待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!!   作:一人称苦手ぞ。

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A組対B組。人質

 

 

 

 

 

 びぃ組との合同戦闘訓練、二戦目が始まった。ので、儂は掘っ立て小屋の中で横になっとる。両瞼を閉じてうつらうつらとしていると、壁から生えた音響機(すぴいかあ)から文句の声が響く。喧しいが、無視じゃ無視。じゃって、眠くて堪らないんじゃもん。なので、寝る。

 くらすめえと達か、或いはびぃ組の誰かが儂を助けに来たら起きる。で、救助者を演じるなり人質を演じるわけじゃ。さっきは救助者じゃったから、今回は人質でも演じようかのぅ。個性を使わなければ抵抗していいわけじゃし、殴ることは特に禁止されとらん。個性や呪術を一切使わず、英雄(ひいろお)候補生相手にどこまで足掻けるか試してみよう。幾ら何でも、流石に勝てぬとは思うが。

 

 ちなみに、心操は儂を掘っ立て小屋まで案内すると、皆が居る観戦場に戻ってしまった。少しぐらい話してやっても良いと思ったんじゃけどな。

 

 ふあ……ぁ……っ。んん、眠い。まだまだ眠い。それもその筈。十数分程度の睡眠で、寝不足が解消出来る筈が無い。よし、寝よう。どうせ、しばらくは誰も此処には来ないじゃろ。椅子(そふぁ)の寝心地はそこそこじゃ。

 

「……んぅ……」

 

 瞼を閉じ、今度は出来る限り丸くなる。狭い寝床で寝る時は、体が小さくて良かったと思う。やはりもう少し背丈が欲しいが、もう伸びることは無いじゃろうからのぅ。まぁ良いか。被身子にすっぽり抱き締めて貰えるんじゃから、小さいままでも。体重の軽さも何とかしたいところじゃけども、下手に太るのは良くないしの。そもそも、今ぐらいの体型のままで居ないと被身子が不満を抱くじゃろうからの。あぁでも、そろそろ髪は切っておきたい気がする。

 今度、被身子に切って貰うとしよう。身嗜みについては、被身子にやって貰った方が早いんじゃ。

 

『だから寝るな廻道。そこのモニターで状況を……』

 

 ……もにたあ? あぁ、壁にある大きな液晶画面の事かの? 画面には、運動場の様子が映し出されている。まだ二回戦は始まったばかりで、双方接触していないようじゃ。ということは、戦闘が始まるのはもう少し先か。もしくは、どちらもまず儂の確保に動いたのか。

 何にせよ、まだ起きる必要は無いじゃろう。再び瞼を閉じると、うとうとして来た。力が抜けていくというか、力を込められないというか。この調子では……うむ……。もぅ、寝……。

 

 

 ……。…………。………………。

 

 

 んおっ!? あぁ、何じゃもう。もう少しで寝れたというのに、大きな音が鳴り響いた。戦闘が始まったらしい。画面を見てみると、八百万が分断されてるの。で、対面には……びぃ組の女子(おなご)が立っている。まぁ確かに、八百万は厄介じゃからの。真っ先に潰しておきたい気持ちは分かる。

 お、八百万に殴りかかった。どうやら手を大きくする個性らしい。八百万が出した盾を、一撃で歪ませおったわ。単純な力なら、相手の方が上じゃの。とは言え、八百万じゃからのぅ。力押し程度で、直ぐにどうにか出来る相手ではない。

 

 じゃって。この間の手合わせの際、八百万じゃって成長を見せた。儂に勝つ為に続けた努力をぶつけて来た。

 

『―――ふっ!』

『んなっ!?』

 

 八百万が、腕を振るう。そして、手女の頭が強打された。八百万が創り出した、一振りの棒によって。

 

『これでも私、ひとつ苦手を克服しましたのよ!』

『……なるほど。武器術ね……。槍術かな……? でも、それは甘いんじゃない!?』

『っっ!』

 

 ……意表は突けたが、形成は不利のようじゃ。まぁそれはそうじゃろう。手女の戦い方は、巨大化した手を振り回す体術が主じゃ。それをずっと磨き上げて来たんじゃろう。そんな相手に、棒切れだけでは分が悪い。苦手を克服したと言って居たが、それは接近戦での戦術を学んだというだけの事。その出来栄えは、精々が並じゃ。厳しい目で見れば、まだまだ未熟者じゃ。

 幾ら武器を持っていようが、武器を幾つ創り出す事が出来ようが、悪党相手を想定して我が身を鍛えた奴に付け焼き刃で勝つことは出来ん。現に……ほら。棒を振り回していようが突き出して居ようが、徐々に追い詰められているしの。

 

 八百万は果敢に棒を振るうが、動きが大雑把じゃ。……大雑把? いや、儂を相手にしてた時はもう少し細やかな感じがあったと思うんじゃけど……。

 

『甘いっ!』

『きゃあっ!?』

 

 あ。棒が殴り飛ばされた。八百万は体勢を崩し、隙だらけとなる。そこを巨大化した拳が、撃ち抜いた。が、寸でのところで盾が間に合ったらしい。体勢は不十分じゃったけど、それでも直撃は免れた。ただ、踏ん張ることは出来なかったようじゃ。壁まで吹き飛んで行ったわ。直撃しとったら、気絶してたじゃろうな。

 

『武器術、悪くないんじゃない? でもそれって、八百万の個性を知ってれば誰もが想定するでしょ。そもそも格闘戦じゃ、私とあんたじゃ年季が違う』

 

 それはそうじゃな。手女の言う通りじゃろう。ただのぅ、それでは詰めが甘い。何でそこで声を掛けてしまうんじゃか。まずは問答無用で気絶させることの方が先じゃろ。そんな真似をしているとじゃな、ほら。

 

『……大きな物を創るのは、まだ時間が掛かりますの。それに、動き回りながらの創造は意識が散漫してしまって……』

『はぁっ!? ちょ……っ!!』

 

 お、おぅ……。それはまた……大きな物を創りだしたの。よりによって大砲か。確か……爆発する弾を撃ち出すんじゃっけ? 時間が掛かるとか言いながら、ものの数秒でそんな物を創り上げてしまうのか。砲口の先は、至近距離にも関わらず手女じゃ。おいおい、それは大惨事になるのでは?

 同じ事を考えてしまったのか。手女は動揺の後に身構えた。が、その時。大砲の向きが変えられた。それを見た手女は、咄嗟に八百万を殴る。が、同時に何かが何処かへと撃ち出された。

 

 何を飛ばしたんじゃ八百万は。あ、殴られて気絶しおった。が、殴られた瞬間に体から鋼線(わいやあ)を出して、手女と自らの体を縛り上げたのぅ。武器術の方は、まだまだ改良の余地が有る。が、なるほど。棒捌きが甘かったのは、大砲を創る事に意識を向けていたからか。

 

 ふぁあ……っ。んん、眠い。八百万は気絶してしまった。とは言え、身を挺して手女の自由を奪った。この結果は、引き分けに等しいじゃろう。……で? 他の連中は?

 

「廻道!」

「廻道ちゃん!」

 

 ぬおっ!? ……驚いた。急に姿を現すんじゃもんなぁ。掘っ立て小屋に、常闇と葉隠がやって来た。二人共、何故か体から茸を生やしているわけじゃけど。

 って。後ろから何か飛んで来てないか? あれは……八百万が飛ばした弾か。おい待て、何で此処に向かって撃ち込んでるんじゃあやつ。要救助者を吹き飛ばすつもりか……!?

 

「ダークシャドウ!」

「アイヨ!」

 

 飛んで来た弾を、だあくしゃどうが受け止めた。爆発はしない。よく見てみれば、八百万が飛ばしたのは大きな袋じゃ。中には何が入っとるのやら。まぁ、気絶間際に飛ばしたものじゃ。何か役立つ道具でも入れてあるんじゃろう。

 さて。どうしようかの。さっきは要救助者として大人しくしていたから、今度は人質でも演じるか……?

 

「さぁ廻道ちゃんっ。もう大丈夫だよ! 常闇くん、お願いね!」 

「任された。廻道、行こう」

 

 常闇がだあくしゃどうに外套(まんと)を被せ、その上に立つ。儂は、だあくしゃどうに抱えられた。ううむ……。

 

「まずは救助の優先を。インビジブルガール、これを持っていけ」

「さんきゅーツクヨミ!」

 

 そう言って、茸を生やした常闇は儂を運び始める。ついでに葉隠に向かって、袋の中身を投げた。常闇は常闇で、変な保護具を顔に付けたの。

 と言うか、良いのか? お主ら二人が戦線から離れてしまった上に、八百万は気絶。あとの一人はどうなった? 一人置いてきたのか?

 

 ……まぁ。儂が気にすることではないか。儂は今回、ただ助けられたり人質になったりする役じゃからの。今は黙って運ばれるとしよう。

 

 いや、高いんじゃけど? おい、高いぞ常闇。もう少し低い位置を飛んだらどうなんじゃ。要救助者を怖がらせるような真似は、良くないと思うぞ。うむ、まっこと良くない。いや別に? 高いのが怖いとかそんなではないが。そんなではないぞ?? ただ少し、いやかなり、落ち着かんだけで……!

 

 ん……? 地面を見ると、八百万を引き摺りながら歩いている手女が居るの。

 

 ……。……、……良し。ならば……。

 

「人拐いめ……!」

「ハ? 円、花ァ!?」

 

 うむ、辛抱ならんっ。体を捻りつつ、だあくしゃどうの顔面をぶん殴ると儂を抱える腕が緩んだ。ので、その隙に腕を振り払う。着地の事は一切考えとらんが、まぁ最悪呪力を使ってしまえば良い。流石に何もしないで落ちたら、儂でも死ぬからの。

 

「は? ちょ……っ!!」

 

 お、手女が儂に気付いた。大砲付きの八百万を引き摺って歩いてる辺り、それだけで根性がある。んじゃけども、もう少し根性を出して貰おうかのぅ。更に向こうへ、ってやつじゃな。

 

「儂を助けろ、ひいろお!」

「言われ、なくてもぉ!!」

 

 ぐえっ。巨大化した手に掴まれたわ。もう少し優しく受け止めてくれんかのぅ。咄嗟に反転術式(はんてん)を回しそうになってしまった。が、ひとまず怪我はない。何だかんだでしっかり受け止めてくれたようじゃ。しかし、こうも大きな手に握られるのは……何か変な感じじゃな。小動物になった気分じゃ。

 

「滅茶苦茶するなぁ……。要救助者があんな真似する……?」

「するかも知れんぞ。儂ならする」

 

 と言うか、した。おい、何じゃその顔は。英雄(ひいろお)が要救助者の前でする表情では無いじゃろ。

 

「あの爆豪とどっこいって聞いてたけど、本当にそうなんだ」

「心外じゃ」

 

 何故舎弟と一緒くたにされなければならんのか。それは流石に遠慮したい。いやしかし、問題児なのは確かじゃ。そこは認める。改善する気は無いがな。英雄(ひいろお)科に居るのは表向きの話なんじゃから。

 

「っ、廻道!!」

 

 あっ。常闇が追い掛けてきた。物凄い形相をしておる。だあくしゃどうが膨れている気がするのは気のせいか? いや、気の所為ではないのぅ。そんなだあくしゃどうを身に纏って、これは……確か深淵闇躰じゃったな。

 ……いかんな。手女の所に飛び降りたのは過ちじゃったか。まさか追い掛けて来るとはのぅ。儂が戦って良いならそうするんじゃけど、要救助者や人質らしい振る舞いをしなければならんからの。となると……。仕方ないか。

 

深淵闇躰(ブラックアンク)……夜宴(サバド)!!」

「すまん手女」

「謝るところじゃ、ないでしょ!!」

 

 大砲付きの八百万が絡み付いたまま、手女は腕を振るう。が、流石に動きが鈍い。と言うか、ろくに動けておらん。儂を庇うように立っては居るが、長くは持たぬじゃろう。何と言うか、申し訳ない気分になってきた。この手合わせが終わったら謝ろう。

 

「ふっ!!」

「っっ!!」

 

 常闇の動きが早く、力強い。流石に片腕、更には重り。足手まといが居る状況ではどうすることも出来んか。自由に動ける者とそうでない者の差は如実に現れ、やがて……。

 

「っあ゛っっ!!」

 

 だあくしゃどうの爪が頭を殴り、手女は気絶させられた。あぁ、いかんのこれは。どうやら大人しく捕まるしかないようじゃが、その前に人質らしくと言うか、要救助者らしく振る舞うとしよう。

 常闇が迫ってくる中、思いっきり息を吸い込む。そして。

 

「助けてくれ!!!」

 

 と、叫んでみる。思ったより大きく、甲高い声が出た。うえっ、急に叫ぶものじゃないの。一瞬常闇が怯んだので、常闇に背を向けて駆けてみる。いやぁ、我ながら良い演技が出来た。気がする。お、八百万の創った棒が落ちてるの。拾っておこう。

 

「待て! 廻道!!」

「やじゃ!!」

 

 さて。どこまで逃げ切れるかのぅ。呪術も無し、個性も無し。頼りになるのは頑丈な棒切れだけ。どうにかして、逃げ回りたいものじゃが。

 

「くそっ、追え! ダークシャドウ!!」

「行ッテクンゼ!!」

 

 入り組んだ細い道を駆けてみるものの、やはり追い付かれるか。直ぐ真後ろに気配を感じる。じゃから振り返りつつ、棒を振るう。が、だあくしゃどうには通用しなかった。頭を殴ったのに、怯みもしない。あぁ、逃げ込む場所を間違えたな。ここは、影が多い。つまり、だあくしゃどうの独壇場なわけじゃ。しかしこうも入り組んだ挙げ句、建物同士を繋げる配管が剥き出しのこの運動場。屋上で戦わん限り、だあくしゃどうから逃れることは……。

 

 まぁ、出来るけども。別に呪術や個性を使わなくたって、時間稼ぎぐらいは出来るじゃろう。儂なら出来る。が、それでは要救助者でも人質でも無くなってしまうからのぅ。

 

 なんて、呑気に考えていると体が掴まれた。うむ、動けん。だあくしゃどうに、連れ戻されてしまう。これ、本気で抵抗しては駄目かのぅ? ううむ、しかしなぁ……。

 

「ヒヒッ、学ばねぇな……!」

 

 って、お? 何か真っ黒な奴が上から飛んできて、どういう訳か……だあくしゃどうの中に溶け込んだ。いや、入り込んだ? 何にせよ、変な個性じゃの。どういう個性じゃあれは。

 不思議に思った直後、だあくしゃどうが涙目になりながら回れ右。勢い良く常闇の下へと帰って行った。……もしや、だあくしゃどうを乗っ取ったのか? 個性を乗っ取る個性? そんな力まで有るのか……。まぁ個性は何でも有りな力じゃけども。

 

 ……もしかして、個性は術式と同じく解釈を広げられるのか? そんな気はしていたが、もしもそうであるならば、儂の個性も解釈を広げて……。

 

 

 ……いや、回転は回転じゃろ。どう解釈を広げろと??

 

「ゴンッガンッドガッ!! あーー、ズドンズドン!!」

「ぬおっ!?」

 

 何処からか変な声が聞こえた、その直後。何か大きな……壁? 壁がこれ……? が、高速で儂の前に滑り込んだ。お、おぅ……。何じゃこれ。何か分からんけど、何かこう……凄いな?

 

「フイィイン、ヒュォオオオ!!」

「おあっ!?」

 

 壁の次は、突風じゃ。何処かに向かって、体が飛ばされる。何じゃこれ、(まこと)に何じゃこれ……!? おいおい、何がどうなっ、ぐえっ!?

 

「っっ、っっっ!?」

「おわっとぉ!? あ、ごめん。もう少し優しい感じにすれば良かったね!?」

 

 何かに頭から激突してしまった。物凄く痛い。お陰で涙目じゃ。誰じゃ!? 儂をこんな目に遭わせた奴は……!! たんこぶが出来たじゃろ!!

 

 って、おぉ……? お、おぅ……。何じゃこやつ。吹き飛ばされた儂の前に立っているのは。どうなっとるんじゃ、その顔面。いや待て、そもそも顔面かこれは? いやしかし、とても顔とは思えん場所から声が聞こえたの。ということは、それが頭なのか? 顔面なのか? 何がどうなっとるんじゃ……っ!?

 

「ボクが安全な所まで連れてくね。向こうは心配しないで、絶対食い止めてくれるから!」

「……ぅ、うむ……。頼んだ……」

 

 お、落ち着け。この時代、人の見た目が人間離れしているのはよく有ることじゃ。常闇じゃって鳥頭じゃしの。くらすめえとにじゃって、人間とはかけ離れた見た目をした奴が居る。ならば、このような見た目をしている奴が居ても何も不思議ではない。

 

 と、とにかくじゃなっ。このまま、何か凄い頭をした奴に道案内して貰うとしよう。手を握って引っ張り出した件については、まぁ英雄(ひいろお)らしい行動じゃと思うから許してやるとする。被身子以外に手を掴まれるのは、何とも変な気分じゃ。全然落ち着かんし、何なら不快感が物凄い。しかし振り払うわけにも行かんから、ここは我慢しなければな。

 

「行かせるかーーっっ!!」

「ギャフンっ!?」

 

 儂の先を歩く、何か凄い頭の奴が急に吹き飛んだ。葉隠じゃの。やはり透明人間の奇襲は洒落にならん。相手の姿が何も見えん状態では、戦闘にもならんからの。儂みたいな対抗策が用意出来るならまだしも、誰しもが対策を取れるわけじゃないし……。

 

「たぁーーーっ!!」

「わっ、ちょっ……! 見えないのヤバ……!!」

 

 まぁ、そうじゃよな。奇襲が成功してしまった時点で、主導権は葉隠が握っておる。この不利を覆すのは簡単ではない。このままじゃと、葉隠が勝つの。透明な体を使った近接格闘。誰に習ったのかは知らんが、中々どうして様になっている。ような気がする。知らんけど。じゃってほら、まったく姿が見えないんじゃもん。

 しかし端から見てると、物凄い頭の奴が独りでに負傷してるようにしか見えん。轟や舎弟とは別の意味で、葉隠は厄介な奴じゃ。

 

 さて。儂はどうしたものかの? このまま黙って見ていても良いんじゃけど、それじゃと後で葉隠に捕まってしまう。せっかく逃げ出したんじゃから、それは避けたい。

 

 となると……。よし。逃げるか!

 

 

 で、この後。案の定、儂は迷子になった。二回戦目が終わった後で、獣の個性を持っていた奴が嗅覚で探し当ててくれたから迷子になっていた時間はそんなでも無かったんじゃけども。

 意外じゃったのは、お咎めが無かったことじゃな。てっきり、一人で出歩くなとか逃げるにしても方法を選べとか、あれやこれやと言われると思ったんじゃけども。

 

 ちなみに。二回戦目は、びぃ組が勝ったそうじゃ。途中、だあくしゃどうを乗っ取られた常闇はそのまま檻へ入れられて、青山はそもそも早い段階で捕まっていたそうじゃ。葉隠は、茸を生やされて位置を確認されてしまっての。八百万の残した道具で抗いはしたんじゃけども、結局二人掛かりには敵わなかったそうじゃ。で、八百万は気絶しっぱなしじゃったとか。

 つまり、常闇がだあくしゃどうを乗っ取られた時点で負けじゃったって事じゃ。もっと言うなら儂に逃げられた時点で負けじゃった。いやそもそも、儂を確保しようとしたことが……。

 

 ともかく、じゃ。次は、場所を変えての三回戦が行われる。全部で五回戦もあるわけじゃから、あと三回も救助者役なり人質役をしなければならんのか。ううむ……。もう、残りの訓練は寝ていたいのぅ。そしたら一時間以上は眠ってられるんじゃけど……。

 

 まぁ、そう上手くは行かんよなぁ。

 

 

 

 

 

 









前回の円花との手合わせの際、カットされてたA組の成長を描写出来ればなと。

三人称による補完は要りますか?

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  • 要らん
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