待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
「ったく。何なんだあのガキはよぉ」
椅子に背を預けたロックロックが天井を見上げて溜め息を吐くのも仕方なかった。たった今、会議室を去ったヒーロー候補生の頼皆こと廻道円花。一目見ただけではまだまだ成長途上の子供なのに、その彼女からの放たれる殺気は、長くヒーローをやっているロックロックとしても、比肩するものが無い程に凄まじかったからだ。
頼皆が会議室を去ったことで、室内に張り詰めていた空気が僅かに緩む。まさかこんな事になるとは、この場の誰もが予測していなかった。
平和の象徴の後継者。そう噂されている彼女に興味を持つヒーローは多かった。しかしいざ実物を目の前にすると、その噂は間違いだと思い知らされてしまった。世間に噂されている候補生が、どんな巨悪すら霞むのではないかと思わせる殺気を放つとは。熟達のヒーローでさえ見抜けなかったのである。
「どういう教育してんだ雄英は。とんでもねぇ」
「……彼女については、我々教師でも測りかねます。普段はお転婆と言っても良いぐらいですが、有事の際には途端に変貌する。特に一度戦闘を行えば、見境が無いと言って良いかと」
「……でも。頼皆はいつも自分から危険を引き受けて、僕達を守ってくれました。その、普段は色々ポンコツなんですけど、いざって時は凄く頼りになります。今回も、彼女がエリちゃんを連れて逃げろって指示してくれて。そのお陰で、保護出来ました」
「三年の間でも結構有名なんですよね! 将来ヴィランっぽいヒーローランキングに堂々ランクインしそうってさ!」
怪訝な顔をするロックロックに、雄英教師を兼任しているイレイザー・ヘッドや現在は雄英生徒であるデクやルミリオンが弁明になりそうにない弁明を行った。その結果、会議室内のヒーロー達は更なる混乱に招かれてしまったわけだったりするのだが。
とにかく。頼皆と言うヒーローは得体が知れない。ヒーローではなく、ヴィランと言われた方がまだ納得出来る程に不可解だ。そんな彼女に今回の事件の重要参考人、エリの警護を任せたものだから、サー・ナイトアイは一部を除いた周囲のヒーロー達から少し変な目で見られてしまっている。
「とにかく。今回の件、彼女の力が必要になるでしょう。彼女の事は私が保証します。今しがた、
「サー! ってことは……!?」
「……あぁ。未来を見た。ひとつ、皆さんと共有しておくことがあります」
サー・ナイトアイ。その個性は、予知。どうやら彼は先程、頼皆の未来を見たらしい。なのに、いやだからこそ、今の彼は浮かない顔をしている。椅子に座り直した彼は机の上で両手を組み、目を伏せた。
それから、しばしの沈黙。そして……。
「―――頼皆は、治崎に殺されます。最期まで抵抗するようですが、それも虚しく……。
そして、エリちゃんは治崎に奪還される。これは、恐らく変えようの無い未来です」
そんな、信じたくもなければ迎えたくもない未来を、彼は口にした。
うお、みじか……。
試験的に三人称回です。半年ぶりぐらいに書いたら書き方忘れてますねこれは。好評ならたまには挟んでいこうかなって気がします。いずれ補完の為にいろんな所に差し込む予定ではありますけども。
あ、今晩22時にいつも通り更新します。
三人称による補完は要りますか?
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欲しい
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要らん
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良いから一人称で突っ走れ