待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
「あ、廻道少女。この後、運動場γに来てね。コスチュームの修繕は間に合ってないだろうから……ジャージ、もしくは動き易い格好で」
緑谷の個性暴発の件で相談を持ち掛けられた後。おおるまいとは何故か儂を運動場がんまに呼び出した。いったい何のつもりなんじゃか。夜までに少しでも寝ておきたいから断ったんじゃが、そしたら「相澤くんに是が非でも連れて来いって言われてるんだよね……」と言われた。尚の事断ろうかと思ったんじゃけど、やたら頼み込んでくるものじゃから結局儂が折れるしかなかった。解せぬ。
で、じゃ。被身子と少しばかり触れ合ってから仕方なく
これから
……仕方ないから、起きてるとするか。くあぁ……っ。……うぅむ、眠い……。部屋の布団で横になりたい。出来ることなら被身子に抱き枕にされるか、被身子を抱き枕にするかして寝たいんじゃ。何でこんな眠気の中で、寒い外に出なければならんのか。いやまぁ、昨晩寝なかった儂が悪いってだけの話じゃけども。
それにしても、冷えるのぅ。真冬じゃから冷えて当たり前なんじゃけども。あ、そうじゃ。八百万に風除けと寝袋でも創って貰おう。で、寝る。取り敢えず顔は出したんじゃから、後は何もしなくて良いと思うんじゃ。よし、そうする。そうしよう。そうしたい。
「……八百万。すまぬが風除けと、寝袋を創って貰えぬか?」
「廻道さん……! 今日も訓練に参加しますのねっ?」
「いや、呼ばれたから来ただけじゃ。それより風除けと寝袋……」
「おい廻道、来て早々にサボろうとするな。人数が足りなくなるから、お前も参加しろ」
……残念ながら、寝ることは出来ぬらしい。相澤が儂を睨んでおる。ふわぁ……っ。んんむ、ねむいねむい……。仕方ないのぅ、立ったまま寝るとしよう。風除けや寝袋があれば外でもぐっすり寝れると思ったんじゃけど、そちらは諦めるとするか。
「今日は
げすと? 下衆人? あぁ、げすとか。賓客のことじゃの。
……訓練に、客じゃって? また特別講師か? 昨日えんでゔぁが来たように、今日も
それで? 誰が姿を見せるんじゃ?
「ヒーロー科編入を希望してる、心操人使くんだ」
心操? あぁ、文化祭のお化け屋敷で逆さ吊りになってた男子か。体育祭の時に、緑谷と戦って負けてしまった奴じゃ。確か個性は、呪言みたいなやつじゃった筈。脳を呪力で守れば防げるのか? 少し気になるが、それよりも気になるのは……。
何故か、相澤の捕縛布を装備してるってことじゃ。何故捕縛布を? もしや相澤の弟子か何かか?
まぁ、何じゃって良いか。わざわざ儂が気にする必要は無いじゃろう。
「一言挨拶を」
「……体育祭で何名か接したけど、拳を交えたら友達とか、そんなスポーツマンシップを掲げられる気持ちの良い人間じゃありません。
俺はもう、何十歩も出遅れてる」
……ほぅ? 何じゃこやつ、悪くないの。人間性はともかくとして、何と言うか舎弟を見てる気分じゃ。じゃってほら、目が良い。内に秘めてるものが滲み出しているし、見据えているものは遠い。それでも、自分の道を突き進もうと藻掻いとる。そんな感じの目じゃ。くらすめえと達とは違う。強いて言うなら、舎弟に近い雰囲気があるか。
うむ、悪くない。そういう奴は好ましい。相澤の弟子のような格好をしていることだけが残念じゃの。まぁ並大抵の悪党が相手ならば、捕縛布ひとつで事足りるんじゃろうけども。
「悪いけど必死です。立派なヒーローになって、俺の個性を人の為に使いたい」
ふむ……。そうか。いや、悪くないのこやつ。じゃけども、心操を見てると前世で鍛えてやった子供達を思い出す。大きな夢を持つのは構わんが、相応に現実を見ろよ? その上で、尚も夢を抱き続けると言うのなら……。まぁ、好きにしたら良い。危ない事以外は、何でも自由にやったら良いんじゃ。
って、
何たって、子供は甘やかすものじゃからなっ。がははは!
「じゃ、早速やりましょうかね。だがその前に……廻道」
「……」
「おい。返事」
「……何じゃ?」
ちっ。話し掛けられたわ。要はこれから、びぃ組と合同で訓練するってことじゃろ? 言われんでも分かる。これだけ勢揃いしてるんじゃから、その線しか有り得ん。そもそも、何故儂を呼び付けたのか。また、くらすめえと達と手合わせをしろと? まさか、びぃ組の面々も含めて相手しろと言うんじゃなかろうな?
……まぁ、それはそれで良いか。
「あれぇー!? なーんか態度悪いね君!? A組で一番優れてるって聞いたけど、もしかして態度の悪さが優れっキュッッ」
「いや、学習しろよ。さっきも締められてただろおめー」
なんか……びぃ組の誰かが何か言おうとして、捕縛布で首を締められたの。誰じゃっけこやつ。確か、ええっと……。……誰じゃっけ? まぁ良いか。放っておこう。
それで? 儂に何を言いたいんじゃ相澤。場合によっては聞き流すが? 何なら儂は帰るぞ??
「今回行われるB組との合同戦闘訓練。お前には、別の役割を担って貰う。贔屓目無しで見ても、お前一人でこの場の全員完封出来るだろうからな」
「くぁあ……っ。まぁ、そぅ……んぐんぐ……」
んんむ。欠伸が止まらん。相澤の話を聞こうにも、眠気が凄まじくなってきたからの。適当に聞き流してしまいたいところじゃけども、この寝不足は自業自得じゃからな……。何とか耳を傾けて……ふわぁ……っ。
あ、駄目じゃこれ。話を聞けそうにない。そもそも、
「廻道には、要救助者兼人質役をやって貰う。
それと、今回の訓練において個性使用は全面禁止だ」
「……相分かった。適当にやるとしよう」
「真面目にやれ」
「やじゃ」
この後でどんな訓練をやるのかは知らんが、どうやら儂は何もしてはならんらしい。ということは、寝てても良いという事じゃな? よし、寝よう。儂は寝るぞ。訓練が終わるまで、ぐっすり寝るからな。
「では、A組とB組の合同戦闘訓練を開始する。ルール説明はブラド先生、頼みます」
「頼まれた!! よく聞け、今回は―――」
くぁあ……っ。んん、……んんぅ。
……んんむぅ。これは、本日何度目の欠伸じゃ? 起きてからずっと欠伸が止まらん。しっかり目を覚ましたいんじゃけど、どうにも瞼が重くてのぅ。こんな調子になってしまうのなら、被身子と朝まで交わるのは良くないの。まっこと、良くない。少し、求め合う頻度を減らすべきかもしれん。問題は、被身子が毎晩誘惑してくるってことなんじゃけど……。誘われたら断る理由が無くて、つい……の。
それに、言って聞くとは思わんし。何事も我慢が出来ないのが、儂の被身子じゃからな。そもそも我慢などさせたくない。
あぁ……困ったものじゃな。まっこと、困る。被身子が愛し過ぎて、頭が馬鹿になってしまった気がする。自制しなくては。
……。……、……明日からな。明日から気を付けよう。いや、段階を踏みつつ自制した方が良いか。急に行為を断っても、絶対押し切られて流されてしまう。何なら毎日寝かせて貰えんかもしれん。それは流石に死んでしまう気がする。幾ら
……上、じゃよな? 行為中は被身子の方が体力があるような気がするが、儂の方が上じゃよな……??
うおっほん。と、とにかくじゃ。試しに提案してみるとしよう。どうにか行為の回数を減らせるように交渉して……。交渉になるかのぅ……。ううむ……。
「という訳だ!! 全員、理解したか!?」
「廻道ちゃん、今の聞いてた?」
「いや葉隠さん。これは間違いなく……」
なんか、ぶらどきんぐと葉隠。あと尾白が儂を見詰めている。いや、睨んでいると言った方が良いか。
「円花ちゃん。説明はちゃんと聞かなきゃ駄目よ。どうしていつも、人の話を聞かないのかしら?」
「廻道って、ルール説明とか聞かないタイプだよね。説明書とか読めないんじゃない?」
何故か梅雨に叱られて、耳郎に呆れられた。失敬な。説明書ぐらい読めるぞ。読む気がしないから、読まずに居るだけで。
それはともかく。どうやら、びぃ組の担任があれこれと説明していたらしいの。まるで聞いとらんかった。……まぁ、聞いていなくとも何とかなるじゃろ。儂の役割は要救助者兼人質役なんじゃから。そこさえ守っていればどうとでもなる筈じゃ。
……なるよな?
「廻道。俺から説明するから、耳を貸してくれ」
「……うむ。頼んだ常闇」
取り敢えず常闇が教えてくれるようじゃ。今回は、素直に耳を傾けるとしよう。ここでもう一度聞き流せば、相澤から捕縛布が飛んできそうじゃし。まぁ、今日使っている捕縛布は普通のやつじゃから、最悪引き千切ってしまえば良いんじゃけども。
とにかく。びぃ組との、合同戦闘訓練が始まろうとしていた。
やっとA組対B組です。これが済んだらヒーローズ:ライジングですね。終章までまだまだ遠いですね……。
三人称による補完は要りますか?
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欲しい
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要らん
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良いから一人称で突っ走れ