 は?

 

「あ、それ私も気になってたのです。円花ちゃん、オールマイトの後を継ぐんですか?」

 

 は?

 

「待て、何の話じゃ」

 

 儂が? おおるまいとの? 後継?

 

 いや、何じゃそれ。寝耳に水じゃが? 何がどうしてそうなってるんじゃ。第一、後継は儂じゃなく緑谷じゃ。これを話すわけにはいかんが、とにかく儂はおおるまいとの後なんて継がぬ。そんな事は目標にしておらん。めりっさはともかく、何で被身子までそんな事を聞くのか。

 

 ……何でじゃ? 何でそんな訳の分からん話をするんじゃっ。

 

「ほら、職場体験の時にオールマイトと活動してたじゃないですか。体育祭で優勝したこともあって、世間で噂されてるのです。

 特にネットじゃ、その辺の議論が盛んだったりしますよ?」

 

 ……、頭が痛い。世の中の連中は、いったい何を考えてるんじゃ。勝手な憶測で物事を話さないでくれ。一般人が囁く噂というのは、どうしてこう真実から掛け離れているのか。噂の出所を潰したくなってきた。どうせくだらん大人が好き勝手に言ってるんじゃろ? よし、潰す。どうやって潰せば良いか分からんけどな。くそっ。

 

「そうなのか? 俺は緑谷がそうなんじゃないかって思ってるんだが……」

「と、轟くんっ!?」

「静かにしろ、たわけ」

「ご、ごめん……。急に言われたからびっくりしちゃって……」

 

 鋭いな轟……。お主の憶測は正しい。声に出すことは出来ぬが、おおるまいとの後継は緑谷じゃ。決して儂じゃない。

 

「あ、それ俺もニュースで見た。小さく取り上げられてたよな?」

「上鳴、あんたニュースなんて見るんだ……」

「いや、普通に見るって。何気に酷くない? 俺傷付くよ??」

「だから静かにしろ、たわけ共」

 

 これは遠足じゃないんじゃ。いつ悪党と鉢合わせするのか分からないんじゃから、阿保な事を言ってないで周囲に気を配らんか。せめてめんてなんするうむとやらに辿り着くまでは、集中してくれ。

 

「っと、待ったみんな」

 

 耳を壁に刺した耳郎が、小声と片手で全員を制した。既に何段階段を下ったか覚えてはいないが、踊り場に差し掛かる度に音を聴いているこやつがこんな素振りを見せるのは初めてじゃ。つまり、この先に警戒しなきゃならないことが有るということ。そして今の儂等が警戒しなきゃならないことなど、それこそひとつしかない。

 

「何人居る?」

「……二人。いや、三人……。固まってるけど、どうする?」

「儂が行く。縛り上げてくるから、待っていろ」

「待った廻道くん、一人で行くのは危険だ!」

「そうですわ廻道さん。ここは全員で……」

「必要無い。お主等はここで待ってろ。儂から合図が無かったら、直ぐに引き返せ」

 

 こんな状況だからこそ、こやつ等に戦闘をさせるつもりはない。相手は建物を占拠する程の悪党じゃからこそ、儂だけで良い。居るだけ邪魔になるからの。

 事は迅速に済ませたい。相手が悪党ならば、わざわざ加減してやる必要は無い。楽しめるものなら楽しみたいとは思うが、今回はそうも言ってられん。呪力を練り、赫鱗躍動を使う。並みの悪党ならこの程度で足りるし、この先に居るのは恐らく見回りや見張りを頼まれた連中じゃろう。万が一腕が立つなら、その時はその時じゃ。本気で潰すとする。

 

 引き止めようとする被身子達を置いて、儂一人だけが先に踏み入る。踊り場を通り過ぎ階段を下る。次に見えた踊り場には、銃……じゃったか? を、持った悪党が確かに三人。見張りが余程退屈じゃったのか、それとも自分達の計画に余程自信があるのか、気を抜いているように見える。が、それでも直ぐに儂に気付き、儂を見た瞬間に即座に銃とやらを構えた。

 

 よく訓練されているように見えるが、遅いのぅ。動きも判断も。欠伸が出そうじゃ。

 

「赤縛」

 

 悪党がこれ以上何かするより早く、縛り上げよう。手足はもちろん、首もじゃ。血を飛ばすと同時に、跳ぶ。狙いは中央の一人。跳躍の勢いを全て拳に乗せ、思いっきり力任せに、悪党の顔面を……殴るっ。

 

「がはっ!?」

 

 うむ、手応えはしっかりあった。一人潰した。残り二人は、手足や首を縛る血のせいで満足に動けない。ので、足を払って転ばせた。それから一人ずつ頭を踏み抜き、気絶させておく。窒息死させるつもりはないから、首だけは自由にさせてやるか。別にこのまま殺してしまっても構わんのじゃけど、子供達に死体を見せるのは良くないからのぅ。

 それと。銃がどのような仕組みかは詳しくないから、取り敢えず血をかけて固めておいた。確か引き金を引くと弾丸が飛び出るんじゃったか? なら、銃口とやらには念入りに血を流し込んで固めておこう。後で目が覚めた時、使われたら危ないからの。

 

 にしても、何じゃ貴様等。随分と、手応えの無い。まぁ良い、五秒も掛けずに制圧出来た。周囲を見渡すが、他に人影は無い。が、もうここからは急がねば。儂が今したことは、もう悪党共に知られている筈じゃ。直に、増援が駆け付けるか何かしらの対策が取られてしまうじゃろう。

 

「出て来て良いぞっ。ここからは急ぐ、気を抜くな!」

 

 ここからは、時間との勝負になるじゃろう。さっさと目的を達成しなければ。子供達を守りながら、最短最速で。事が済むまで、もう気は抜けん。

 

 

 

 

 

 








※トガちゃんに近寄る飯田くんをじと目で睨む円花の図。

原作とは内容が違うセントラルタワー攻略戦が始まりました。好き勝手書いて行く予定です。あと二話で終わるかどうか分かりませんが、終わらせたいと思っています。お、思ってます!!

三人称による補完は要りますか?

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