待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!!   作:一人称苦手ぞ。

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いんたあん? 鯱頭再び

 

 

 

 

 

 校外活動(いんたあん)が始まった。……じゃけども、儂は何処の英雄(ひいろお)事務所にも行かん。仮免に落ちた舎弟と轟の二人を除いたくらすめえと達は、昨日から姿が見えなくなった。英雄(ひいろお)事務所に泊まり込みじゃからの。教室にも寮にも居ない。しばらく、静かな学校生活を送れるじゃろう。尚、校外活動は参加も不参加も自由じゃから、儂は参加しない。午前中は普通に学校で授業を受けて、昼過ぎからは夕方まで訓練。夜になったら、呪術師として活動すると決めてある。この旨は相澤先生や根津校長、そして呪術総監部にも伝えてあるから、儂の望み通りになるじゃろう。

 ちなみに、緑谷には校外活動(いんたあん)を優先するように言っておいた。昼間だけでも大変なのに、更に夜まで呪術師として活動するのは無理があるからの。ただ儂やおおるまいとに任せきりになってしまうのが嫌なのか、昼間に呪霊を見掛けるようなことがあれば連絡すると言っていた。大丈夫かの、あやつ。

 

 それはそれとして。……何で今、鯱頭が教壇に立ってるのかは謎じゃけど。まるで分からん。何で雄英に居るんじゃこやつ。確か、こやつ沖縄の水族館を経営しとるんじゃったよな? 緑谷がそう言っていたから間違いないじゃろう。で、雄英(ここ)は静岡なんじゃけど。相澤、教壇脇で寝袋に入るな。どういう訳か説明せんか。

 

「……本日のみ特別講師として、ギャングオルカさんに教鞭を取って貰うことになった。まぁぶっちゃけ、廻道が校外活動(インターン)行けばこんな事にはならなかったんだが……ヒーローの頂きに近しいお方だ、しっかり揉んで貰え。

 じゃあギャングオルカさん、後は頼みます」

 

 は? 何で儂のせいになるんじゃ。校外活動はしないと事前に申告したじゃろうがっ。おい、寝るな。寝るんじゃない貴様。それでも教師か!?

 

「貴様等はヒーローどころか底辺生物以下!! ダボハゼの糞だ!!

 特に貴様だ!! ヒーローになる気は有るのか!?」

 

 相澤先生の話が終わるなり、悪党が如き面をした鯱頭が教壇から舎弟に詰め寄った。仮免試験の時も思ったんじゃけど、とんでもない面じゃのこやつ……。よくそれで英雄(ひいろお)をやってられるのぅ。悪党(う゛ぃらん)と間違われるんじゃないのか?

 

「まず糞じゃねえんだよ」

「指導ーー!!」

 

 おい。何で舎弟を投げ飛ばした? そやつに手を出して良いのは儂だけじゃけど? だいたい、子供に手を出すとは何事じゃ貴様。儂嫌いじゃ、こやつ嫌いじゃ。後で呪う。

 

「糞が人間様の役に立てるのか!?」

「……肥料とか、間接的に……」

「指導ーー!!」

 

 次は轟が投げ飛ばされた。貴様……。よし、この場で呪う。今決めた、そう決めた。じゃから席を立つと、今度は鯱頭が儂に近寄って来た。

 何じゃ貴様。喧嘩なら買うぞ? よし買った、今すぐ殴ってやろう。

 

「体調管理も出来ぬ糞が(ヴィラン)と戦えるのか!?」

「やかましい。貴様、いい加減に」

「指導ーー!!」

 

 投げられたわ。なので受け身を取り、即座に間を詰める。そして右拳を振りかぶったところで、右腕が絡め取られた。おい相澤、寝袋の中から捕縛布を飛ばすなっ。儂殴る! こやつ、ぶん殴る!! 例え英雄(ひいろお)じゃろうが特別講師じゃろうが、子供に手を出すような輩は儂の敵なんじゃけど!?

 

「糞らしく付いて来い貴様等! 改めて実力を確認してやる!!」

「という訳だ。コスチュームに着替えて、USJに集合」

 

 き、貴様等……。良いじゃろう、まずはその鯱頭を叩き伏せてくれる。仮免試験で色々された分も含めて、思いっきり殴るからな! 儂の前で子供に手を上げるとどうなるのか思い知れ! この鯱頭!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんで鯱頭……ぎゃんぐおるかとか言ったか? が雄英で特別講師をやることになったのかは知らん。知らんけど、取り敢えず儂等の実力を改めて確認するらしい。その為に選ばれた訓練場は、一度は阿久多牟之(あくたむし)に埋め尽くされそうになった、あの場所じゃ。悪党(う゛ぃらん)連合に目を付けられてしまった場所でもある。あれから呪霊退治や授業での訓練で何度か来ているが、今回は随分と久しぶりなような気がする。ここ最近の訓練は個性伸ばしばかりじゃったから、TDL(てぃでぃえる)ばかりじゃったし。

 

 ……そう思うと、他の訓練場にも行っていない気がするの。今晩、早速雄英の敷地内を見て回るとするか。新たに呪霊が産まれてるとは思えぬが、他所から忍び込んでいる可能性が無いとは言えんからの。

 

「で? どう実力を確認するんじゃ貴様」

 

 この場に居るのは、儂等だけじゃない。見覚えがある格好をした輩共が何人も居る。確か、仮免試験の時に鯱頭の側に居た悪党役の連中じゃ。

 

「今から救助訓練でもすんのか? んな事よりバトらせろや! ギャングオルカさんよお!」

「水泳じゃねぇのか? ギャングオルカって、海難救助や海上戦闘が主だろ? だったらこう、実践的な泳ぎ方を教えて下さいよ」

「糞共が勝手に話すな! これから糞にも分かりやすく説明してやるから、耳の穴かっぽじって聞け!!」

 

 ……。何なんじゃこやつ。まったく、そんなだから悪党(う゛ぃらん)っぽい英雄順位(ひいろおらんきんぐ)とか言うやつで三位なんじゃぞ。緑谷が言っとったんじゃ。これは間違いない情報なのじゃろう。あやつの英雄(ひいろお)知識は、少し気味悪い領域に入っとるしの。儂の術式や個性について、筆記帳に事細かに書いてるぐらいじゃ。最近は呪力に帳に反転術式なんかも分かる範囲で詳しく書き込んだらしい。何と言うか、そう言うところは気色悪いよなあやつ。悪意が無いから止めろとは言わぬが、そんなじゃから舎弟に気味悪がられるのでは?

 ううむ、我ながら変な奴と親しくなってしまった気がする。常闇と言い舎弟と言い、実は儂の周りに居る輩は変人揃いなのか……?

 

「まずは貴様からだ! ヒーロー名は!?」

「……頼皆じゃ」

「その名は一旦忘れろ! 糞に名前があると思うなよ!!」

「……なぁ、こやつ大丈夫なのか?」

「あー……、ほら。実はシャチョー、子供好きなのに無理してるから」

 

 ……子供好き? こやつが? とてもそうは思えぬが、部下のような連中が苦笑いしながら言っているなら事実なのじゃろう。その発言を聞いた鯱頭は、一瞬固まったし。どうやら図星らしいの。何とも紛らわしい奴じゃの。子供好きなら好きと言わんか。子供好きに悪い奴は、……残念ながら居ないとは言えぬけど。ただ少し、この鯱頭を相手にしてやっても良いと思う。

 

「とにかく掛かって来い! 貴様の本当の実力を見せてみろ!!」

「そうか。なら、本気でやらせて貰おうかの」

 

 事情は何であれ、こやつと手合わせ出来るのは楽しみではある。仮免試験の時は、ろくに動けんで終わったからの。今は生理じゃないから、思いっきり戦える。

 まさかもう一度、英雄(ひいろお)と手合わせ出来るとはのぅ。おおるまいと程では無いじゃろうが、それでもくらすめえと達と戦うよりはずっとずっと楽しめる筈じゃ。何せ相手は、日本の英雄(ひいろお)の中でも上位に位置する奴じゃ。あぁ、楽しくなってきた……!

 

「―――けひっ。ひひっ、せいぜい楽しませろよ! 鯱頭!!」

 

 まずはいつものように、両手を叩き合わせるところから始めよう。穿血を対処出来るか、出来ないか。対処出来るなら猛者、楽しい時間を過ごせる。対処出来ぬのなら……弱者じゃ。つまらん時間になってしまうから、付き合うつもりはない。

 じゃがこやつは、この鯱頭は、穿血ぐらい対処出来るじゃろう。轟の氷結を拳で砕いておったし、炎に閉じ込められても倒れはしなかった。むしろ炎を、吹き飛ばしたぐらいじゃ。ならば穿血程度の攻撃、どうとでも出来るよなぁ!?

 

 

 

 

 

 









ギャングオルカ、再登場です。まぁ再登場させた理由は、割りと円花と相性良さそうな人だなって思ったからです。

三人称による補完は要りますか?

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  • 良いから一人称で突っ走れ
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