待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
結局。儂は
あの日から、くらすめえと達全員が以前よりも熱心に訓練に臨むようになった。以前は熱心ではなかった、と言うわけではない。前よりも更に集中して訓練するようになったって話じゃ。
……まぁ、悪く言えば入れ込み過ぎなんじゃけども。しかしの、強くなるには我武者羅に鍛練する事が必要な場合もある。しばらくは見守ってやるとしよう。何かおかしな方向に向かい始めることがあれば、その時は頭に拳骨でも落とそう。
他に変わった事があるとすれば、それは儂が午後の授業に出ることが少なくなったことぐらいか。ここ一週間程、毎日五限目から七限目まである
で。たまに訓練に参加した時は、主に轟と手合わせをしている。一つ目を祓う為に、炎への対策を模索しているところじゃ。ついでに氷結への対策も気分転換にやったりやらなかったり。まぁ、どちらも少しばかり手応えを感じている。もっともっと詰めていかねばならんのじゃけど、どうしても午後の授業に出る気がしなくてのぅ……。飯田に叱られようが、他の者に白い目で見られようが、相澤に文句を言われようが、出たくないものは出たくない。
被身子は、そんな儂に「嫌なら出なくて良いのです。サボタージュしましょう!」と言ってくれた。被身子はちゃんと授業に出ているのに、授業を受けるか受けないかの相談に乗って貰ったのは何じゃか申し訳ない。
……ところで、さぼたあじゅって何じゃ? 英語か? よく分からん言葉を使うのは止めてくれ。
そうそう。総監部に頼まれた
それ以外の呪術師としての活動は、ひとつ面倒な事があるだけで他はいつも通りじゃ。何が面倒って、教師達から教師達に見合った呪具を作ってくれないかと頼まれていてのぅ。これがまた面倒で面倒で、どうにもやる気が起きぬ。何で相澤の
まぁ、とにかく。色々と変わったことがあったり、中々変化しないことがあったり、それでも日々は進んでいくものじゃ。九月は終わり、もう十月がやって来た。高かった気温も下がりつつあって、最近は涼しい日が増えてきた。もう少ししたら、寒くなるじゃろう。寒いのも苦手なんじゃけど、夏よりは幾分か好ましい。
「文化祭があります」
「がっぽいのきたぁあああ!!!」
……喧しいのぅ。そんなに騒ぐことか? たかが文化祭で何をそんなに浮かれているのやら。しかしまぁ、文化祭。文化祭か……。最近、被身子と
ま、まぁ。とにかく、じゃ。相澤がわざわざ通達したのじゃから、文化祭が近いのは確かじゃろう。となると、何か出し物をしなければならん訳か。中学時代は茶屋をやったんじゃけど、教室の前で客引きとして座ってた事しか覚えとらん。何故か当時のくらすめえと達は、儂に何もさせようとしなかったからの。何でじゃ。別に配膳くらい余裕で出来るが? まったく……。
「良いんですか!? この時世にお気楽じゃ!?」
「切島、お前変わっちまったな……」
「廻道に殴られてから変になってねえか?」
「あー、最近ぐいぐい殴られに行ってるからな。この間ので変な癖に目覚めたんじゃね?」
「なってねーよっ!? でもそーだろ
まぁ、切島の言うことはごもっともじゃ。ごもっとも過ぎて、何も言えん。文化祭自体、今の時世では自粛するべきじゃろう。しかし雄英側はやる気満々じゃ。わざわざ儂を、緊急時の呪霊対策として使おうとしてるぐらいじゃからの。この旨を総監部の七山に話したら、あやつはかなり長い間を置いてから了承してくれたわけじゃが。後日、根津校長と滅茶苦茶揉めたとか何とか言っておったわ。
何にせよ、近々文化祭が行われる。それまでの準備やら何やらで忙しくなりそうじゃ。それ自体は構わんし、何なら今から当日が楽しみではある。じゃってほら、被身子と
「ここからはA組委員長飯田天哉が進行をつとめさせていただきます! スムーズにまとめられるよう頑張ります!!
まず候補を挙げていこう! 希望の有る者は挙手を!!」
「ハイハイハイハイハイ!!!!」
「ぐ……何と言う変わり身の早さだ……! ええい、必ずまとめてやる……!!」
過去を思い返して、つい苦笑いをしていると話が進んでいた。飯田と八百万が教壇に立っておる。そしてくらすめえと達は、誰も彼もが一斉に元気よく挙手した。
……喧しい。いや、まっこと喧しい。まったく、どいつもこいつも楽しそうにしおって。もう少し落ち着きと言うものをじゃな……。いや、まぁ良いか。子供達がこうも楽しそうにしているのなら、文句は言わぬよ。むしろ、もっと楽しんだらどうじゃ?
「はい!!」
「上鳴くん!」
「メイド喫茶!!」
「奉仕か! 悪くない!」
「甘いわ上鳴!! オッパ」
おっぱ、……何て? 峰田、今なにを言おうとしたんじゃ貴様。何か言い切ろうとして、即座に梅雨に簀巻きにされて吊し上げられてしまった。まぁ、どうせろくでも無い事じゃろ。特に気にしないでおくとしよう。
儂自身、何がしたいとか特に希望は無い。なるようになるじゃろうし、そもそも子供達の好きにしたら良いと思う。この話し合い、もしや儂は参加しなくても良いのでは?
そう言えば、二年しぃ組は何をするつもりなんじゃろうか。気になるから、
『ぶんかさいのたしもの、ひみこは、』
『二年C組はメイド・執事喫茶ですよぉ。一年A組はどうですか?』
『しらん。いま、いめてる』
『円花ちゃんは、何かしたい事あります?』
『でえと、』
『私もしたいです!』
『しよう。でえと』
『はい!!』
うむ。よし。
……思いっきり入力を誤ったが、無事解読してくれて何より。いつぞやみたいに、数字の羅列になってないだけ良しとして欲しい。
まぁ、それはともかく。
しかしまぁ、我ながら随分と惚れ込んだものじゃ。既に文化祭が待ち遠しくて仕方ない。そんなに
二年しぃ組は
「……実に非合理な時間だった。明日の朝までに決めておけよ。決まらなかった場合は公開座学とする」
……気が付けば、
ところで、ひとつ気になることがある。知らなくても良いような気がするが、一応知っておかねば後で峰田を処せない可能性があるからの。聞くだけ聞いてみよう。ええっと、確か……。
「おぉい常闇。おっぱぶ? って何じゃ?」
その時。教室の気温が猛烈に下がった。気がする。
「峰田ぁ!! 廻道に変な言葉覚えさせないでくれる!?」
「忘れて! 廻道ちゃん、それは忘れて良いから!」
「……廻道。頼むから大声でそんな事を聞かないでくれ……」
芦戸や葉隠が騒ぎ始めた。怒り心頭になっているのは気のせいではない。常闇は、頭を抱えておるの。仕方ない、被身子に聞くとするか。被身子なら知っとるじゃろ。何か英語っぽいしの。
「常闇、お前ほんと苦労してんだな……」
「廻道ってさぁ、無防備で無知なところあるよな……。夏になりだちの頃とか」
「もはや災害。闇が更なる深淵に至る前に救世を求む……」
「災害は人の手ではどうこう出来ねーんじゃねぇか……?」
何故、一部の男子達からぽんこつを見たかのような目で見られなければならないのか。解せぬ。さては、気になった事を聞いたらぽんこつ扱いされるのか? いや、それはおかしいじゃろ。どいつもこいつも……!
『ひみこ、おっぱぶ……ってなんじゃ?』
『それ、誰から聞きました?』
『みねた』
『ですよねぇ。ちょっと今から刺しに行きますね??』
『いい。くるな』
……ううむ……。峰田よ。
この後。被身子は教室にやって来た。案の定、右手に刃物を持ってたわけじゃ。慌てて止めに入ったが、目が本気じゃった。峰田、お主そろそろ態度を改めた方が良いのではないか? いつか被身子に刺し殺されてしまうぞ? 儂もいい加減、庇うのが面倒なんじゃけども……。
……儂も、そろそろ峰田を叱った方が良いのか? そうなのか?
久しぶりに日常回を書けた気がします。こういう話書いてる時が一番筆が乗りますね。
三人称による補完は要りますか?
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欲しい
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要らん
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良いから一人称で突っ走れ